イスラエルによるガザ住民の大虐殺はいまもやむことはありません。米民主党の全国大会開催中のシカゴでは、イスラエルを擁護する米政府への抗議行動が連日続いています。
中東歴訪中のプリンケン米国務長官は、イスラエルのネタニヤフが19日、ハマスとの停戦に向け、米国が先週示した提案を受け入れたと明らかにしました。しかしそれは「恒久停戦とイスラエル軍のガザ撤退を拒否するネタニヤフの条件に沿っている」ものとして、ハマスは18日に反発していました。そもそもイスラエルと一心同体の米国が仲介者になること自体、あり得ないことです。
現実にガザ地区のパレスチナ人は、プリンケンの中東訪問にほとんど期待していないと話し、「奴らはわれわれを破滅させるためにうそをついているだけだ」と話します。
しんぶん赤旗の4つの記事を紹介します。
イスラエル擁護「恥を知れ」 民主党大会会場忖近で抗議続く
米民主党の全国大会開催中のシカゴでは、パレスチナ自治区ガザで大規模軍事侵攻を続けるイスラエルを擁護する米政府への抗議行動が連日続き、21日の集会ではパレスチナ支援団体や平和団体、左派団体、学生や若者らが参加。「民主党は恥を知れ」「税金でイスラエルの戦争犯罪を支援するな」などのシュプレヒコールが途切れませんでした。
ガザ空爆24時間で50人殺害
ガザ地区全域へのイスラエル軍の空爆によって、この24時間で少なくとも50人が殺されました。イスラエル軍は中部デイルバラに新たな避難命令を出すとすぐに戦車が砲撃し、少なくとも1人が死亡しました。昨年10月以来、避難先を5回変えているアブラカンさんは「われわれは終戦前に死ぬだろう。停戦の話はすべてうそだ」と話しました。
米政府は兵器送るな 民主党大会合わせデモ
米民主党全国大会の開幕に合わせ、会場近くの公園で19日、イスラエルによるガザでのジェノサイドや、イスラエルを軍事支援する米政府に抗議する数干人の集会が開かれました。集会・行進は、反戦団体や労組、性的少数者の権利を訴える団体など200以上が連合して主催。多くの青年の参加が目立ちました。
イスラエル首相 米の停戦案支持 米国務長官明かす
中東歴訪中のプリンケン米国務長官は、イスラエルのネタニヤフが19日、ハマスとの停戦に向け、米国が先週示した提案を受け入れたと明らかにしました。しかしそれは「恒久停戦とイスラエル軍のガザ撤退を拒否するネタニヤフの条件に沿っている」として、ハマスは18日に反発していました。
ガザ地区のパレスチナ人は19日、プリンケンの中東訪問にほとんど期待していないと話し、ハナン・アブ・ハミドさんは「奴らはわれわれを破滅させるためにうそをついているだけだ。われわれを殺し、子どもを殺し、飢えさせ、家無しにしている」と話しました。
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イスラエル擁護「恥を知れ」 民主党大会会場忖近で抗議続く
しんぶん赤旗 2024年8月23日
【シカゴ(米イリノイ州)=洞口昇幸】米与党民主党の全国大会開催中のシカゴでは、パレスチナ自治区ガザで大規模軍事侵攻を続けるイスラエルを擁護する米政府への抗議行動が連日続いています。21日も大会会場近くで市民らが集会を開き、イスラエルの「ジェノサイド(集団殺害)をやめさせろ、即時停戦を」と迫りました。
集会ではパレスチナ支援団体や平和団体、左派団体、学生や若者らが参加。「パレスチナを解放しろ」「民主党は恥を知れ」「税金でイスラエルの戦争犯罪を支援するな」などのシュプレヒコールが途切れませんでした。
参加したシカゴ在住の女性(27)は、「多くの連邦議会議員や米政権が、罪のない多くのガザ住民を殺害するイスラエルを支援し続けることについて、全く理解できません。税金は米国内の貧困問題解決に使うべきです」と訴えました。
「イスラエルはパレスチナの占領をやめろ」との手馨きのプラカードを持参したモハメド・ヤスィンさん(35)は現在、11月の大統領選では、民主党候補のハリス副大統領にも野党共和党候補のトランプ前大統領にも投票する気はないといいます。「ガザ問題での態度を変えさせるまで、抗議行動に参加し続けて圧力をかけていく」と語りました。
ガザ空爆24時間で50人殺害
しんぶん赤旗 2024年8月23日
パレスチナ保健当局者は21日、ガザ地区全域へのイスラエル軍の空爆によって、この24時間で少なくとも50人が殺されたと述べました。イスラエル軍は同日、トンネルやミサイル発射場、監視所など約30の標的を空爆し、戦闘員数十人を殺害したと発表しました。
ガザ民間救急サービスによると、ガザ市の学校や家屋がイスラエル軍の攻撃を受け、少なくとも4人が殺されました。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリニ事務局長は、国連運営の学校に対するイスラエルの攻撃について「子どもたちが殺されたと伝えられた。何人かは焼き殺された。ガザはもう子どもたちの居場所ではない。停戦は待ったなしだ」とXに投稿しました。
医療関係者によると、南部ハンユニス近郊の避難民野営地ではイスラエル車の空爆でパレスチナ人7人が殺されました。
また、イスラエル軍が中部デイルバラに新たな避難命令を出すとすぐに戦車が砲撃。少なくとも1人が死亡しました。昨年10月以来、避難先を5回変えているアブラカンさん(55)は「われわれは終戦前に死ぬだろう。停戦の話はすべてうそだ」とロイター通信に話しました。(ロイター)
米政府は兵器送るな 民主党大会合わせデモ
しんぶん赤旗 2024年8月21日
【シカゴ(米中西部イリノイ州)=洞口昇幸】米民主党全国大会の開幕に合わせ、シカゴ市内の大会会場近くの公園で19日、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザでのジェノサイド(集団殺害)や、イスラエルを軍事支援する米政府に抗議する数干人の集会が開かれました。その後、参加者はデモ行進し、「米政府は私たちの税金でイスラエルに兵器を送るな」などと訴えました。
集会・行進は、親パレスチナ団体だけでなく反戦団体や労働組合、黒人や女性、LGBTなど性的少数者の権利を訴える団体など200以上が連合して主催。多くの青年の参加が目立ちました。
