2013年7月4日木曜日

96条改憲反対の動きが広がる

 
 憲法96条の改定に反対する動きが各界で広がっています。

 宗教者が宗派を超えて「憲法96条改定に反対し、憲法9条を守ろう」と呼びかけた共同声明への賛同署名の第1次集約集会が、2日、国会内で行われ、宗教者5,500人から賛同が寄せられたことが発表されました。

 また同じく2若手弁護士や憲法学者が憲法96条を改定し立憲主義を否定する動きに反対する共同声明を発表し、国会内で記者会見を行いました
 2日現在、若手弁護士441氏、憲法学者53氏が賛同しています。

 以下にしんぶん赤旗の記事と、5月3日に出された「宗教者共同声明」を紹介します。
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「96条改憲に反対」
しんぶん赤旗 2013年7月3日
宗教者の共同声明に賛同者5500人
 宗教者が宗派を超えて「憲法96条改定に反対し、憲法9条を守ろう」と5月に呼びかけた共同声明の第1次集約集会が2日、国会内で行われ、60人余りが参加しました。
 共同声明は「安倍首相の進める96条改悪に反対し、9条を守ることを祈り、求め」るとしています。集会では、約5500人の宗教者から賛同が寄せられていることが発表されました。

 主催者あいさつで大倉一美さん(日本カトリック正義と平和協議会事務局長)は「憲法は、権力者をしばるものということが、この間の動きで知られるようになった。今度の参院選では、憲法を守る人を多く送り出さなければ」と訴えました。
 集会では、呼びかけ人らがあいさつ。「世界の最先端に日本国憲法がある。これを変えることは時代の逆行」(辻井篤生さん・金光教非戦平和ネット)などと発言が相次ぎました。
 まとめのあいさつで、真宗大谷派僧侶の石川勇吉さんは「96条改憲を口にした政党は、政治生命を絶たれることを国民の常識にするために奮闘したい。それが侵略戦争に傷つき倒れ、憲法をうち立てた先人への責務」とのべました。

 集会では、僧侶で作家の瀬戸内寂聴さんからメッセージが寄せられ、7月末までに1万人の賛同を目指す方針を確認しました。日本共産党の笠井亮衆院議員があいさつしました。

若手弁護士・憲法学者ら共同声明

 若手弁護士や憲法学者が2日、憲法96条を改定し立憲主義を否定する動きに反対する共同声明を発表しました。2日現在、若手弁護士441氏、憲法学者53氏が賛同しています。
 声明の呼びかけ人は、打越さく良弁護士(東京)、川口創弁護士(名古屋)、笹山尚人弁護士(東京)ら若手弁護士8氏と、奥平康弘東大名誉教授、森英樹名古屋大名誉教授ら憲法学者7氏です。

 声明は、憲法はそもそも個人の人権を保障するために国家権力を制限するものだとし、96条改定で改憲の発議要件を衆参両院の過半数に緩和すれば、権力者や多数者の意向で人権を容易に制約できるようになると批判しています。

 同日午後、国会内での会見で、声明の作成にかかわった深井剛志弁護士は、「人権の制約と改憲手続きが容易になること。この2点への反対を一致点に各地の弁護士、研究者でつくりあげた」と内容を解説しました。

 呼びかけ人の神保大地弁護士(明日の自由を守る若手弁護士の会共同代表)は、「さまざまな立場の若手から1カ月という短期間にこれだけの賛同が寄せられたのは画期的だ。その危機感に呼応して、憲法学者も支援している」と話しました。
 同じく呼びかけ人の阪口正二郎一橋大教授は、多数決で人権を侵すことを許さないのが立憲主義の核心だとし、「今回、若い人が立ち上がったのは日本社会に憲法や立憲主義が根づいている証拠だ」と期待を語りました。

