2021年4月2日金曜日

02- 菅政権の自壊は歴然 内閣不信任案は当たり前

 新型コロナ感染「第4波」に突入しつつあります。それなのに政府サイドから「もう打つ手がない」などという言葉か出るのは到底あり得ない話です。政府がこれまでやったことといえば国民への行動変容の要請、飲食業への時短要請、そして感染拡大が抑えられなくなると緊急事態宣言を出し、さらにそれを延長し、そして引っ込めて・・・ということだけで、今後はそれをずっと繰り返す積りなのでしょうか。客観的にそうとしか思えません。

 政府はそれ以外にはコロナ感染拡大を防止する施策は何もやってきませんでした。
 海外からの流入を防止する水際作戦にはことごとく失敗したし、この期に及んでもPCR検査数は外国に比べて格段に少ないという有様です。
 官房長官時代を含めればコロナ禍が起きてから既に1年あまりが経っているのに、いまだに満足なコロナ対策が出来ないという、無為・無策・無能の菅政権です。それでは国民の信任は得られません。
 野党から不信任案提出の声が上がったことに対して、二階幹事長は「不信任案なら解散だ」と述べたそうですが、このコロナ禍ではさすがに選挙は出来ません。
 あるべきは唯一つ、一刻も早く退場することです。
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菅官邸の自壊はもう歴然
コロナ無能 五輪〝狂行政権に内閣不信任案は当たり前
                       日刊ゲンダイ 2021年3月31日
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 どこまで本気なのか。自民党の二階幹事長が「不信任案なら解散だ」とブチあげ、「早期解散か」と政界がザワついている。
 立憲民主党の安住国対委員長が「4月でも5月でも不信任案の提出はあり得る」と予告したことに対して、29日、「野党が不信任を提出してきた場合、直ちに解散で立ち向かうべきだと菅首相に進言したい」と明言し、さらに「いつでもどうぞ」「解散覚悟のうえで意見を述べるべきだ」と、野党を挑発してみせた。
 不信任案をチラつかせる野党を「解散するぞ」と牽制したのだろうが、まさか、この状況で解散・総選挙を強行できると本気で思っているのか。現状を理解していないのではないか。
 すでに日本列島は、新型コロナ感染拡大の「第4波」に突入しつつある。
 東京都の30日の新規感染者は364人だった。これで11日間連続、前の週の同じ曜日の感染者数を上回ってしまった。感染拡大が止まらない大阪府は、とうとう「まん延防止等重点措置」(まん防)の適用を政府に申請する状況である。
 これまで感染者が少なかった東北や四国でも、感染が急速に広がっている。宮城県の村井知事は「仙台圏では病院のベッドはほとんど埋まり余裕がない」と悲鳴を上げ、愛媛県の中村知事も「この1、2週間がヤマだ」と警告を発している。
 恐らく、感染力の強い変異株が日本全国で広がっているのだろう。この勢いだと、5月には「第4波」が猛威をふるっていてもおかしくない。どう考えても、選挙などやれそうにない
常識で考えて、しばらく解散は打てませんよ。選挙の時に実務を担う地方自治体は、いまでもコロナ対策に追われ疲弊している。ワクチン接種もはじまる。そこに、投票所の設置や投開票の業務まで加わったら、パンクしてしまいますよ。それでも解散をしたければ、やればいい。でも、その時は、ただでさえコロナ対策が失敗つづきの菅政権は、有権者から鉄槌を下されますよ」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)

ただただ指をくわえていた1年間
 野党を脅す暇があったら、自民党政権はやるべきことをやったらどうだ。国民が納得するコロナ対策をやっていないのだから、野党が不信任案を提出するのは当然のことだ。
 国民が望むのは一刻も早いコロナ終息だが、菅政権は全くヤル気がない。26日に成立した2021年度予算を見れば一目瞭然である。
 一般会計総額は過去最大の106兆円だったが、コロナ関連は予備費として計上した5兆円だけ。防衛費5・3兆円を下回る。立憲民主党の枝野代表が「編成し直した方がいい」と問題視していたが、その通りだ。100兆円の予算を組んでいるのに、どうしてコロナ対策がたったの5兆円なのか
 PCR検査の拡大は遅々として進まず、病床拡充も実現できていない。菅首相が「希望の光」と位置づけるワクチンも、国民全体に行き渡る時期は全く見通せない。この1年間、ただただ指をくわえていただけではないか。
「緊急宣言」解除後に打ち出したコロナ対策の「5本の柱」も、「飲食店の営業時短」や「安全迅速なワクチン接種」など、目新しい対策はひとつもない。
 その揚げ句、「緊急宣言」の解除後、感染が再拡大するとアタフタと慌てふためき、大阪府が「まん防」の適用を申請すると、閣僚を集めてオロオロと会議しているのだから話にならない。いつも対策が後手に回って感染が広がり、そのたびに閣僚が集まって会議するの繰り返し。いったい、いつまで国民はこの光景を見させられ続けるのか。
 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)が言う。
「緊急宣言を解除すれば感染が拡大するのは分かっていたはずです。ところが、政府は『もう制限には耐えられない』という世間の空気に押され、何となく解除してしまった。もはや、どう対処したらいいのか分からなくなっているのではないか。恐らく、打つ手もなくなっているのでしょう」
 菅政権の自壊は、もう歴然である。