バイデン大統領や民主党大統領候補のハリス副大統領に向けた外交方針転換を訴える手書きのプラカード、野党共和党も含めた二大政党がこれまで海外で軍事力を行使してきたことを批判する文言も見かけました。
「平和を求めるユダヤ人の声・シカゴ」のベンジャミン・テラーさん(29)は「生まれた場所や宗教など関係なく全ての人の安全と平和を実現してほしい。ハリス氏はすでに権力を持つ副大統領なのだから、すぐ米政府の方針を変えられるはずだ」と語りました。
ベトナム戦争時から反戦活動に参加しているというリーニー・ヘイバックさん(79)は「イスラエルのジェノサイドをやめさせ、停戦してほしい。そうしないと大統領選での投票先は、私としては『該当者なし』だ」と強調しました。
イスラエル首相 米の停戦案支持 米国務長官明かす
しんぶん赤旗 2024年8月21日
【カイロ=時事】イスラエルのネタニヤフ首相は19日、パレスチナ自治区ガザで交戦中のイスラム組織ハマスとの停戦に向け、米国が先週示した提案を受け入れて支持しました。中東歴訪中のプリンケン米国務長官がネタニヤフ氏と会談後、明らかにしました。
プリンケン氏は「次の重要なステップはハマスが『イエス』と言うことだ」と述べ、提案に応じるようハマスに要求しました。
米国が示した提案の詳細は不明ですが、ハマスは18日、「恒久停戦とイスラエル軍のガザ撤退を拒否するネタニヤフ氏の条件に沿っている」と反発していました。
ガザ住民、米仲介に期待せず
パレスチナ・ガザ地区のパレスチナ人は19日、プリンケン米国務長官の中東訪問にほとんど期待していないと話しました。ガザ地区南部ラファの自宅から退去させられたハナン・アブ・ハミドさんは「奴らはわれわれを破滅させるためにうそをついているだけだ。われわれを殺し、子どもを殺し、飢えさせ、家無しにしている」と話しました。
ガザの医療関係者によると、イスラエル軍は19日、ガザ各地を攻撃し、パレスチナ人少なくとも30人を殺しました。
ハマスの軍事部門と(別のイスラム組織)イスラム聖戦は19日、イスラエルの商都テルアビブで前夜に起きた爆発の犯行を声明しました。爆発で自爆した夫が死亡し、通りかかった1人が負傷しました。(ロイター)
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。
2024年8月24日土曜日
イスラエル擁護「恥を知れ」 民主党大会会場忖近で抗議続く ほか
仏発 グローバルニュースNO.11、12/イスラエルの「嘘」を裁く国際法廷 ほか
土田修氏による「仏発・グローバルニュース」のNO.11とNO.12を紹介します。
(NO.11は7月21日に発行されていたのですが見落としていました。お詫びします)
NO.11 ウクライナ和平案とマクロン「皇帝」の凋落
ここでは ウクライナ戦争の和平に向けて22年3月29日時点で、「ロシアが求めていたのは領土的な欲望ではなく、自国の安全保障を確かなものにすること」であり、「ウクライナについてはNATOを含めた如何なる軍事同盟にも加盟せずに『永世中立』を貫くべし」との内容で合意が成立する見通しが得られたため、ロシア軍は大々的に撤退を開始したのですが、その段階で突如「ブチャでの虐殺」が大々的に宣伝されるなどして結局頓挫したという経緯が述べられています。
この「ブチャ虐殺事件」は当時からウクライナの情報機関によって「仕組まれた」という説があり、航空写真などからそのことを立証する記事も発表されました(櫻井ジャーナルも折に触れてそう解説しています)。逆にそうでないのであれば、ウクライナ側が「国連の調査団を拒んだ理由」の説明がつきません。
いずれにしてもウクライナ戦争の「和平」は、米英などが大反対であることによって実現する見通しはありません。
つぎに「マクロン『皇帝』」という意味は、先の総選挙で政権与党が大敗したにもかかわらず、大統領権限はフランスの憲法「第五共和国憲法」によって強固に保障されていて、独裁政治が可能なように出来ているからで、当然野党側からはこの憲法を廃止し普通の民主国家に戻すことが強く求められているということです。
NO.12 イスラエルの「嘘」を裁く国際法廷
ここでは、先に国際刑事裁判所(ICC)はイスラエルのネタニヤフ首相とヨアフ・ガラント国防相の逮捕状を請求し、国際司法裁判所(ICJ)はイスラエルによるパレスチナ占領政策は国際法に違反しており、「イスラエルはヨルダン川西岸と東エルサレムで続くユダヤ人の入植活動を停止する義務がある」としたにもかかわらず、イスラエル(と米国)は完全にそれを無視し、「自衛権の行使であり、正当防衛」という「嘘」を盾に ガザに対する窮極の「反人道」である攻撃をいまも続けています。
そして米国をはじめとする西側諸国がそれを基本的に認めている現状は、そこまで「嘘」がまかり通っていてメディアもそれに追随しているという「異常さ」の顕れであると厳しく糾弾しています。
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グローバルニュースNO.11 ウクライナ和平案とマクロン「皇帝」の凋落
レイバーネット日本 2024-07-21
土田修 2024.7..20
ル・モンド・ディプロマティーク日本語版前理事
ジャーナリスト、元東京新聞記者
フランス発・グローバルニュースNO.11 ウクライナ和平案とマクロン「皇帝」の凋落
国際月刊紙ル・モンド・ディプロマティーク6月号(日本語版は7月号)に驚愕すべき記事が載った。編集責任者ブノワ・ブレヴィル氏の「消えたウクライナの和平案」という論説記事だ。ウクライナ戦争の初期にイスタンブールで行われていた和平交渉で、ロシアとウクライナ双方が合意に達していたというのだ。しかも和平に至る最終草案まで出来上がっており、あとは両国が署名するばかりになっていた。
実はこの草案を最初に暴露したのはドイツの保守系日刊紙ディ・ヴェルトだ。2024年4月28日に東側から入手した機密文書を基に紙面に掲載した。仮にこの最終草案にロシアとウクライナ双方が署名していたら、その後、2年間以上にわたる戦闘は行われず、数十万人の戦死者を避けることができたかもしれない。この大ニュースを世界のメディアはどこもまともに報じることはなかった。ブレヴィル氏が指摘しているように「積極的に主戦論を展開している西側陣営」にとって都合が悪いからだろうか?
