13日の大阪府の新規感染者数は1099人とついに千人を大幅に超えました。実運用病床の使用率は92・7%です。それも必要な手術を延期したり入院を延期したりした挙句の数字がこれで、事実上医療崩壊が始まっています。
北村義浩・日本医科大特任教授は、吉村知事の対応について「甘く見ているというか、5週間も6週間ものほほんとしていたとしか見えない」と酷評しています。
「やってる感」の権化とか「自己正当化モンスター」と呼ばれている吉村・大阪府知事は、相変わらずTV行脚に精を出し、ああ考えた、こう思ったと自己弁護に余念がありませんが、政治は全て結果で判断されるものです。
大阪府の現状は陽性率を除くすべてで最悪の「ステージ4」で、緊急事態宣言を発すべき事態なのですが、吉村知事は「19日の週の様子を見てから」と1週間以上も引き延ばす考えのようです。
先に「吉村知事のTV行脚 自己正当化モンスターぶりが酷い(4月10日)」との記事を出したLITERAは、今度は「吉村知事への批判がいよいよテレビでも … 」とする記事を出しました。一向に何のコロナ対策もしない菅政権に半分以上の責任があるのですが・・・
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吉村知事への批判がいよいよテレビでも…北村教授は「4週間ものほほんと」、日本城タクシー社長と小木博明は「最初にやりたいだけ」
LITERA 2021.04.12
ついに大阪で医療崩壊がはじまった。本日12日、府内の重症者が過去最多の218人となり、すぐに使える「実運用病床」の使用率は92.7%に。さらに府は急ぎではない手術や入院の一時延期を要請。また、府内の2つの医療機関では交通事故や急病といった重篤な一般患者を受け入れる3次救急を一時停止しており、重症者用の病床を10床確保している大阪大学医学部附属病院でも「断ったりとかせざるを得ないような感じ」になっているという。
無論、このように再び医療崩壊に突入した責任は、すべて吉村洋文知事にある。既報でも指摘したように、吉村知事は緊急事態宣言を前倒し解除しただけでなく、宣言解除にともなって最大236床だった重症病床の確保数を150床まで減らす検討を医療機関に対して指示。たとえば、第3波で12床まで増やしていた近畿大学病院の東田有智院長によると、「3月の初旬に(大阪府から)『元の10床に戻してください』という要請があった」と言い、「『これで戻したら次増やせませんよ』という話はさせていただきました。案の定(重症患者が)増えてきたわけですね」と証言している(4月8日放送『よんチャンTV』MBSテレビ)。
だが、こうした危機的状況のなかで、「やってる感」の権化となっている吉村知事はまたもテレビ番組に出演し、素知らぬ顔で前言を翻し、「(まん延防止等重点措置の)効果が不十分であれば緊急事態宣言の要請を考えたい」「休業をベースにした緊急事態宣言をやっていかないと拡大は抑えられない」(10日放送『サタデーステーション』テレビ朝日)と言い出したのだ。
言っておくが、医療関係者からはこの間、「緊急事態宣言を要請すべき」という声があがってきたが、対して吉村知事は、時短要請をおこなっていることなどから「ほぼ緊急事態宣言と同じ内容」「同じ内容で、名前だけ変えるのはあまり意味がない」と発言(7日放送『報道ランナー』関西テレビ)。「結局は一人ひとりの接触の抑制なんです」と語っていたのだ。
さらに、6日にスタジオ出演した『キャスト』(朝日放送)では、「どうしても会食したい人はマスク会食を」とし、口元のイラストと「元気があればなんでもできる 知らんけど」という吹き出しが描かれた小さな扇子状の「食べれマスク」を自らかざし、実演してみせていた。
ところが、今度は舌の根も乾かぬうちに「休業をベースにした緊急事態宣言をやっていかないと感染は抑えられない」と言い出す──。まん延防止等重点措置を要請したときもそうだったが、ようするに、どこもまだ宣言の要請をおこなっていないなかで一番乗りすれば「やってる感」を演出できると踏んでいるのだろう。
しかも、医療崩壊が起こってから宣言の要請を言い出すこと自体があまりにも遅すぎる判断だというのに、吉村知事はいまだに「19日の週に感染者が減少するか。あるいは拡大していてもある程度その山が抑えられているか、それをきっちり見極めたい」などとし、来週まで様子を見るというのだ(前出・『サタデーステーション』)。
北村義浩・日医大学教授は「吉村知事は失敗した」「甘く見ている」「のほほんとしていた」と批判
