2021年4月26日月曜日

大阪3度目の緊急事態宣言 共産党府委員会がアピール

 大阪府における新型コロナの蔓延は深刻な「医療崩壊」に至っています。

 25日の緊急事態宣言発令を受けて、日本共産党大阪府委員会は24日、アピールを発表しました。
 アピールでは、3度目の宣言は「人災」であり菅政権と大阪の吉村府政の責任は極めて重いと指摘し、医療崩壊で「助かる命が助からない現状を一刻も早く変える」ために、医療スタッフの派遣、病床拡大、医療機関への支援強化などを求めています。
 しんぶん赤旗の記事を紹介します。
 併せて日本共産党大阪府委員会のHPに掲載されたアピール文全文を紹介します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
大阪3度目の緊急事態宣言 党府委がアピール
府民の命を救うため連帯して危機打開を 検証と対策の抜本的転換こそ
                       しんぶん赤旗 2021年4月25日
 3度目の緊急事態宣言発令を受けて、日本共産党大阪府委員会は24日、アピールを発表し党派や立場の違いを超えて知恵を結集し連帯し危機打開にあたることを呼びかけました。
 アピールでは、3度目の宣言は「人災」であり菅政権と大阪の吉村府政の責任は極めて重いと指摘。大阪では医療崩壊が現実のものとなっており、「助かる命が助からない現状を一刻も早く変える」ために、医療スタッフの派遣、病床拡大、医療機関への支援強化などを求めています。
 感染爆発を招いた要因の徹底的な検証とコロナ対策の抜本的な転換が必要だと力説。共産党大阪府委員会は、検査を抜本拡充し感染を「抑え込む」戦略が必要だと府に緊急申し入れをしたが、この戦略を府がとってこなかったことが厳しく問われると指摘。高齢者施設等における無症状者に対する定期的なPCR検査が始まりましたが、検査の対象を絞ったため、効果が最大限発揮されず、その後も高齢者施設等や医療機関でクラスター発生が全体の6割を占めています。医療機関、訪問介護や通所施設、ショートステイなどをすぐに対象にし、学校・保育所・幼稚園・放課後児童クラブ教職員にも拡大し、無症状者でも受けられる検査センターを全府域に多数設置すべきだと主張しています。
 補償が十分でないままの休業・自粛要請では効果は発揮されないとして、すべての損失を国と府の責任で全面的に補償することを改めて求めています
 「今度こそコロナ対策の抜本的転換が必要だ」として、検査と医療を強化し、コロナを封じ込めるために、党大阪府委員会が呼びかけている緊急署名を大きく広げようと訴えています。
           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 (日本共産党大阪府委員会HP掲示板より)
3度目の緊急事態宣言発令を受けてのアピール
                    2021年4月24日 日本共産党大阪府委員会
 政府は4月25日から5月11日までの間、3度目の緊急事態宣言を発出することを決めました。暮らしと経済に甚大な影響が避けられない3度目の宣言はまさに「人災」であり、菅政権と吉村府政の責任は極めて重いと言わなければなりません。

一.府民の命を救う政治の責任果たせ
 大阪では重症患者が重症病床を大きく上回ったため、適切な治療が受けられずにいる感染者が多数でています。自宅療養者と入院調整を合わせると1万2000人(4月22日現在)であり、入院率は全国最低の11%です。救急搬送を要請しても受け入れ先がなく1日以上待たされた人も出ています。入院治療が必要な人が自宅で意識を失う寸前となったり、自宅療養のまま亡くなる方も複数確認されています。大阪は医療崩壊が現実のものとなっています。
 助かる命が助からない現状を一刻も早く変えないといけません。医療資源が圧倒的に不足するなか、府民の命を守るため、DMAT(災害派遣医療チーム)等、医師や看護師などの医療スタッフ派遣を国や都道府県に要請すること、軽症中等症病床を数千床規模で拡大すること、自宅療養者への24時間往診体制を医師会にも呼びかけ構築すること、入院調整中の患者にも生活必需品や配食サービスを実施すること、減収補填をはじめとした医療機関への支援強化を迅速に実行することなどを緊急に求めます。
 大阪の医療崩壊が進行するもと、日本共産党は党派や立場の違いを超えて知恵を結集し、連帯し危機打開にあたることを呼びかけます。