*2022年交渉の様子(報道より)
2022年3月29日、ロシアとウクライナの代表団は新たなる和平交渉に臨んでいた。両陣営は重要な進展を確認し、「戦争終結」に向けた楽観的な見方に傾いていた。だが、その交渉は中断した。一般には4月上旬にブチャでの虐殺が明らかになり、状況が一変したからだと言われてきた。それは事実ではなかった。和平交渉はその後も続いており、4月15日までに17ぺージに及ぶ草案が出来上がっていた。そこには両国が何を優先課題に置き、紛争解決のためにいかなる妥協を受け入れるかが明確に示されていた。
この文書から推し量られるのは、ロシアが求めていたのは領土的な欲望ではなく、自国の安全保障を確かなものにすることだった。草案の第1章に「ウクライナの永世中立」を記載しているのはそのことを表している。つまりロシアがウクライナに求めたのは、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)を含めたいかなる軍事同盟にも加盟せず、外国軍の駐留を禁止し、軍備を縮小することだった。欧州連合(EU)は軍事同盟ではないので、そこへの加盟の道は残されていた。重要なのは、草案第1章との引き換えに、ロシアは2022年2月24日以来、占拠している地域から軍隊を引き揚げるとともに、二度とウクライナを攻撃しないと誓約していたことだ。ウクライナが求めていた支援についてもロシアは同意していた。
ブチャの虐殺については、ウクライナ側が国連の調査団を拒んだため、一部のリベラル派ジャーナリストが叫んでいるように、一方的にロシア側の犯罪と決めつけることは現状ではできない。事実、それ以降もイスタンブールでの和平交渉が続いていたのだ。しかも「和平=停戦」は手の届くところにあった。真相は明らかにされていないが、ブチャの虐殺事件の発覚にも関わらず、続けられていた交渉のテーブルからウクライナは突然、席を離れることになる。ブレヴィル氏によると、米国と英国が介在した可能性を示す証拠が上がっているという。当時、米英両国はロシアの敗北を過信していた。その結果、ロシアとウクライナの交渉人がまとめた草案を頑なに拒絶したというのだ。
2023年11月24日、ウクライナ交渉団の責任者であるデビッド・アラカミア氏は現地メディア(Ukrainska Pravda)に「私たちがイスタンブールから戻った時、ボリス・ジョンソン首相(当時)が2022年4月9日にキエフに着きました。彼は『私たちは(ロシア人と)何も協定を結ばなかった。私たちの戦いを続けましょう』と言いました」と表明している。当時、米国に忠実なジョンソン氏は、ウクライナ戦争に関してバイデン政権の「使い」を務めたいた。ジョンソン氏はこれに反論しているというが、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は綿密な調査報道によってジョンソン氏の行動を裏付けている(「ウクライナはロシアとの和平を取り結ぶ早期のチャンスを失ったのか?」2024年1月5日)。
この最終草案によって明らかになったことは、ウクライナ戦争はロシアが「領土的野心」から侵攻したものではなく、NATOの拡大に驚異を感じ、自国の安全保障を確かなものにするため、ウクライナに「永世中立」を求めていたということだ。反対に戦争の継続を望んでいたのは米英両国だった。ウクライナ戦争によって、ロシアの経済は弱体化するであろうし、ロシアの天然ガスに頼ってきた欧州各国も痛手を蒙るブーメラン効果が期待できる。その上、米国の武器産業は活況を呈することは十分に予測できたはずだ。
2014年以来、ロシアによる侵攻を煽ってきたバイデン政権にとって、ウクライナ戦争は損な選択であるはずがない。「第三世界」を搾取してきた「帝国主義」の時代は終わり、旧植民地から移民を受け入れ、自国内の労働者をプレカリアート(不安定雇用)に追い込み、搾取し苦しめ続けている新自由主義的資本主義は、戦争とオリンピックのような巨大な国際イベントによって生き残りを図っているのではないだろうか。
ウクライナ戦争は「米国による代理戦争」でしかない。日本のテレビに出演するT大教授や防衛研究所の自称専門家たちは「ロシアはウクライナの占領を目的に侵攻を開始した」「ウクライナの次はポーランドやバルト3国が狙われる」「ウクライナは欧州の民主主義を守るためロシアを追い出すまで戦わなければならない」と一方的な主戦論を展開してきた。その情報の多くは米国の戦争研究所から発したものだ。たった2、30万人のロシア軍がどうやってウクライナという国家を占領できるというのだろう。
2014年に米国の中央情報局(CIA)が工作したといわれる「マイダン政変」によって親ロシア政権を倒して以降、ドンバス内戦からウクライナ戦争へと導いてきたのは米民主党バイデン政権だ。国務次官ビクトリア・ヌーランドが密接に関わる旧ネオコン一派の巣窟である戦争研究所の情報がメディアで一人歩きしている国は恐らく日本だけだろう。メディア・リテラシー(メディアを読み解く能力)を持たず、新聞テレビの報道を鵜呑みするだけの日本の読者・視聴者を騙すことなど赤子の手をひねるより簡単なことなのだ。
「確トラ」と極右に揺れる欧州