「96条改定に反対し、憲法9条を守ろう」 宗教者共同声明
2013年5月3日
 安倍首相は、憲法改正のルールを定めた96条の改定に向けた動きを加速し、すでに自民党は、日本維新の会などの協力を得て、国会に改定案を提出しようとさえしております。
 安倍首相のめざす96条改定は、改憲のハードルを下げ、9条改憲を容易に進めようとするものです。96条改定と9条改憲は一体のものです。憲法改正の発議について3分の2という特別多数が必要とされているのは、たまたま多数を得た政党が暴走をし、国民主権や平和主義を定めた憲法の基本原理を勝手に変更してしまうような危機を防ぐためです。今、それが崩されようとしているのです。
 96条を改悪し、9条改憲に道筋をつけようとする安倍首相の動きは、日本を再び、「戦争する国」に仕立て上げようとする大変危険な動きです。
 いのちを尊び、いのちを守ることを第一の使命とし、平和の世界を具現するために手を携えている私たち宗教者は、安倍首相の進める96条改悪に反対し、9条を守ることを祈り求め、ここに共同の声明といたします。
呼びかけ人代表
  宮城泰年(聖護院門跡門主)
  谷 大二(カトリック正義と平和協議会会長)
  小橋孝一(日本キリスト教協議会議長)
 
 

2013年7月3日水曜日

原発・放射能関連のニュースは移りました


 原発・放射能関連のニュースは4月以降、「原発をなくす湯沢の会」のホームページで扱っています。 URL: http://yuzawagenpatu.blogspot.jp/ 
 
 
 どうぞそちらの方にもご訪問ください。

 通知が遅くなってすみませんでした。
 
 

大学生が憲法を議論、町の図書館でも

 参院選の重要な争点になる憲法改正問題への注目が高まっています。
 東京工業大学では1日夜、約100人の学生がジャーナリストの池上彰さん講師に招いて、憲法改正について議論しました。
 また三重県の多気町は町の図書館に憲法をテーマにしたコーナー「今考える 憲法と私たちのくらし」設けそこで28冊の図書を紹介して、憲法について考える材料を町の皆さんに提供しています

 以下に関連のニュースを紹介します。
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大学生が「憲法」考える催し
NHK NEWS WEB  2013年7月2日
参議院選挙を前に、若い世代の投票率向上に取り組んでいる大学生のグループが、改正を巡る議論が活発な憲法について、若者に考えてもらおうというイベントを開きました。

この催しは若い世代の投票率向上に取り組む大学生のグループが企画したもので、1日夜は東京・目黒区の東京工業大学におよそ100人が集まりました。
最初にジャーナリストの池上彰さんが講師となって憲法改正を巡る議論について説明し、「漠然と『変える』『変えない』と言うのではなく、条文ごとに話し合うことが大切だ」と述べました。
池上さんの話を聞いた学生たちは4人から5人のグループに分かれて、憲法改正について議論を行いました。
このあと、議論の結果を発表し、国会が憲法改正を発議する要件などを定めた96条や、9条などについて、「国民の意見が高まらないまま改正するのはおかしい」とか、「時代に合わせて変えた方がいい」など、さまざまな意見が出されていました。
参加した学生の1人は、「これまで憲法について議論をした経験がなかったので勉強になりました」と話していました。
グループの代表の中村雅樹さんは「参議院選挙の争点の1つになっているテーマだけに若者も自分たちの問題として考えてほしい」と話しています。

多気の勢和図書館に憲法紹介コーナー
中日新聞 2013年7月2日
 多気町朝柄の勢和図書館に、憲法をテーマにしたコーナー「今考える 憲法と私たちのくらし」が設けられた。参院選の争点の一つとなる憲法について、有権者に考える材料を提供している。
 コーナーは図書館入り口にある。長机の上には絵本や新書など二十八冊が紹介され、パネルには憲法を扱った新聞記事が張られている。六月二十九日の設置以降、利用者が立ち止まって本を手に取っている。

 入門書として薦めているのは二冊の絵本。「『けんぽう』のおはなし」(井上ひさし著、講談社)と「せかいでいちばんつよい国」(デビッド・マッキー著、光村教育図書)。井上さんの絵本は、井上さんが子どもに講義する形式。憲法とは何かや社会の仕組みを子どもの生活場面に例えて紹介している。
 「世界を信じるためのメソッド」(森達也著、理論社)と「視点をずらす思考術」(同、講談社)は、情報を多面的に見てほしいとの思いから。憲法一色にならないよう、「豊かさとは何か」(暉峻淑子、岩波書店)なども用意した。
 司書の林千智さん(51)は「憲法が自分たちの生活に関係していることに気付いてもらえれば」と願っている。 (戸川祐馬)
 
