菅首相がシャカリキに進めているデジタル庁の創設は、元々 個人情報を自分たちのもうけのために活用したいという財界の要求から出発しています。経団連の「新成長戦略」では、「デジタル庁のもと、行政のデジタル化を一気呵成に推進」するとし、それによって個人情報を大企業のもうけに利用しようとしています。
⇒(3月15日)デジタル関連法案 個人情報保護なき活用は危険
デジタル庁は、各行政機関への勧告権を持ち、補助金を出している自治体、医療・教育機関などの予算配分やシステム運用に関与できるなどの強大な権限を持ち、トップには菅首相が君臨します。
職員約500人のうち100人以上は民間大企業から登用し(禁止されている出身企業からの給与補填あり)、事務方トップの「デジタル監」には民間出身者が就くと見られているので、特定企業の利益に沿った政策やルールづくりなどの官民癒着がさらに強まる惧れがあります。
費用が倹約できるからと言ってサーバーを中国や韓国に置いたLINEなどの例で分かる様に、デジタル化のソフトに明るい技術者が個人情報の保護を弁えているとは限りません。
デジタル関連法案に50カ所近くのミスがあったことが明らかになったばかりなのに、政府は4月中に法案を成立させようとしています。
大企業本位の拙速な法案は廃案に追い込むしかありません。
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与党 デジタル法案採決提案 塩川氏、徹底審議求める
しんぶん赤旗 2021年3月31日
データの利活用を目的として個人情報の保護をないがしろにするデジタル関連法案を審議している衆院内閣委員会の理事懇談会が30日開かれ、与党が31日の委員会採決を提案しました。日本共産党、立憲民主党などの野党は質疑終局・採決に反対。理事懇では31日に首相出席の質疑1時間を含む計5時間の質疑を行う日程だけが決まりました。
理事懇では、デジタル関連5法案の関係資料45カ所の誤りや、既に成立した改定感染症法の修正前の条文の間違いについて、政府からの経過説明が行われました。
日本共産党の塩川鉄也議員は、デジタル法案の関係資料の誤りについては平井卓也デジタル改革担当相が全容把握を指示したとしているが、国会への報告については指示していないことや、感染症法改定案の条文の誤りは罰則にかかわる部分であることを指摘。法案の間違いについての質疑を行うべきだと主張しました。
塩川氏は、デジタル関連法案についても論点は多岐にわたり審議はまったく尽くされてないと指摘。採決に反対するとともに、徹底審議を求めました
デジタル庁 官民癒着招く恐れ 塩川氏 民間企業在籍者で追及 衆院内閣委
しんぶん赤旗 2021年4月1日
日本共産党の塩川鉄也議員は31日の衆院内閣委員会で、デジタル庁に多数の民間企業在籍者が非常勤職員として勤務すれば官民癒着を生むと追及しました。
塩川氏は、民間企業に在籍したまま非常勤職員として勤務している職員数を質問。デジタル庁の母体である内閣官房のIT総合戦略室は、「LINE」社、ヤフー、ソフトバンク、NEC、富士通、日立、NTTデータなど、大手IT企業社員を含め100人程度在籍していると明らかにし、さらに非常勤職員は「兼業」も許され、「出身企業からの給与補てん」も受けられると認めました。
菅義偉首相が「疑念が生じないよう入札のルールをつくっている」と答弁したのに対し塩川氏は、IT室は政府のデジタル政策をつくる司令塔だと指摘し、「入札の問題ではない。企業に都合のよいルールがつくられるのではないか」と批判。菅首相は答弁に立てず、平井卓也デジタル改革担当相は「ベンダー(製造・販売元)として大型案件に関わった経験は重要だ」と答え、企業出身の1人の職員が関わることで政府方針が変わることは基本的にはないと正当化しました。
塩川氏は、官民人事交流法では民間企業の職員が国の機関で働くときは、「公務の公正性確保」のため、企業からの給与補てんを禁じているほか、カジノ管理委員会事務局で「国民の疑念を払しょく」するためカジノ関係事業者出身の非常勤職員を常勤化したと指摘。デジタル庁では勧告権や予算の一括計上と予算配分などIT室より一層権限が強化されるのに、100人以上の民間企業出身者を非常勤職員として登用しようとしているとして「官民癒着の批判は免れない」と強調しました
民主主義の基盤守れ デジタル法案採決強行反対 総がかりなど緊急行動
しんぶん赤旗 2021年4月1日
政府による国民監視を強め、個人情報をより自由に民間企業が利用できるなど多くの問題点が明らかになっているデジタル関連法案の採決強行に反対する緊急行動が31日、衆院第2議員会館前で行われました。与党はこの日、衆院内閣委員会での採決を狙いましたが、野党による論戦や国会外で声をあげたことで阻止しました。
行動には、「デジタル監視法案反対」などが書かれたプラカードや横断幕を手に200人(主催者発表)が参加しました。同法案について、「民主主義国家の基盤を壊すものだ」と抗議し、廃案を求めました。
総がかり行動実行委員会共同代表の藤本泰成さんは、歴史を振り返っても、国家が情報統制を強めるその先には戦争が待っていると強調し、「廃案しかありません。そのために運動を広げていこう」と呼びかけました。
「デジタル監視法案に反対する法律家ネットワーク」から、弁護士の大江京子さんがスピーチ。同法案の本質は、政府が市民を監視するためのものにほかならないと指摘。「与党は、危険性が知られる前に採決しようと急いでいます。そんなことは許されません」と語りました。
野党から日本共産党、立憲民主党、社民党、参院会派「沖縄の風」の国会議員が参加。共産党の本村伸子衆院議員は、市民のあらゆる行動が監視される息苦しい社会にするわけにはいかないとのべ、「みんなで力をあわせて、廃案に追い込みましょう」と呼びかけました。
主催は、総がかり行動実行委など3団体です。
カス政権が4月中の成立を目論む「デジタル監視法案」・・・コロナや五輪の陰に隠れた火事場泥棒に要注意!!
くろねこの短語 2021年4月1日
カス政権が4月上旬の衆院通過を目論んでいるのがデジタル法案だ。「個人情報を含むデータを国や地方自治体、民間の間で円滑に共有して利活用することが目的」とされているんだが「本人の同意もなく行政機関の間でやりとりされた個人情報が収集されることで、国の監視が強まるとの懸念」が指摘されているとても危険な法案でもあるんだね。
ところが、新聞・TVはコロナやオリンピックにかまけているばかりで、とんとこの法案について報道しない。昨日の衆院内閣委員会で、カス総理は「国の監視が強まるという懸念」にこんな答弁しやがりました。
「個人情報全体を集中管理するものではなく、デジタル監視法案との指摘は当たらない」
出ました~、お得意の「指摘は当たらない」。なんで「指摘は当たらない」のかについては具体的に説明しなかったってのも官房長官時代からのいつもの手口。ようするに、その心は「デジタル法案はデジタル監視法案に他ならない」ってことなんだね。
こんな危険な法案をロクに審議もせずに4月中に成立させようってんだから、コロナやオリンピックの陰に隠れた火事場泥棒みたいなもんです。へたすると強行採決ってことも考えられるので、ちょいと注視していた方がいい今日この頃なのだ。
・「個人情報吸い取られる」デジタル改革法案に懸念の声 政府は反論、4月成立目指す
・「監視法案ではない」と菅首相…でも具体的理由はなし デジタル改革関連法案質疑で
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。