米国では、11月の大統領選挙で共和党トランプ氏の勝利が確実視されている。トランプ氏の暗殺未遂事件後、日本のテレビはこぞって「もしトラ」から「確トラ」へと表現をステージアップさせ、あたかも大統領に就任したかのようにトランプ氏の動向を追いかけている。トランプ氏は大統領就任前であっても、ウクライナ戦争を「即時停戦させる努力を惜しまない」と表明している。フランスでは、国民議会選挙で「ウクライナへの地上軍の派遣」を示唆していた主戦派のマクロン与党は大敗し、レームダック状態に陥っている。欧州議会選挙で大躍進した極右勢力は「自国ファースト」を掲げ、EUによるウクライナ支援をやめさせようと躍起になっている。フランスの極右「国民連合(RN)」は親ロシア派で知られる。
そのフランスでは、7月7日の国民議会選挙の結果、577議席中、「不服従のフランス(LFI)」のジャン=リュック・メランション氏が提唱した左派連合「新人民戦線(NFP)」が182議席を獲得し第一党になった。マクロン与党の「アンサンブル」は168議席、RNは143議席にとどまり、この3つの勢力の間で組閣に向けた駆け引きが熾烈化している。マクロン大統領はガブリエル・アタル首相の続行を求めたが、アタル本人の意向が強く、7月18日に辞任を受理した。だが、パリ五輪を間近に控えており、アタル内閣は新内閣が発足するまで暫定内閣として職務を継続するという。
フランスでは政権与党が国民議会選挙で大敗しても、大統領権限は別格だ。首相の任命権は大統領のものであり、議会で過半数を抑える勢力が現れたとしても大統領の権限を覆すことはできない。議会での審議をへずに議案を通過させることもできれば、議会での審議を中断したり、気に入らない法案を憲法院に諮って廃案に持ち込むこともできる。首相ら側近の進言に耳を貸すことなく、突然、国民議会を解散したのもマクロン氏だ。このようにマクロン氏が「皇帝」のように振る舞うことができるのは大統領に絶大な権力を与えた「第五共和国憲法」のお陰なのだ。
1958年5月、アルジェリアにおけるクーデタに端を発した「政治危機」の状況下で、ドゴール将軍が考案した「第五共和国憲法」の制定は、大統領を国民議会の上位に位置付けるもので、一種の「クーデタ」とさえ言われた。この憲法を廃止し、フランスを普通の民主国家に戻すことがメランション氏のLFIが強く求めている政策の一つだ。そのLFIを除いた左派と右派の連合内閣の組閣が密かに検討されているとの報道もある。マクロン「皇帝」にとって目の上のタンコブなのは「極右」ではなく、「第五共和国憲法」」の廃止を訴えているLFIだからだ。今後、フランス政界がどこへ向かうのか、当分、暗中模索が続きそうだ。
グローバルニュースNO.12/イスラエルの「嘘」を裁く国際法廷
レイバーネット日本 2024-08-22
土田修 2024.8..20
ル・モンド・ディプロマティーク日本語版前理事
ジャーナリスト、元東京新聞記者
フランス発・グローバルニュースNO.12 イスラエルの「嘘」を裁く国際法廷
8月9日の「長崎原爆の日」に長崎市内で行われる平和祈念式典に、G7構成国の米国、英国、フランス、ドイツ、カナダ、イタリアの6カ国と欧州連合(EU)の駐日大使が不参加を表明した。7月26日にパリ五輪が開幕した後も、ガザ地区への攻撃の手を緩めないイスラエルを長崎市が招待しなかったことに対する対抗措置だ。米国のエマニュエル大使は、父方の祖父がイスラエル建国前にウクライナのオデッサからパレスチナに逃亡したユダヤ人の孫だ。母方の先祖はモルドバ出身のユダヤ人。彼の父はアラブ人住民に対して爆弾テロや集団虐殺を実行した右派民兵組織イルグンのメンバーだった。彼の正式な名前は「ラーム・イスラエル・エマニュエル」。「ラーム」はイスラエル過激派武装組織「イスラエル解放戦士団」の隊員で戦死した「ラーマン」から名付けられたという。
長崎の平和記念式典に不参加を表明した理由は「イスラエルは自衛権を行使しているだけだ。式典に招待しないのは、イスラエルをロシアやべラルーシと同列に扱うことだ」というものだった。無条件にイスラエルの「嘘」を受け入れている米国に、英国やフランス、ドイツ、EUなどが尻尾を振って追随した。エマニュエル大使は11月下旬に離任する意向を示しているが、同月に行われる米大統領選挙で民主党のハリス氏が勝利すれば、国家安全保障問題担当の大統領補佐官に起用されるとの観測もある。その時は、国際法違反のジェノサイドと占領を続けるイスラエルと、イスラエルを支援している米国に対する抗議の声がさらに強まるのではないか。
ところで、5月20日、国際刑事裁判所(ICC)のカリム・カーン主任検察官は、ハマスの最高指導者イスマイル・ハニヤ氏らとともに、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とヨアフ・ガラント国防相の逮捕状を請求すると発表した。この2人について、カーン氏は「戦争犯罪と人道に対する罪を犯した刑事責任を負っている」と説明している。イスラエルと米国は「(逮捕状請求は)歴史的な道徳的暴挙だ」「言語道断だ」などと感情をむき出しに抗議しているが、ICCの判断はG7を除く世界の多くの国々や人々の共感を得ているのは間違いない。イスラエルの「嘘」など、G7の高官の他は誰も信じていないのだ。
7月19日には国際司法裁判所(ICJ)が、イスラエルによるパレスチナ占領政策は国際法に違反しており、「イスラエルはヨルダン川西岸と東エルサレムで続くユダヤ人の入植活動を停止する義務がある」という勧告的意見を出した。ネタニヤフ首相は「嘘の判断だ」とICJを強く非難したが、7月30日にハニヤ氏の暗殺があったこともあり、米国に追随してきたはずの西側諸国の中からもイスラエルに対する批判の声が上がっている。極め付けはトルコのエルドアン大統領の演説だ。「イスラエルはテロ組織のように行動し、侵略、虐殺、領土の奪取を通じて自国の安全を求めている。無法国家イスラエルは人類全体、全世界にとって脅威である。イスラエルはヒトラーを凌ぐ残虐行為を犯した」とまで言い切った。