 

2013年7月2日火曜日

自民が改憲草案を見直しへ


 自民党は昨年4月に発表した改憲草案を見直す方向で検討に入ったということです。
 この草案は国民の権利を制限する点で大日本帝国憲法と瓜二つのものになっていますが、それもその筈 この草案は立憲主義についての認識がない人たちによって起草されました。そのことは発表の直後にツイッターなどで明らかにされて、大いに問題になりました
     2012年5月31日「自民党の憲法改正草案は非常に反動的」
 毎日新聞が伝えるところによれば96条(改憲発議要件)、21条(表現の自由)、天皇元首制、9条の「国防軍という名称などが検討の対象だということです。
 「改憲発議要件」を元に戻したり、「表現の自由」に付けた制限を解除することに異論はありませんが、その根底となる「個人の自由」と「国民の基本的人権」を認める立場を取るのかどうかが何よりも問題です。
 もしも片山さつき議員がかつて公言したように「天賦人権論には立たない」という立場を取り続けるのであれば、とても見直しには当たりません。
 それに「9条問題」を国防軍という自衛隊の改称問題に矮小化するなども、あまりにも事実を偽るものであって問題にもなりません。

 以下に毎日新聞の記事を紹介します。
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自民:改憲草案見直しへ 発議要件・表現の自由焦点
毎日新聞 2013年7月2日
 自民党は2012年4月に発表した憲法改正草案を見直す方向で検討に入った。複数の同党幹部が明らかにした。96条に定められた憲法改正の発議要件を衆参各院の3分の2以上の賛成から過半数に緩和するための改正などに党内外から批判が出ているためで、参院選後に本格的な作業に着手する見通し。発議要件の緩和方法や、21条に定められた表現の自由の制限を盛り込んだ是非などが焦点になりそうだ。

 同党の船田元(はじめ)憲法改正推進本部長代行は毎日新聞の取材に、「昨年の衆院選でたくさん当選した新人の意見も取り入れられていない。改憲草案は金科玉条ではなく、議論して変える部分があってもいい」と語った。憲法改正を推進してきた幹部が見直しに言及しているのは、党内の不満が96条の改正にとどまらず、草案全般へ波及しているからだ。

 6月13日の衆院憲法審査会では、同党の河野太郎氏が「憲法の名を借りて国民の権利を制限したり、義務を課したりするのは今の日本にはふさわしくない」と公然と批判した。

 見直しの焦点の一つになりそうなのが96条改正のあり方。安倍晋三首相は同月16日(日本時間17日)、ワルシャワ市内で記者団に、「平和主義、基本的人権、国民主権は3分の2のままに据え置くことも含めて議論していく」と語り、条文によって発議要件を変えることも検討する考えを示した。公明党への配慮という側面もある。

 表現の自由に関しては、草案が「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動」などは認めないと規定していることに対して、「国が恣意(しい)的に活動を制限できることにつながりかねない」などの批判が出ている。このほか、天皇を元首とすることや、自衛隊の名称を国防軍に変更することにも異論が出ている。【木下訓明、念佛明奈】
 
 

北海道新聞が「憲法論議の行方」を論じる

 北海道新聞が6月30日、7月1日の2日連続で「2013参院選 憲法論議の行方」と題する社説を掲げました。
 5大紙などとは対照的に地方紙の多くは社会の木鐸に相応しい社説を掲げますが、その中でも東京新聞(=中日新聞)と北海道新聞は多くの識者からその筆頭に位置するものと評価されています。

 1日目の「冷静な見極めこそ大切だ」では、「いまこそ憲法の意義を深く考えるとき議論が未熟なまま改憲が進むことは避けなければならない」、「自民党の96条改定先行論や、国民投票法の有権者を18歳下げるなどの改正は、単にできるところから手を付けようという邪道」、「経済政策を支持して自民党に投票すると、憲法改定にも賛同したものと見なされ得る」などと指摘し、「問われるのは有権者の見識」で、今日の「社会の閉塞感憲法によってもたらされたものと勘違いしてはいけない」し、「今日の日本をつくる上で大きな役割を果たしてきた現行憲法を、改憲論の前に正確に評価する作業欠かしてはならない」と述べています

