去年の4月7日は新型コロナで最初の緊急事態宣言が出された日でした。それから丸1年が経ちましたが、新型コロナの感染は収まらず 一層深刻の度を加えました。大阪府などの感染者数はこれまでとは比べものになりません。大阪府は7日の新規感染者が878人/日(第3波のピークは654人/日)に達しました。因みに東京は555人/日(同2520人/日)でした。
7日のしんぶん赤旗は「きょうの潮流」の欄で次のように述べています。
「(前略) ▼あれから1年。新型コロナの感染は収まらず4度目の波が差し迫っています。大阪や兵庫、宮城の都市では緊急事態に準ずる措置がとられ、変異ウイルスのひろがりも深刻です。とくに行政の長の対応に批判が出ている大阪は過去最多に ▼原因を飲食店におしつけ、やることといえば見回りやマスク会食の呼びかけ。これで感染が抑えられるのか、懸念は増すばかりです。迫りくる波を認めない菅首相や政府の危機感の低さも国民の不安に拍車をかけています ▼本気の補償と検査拡大を。共産党の倉林明子議員が国会で思いきった対策を求めました。専門家も感染源をつかむには1日30万件の検査が必要だと。高齢者へのワクチン接種もすぐに予約が締め切られる始末です。無為の政治は日々、命を削り取っていきます」
さきに「1年経ってコロナのことが大体分かってきた」と豪語した菅首相は、この期に及んでもまだ「Go Toはコロナ拡大の原因ではない」と口にしているとかいないとか・・・話になりません。
萩生田文科相も「子どもが変異株に感染しやすいという知見はない」とWHOの片言をおうむ返しにしたようですが、LITERAが懇切丁寧に批判した通りそれはどうしようもないピンボケの発言です。なぜ自分に課せられた責務が分かっていないのか、彼を含めて政権の責任感・緊迫感の無さにはほとほと呆れます。
菅首相は1都3県の緊急事態宣言を解除した3月18日の記者会見で、感染再拡大を防ぐための「5本の柱からなる総合的な対策」を発表しました。その一つがいわゆる「戦略的なモニタリング検査の実施」で、政府は1日1万件を目標と述べましたが、共産党の倉林明子参院議員によると、3月29日~4月1日までの直近1週間におこなわれたモニタリング検査の数は、なんとわずか1日あたり748件で目標の10分の1にも満たないものでした。共産党は3月19日の時点で、1日1万件という目標自体が不十分で少なくとも1日10万件にすべきだと訴えています、倉林議員が「1万件はいつまでに達成するのか」と追及すると、西村・再生担当相は「4月中には1日5000件、ゴールデンウイーク明けには1日1万件をめざして拡大していく」と答えました。1か月後のゴールデンウイーク明けにどんな惨状を呈しているのか分かっているのでしょうか。
イギリスでは、9日からイングランドの全住民がコロナの迅速検査を週2回、無料で受けられるようになるということです。この「彼我の差」は一体何なのでしょうか。
日本政府については「無為無策」が言い古されています。いまや「無知蒙昧」の方が適切かもしれません。そんな政権に率いられて日本は第4波のピークに向かおうとしています。
LITERAの記事を紹介します。
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萩生田文科相が「子どもが変異株に感染しやすいという知見ない」とデマまがい発言 変異株に無策、モニタリング検査も1日748件
LITERA 2021.04.06
本日6日、大阪府の新型コロナ新規感染者数が719人となり、過去最多を更新した。また、隣県の兵庫県でも276人となり、緊急事態宣言解除後では最多となった。大阪では5日時点ですでに病床運用率が重症患者用で84.1%となっており、もはや実態は「まん延防止」などと言っているような状況ではなく緊急事態となっている。
そして、こうした関西圏の感染拡大の要因と見られているのが、変異株の存在だ。大阪や兵庫では半分以上が変異株の感染者となっており、とくに感染力が従来のウイルスよりも最大70%程度も高く、1.7倍の感染力があると言われている英国型の変異株が猛威を振るっている。
だが、その目の前の脅威に対し、菅政権は何ら手を打とうともしない。変異株の確認も40%を目指すというが、40%という数字には科学的根拠は何もなく、たんに100%おこなえる体制が整っていないだけ。その上、いまだに実施状況は40%には到達していない。
さらに、そんななかで驚くような発言が閣僚からも飛び出した。昨日5日におこなわれた参院決算委員会で、萩生田光一文科相がこう述べたのだ。
「ワイドショーなどでですね、『子どもに感染が広がりやすい』とおっしゃる番組や先生方がいらっしゃるんですけど、国内の知見も、あるいは先に変異株が流行った英国などの知見でも、そういうことは確認されていません」