この演説に対し、イスラエルは「ヒトラーと比較する反ユダヤ主義だ」と激怒、「北大西洋条約機構(NATO)からトルコを追放する」と息巻いているが、NATO加盟国の中でもスペインだけでなく、ノルウェー、スロベニアはイスラエルを非難し、「パレスチナ国家の承認」を宣言している。スペインは、イスラエルをICJに提訴した南アフリカの訴訟に加わっている。ハマスの絶滅に躍起になっているイスラエルは「自衛権の行使であり、正当防衛だ」という「嘘」を盾にガザ攻撃を続けているが、それを承認しているG7構成国と、G7以外の大多数の国々との間の断絶は明確になった。イスラエルの「嘘」を信じたふりをしているG 7は国際的に孤立してしまっている。
フランスの月刊紙ル・モンド・ディプロマティーク7月号でアンヌ=セシル・ロベール記者は「ニュルンベルク裁判(およびそれを引き継いだ東京裁判)に着想を得て、ICCは外交上または政治上の地位の如何を問わず個人を訴追し、ICJは国を裁く」としたうえ、「ハマスのイスラエル攻撃に対してイスラエルが行ったガザへの反撃は、両裁判所において同時に、はっきり異なった訴訟手続きの対象になった」と書いている(生野雄一訳「ガザの惨事を裁く国際法廷」、日本語版8月号)。ロベール記者はこう続ける。「(ICCとICJの)訴訟手続きが世界中に衝撃を与えたのは、それが世界秩序の分裂とそこで支配的な『ダブルスタンダード』を拡大鏡のように映し出したことに基づいているからだ」。イスラエルからさまざまな脅迫を受けているというカーン氏は「国際人道法が武力紛争のすべての当事者に公平に適用されること」を望んでおり、「それによってすべての人間には同じ価値があることを具体的に示すことができる」と説明している。世界最大の軍事国家・米国がイスラエルを支援している以上、「国際人道法の公平な適用」など夢物語なのだが。
「嘘は悪徳ではない」、ヴォルテールの金言を実行するイスラエル
同紙5月号でアラン・グレシュ記者は、自国の利益を守るため旧約聖書の物語を押し付け、自らをアラブという敵国の被害者であるかのように見せかけているイスラエルの「嘘」を暴いている(土田修訳「メディアを席巻する『ツァハル(イスラエル国防軍)』」、日本語版8月号)。グレシュ記者によると、イスラエルが世界中に張り巡らせたネットワークを駆使したプロパガンダ作戦は「イスラエルを非難する者」を黙らせてきた。「西側の政府高官やメディアは『イスラエルが本当のことを言っている』と信じ込んでいる、というのがイスラエルの優越意識だ」とグレシュ記者は説明する。「嘘は悪徳ではない。善行を施す場合には大きな美徳になる。人は遠慮がちにでも、大胆にでも、常に悪魔のように嘘をつく必要がある」とは、フランスの哲学者ヴォルテールの言葉だ。イスラエルは「民主的といわれる国々にとってあり得ないレベルで、この金言を実行している」だけなのだ。
さらに、グレシュ記者はこう指摘する。「イスラエル社会は固い合意のもとに結束している。要するにこういうことだ。われわれは権利に守られており、われわれを皆殺しにしたがっている邪悪なアラブ人に抗して、ただ単に生き残りたいだけだ」。イスラエルの指導者たちが恐怖を利用しているのは、本当に怖がっているからだという。リベラル系のハーレツ紙を除いて、イスラエルの記者はヨルダン川西岸にもガザ地区にも赴くことはない。「彼らはイスラエル軍の報道発表をオウム返しにすることで満足し、イスラエルの占領地で起きていることに文字通りの意味で目を閉ざしてきた」
7月24日、ネタニヤフ首相は米国上下両院合同会議に招かれ演説したが、議会前では全国から集まった数万人の人たちが「戦争犯罪者を逮捕せよ」と訴えた。ICCが逮捕状を請求しているというのに、それを高笑いするかのように米議会で平然と「嘘」を吐くネタニヤフ首相と、そんな人物を受け入れ称賛する議員たちの厚顔無恥さには驚くほかない。その米国で、外交政治誌「フォーリン・アフェアーズ」(6月21日付け)は「ハマスが勝利、イスラエルの戦略上の失敗が敵を強くした理由」と題するロバート・ペイプ教授(政治学)の報告を掲載した。
この報告は「昨年10月以来、イスラエルは4万人以上の兵力でガザ地区を攻撃し、80%の住民を難民にし、3万7000人以上を殺害した」「少なくとも7万トンの爆弾を投下し建物の半分以上を破壊、水や食料、電気へのアクセスを切断して住民を飢餓状態に陥らせた」と指摘。だが、教授は「ハマスは弱体化していない。住民の殺戮によって、かえってハマスの支持は高まり、力を増している」と断言する。米国がベトナム戦争で、南ベトナムの大部分を荒廃させた「捜索と破壊」作戦を遂行している間に、ベトコンが力を増したのと同じだ。ハマスは粘り強く難攻不落なゲリラ勢力へと進化を遂げているという。
現在、ハマスの戦闘員は昨年10月7日の「アルアクサー洪水作戦」の時に比べて10倍に当たる1万5000人に増えている。ガザ地区の地下に張り巡らされた地下トンネルの大半はイスラエルの攻撃から逃れて健在だ。このためイスラエル軍によるガザ攻撃は「勝ち目のない消耗戦」に陥っているという。4万人を超すガザ住民を殺戮しても、実は損なわれているのはイスラエルの安全保障の方なのだ。「ハマスの力に対する重大な過誤」が将来、イスラエルを崩壊へと導くのではないか。しかも、ネタニヤフ首相は昨年10月以前に自らの身に降りかかっていた汚職の訴追を恐れ、戦争を継続するしかない。
