4月25日に行われる3つの国政選挙、衆院北海道2区と参院長野の補選、参院広島の再選挙では自民惨敗のムードが漂っているということです。
これまでは広島は自民が勝つとして、自民は1勝(広島)・1敗(長野)・1不戦敗中(北海道)と見ていたのですが、社会調査研究センターが10日に行った電話世論調査で、広島では野党推薦の新人がリードしていることが分かりました。
国政選挙で「3敗」となれば一気に菅降ろしが始まりかねませんが、官邸は「広島で負けたら、岸田前政調会長の責任にするつもり」ということで、岸田氏が総裁選に立てなくなれば菅首相はニンマリだということです。
分かるような分からないような話ですが、野党推薦の新人に当選して欲しいものです。
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広島再選挙は野党系リード 菅官邸「負けたら岸田のせい」
日刊ゲンダイ 2021/04/14
今後の政局を占う試金石となるのが4月25日に行われる3つの国政選挙。衆院北海道2区と参院長野の補選、参院広島の再選挙だが、自民惨敗のムードが漂っている。
中でも自民関係者を慌てさせているのが、大規模買収事件で有罪が確定した河井案里元議員の当選無効に伴う参院広島選挙区の再選挙の情勢だ。
毎日新聞デジタル版によると、社会調査研究センターが10日に広島県内の有権者を対象に行った電話世論調査で野党推薦の新人がリード。自民党が擁立した元経産官僚が追う展開になっているという。19年の参院選で河井案里に投票したと答えた保守層の2割近くが野党系に流れている。
「保守王国の広島でこの結果は衝撃的です。回答者の3割が態度未定なので、投票日までに情勢が変わる可能性もありますが、野党は候補者がなかなか決まらず大きく出遅れていた。それが、8日の告示後あっという間に追い抜かれていたわけで、自民党広島県連の焦りは相当なものがあります」(地元テレビ記者)
総裁選のライバル潰しに利用
25日の補選・再選挙で唯一、自民の勝ちが見込めるのが広島だった。3つの選挙は「1勝1敗1不戦敗」が既定路線だったが、広島まで敗れれば「3敗」となり、秋までの総選挙を控えた自民議員は真っ青になっている。「菅の顔では戦えない」と、一気に菅降ろしが始まりかねない。もっとも、そこは菅官邸も対応策を講じているという。
「広島で負けたら、岸田前政調会長の責任にするつもりです。もともと広島は宏池会(岸田派)の牙城で、再選挙も岸田派の議員や秘書が総出で張り付いている。ここを落とせば、県連会長として陣頭指揮を執る岸田さんは、秋の総裁選どころか派閥領袖の立場も危うくなる。岸田さんが潰れてくれれば、総裁選のライバルが消えて菅総理はニンマリでしょう。総理も幹事長も、河井事件の責任を名目に広島の選挙にはタッチしない方針です。勝てば自分の手柄になるし、負けてもライバル潰しに利用するしたたかさです」(自民党関係者)
菅は10日の土曜日、公邸に山口泰明選対委員長を呼んで、30分間にわたり会談。参院長野と参院広島の選挙情勢について報告を受けたという。会談後、山口はわざわざ記者団に対し、菅が両選挙区に応援に入る予定はないと話していた。
河井案里の選挙は熱心に応援していたのに、ずいぶんな待遇差だ。国政選挙より総裁選。党内政局が優先ということか。