2021年4月10日土曜日

変異株が猛威 事態は深刻 コロナ封じ込めへ 志位委員長が提起

 共産党の志位和夫委員長は8日、国会内で記者会見し、東京都への新型コロナ「まん延防止等重点措置」適用について「東京都での緊急事態宣言の解除後、わずか19日間で新しい規制措置を取らざるを得なくなったのは、政府がやるべきことをやってこなかった結果だ」と批判しました。本当に、政府がやるべきことをやってこなかった結果というしかなく、新型コロナ問題については、安倍政権時代も含めてこの1年以上の対応はその一言に尽きます。

 そして志位委員長は、こんな姿勢のままでは変異株が猛威をふるう下で深刻な事態に陥りかねないと警告し、「いま政府がやるべきこと」として、(1)大規模検査を実行(2)十分な補償(3)医療機関への減収補填と体制整備(4)五輪中止の決断 ―を提起し、政府にその責任を果たすことを強く求めました。
 政府はこの問題で何故「無為」で済まそうとしているのでしょうか、早急に実行して欲しいものです。
 変異株に関する情報記事を併せて紹介します。
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変異株が猛威 事態は深刻 コロナ封じ込めへ、政府は責任果たせ
志位委員長が提起
                        しんぶん赤旗 2021年4月9日
 日本共産党の志位和夫委員長は8日、国会内で記者会見し、東京都への新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」適用をめぐり、「東京都での緊急事態宣言の解除後、わずか19日間で新しい規制措置を取らざるを得なくなったのは、政府がやるべきことをやってこなかった結果だ」と批判し、こんな姿勢のままでは変異株が猛威をふるう下で深刻な事態に陥りかねないと警告しました。「いま政府がやるべきこと」として、
 (1)大規模検査を実行
 (2)十分な補償
 (3)医療機関への減収補填(ほてん)と体制整備
 (4)五輪中止の決断 
―を提起。政府にその責任を果たすことを強く求めました。
 提起の第一は、コロナ封じ込めのための大規模検査を本気で実行することです。志位氏は、感染源を探知するためのモニタリング検査について、「内閣官房によれば、直近1週間で検査キットを配布した合計数は全国で5452件、1日当たり779件だ。『1日1万件』との政府目標からみても2桁、わが党の提起(1日10万件)からは3桁足らない。これでは到底、変異株の流行スピードに追いつけない」と批判。変異株の検査についても「全数検査の体制を一刻も早くつくらなければならない」と強調しました。
 陽性になって生活や営業に支障が出る不安から検査をちゅうちょする実態があり、人員不足に陥る懸念から社会的検査に協力できない高齢者施設もあるとし、「生活保障、営業保障、人員保障を行い、安心して検査が受けられる環境をつくることも必要だ」と述べました。
 第二は、十分な補償です。志位氏は、営業時間短縮を要請されている飲食店への規模に応じた補償、持続化給付金の再支給、雇用調整助成金のコロナ特例の延長、生活困窮者への一律の給付金の支給などを求めました。
 第三は、医療機関への減収補填と体制整備です。志位氏は「経営的に医療機関が疲弊している状況を放置しては、危機に対応できない」と強調。すべての医療機関を対象に減収補填を行うとともに、「病床確保のために、財政的な手だて、病院間の連携の手だてなど、あらゆる手だてを国の責任で取ることが急務だ」と述べました。
 第四は、東京五輪・パラリンピック中止の決断です。志位氏は「聖火リレーすらできなくなっている。この期に及んで、思考停止で開催に暴走するのは許されない。直ちに中止を決断し、すべての力をコロナ収束に集中させるべきだ」と強調しました。