国際社会でのG7の孤立や、「正当防衛」を標榜するイスラエルの「嘘」、勢力を増しているハマスの現状といった米国にとって不都合な真実が日本で報道されることはない。思考停止に陥っている日本のメディアに、ドイツの哲学者ハンナ・アーレントの次の言葉を捧げておこう。「嘘が絶えず繰り返されるのは、あなたを信じさせるためではなく、もう誰も何も信じないようにするためだ。真実と偽りを区別できなくなった人々は、もはや正しいものと間違いを区別することができない。このような人々は、思考力と判断力を奪われて、知識も意思もない嘘のルールに陥っている。そういう人々と一緒なら何でもできる」
24- 壮大な国民騙しに加担のTV ポエム進次郎が「大本命」になる自民党と日本の惨憺
日刊ゲンダイに掲題の記事が出ました。
政治家・小泉進次郎の実力(のなさ)については、永田町関係者であれば誰もが知っているということです。そんな人間をメディアと一緒になって自民党議員たちは本当に総裁にしようとしているのでしょうか。まさに「自民党の暗澹」などは超えて「日本の暗澹」というべきです。
岸田氏は思想や信念のない人とされてきましたが、それでもデタラメなりに政策を口にして来ました。しかし小泉進次郎氏からは政策らしいものを聞いたことがないというのがもっぱらの評判です。一体何がしたくて政治家になったのでしょうか。それともそれが3世4世の政治家の実態なのでしょうか。
人の生き方はそれぞれでいいのかも知れませんが、そういう人間が議員になって国のトップに就くとなると大問題です。米国ではバイデン氏の例もあるので陰で操りたい人間にとっては好都合なのでしょうけれども、当然許されないことです。
併せて適菜収氏の「それでもバカとは戦えー『こんな自民党総裁は嫌だ』ワースト3」を紹介します。
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壮大な国民騙しに加担のTV ポエム進次郎が「大本命」になる自民党と日本の惨憺
日刊ゲンダイ 2024/8/23
(記事集約サイト「阿修羅」より転載)
永田町関係者であれば誰もが知っている政治家・小泉進次郎の実力と評価。もちろん、自民党議員もご存じだが、それでも「本命」に祭り上げ、「改革」「刷新」の茶番劇。他にマトモな候補者が誰もいない腐敗政党と国の行く末。
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「反省をしているけど、なかなか反省が伝わらない。そういった自分に対しても、反省をしたいと思います」──この言葉をそっくり今の自民党にぶつけたらどうか。
発言の主は、自民党総裁選に出馬する意向を報じられた小泉進次郎元環境相(43)だ。大臣時代の2020年2月、新型コロナ対策本部の会合を欠席して地元で後援会の新年会に出席。それを国会でとがめられた際の複雑な釈明である。
進次郎は19年に安倍政権の内閣改造で環境相として初入閣。早速訪米し、ニューヨークでの国連気候行動サミット関連会合に臨んだ。外交デビューの場で「気候変動に取り組むには、楽しく、クールに、セクシーであるべき」とご機嫌に語り、真意を問われると「どういう意味かと説明すること自体がセクシーじゃないよね」と説明し、物議を醸した。海外メディアには「(環境対策に)何の具体策もない」と酷評された。
独特の語り口からついた異名は「ポエム大臣」。弁舌爽やかだが、中身スカスカ、意味不明な発言は「進次郎構文」と呼ばれ、ネット上には数々の「迷言」が出回っている。発言の軽さゆえに、党内からも政治指導者としての資質を疑う声は少なくない。大臣経験も、まだ1度きり。かつて田中角栄元首相が「首相の条件」とした「党三役のうち幹事長を含む2つと、蔵相(財務相)や外相、通産相(経産相)のうち2つ」の経験はゼロだ。
茂木幹事長のように「条件」を満たしているとはいえ、首相の器とは程遠い人もいるが、進次郎の経験と実力不足は否めない。その評価は永田町関係者であれば誰もが知っている。もちろん、自民党議員もご存じだろう。
ボロを出すまいとヨコシマな期待に呼応
進次郎は高支持率を誇った小泉純一郎元首相の次男。09年の初当選時から将来の首相候補としてチヤホヤされ、いまだ「天才子役」の域を出ない。ところが、党内の期待感だけはすさまじい。
新総裁に推すのは、同じ神奈川選出で岸田政権下では冷や飯を食わされた菅義偉前首相ら非主流派と、順風下の選挙しか経験のない中堅・若手議員だ。彼らの思惑は分かりやすい。裏金事件のダーティーイメージを払拭するには、「とにかく明るい」人気者を利用するのが得策というわけだ。
進次郎は親の七光どころか、曽祖父の代から政治一家の「二十一光」。兄は俳優の孝太郎、妻はフリーアナの滝川クリステルだ。姉さん女房には完全に尻に敷かれ、何をやるにも意向を伺う必要があるらしいが、おびただしい数の「光」にピカピカと照らされている。
抜群の知名度に加え、総裁選出馬に意欲を示す11人の中で最も若い。次期衆院選に向けて「改革」「刷新」を打ち出すにはうってつけ。「選挙の顔」にはもってこいという算段である。
ヨコシマな期待に呼応し、進次郎は出馬報道後、なかなかメディアに口を開かない。「プラスチックの原料って石油なんですよ! 意外にこれ知られてないんですけど」と環境相時代にラジオ番組で周知の事実を喜々として語ったように、口を開けばボロが出ると自重しているのだろう。