だが、大阪の状況はそんな悠長なことを言っているような場合ではない。政府の分科会が新たに示した指標に照らし合わせても、大阪府は陽性率を除くすべてで最悪のステージ4の状況(11日時点)にあり、緊急事態宣言の要請をすぐにおこなうべき状況にあるからだ。
また、りんくう総合医療センターの倭正也・感染症センター長も、「まん延防止等重点措置の効果を待ってからでは手遅れになる可能性が高い。緊急事態宣言の発出の要請を視野に入れてほしい」(NHKニュース4月7日付)と述べている。効果を見て判断しているような余裕などないのだ。
今回、吉村知事が「緊急事態宣言の要請」を口にしたことから、一見するとあたかも他に先駆けて対策を打とうとしているように見えるが、実態は危機的状況をただ黙ってみているだけでしかないのである。
一体このペテン師は何度同じことを繰り返す気なのか──。しかし、こうした吉村知事の騙しの手口に対しては、怒りの声も大きくなってきている。
実際、本サイトでは先週、吉村知事が『めざまし8』(フジテレビ)で、最大受け入れ可能数が30床であるはずの大阪コロナ重症センターが13床しか稼働していない問題について、「もともと3月末で閉鎖するという予定だった」「『閉めるな』という指示を出して動かしている。だからいま13床あるというのも、もともとゼロになる予定だったのを13ですから」などと強弁したことを紹介し、大阪府の「大阪コロナ重症センター」設置計画では設置期限が「2年」とされていたことを指摘したが、この記事には大きな反響が寄せられた。
いや、これはネット上だけの話ではない。これまでさんざん吉村知事を「リーダーシップがある」などと無批判に持ち上げてきたテレビでも、徐々に批判の声が上がるようになってきたからだ。
たとえば、吉村知事への批判といえば、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)の玉川徹氏だけが気を吐いてきたが、本日放送の同番組では、ワイドショーに引っ張りだことなっている北村義浩・日本医科大学特任教授が「後手後手に回っているというよりもですね、甘く見ているというか」と吉村知事の対応を指摘。「5週間も6週間ものほほんとしていたとしか見えないんですよね。僕は申し訳ないのですが、吉村知事は失敗したと思っています」とはっきりと批判をおこなった。
おぎやはぎ・小木博明も吉村知事を「ナルシスト」「一番最初にやりたがる人」と皮肉
また、在阪メディアのMBS『よんチャンTV』では今月2日、緊急事態宣言の解除を前倒しした吉村知事の対応をあらためて振り返った上で、これまでも吉村知事の対策に苦言を呈し、2月23日放送『報道1930』(BS-TBS)では橋下徹氏を相手に一刀両断したことでも大きな評判を呼んだ日本城タクシーの坂本篤紀社長のコメントを紹介。坂本社長は吉村知事の宣言前倒し要請について、こう語った。
「全国で最初にやりたかっただけちゃうかな。今回のまん延防止等重点措置もそうちゃう。全国で最初にやりたいだけで、根拠が何にもない。最初の頃は国が数字を示さないから大阪モデルなんだと言っていたが、いつの間にか言わなくなった」
じつはこの「最初にやりたがっただけでは」という本質を突く指摘は、他の番組でもおこなわれている。3月31日放送の『バイキングMORE』(フジテレビ)では、おぎやはぎの小木博明が「僕、大阪知事の吉村さん、好きなんですよ。はっきり物を言うし、何かこう信頼できるような感じで」と前置きしながらも、「でも何かすごいナルシストじゃないですか、あの顔としゃべり方でね」と言うと、皮肉っぽくこんな話をはじめた。
「緊急事態宣言の解除も、誰もやってないからリードして先にやりたいんですよ。まん防もホントはやりたかったんですけど、宮城もそうですけど、周りがまん防まだやるって感じになってないから、まだ待てると。他がもうちょっと、まん防のこと話し合ってれば、先にオレがやんなきゃいけないってことで、もっとすぐにやってたと思うんですよ、ナルシストですから」
「あの人は一番最初にやりたがる人だから」
これまで数々の失敗と嘘を重ねてきたというのに、吉村知事の言動やコロナ対策はほとんど検証されてこなかった。しかし、そんななかでテレビでもあがりはじめた批判の声。もちろん、まだほんのわずかに過ぎないが、それでも「一番最初にやりたがるだけ」という吉村知事の本性を言い当てる指摘が電波に乗るようになったことは重要だ。
昨日投開票がおこなわれた兵庫県宝塚市長選では、吉村知事がこの状況下にSNSで支持を訴えてきた維新の公認候補者が接戦の末に破れた。これも維新と吉村知事の素性を見破る動きの表れなのか──。ともかく、テレビこそがしっかりと検証と批判をおこなわないかぎり、吉村知事の暴走と増長は止められないだろう。 (編集部)