 2日目の「駆け引きでなく見識示せ」では、「自民党の改憲案は問題多い」として、「96条の改定案は憲法を通常の法律と同じにする不正」であり、「国防軍創設最大の問題で、戦争の過ちを繰り返さないという誓いを取り消すことに国際社会は同意しない」し、「国民の義務を隋所で拡大し国民自由を“公益及び公の秩序に反してはならないと制限し、緊急事態時には国の指示に従うと義務付けるのは立憲主義に反する」と述べ、各党に対して「有権者の判断に資するよう活発な議論を進めてもらいたい」と要請しています

 以下に2回にわたる社説を紹介します。
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社説2013参院選 憲法論議の行方(上) 冷静な見極めこそ大切だ
北海道新聞 2013年6月30日
 参院選に向け憲法問題が大きな争点に浮上している。最近の国政選挙にはなかったことだ。 
 安倍晋三首相がこの半年、経済再生とともに大きなテーマとして掲げたのが改憲だ。憲法改正の発議要件を両院議員の過半数に緩和するため96条の変更を先行させると語った。 
 参院選で改憲派が3分の2を占めれば、衆院とともに発議が可能になる。日本の将来を左右する重要な選挙になるかもしれない。 
 いまこそ憲法の意義を深く考えるときだ。平和、人権といった普遍的理念を提示したのが日本国憲法だ。 
 議論が未熟なまま既定路線のように改憲が進むことは避けなければならない。 
*勢力集めに見境なく 
 「国民の手に憲法を取り戻す」。首相はそう言って96条先行論を展開した。国民の6割が憲法改正を望んでも、3分の1強の国会議員が阻止できるのはおかしいという主張だ。 
 ところが公明党や自民党内から反論が出ると態度を変えた3分の2の賛成を必要とする発議要件は部分的に残してもいいという。改憲に慎重な公明党の賛成を得るためだ。 
 日本維新の会には当初期待を寄せていたが、橋下徹共同代表の従軍慰安婦発言で失速すると、民主党の一部にも秋波を送った。維新と民主では党の方向性が一致しない。 
 首相は改憲勢力を見境なく集めようとしている。 
 対象を18歳以上に引き下げるなどの国民投票法の改正にも前向きだ。改憲の中身には深入りせず、できるところから手を付けようというのは邪道ではないか。 
 最近になって首相は「国民の理解と平仄(ひょうそく)を合わせ、どの条文を変えていくか慎重によく議論していく」と柔軟姿勢に転じたかのようだ。 
 しかし、とにかく改憲を前に進めようとする意思に変わりはない。参院選の公約にも盛り込み、国民に賛否を迫る姿勢だ。 
 憲法のほかにも重要なテーマはある。だが選挙では政策ごとに投票先を変えられるわけではない。たとえば経済政策だけを支持して自民党に投票しても、憲法など他の政策にも賛同したと見なされ得る。 
 各政党も憲法問題の議論を意図的に避けるような「争点隠し」をしてはならない。選挙で勝利してから急に改憲を言い出すような進め方は誠実さを欠くものだ。 
 問われるのは有権者の見識である。そのことを肝に銘じなければならない。各党の主張をしっかり見定めて投票することが大事だ。 
*ネットに集まる民意 
 議論の背景に社会の変化がある。 
 バブル崩壊後の「失われた20年」。アジア発の金融危機、痛みを伴う構造改革と格差社会の拡大に日本社会は揺れた。将来にツケを回す財政赤字の累積と年金財政の逼迫(ひっぱく)で、若い世代は将来に希望を持てない。 
 社会にひずみが広がる中で、「憲法は本当に自分たちの権利を保障しているのか」と疑問を持つ人が増えた。憲法は古い時代の遺物のようなイメージで見られるようになった。 
 ネット社会では、現実社会への不満が瞬時にして仮想世界の世論を形成する。改憲を訴える書き込みには即座に賛同が集まるが、護憲論は現実社会の既得権益のように敵視され、攻撃の対象となりがちだ。 
 そこに集まった「民意」を一部の政治勢力が巧みにすくい取り、政治意思を形成しようとしていることに気が付いているだろうか。 
 北朝鮮の核・ミサイル開発や尖閣諸島周辺の中国船にどう対処するのか。政治の側からのそんなメッセージを受け、改憲を求める世論がさらに拡大する構図がある。 
 だが、社会の閉塞(へいそく)感は憲法によってもたらされたものではない。政治課題にしっかり取り組まず、目先の選挙や国会の駆け引きに明け暮れた政治に大きな責任がある。 
 憲法を変えて今ある内外の課題が一気に解決するわけでもない。ことさら改憲論を振りかざす政治家の言動には、政治の至らなさを憲法問題にすり替えて注意をそらす意図が隠されていると考えざるを得ない。 
*生活と密接な関わり 
 憲法はすでに国民の生活に深く根付いている。改憲によって失うものは何か、見極めることが大事だ。 
 ネットで憲法を論じることができるのは、現在の憲法が言論の自由を保障しているからにほかならない。生活保護や最低賃金などの制度も、人権を尊重する憲法の理念の上に成り立っている。 
 戦争の放棄をうたった9条は根幹をなす部分だ。不戦の決意を具体化するために、戦力を持たず、交戦権も認めないことを宣言した。 
 戦後の日本が他国と一度も戦うことなく平和を保ってきたことに、憲法の平和主義が貢献したことは間違いない。いま必要なのは平和の理念をどう具現化するかの議論だろう。 
 今日の日本をつくる上で、憲法は大きな役割を果たしてきた。改憲論の前に、現行憲法を正確に評価する作業は欠かせない

