萩生田文科相は国会の答弁で、コロナの変異株が子どもに感染が広がりやすいといわれていることについて、「国内の知見も、変異株が流行した英国などの知見でもそういうことは確認されていません」「子どもだからといって変異株がかかりやすいんだと今報道されていることは明らかに間違い」と述べました。しかしそれは不正確な表現で、学童を守るべき文科相としての自覚に欠けるものとして大ひんしゅくを買っています。
日刊ゲンダイが取り上げました。
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萩生田デマまがい答弁が炎上 変異株軽視に子育て世代激怒
日刊ゲンダイ 2021/04/08
7日、多くの公立小中学校で始業式が行われ、新学期がスタートした。しかし、子どもの感染が目立つ変異株がみるみる広がっている。インフルエンザのように、子どもから家族にうつる事態も懸念されている。このままでは再び、“一斉休校”となりかねない。
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ワクチン接種の対象外の子どもを変異株から守るのは大人の責任だ。そんな中、萩生田文科相の無責任答弁が大ひんしゅくを買っている。5日の参院決算委でこう答えた。
「ワイドショーなどで、子どもに感染が広がりやすいとおっしゃる番組や先生がいる。でも国内の知見も、変異株が流行した英国などの知見でもそういうことは確認されていません」「子どもだからといって変異株がかかりやすいんだと今報道されていることは明らかに間違い」
しかし、従来型と比べて、子どもが変異株に感染しているのは数字上、明らかだ。厚労省の発表によると累計の感染者数のうち、10代未満は2・9%、10代は6・6%と少ない(3月31日時点)。ところが、変異株の感染者に限ると、10代未満が12・4%、10代が10・8%に膨れ上がる(30日時点)。
海外では変異株の子どもへの感染に警戒を強めている。ユネスコ(国連教育科学文化機関)によると、6日時点で全国規模で休校しているのは29カ国に上る。3度目のロックダウン中のフランスでは、5日から3~4週間の休校やオンライン授業に切り替えた。
休校やオンライン授業の検討を
ネット上では〈文科相がデマとか狂ってる〉〈科学的証拠とは真逆〉〈危機管理能力の無さに呆れる〉〈子どもの事を大事に考えられる人に交代してください〉〈いい加減現実を見て1秒でも早く強い対策を〉と、萩生田発言が大炎上している。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「萩生田大臣は変異株はどの年代でも感染しやすく、特別、子どもに感染しやすいわけではないと言いたかったのでしょうが、それはウイルス目線です。子どもの目線で見れば、従来はかからなかったのに、変異株になってコロナにかかるようになった。海外で休校が相次いでいることでも分かります。子どもを持つ親御さんが心配するのは当然です」
変異株は国内でも急速に広がっている。日本でも休校やオンライン授業を真剣に検討する時期かもしれない。NHKによると、20の政令指定都市と東京23区のうち、「オンライン授業を行っている」は9自治体、「一部の学校や学年で行っている」は14自治体にとどまる。その一方、感染への不安から「自主休校」する小中学生は7000人を超えている。
萩生田氏は子ども目線で仕事すべきだ。