コロナ感染は全国的に拡大傾向にあり、変異株も急速に拡大しています。
この変異株については東京都の数が異常に少ないことに不審の目が向けられています。
因みに厚労省の発表によると都道府県別の変異株感染者数は多い順に下記の通りです。
| 変異株感染者数(厚労省31日発表) | ||||||||
| 順位 | 都府県 | 人数 | 順位 | 都府県 | 人数 | 順位 | 都府県 | 人数 |
| 1 | 兵庫県 | 181 | 11 | 東京都 | 18 | 21 | 群馬県 | 3 |
| 2 | 大阪府 | 130 | 12 | 岐阜県 | 15 | 22 | 栃木県 | 2 |
| 3 | 埼玉県 | 59 | 13 | 徳島県 | 15 | 23 | 福井県 | 2 |
| 4 | 北海道 | 38 | 14 | 岡山県 | 10 | 24 | 山梨県 | 2 |
| 5 | 神奈川県 | 34 | 15 | 三重県 | 7 | 25 | 愛知県 | 2 |
| 6 | 新潟県 | 32 | 16 | 愛媛県 | 6 | 26 | 和歌山県 | 2 |
| 7 | 京都府 | 24 | 17 | 福岡県 | 6 | 27 | 香川県 | 2 |
| 8 | 広島県 | 23 | 18 | 福島県 | 5 | 28 | 高知県 | 2 |
| 9 | 静岡県 | 22 | 19 | 鹿児島県 | 5 | 29 | 茨城県 | 1 |
| 10 | 千葉県 | 21 | 20 | 滋賀県 | 4 | 30 | 石川県 | 1 |
(上記の他、長野県、奈良県、大分県、沖縄県が各1人)
東京都が18人(日刊ゲンダイの記事では48人)と低いのは、実態ではなく検査数が少ないためと思われます。
日刊ゲンダイが取り上げました。
厚労省が昨年12月14~26日、東京など5都府県で住民の抗体検査を行った結果が30日に発表され、東京都の抗体保有者率は1・35%でした。
これから保有者数を求め、12月26日時点の累計感染者数を差し引くと、その時点でチェックされていない抗体保有者は13万余に上る計算になります。要するに検査を徹底していればその分が感染者数に加わった筈ということです。
変異株についてはまだそうした調査は行われていませんが、3月1~28日の調査で、検査率12・8%で、変異株陽性率2・63%であったので、全数検査すれば218人になるということです。
小池知事は検査率について「4月上旬に25%、早期に40%」と述べていますが、早急に検査率を引き上げないと、掴み切れない“隠れ変異株”の野放しが続き大変なことになります。
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感染再拡大の東京にはびこる“隠れ変異株”…実態は現状の6倍!
日刊ゲンダイ 2021/03/31
「(感染が)拡大傾向にあることは明らか」――。東京都の小池知事は30日、新型コロナウイルス感染の第4波に入ったかどうかを記者に問われ、こう答えた。緊急事態宣言の全面解除から、わずか10日足らずで感染再拡大。懸念材料は“隠れ感染者”と“隠れ変異株”だ。
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30日の都内の新規感染者数は364人。11日連続で前週の同じ曜日を上回った。7日間平均が前週比増の傾向は実に18日間も続いている。
小池知事は感染拡大に関し、「現状については毎日、分析している」と強がったが、どうにも疑わしい。厚労省が発表した抗体保有率から、大量の“隠れ感染者”の存在が浮かび上がるからだ。
13万人超が無自覚感染の可能性
厚労省は昨年12月14~26日、東京、大阪、愛知、宮城、福岡の5都府県で、同意を得た住民の抗体検査を実施。30日、抗体保有率の確定値を発表した。3399人が検査に応じた東京は、1.35%だった。
昨年12月26日時点の都内の累計感染者数は5万5930人。人口比に換算すると0.4%だ。実際の感染者が人口の0.4%なのに、抗体保有率の方が1ポイント近く高い。
この差を単純計算で人口に当てはめると、13万2620人にも上る。つまり、13万人超が感染の自覚もないままに過ごしていた恐れがあるのだ。
無自覚の“隠れ感染者”に加え、厄介なのが変異株である。
都は「健康安全研究センター」(健安研)と民間検査会社で変異株のスクリーニング検査を手掛けている。
都内で確認された変異株は30日までに計48件。新規感染者数に比べ、圧倒的に少ない。都内の変異株の少なさはむしろ、実態をちゃんと把握できているのかと不安に拍車をかける。
小池知事は検査率について「4月上旬に25%、早期に40%」との目標を掲げるが、現状(3月1~28日)は12.8%にとどまる。変異株感染者が見逃されているリスクは否めない。
変異株は今月に入ってから毎週確認されており、28日までの陽性率は2.63%だ。この数字を基に、1~28日の新型コロナ感染者を全数検査(100%)した場合の変異株の確認件数を計算すると、218件に上る。同期間に確認されたのは36件だから、約6倍もの開きがあるのだ。
検査率40%と25%の場合では、確認件数は、それぞれ87件(40%)と54件(25%)だ。これらも実数とは2.4倍、1.5倍の差がある。早急に検査率を引き上げないと、掴み切れない“隠れ変異株”の野放しが続いてしまう。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「都内の感染増は、変異株によるものでしょう。変異株が東京だけ少ないはずがない。きちんと調べられていないのに、小池知事は『ウイルスの好物は心のスキ』などと、都民に責任を転嫁しています。もちろんウイルスは心のスキを狙わないし、こんなスローガンが出てくること自体、小池知事は『打つ手なし』ということでしょう」
第4波の一番の懸念は、無策の都知事かもしれない。