社説2013参院選 憲法論議の行方(下)駆け引きでなく見識示せ
北海道新聞 2013年7月1日

 国会では憲法をめぐり大きく三つの勢力が形づくられている。 
 改憲派は昨年、憲法改正草案をまとめた自民党を軸として、日本維新の会、みんなの党などが含まれる。共産、社民両党は護憲の立場から主張を展開する。民主、公明両党はその間で立ち位置を探っている。 
 通常国会では各党が衆参両院の憲法審査会でテーマごとに各党の意見を述べ合った。だがまだ不明な点が多い。 
 参院選ではそれぞれの立場を一層明確にしてもらいたい。政治の駆け引きで主張や理念が簡単に変わるのでは国民の不信が増すばかりだ。 
*問題多い自民の草案 
 改憲に向けて最も立場を明確にしているのは自民党だ。憲法改正草案は具体的な条文を示して、国民に賛否を問うている。だが、この草案はあまりに問題が多い。 
 憲法改正の発議要件を定めた96条は両院議員の3分の2以上から過半数に緩めることとした。世界的に見ても改正しにくいという理由だ。 
 過半数で変えられるのであれば通常の法律と同じである。憲法の最高法規性を否定するものだ。憲法が時の政権の都合で簡単に変更されれば、国が漂流しかねない。 
 改憲論者として知られる小林節慶大教授ですら「憲法は紙切れに書かれた文字で国家権力を縛らなければならないから、そう簡単に権力者がふりほどけないよう、『硬さ』を与えるのが世界の相場だ」と語る。 
 自民党と連立を組む公明党は、96条の要件緩和に反対している。首相はこれに配慮して、9条など一部を残して要件緩和する「妥協案」を口にするようになった。 
 あまりに場当たり的ではないか。しかも一部緩和は改正手続きを複雑化させ、憲法の条文に軽重の差をつけることになる。過半数で改正できる条文は、果たして憲法として尊重されるだろうか。 
 公明はまた、環境権やプライバシー権などの新しい人権を加える「加憲」を主張する。だが現憲法ですでに保障されているとの説が有力だ。 
*平和主義後退の懸念 
 自民党草案の最大の問題は平和主義の後退だ。 
 9条2項を変えて「国防軍」創設を提唱している。「独立国家が独立と平和を保ち国民の安全を確保するため軍隊を保有することは世界の常識」であることを理由にしている。 
 1項の「戦争の放棄」は維持するというが、「隊」が「軍」になれば、軍事力を行使する組織としての意味合いは強まる。「戦争の過ちを繰り返さない」という誓いの変質を、国際社会はどうとらえるだろうか。 
 自民党内には9条の前に集団的自衛権の行使を禁じた政府解釈の変更を主張する声が強い。 
 政府は必要最低限度の自衛の範囲を超えるため、行使できないという立場をとってきた。解釈変更は憲法の平和主義から逸脱するものだ。 
 9条改正論の根底には、自衛隊をめぐる憲法論争に決着をつけたいという思惑がある。だが海外派遣などなし崩し的に活動を広げたのは歴代自民党政権だ。既成事実の積み重ねによって憲法の理念が大きくゆがめられた。 
 草案はさらに、国に対する国民の義務を随所で拡大した。 
 憲法が国民に保障する自由には「公益及び公の秩序に反してはならない」と制限を設けた。「緊急事態」の際には国の指示に従わなければならない。家族は互いに助け合わなければならないという条文もある。 