二.徹底した検証とコロナ対策の抜本的な転換を
1.徹底的な検証が必要
 変異株は全国に広がりを見せており、大阪府は国とも協力して、感染爆発を招いた要因やマスク会食、「見回り隊」なども含めて、まん延防止等重点措置期間の対策の効果を徹底的に検証すべきです。このことは大阪の危機打開はもとより、全国の今後の対応にかかわってきます。
 また今回の緊急事態宣言は人流を抑えることを主な目的としていることから、人流抑制の目標やその効果など、科学的な裏付けをもった指標を大阪府は示すべきです。

2.府の甘い見通し
 第3波の感染拡大は、重症者が16人(10月19日)まで下がっていたところから始まりました。一方第4波では、2月いっぱいでの緊急事態宣言解除後、54人もの重症者(3月18日)を抱えたまま感染が急拡大し、重症者が確保病床を超えました。大阪府が2月中旬以降4月まで重症ベッドを減らし続けていたことも、病床のひっ迫を招きました。大阪府の見通しが甘かったことは明白です。
 感染拡大期の病床ひっ迫を緩和するためには、新規感染者を徹底的に抑え込むことが必要ですが、宣言解除時の新規感染者は一週間平均で70名超でした。
 日本共産党大阪府委員会は2月27日、3度目の緊急事態宣言を招くような事態に陥ることを絶対に避けるためにも、検査を抜本拡充し感染を「抑え込む」戦略が必要と、緊急の申し入れを大阪府に行いましたが、この戦略を大阪府がとってこなかったことが厳しく問われています。

3.検査拡大に背を向けることは、助からない命を増やすこと
 2月から始まった高齢者施設等における無症状者に対する定期的なPCR検査では無症状陽性者が発見され、府も「クラスターの未然防止に成功した」とその効果を認めました。しかしその後も高齢者施設等で637人、医療機関で221人(3月12日~4月12日)が感染するクラスターが発生し、クラスター全体の6割をこれら施設で占めています。大阪府も大阪市も社会的検査の対象を絞ったためにその効果を最大限発揮できていないのです。医療機関、訪問介護や通所施設、ショートステイなどをすぐに対象にすべきです。
 また府内の小学校で全校生徒875人に検査したところ、13人の感染者が見つかりました。ほとんどが無症状者だったことからも、検査拡大の有用性ははっきりしました。無症状者を対象にした定期・頻回の検査を、学校・保育所・幼稚園・放課後児童クラブ教職員にも拡大し、無症状者でも受けられる検査センターを全府域に多数設置するべきです。
 医療崩壊が進行している今、政治が検査拡大に背を向けることは、助からない命を増やすことに他ならず、絶対に許されません。

4.十分な補償でこそ
 緊急事態宣言では酒類を提供する飲食店や大規模施設への休業要請が出されました。補償が十分でないままでは、自粛の効果は発揮されません。生産者、卸業者、イベント等が行えない文化芸術関係者も含め損失を補償すべきです。また持続化給付金、家賃給付金の第2弾の給付、生活困窮者への10万円給付、雇用調整金のコロナ特例、シフト労働者にも給付される休業支援金の延長など、すべての損失を国と府の責任で全面的に補償することを改めて求めるものです。

5.緊急署名を広げて
 今度こそコロナ対策の抜本的な転換が必要です。検査と医療を緊急強化し、コロナを封じ込めるために、現在府委員会が呼びかけている緊急署名を大きく広げようではありませんか。
 感染拡大と自粛の繰り返しという悪循環を断ち、一日でも早く日常が戻るよう、日本共産党は感染を収束させ、府民のいのちと暮らしを守り抜くことに全力を尽くす決意です。