国民の命をギャンブルにさらすな――五輪中止の決断を
 志位氏は、五輪の開催を中止すべき理由について問われ、1月の衆院代表質問で (1)ワクチン接種が間に合わない (2)フェアな大会になる保障がない (3)多数の医療従事者を五輪に集めるのは現実性がない ―と指摘したと述べ、それぞれの問題点がいよいよ深刻になっていると強調。「現状では日本の感染が深刻な上に、世界を見てもインド、ブラジルなどで非常に深刻な感染状況だ。変異株も世界各地で生まれている」として、「五輪を開催して、結果として安全・安心な大会になればいいが、そんなことはだれも保障ができない」と指摘。「最悪の場合は国内外での感染爆発の契機になり得る。まさに悪夢です」と主張しました。
 志位氏は「五輪はアスリートとチーム関係者だけで1万数千人も集まる。そうした規模での大会は(コロナ・パンデミックの中で)世界のどこでもやられていない。まさにギャンブルになる。国民の命をギャンブルにさらすようなことはやめるべきだ」と主張。「開催国である日本の政府が自らの責任で中止を決断し、各方面と調整して直ちに対応すべきだ。もうタイムリミットだ」と強調しました。
 また志位氏は、大手メディアから反対の声が起こっていないことを問われて、「メディアも、思考停止でなく、少なくとも(中止か、開催か)両論併記で開催の是非について真剣に伝えるべきだ」と語りました。

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変異株感染 ペース倍化 38都道府県に拡大 厚労省発表
                         しんぶん赤旗 2021年4月9日
 厚生労働者は7日、自治体が行っている変異株PCR検査(スクリーニング)による陽性者数が、累計で2039例になったと発表しました。増加数は839人(先週比)で、408人増えた前週よりも倍以上のペースで感染が拡大しています。
 変異株PCR検査で陽性となったものは、さらに国立感染症研究所などでゲノム(遺伝子)解析にかけられます。そこで確定した国内事例は886例(先週比208増)に。検疫で見つかった152例を合わせると合計1038例となりました。また、新たに秋田県、島根県、山口県、長崎県でも確認され、変異株が見つかった地域は38都道府県に広がっています。
 3月22~28日までの変異株PCR検査の実施状況(速報値)は、全国の衛生研究所で行っているものが2885件、民間検査機関分は936件でした。同期間の新型コロナウイルス新規感染者数1万1954件に対する変異株の検査率は、行政検査が2413%、民間検査機関分を合わせると3196%となりました。
 検査率(行政分)の低さが指摘されている東京都は、744%と前回の数値419%から微増。民間検査機関分を合わせると約23%で検査率2割を超えましたが、政府目標の4割にはいまだ大きく離れています。変異株陽性者数が180例と最も多い大阪府は、行政分の検査率は1372%となっています。

英国型 重症化率高く 感染力1・3倍 18歳未満比率増加
感染研解析
 国立感染症研究所は7日、感染拡大が続く新型コロナウイルスの変異ウイルスについて、英国型では感染者―人が平均してうつす人数を表す「実効再生産数」が従来型より平均で132倍高いとの解析結果を公表しました。従来型と比べ感染者のうち18歳未満が占める割合が高いといいます。感染研は「英国型は感染力が強く、従来の対策だけでは十分な制御が困難な可能性がある」と指摘しました。
 感染研によると、今月5日までに英国型の感染者は803人報告されました。2月~3月下旬の実効再生産数は、従来型O94に対し、英国型はI23。平均では英国型が132倍高くなりました。海外では43~90%高いとの報告があるといいます。
 ただ、今年初頭の段階では陽性者の全遺伝情報(ゲノム)解析が進んでいませんでした。このため、従来型に分類された中にも変爽ウイルスが一定数含まれる可能性があり、実効再生産数の高さは過小評価されている恐れがあります。
 英国型と従来型の感染者の年齢構成は、5歳以下がそれぞれ4%と2.1%、6~17歳は10%と5%。英国の報告でも20歳未満の感染リスクは従来型より高いことが示唆されていますが、感染研は「時期によって傾向に差が見られ、さらなる研究が必要」としました。

大阪府調査
 大阪府は7日、英国で流行する変異した新型コロナウイルス感染者の重症化率は従来型よりIポイント高い4%で、重症化までの日数も1日半程度短いとする調査結果を公表しました。
 府内で1月下旬以降、変異ウイルスに感染した897人の症状を分析したところ、60代以上の症化率は22%で、府内で起きた「第3波」(昨年10月上旬~今年2月)と比較して約14ポイント高くなりました。
 40、50代の重症化率も高く、重症者に占める50代以下の割合は23%と、第3波を約6ポイント上回っていました。
 発症から重症化までの日数は65日で、第3波より1日半程度短い結果でした。府担当者は「限られた人数で確定的なことは言えないが、若年層でも重症化しやすい傾向がある」と話しました。