 一貫しているのは国が国民を管理する発想だ。国民を擁護し憲法が国家権力を縛るという「立憲主義」とは全く相いれない。 
*立場あいまいな民主 
 民主党は2月に定めた新綱領に「立憲主義」を明記した。参院選重点政策では96条先行改正への反対を盛り込んだ。 
 しかし、党内には改憲、護憲両派が混在しいる。憲法問題で明確な方向性は出しにくく、「論憲」を主張するのがやっとの状態だ。 
 さらに議論を詰めなければならない。自民党との違いを明確にするのなら「立憲主義」の中身をもっと詳しく説明する必要があるだろう。 
 日本維新の会は3月の新綱領で憲法を「絶対平和という非現実的な共同幻想を押しつけた元凶」としたが、憲法に対する根本的な考えで2人の共同代表の見解が異なっている。有権者は戸惑うのではないか。 
 みんなの党は統治機構改革の視点から国会の一院制や首相公選制の導入を主張する。この点では維新と方向性が一致しているが、実現性について不十分な面もある。 
 共産、社民の両護憲勢力は、憲法を変える必要はないという立場だ。自民党との違いを選挙でアピールする狙いも見える。大事なのはより説得力ある議論を展開することだ。 
 各党とも憲法についての見解を参院選公約に載せている。国の将来をどう描くか、有権者の判断に資するよう、活発な議論を進めてもらいたい。
 
 

2013年7月1日月曜日

‘13年6月分 コメント 詳報

 
 月は件のメントをいただきました。
 ありがとうございました。コメントをいただけるのは大変に張り合いです。
 今後ともよろしくお願いいたします。
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13月分 コメント 詳報 

田中正造没後百年 足尾から水俣、反原発へ  (2013/6/9)

☆コメント
「真の文明は、山を荒さず、川を荒さず、村を破らず、人を殺さざるべし」というこの言葉は、足尾鉱毒事件に生涯をかけて取り組んだ人にしてはじめて発することの出来た高い実践性のある真実の言葉だと思います。この言葉は、反原発のたたかいをも力強く支えてくれるように思えます。素晴らしい言葉をご紹介いただき有難うございました。胸に刻んで日々の活動の糧にしたいと考えています。・・・匿名(13/06/11

返信
コメントをありがとうございます。
仰るとおり人々の心のなかに永遠に生き続ける言葉だと思います。・・・事務局(13/06/11)

追記
 6月26日に「非拘束名簿方式 は違憲でない”とする最高裁判決がありました」・・(2012/9/25)について、「匿名」で下記の英文のコメントが書き込まれました。 

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Also visit my webpage ... Quibids Review 

 コメントは記事の内容とは無関係で、末尾にwebpageが紹介されているスタイルなので削除(=非掲示)しました。
 実は5月にも2件の英文のコメントがありましたが、やはり記事の内容とは無関係で、末尾にwebpageが記載されていたので、削除しました。
 今後もこの種のコメントは原則として同じように扱います。
 
 