進次郎のダンマリ作戦を知ってか知らずか、TVカメラはこぞって追いかけ回して大ハシャギ。裏では党の重鎮や若手との面会を着々と重ね、「すでに20人の推薦人を確保し、候補を含めれば推薦人は40~60人に上るのでは」(政界関係者)との情報もある。
これだけの議員票をまとめたと知れば、メディアがまた「大本命」とはやし立てる。総裁選の報道は、誰が推薦人を集めたか否か、立候補表明はいつかという話題ばかり。本来、岸田首相が再選断念に追い込まれた裏金事件の実態解明を問うべきだが、すっかり隅っこに追いやられている。
次の総理に貸しをつくろうと全力アシスト
「『神輿は軽くてパーがいい』。進次郎氏は悪い意味での首相の条件を全て満たしています。軽い神輿を持ち上げる動きをメディアは後押ししているだけです」と指摘するのは、高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)だ。こう続ける。
「総裁選で一気に裏金事件を過去のモノにしたい自民の狙い通り、メディアはお祭り騒ぎ。進次郎氏を『大本命』として祭り上げ、二重の『祭り』で壮大な国民ダマシに加担しています。口を開けば馬脚を現すことは百も承知で、もったいぶる進次郎氏に付きまとう茶番劇。“真打ち”のように名乗りを上げれば、メディアは『待ってました!』と言わんばかりに持ち上げるのでしょう。総裁選後は“ご祝儀相場”のうちに解散・総選挙に一気呵成のシナリオが浮かびますが、メディアは『今から次の総理に貸しをつくっておこう』と全力アシストです」
進次郎の背後に控える「昔の顔」は菅だけではない。森喜朗元首相の存在も見え隠れする。進次郎を支え、バラバラになった安倍派の一部をまとめたいようだが、森にはある意味、成功体験がある。首相時代は内閣支持率ひと桁台に沈み、不人気な自分が退き、新たに小泉内閣が誕生すると自民の支持率はV字回復。直後の参院選で大勝した。あの時も「小泉フィーバー」を散々あおり、自民に手を貸したのが、TVを中心としたメディアだ。
メディアの機運醸成は早くも奏功したようで、日経新聞とテレビ東京が21~22日に実施した世論調査の「次の自民党総裁にふさわしい人」で、トップ常連の石破茂元幹事長に代わり、進次郎が首位に躍り出た。森たちの「夢よ、再び」は現実に近づいている。
漂う台湾有事と対米従属総仕上げの危うさ
お祭り騒ぎの総裁選で「表紙」だけ変え、ドサクサ紛れに総選挙を仕かけ、雪崩を打って大勝を目指す--。自民の「お家芸」とも言える手法だが、それで裏金体質や進次郎のカラッポな中身は変わりっこない。
次の選挙で苦境に立つ自民の中堅・若手にとっては、選挙に勝ちさえすれば何でもアリ。後は野となれかもしれないが、「進次郎新総理」の誕生なんて、百害あって一利なし。総裁選の投票権を持たない多くの国民にすれば、たまったもんじゃない。
「進次郎氏が経済政策を語った記憶は全くありません。これだけ経済の『ケ』の字も発しないのは、経済学を理解していない証拠でしょう。進次郎氏が『大本命』とは、物価高にあえぎ、景気対策を求める世論と大きくズレています」(経済評論家・斎藤満氏)
進次郎は憲法改正を掲げて総裁選を戦いたいと周囲に話しているそうだが、最近までその口から改憲の2文字もついぞ聞かなかった。東日本大震災から2年後の13年5月には、憲法改正に意欲を示す当時の安倍首相に「早く災害復興住宅に移り住みたいという方が、憲法の問題を考えられるか」と苦言を呈したほど。
外交では、11月の米大統領選で誕生する新政権と対峙することになるが、進次郎は09年の衆院選初出馬の直前まで米国に留学。日本外交に絶大な影響力を持つジャパンハンドラー系のシンクタンク「CSIS」(戦略国際問題研究所)の研究員だった。
「昨年、台湾有事のシミュレーションを公表したのもCSISです。もしもトランプ前大統領が返り咲き、進次郎氏が向き合うことになれば……。想像するだけで不安になります」(五野井郁夫氏=前出)
前出の斎藤満氏も「日本のトップが空疎な人物なら、米国にとっても使い勝手がいい。進次郎政権は、戦後79年に及ぶ対米従属の総仕上げとなりかねない」と危惧する。
他にマトモな候補者が誰もいない腐敗政党は、どうなろうと勝手だ。しかし、ポエム進次郎が総裁選の「大本命」になる日本の行く末は、惨憺たる状況しか思い浮かばない。
適菜収「それでもバカとは戦え」
「こんな自民党総裁は嫌だ」ワースト3を発表する
日刊ゲンダイ 2024/08/23
(記事集約サイト「阿修羅」より転載)
昔、ビートたけしの「こんな○○は嫌だ」というフリップ芸があった。
「こんな美容師は嫌だ」「こんな高校は嫌だ」「こんな家族は嫌だ」などとネタはいろいろあったが、それにならって「こんな自民党総裁は嫌だ」を発表する。
8月14日、岸田文雄は自民党総裁選への立候補を見送る意向を明らかにし、「自民党が変わることを示す、分かりやすい一歩は私が身を引くこと」と述べた。総裁選で勝つ見込みはないし、追い詰められて辞めるだけなのに、なぜか主体的に選択したかのように胸を張るのが、いつもの岸田しぐさ。その後釜を狙い魑魅魍魎がうごめきだした。
石破茂、加藤勝信、上川陽子、小泉進次郎、河野太郎、小林鷹之、斎藤健、高市早苗、野田聖子、林芳正、茂木敏充ら10人を超えているが、その中でも特に嫌な総裁ワースト3を挙げておく。
【第3位】高市早苗