「子どもだから変異株にかかりやすいんだと、いま報道されているものは、これは明らかに間違い」
“子どもが変異株に感染しやすいという報道は、明らかに間違いだ”。萩生田文科相はそう明言し、「3密の回避やマスク着用、手洗いといった基本的な対策の徹底」を呼びかけたのだ。
しかし、これはたんなる詭弁だ。問題なのは「子どもだから変異株にかかりやすい」ということではなく、「これまでと違って変異株は子どもにも広がる」ということだからだ。
実際、WHOは「子どもが変異ウイルスに感染しやすいとは言えない」としているが、同時に英国型の変異株について「子どもを含むすべての年代で感染しやすい」と説明。さらに、変異株がイギリスで広がった原因について、「変異ウイルスの感染が広がった時期には、イギリスでは学校の休校措置が取られておらず、子どもたちの間で感染が広がったと見られる」としている(NHK「変異ウイルス Q&A」より)。つまり、休校措置などの対策を取らなければ感染は拡大する、ということだ。
現に、英国型の変異株が拡大しているイタリアでも、保健相が〈感染は特に「幼い子供たちの間」で急速に広がっている〉とし、感染拡大地域では小学校と託児施設を閉鎖したという(Forbes JAPAN3月9日付)。同様に、3度目のロックダウンに踏み切ったばかりのフランスも3週間にわたって全土の小・中・高校を閉鎖しリモート授業に切り替えた。
そして、日本国内でもすでに変異株が子どもに広がっている可能性は高い。これまで感染者に占める10歳未満の割合は3%、10代も7%ほどだったが、厚労省が発表した3月30日時点の資料を見ると、10代未満の変異株確認割合は12.5%、10代も10.8%と高まっている。しかも、もっとも変異株確認数が多い年代は40代(15.6%)だが、2番目に多いのが10代未満となっているのだ。
変異株のスクリーニング検査もモニタリング検査も一向に進まず 菅政権の無策ぶりがひどい
これまでとは違う変化が出てきているというのに一向に変異株のゲノム解析は進まず、感染力が高い変異株に合わせて対策を取るべきときに、文部大臣は「『子どもだから変異株にかかりやすい』という報道は間違い」などと言って何の対策も取ろうとしない……。これは結局、他国のようにリモート授業が受けられる環境の整備が進んでいない上、休校措置を取った場合の保護者への休業手当を支給したくないために、対策を取ろうとしていないのではないのか。
しかし、菅政権がいかにコロナ対策を怠っているのかを物語るのは、萩生田文科相の答弁だけではない。さらに驚きの答弁がこの日の参院決算委員会では飛び出したのだ。
菅義偉首相は緊急事態宣言を解除した3月18日におこなった記者会見で、感染再拡大を防ぐための「5本の柱からなる総合的な対策」を発表、そのひとつが「感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査の実施」で、政府は1日1万件を目標としていた。
だが、質疑に立った日本共産党の倉林明子参院議員によると、直近の1週間におこなわれたモニタリング検査の数は、なんとわずか1日あたり748件。1日1万件という数字自体、数がまったく足りないという指摘もあるというのに、1日1万件など夢のまた夢のような数にとどまっているというのだ。
しかも、「1万件はいつまでに達成するのか」と倉林議員が追及すると、西村康稔・経済再生担当相はこう答弁したのである。
「4月中には1日5000件、ゴールデンウイーク明けには1日1万件をめざして拡大していくこととする」
そもそも緊急事態宣言の解除からあっという間に再拡大し、菅首相が掲げた「5本の柱」に何の意味もなかったことが露呈しているが、その再拡大防止策も、目標数に到達するのはGW明けって……。1カ月後、感染者数はいまより増加していることは明らかだが、そんなタイミングに1日1万件では到底足りないだろう。
ワクチン接種が進むイギリスでは、9日からイングランドの全住民がコロナの迅速検査を週2回、無料で受けられるようになるという。かたや、この国は100人あたりのワクチン接種回数がG7のなかで断トツの最下位となっているというのに、検査体制もこのザマ。安倍政権からつづく「後手後手」批判をまったく払拭できていない、いや、払拭しようともしないのだ。
これまでも効果的な感染防止対策を何ひとつ打ち出してこなかった菅政権だが、この調子で変異株の脅威に対抗できるはずがない。そしてそのしわ寄せを、国民は食らいつづけている。いかにわたしたちが菅政権から酷い仕打ちを受けているのか、きちんと自覚しなくてはならないだろう。 (編集部)