TPPの主権侵害の本質論議を急げと


 琉球新報がTPP交渉に関する自民党の参院選公約のデタラメさを指摘する社説「TPP交渉 主権侵害の本質論議急げ」を掲げました。
 
 自民党の参院選公約はTPPについては「守るべきものは守り、国益にかなう最善の道を追求する」とあるだけです
 もともとTPP問題を関税に限定したり、農業問題だけに矮小化するのは大いなるゴマカシですが、それでも昨年末の衆院選では「コメ、麦、牛・豚肉、乳製品など農業の重要5品目関税撤廃の対象から除外することや国民皆保険制度など聖域が守れない場合は脱退も辞さない」と明記していました。
 ところが今回は高市政調会長も安倍首相も、それらの関税の死守や協定からの脱退は「公約ではない」と明言しています。
 
 社説は「TPPが国家・国民主権を侵害する点は不平等条約である日米地位協定を想起させる」とし、「政府はTPPに関する全ての情報を速やかに国民に開示し、その本質に関わる議論を急ぐべきだ」と述べています
 まことにそのとおりで、TPPの本質を明らかにする議論こそはTPP推進者たちがずっと避けてきたものでした。

 TPPを歴史的事件と比べるとしたら、「日米地位協定」の以前には江戸幕府が1858年(安政)にアメリカと結んだ「日米修好通商条約」が挙げられます。
 その条約は鎖国中であった日本の無知と非力の故に結ばされた不平等条約で、その後明治政府はその改定に尽力したのですが、それが実現したのは日清戦争に勝利した後の1899年で、条約の締結から実に41年後のことでした。
 
 周知のようにTPPには、一旦協定が結ばれればそれを変えることなど事実上不可能な、「あからさまで巧妙な」仕掛けが施されています。それこそかつての日清戦争のような大事件でもなければ改定することなどは不可能です。
 
 政府は何故150年前の国辱をまた繰り返そうとしているのでしょうか。
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【社説】 TPP交渉 主権侵害の本質論議急げ
琉球新報 2013年6月30日
 政府は、7月下旬から交渉に参加する環太平洋連携協定(TPP)の会合で、コメ、麦、牛・豚肉、乳製品、サトウキビなど甘味資源作物の農業の重要5品目について、関税撤廃の対象から除外するよう求める方針を固めた。
 振り返ってみれば、安倍晋三首相はことし3月、「聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明確になった」として交渉参加を表明したはずだ。
 7月の参院選に向けた自民党の総合政策集は、重要5品目や国民皆保険制度など「聖域(死活的利益)」が守れない場合は「脱退も辞さない」と明記している。これまでの経緯からしても、重要5品目の除外を求める政府方針は至極当然であり、驚くに値しない。
 ただ、気に掛かるのは、安倍首相は国会答弁で、政策集は公約ではない-との認識を示している点だ。自民党の参院選公約はTPPについて「守るべきものは守り、国益にかなう最善の道を追求する」とあるだけだ
 しかしながら、政策集を普通に読めば、政権公約を詳細に記述したものと国民の大多数は受け取るだろう。首相答弁は欺瞞(ぎまん)に満ちており政治不信につながる。今回のTPPに関する政府方針や政策集を、参院選対策のリップサービスにしてはならないと心すべきだ。
 そもそも安倍首相は国民に対して、TPPに関する情報の開示も説明責任も十分に果たさないまま、交渉参加を独断的に表明したことを忘れてはならない。
 TPPは、農産物などの関税撤廃に焦点があたりがちだが、医療や雇用、食の安心安全の基準、投資や金融サービスなど21分野にわたり、それこそ影響は国民生活の多岐に及ぶ。決して農業問題に矮小(わいしょう)化されるべきものではない
 よくよく注意しなければならないのは、各分野とも、国家・国民主権に密接に関わる問題をはらんでいることだ。
 例えば、投資家・国家訴訟(ISD)条項は、企業が進出先の政府を提訴できる制度だが、既に条項を導入した国家間では、国の法律や地方自治体の条例よりも企業活動が優先される事態も生じている。
 国家・国民主権が侵害される懸念という点では、不平等条約である日米地位協定を想起させる。政府はTPPに関する全ての情報を速やかに国民に開示し、その本質に関わる議論を急ぐべきだ。