ネオナチ団体代表とツーショット写真を撮っていたり、ナチス礼賛本「HITLER ヒトラー選挙戦略」に推薦文を寄せていたことを総裁就任後3日くらいで海外メディアに大々的に報道され、辞任に追い込まれるような総裁は嫌だ。高市は総裁どころか、議員辞職が求められる人物。安倍政権時代に作成された総務省の内部文書に対し、当時総務相だった高市は「全くの捏造文書だ」と主張。捏造でなかった場合は閣僚や議員を辞職するかと問われると「結構だ」と答えた。その後、総務相の松本剛明が「すべて総務省の行政文書であることが確認できた」と発表。ちゃんちゃん。
【第2位】小泉進次郎
実績が高級ホテル代を政治資金で支払っていた三股不倫くらいの総裁は嫌だ。アメリカが「石油の色もにおいもないから分からないと思うのですが、石油って化石燃料なんです」といった進次郎の発言を分析し、安倍晋三程度の使い走りにもならないと判断する可能性が大。
【第1位】河野太郎
チヤホヤされると満面の笑みを浮かべ、少しでも批判されるとプンプン怒る自己愛だけで完結している総裁は嫌だ。その他、自民党の腐敗を象徴する人物が勢ぞろい。夫が元暴力団員だったり、旧統一教会と関係のある人物だったり、人材に事欠かないのが自民党。「こんな総裁」というより「こんな政党」は嫌だ。
適菜収 作家
近著に「安倍晋三の正体」「ニッポンを蝕む全体主義」「思想の免疫力」(評論家・中野剛志氏との対談)など、著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も発行。本紙連載を書籍化した「それでもバカとは戦え」も好評発売中。6月28日には第2弾「続 それでもバカとは戦え」が発売予定。
2024年8月21日水曜日
「建築界のノーベル賞」の権威が大阪万博“350億円リング”は「犯罪だ」と
20日、都内で開かれた〈緊急シンポジウム 大阪・関西万博の迷走と建築家の退廃〉にパネリストとして出席した建築家の山本理顕氏(79)は、今年3月に「建築界のノーベル賞」といわれるプリツカー賞を受賞した建築界の世界的権威です。
山本氏は〈独裁政権による大阪・関西万博〉と題した基調講演で、万博推進の中心にいる「維新の会」を「政治集団としてはあまりにも未熟」だとして、万博会場のデザインプロデューサーを務める藤本壮介氏を、「大阪府が決めたことは全て実現するような状態になっているが、プロデューサーは本来なら『こうしたらいいんじゃないですか』ということができるはずなのに、その役割を完全に放棄している」と批判しました。
そして藤本氏がデザインしたリングに関しても、「なぜ350億円もの巨額予算になるのか、設計者は根拠を全部示さなくてはならない」と述べ、自身が過去に手掛けた事例を引き合いに出して「(350億円あれば)2つもできちゃう。何の目的もないリングに350億円近いお金をかけること自体が異常」と批判しました。
「維新の会」と藤本氏はキチンと弁明できるのでしょうか。
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「建築界のノーベル賞」受賞の権威が大阪万博をバッサリ!“350億円リング”「犯罪だと思う」
日刊ゲンダイ 2024/08/21
「これを『成功』させてはマズイ」──。来年4月開幕の大阪・関西万博について、そう危機感をあらわにしたのは建築家の山本理顕氏(79)。今年3月、「建築界のノーベル賞」といわれるプリツカー賞を受賞した建築界の世界的権威だ。
山本氏は20日、都内で開かれた〈緊急シンポジウム 大阪・関西万博の迷走と建築家の退廃〉にパネリストとして出席。350億円もの巨額の予算を投じて整備中の大屋根(リング)や不透明な意思決定プロセスなどについて、建築エコノミストの森山高至氏と建築家の山口隆氏を交えた講演・議論は約4時間に及んだ。
■「維新の会はあまりに未熟」
圧巻だったのが、山本氏の歯に衣着せぬ物言いだ。〈独裁政権による大阪・関西万博〉と題した基調講演で、万博推進の中心にいる「維新の会」を「政治集団としてはあまりにも未熟」「未熟というのも、『権力者が何をすべきか』を分かっているとは思えないから」とバッサリ。万博会場のデザインプロデューサーを務める藤本壮介氏を名指しして、こう続けた。
「大阪府は完全に(維新による)独裁政権で、そこで決まったことは全て実現するような状態になっている。この時、プロデューサーは『こうしたらいいんじゃないですか』ということを本来ならできるはず。しかし、藤本氏はその役割を完全に放棄しています」
山本氏に言わせれば、建築家とは「政治権力と住民との調停役」。万博開催の主体である大阪府・市と住民との間を専門家としてつなぐはずのプロデューサーが職務放棄していると訴え、「誰が責任者なのか分からないのが最大の問題」と一刀両断にした。
リングは「パクリにもなっていない」とダメ押し
さらに、藤本氏がデザインしたリングに関しても徹底的に批判。350億円もの巨額予算に「なぜ、こういう見積もりになるのか、設計者は根拠を全部示さなくてはなりません」と主張し、自身が過去に手掛けた事例を引き合いに出しながら、次のように喝破した。
「はこだて未来大学(の事業費)は150億円に届かずにできましたし、名古屋造形大学は150億円でした。(350億円あれば)2つもできちゃう。何の目的もないリングに350億円近いお金をかけること自体が異常です」
さらにダメ押しのごとく、「リングがパクリである」との指摘について「パクリにもなっていない。全然なっていない」と強調。不透明な巨額費用の支出と、説明を果たさない藤本氏の無責任さを非難して「“犯罪”だと僕は思います」と語気を強め、「大阪の住民側から監査請求を出した方がいい」と繰り返した。
東京五輪はフタを開けてみれば、主催者による犯罪の温床と化していた。果たして、万博は違うと言い切れるのか。