「国民不在」の政策推進
 しかも、菅政権は、コロナ対策という一番大事なことをやらず、やらなくていいことばかりに血道を上げているのだから、どうしようもない。
 その筆頭が東京五輪だ。世論調査では「中止」「延期」が過半数に達している。もはや、国民はこの夏の五輪開催を望んでいない。五輪を放送する米放送局「NBC」までが、「新型コロナウイルス禍の恐怖がある中、東京五輪の聖火リレーが始まるが、これは廃止されるべきだ」との寄稿文を掲載しているほどだ。
 その一方、菅は、保身のために米国へロコツにすり寄っているのだから度し難い。4月9日の日米首脳会談に向けて、「絆を確認したい」などと、もっともらしいことを口にしているが、ちゃんちゃらおかしい。
 日経新聞によると、会談の際に出す共同文書では「台湾海峡の安定が重要」との認識を明記する方針だという。中国を敵視するバイデン大統領と足並みを揃え、気に入られようという下心がミエミエである。台湾問題を共同文書に入れるのは、「バイデン大統領の就任後、初の対面での会談相手」という栄誉に浴する条件だとみられている。しかし、台湾問題を共同文書に入れたら、中国は黙っていないだろう。下手をすると、米中対立に自衛隊が駆り出される恐れがある。
 さらに、五輪狂騒の裏で問題の多い「デジタル庁新設」を着々と進めている。これが成立したら「個人情報が一元管理され、監視社会につながる」危険がある。
 菅は常々「国民の命と暮らしを守る」と言っているが、やっていることは真逆である。
「これまで、自民党は親米を貫くことで政権基盤を強固なものにしてきました。今回も『台湾海峡』明記で米国におもねり、バイデン政権をバックにつけることで、政権を維持したいと考えているのでしょう。五輪開催にこだわるのも、政権浮揚を狙っているから。つまり、コロナ対策より政権維持を優先しているわけです。全くの国民不在です」(五野井郁夫氏=前出)

すでに国民は「不信任」
 これでは、野党が「4月でも5月でも不信任案の提出はあり得る」と予告するのも当たり前である。国民の方は、とっくに「不信任」を突きつけている。
 選挙結果にも異変が起きている。3月21日に実施された千葉県知事選は衝撃だった。自民党候補は、野党候補に140万票VS38万票という4倍近い大差で惨敗してしまった。国会議員の一部が造反したとはいえ、説明のつかない票差である。1月に行われた山形県知事選も、野党候補が自民候補に圧勝した。
 さらに、28日に投開票された静岡市議選では、自民党は過半数を割っている。選挙の争点は、新型コロナの感染拡大を受けた経済対策だった。知名度がモノをいう首長選挙だけでなく、自民党は政令指定都市の市議選でも勝てなくなっているのだ。草の根の不信である。
「いかに自民党政権が無能無策なのか、有権者はハッキリと分かったのだと思います。この1年間、政府はまったく機能しなかった。マスクの着用にしろ、手洗いの励行にしろ、国民は自分の手で身を守っている状態です。政府は存在しないのも同然。まさに国民の“自助”です。国民のために働かないのだから、不信任を提出されるのは当然でしょう。しかも、菅首相は恐怖人事によって、官僚の劣化まで招いている。日本のシンクタンクと称された霞が関まで機能しなくなってしまった。菅政権では、国民が納得するコロナ対策は永遠に出てこない。一刻も早く退陣させるべきです」(金子勝氏=前出)
 解散するなら「いつでもどうぞ」だ。国民は審判を下す準備はできている。