2018年4月1日日曜日

売越し 過去最悪8・5兆円 海外投資家の日本脱出が止まらない

 このところ外国人投資家は日本株を売る動きを強め、1月の第2週から11週連続で売り越しの状態です。その合計額は8兆5千億円に達しこれまでで最大の額です。
 日銀は、株価を下支えするためETF(上場投資信託)を購入ししており、17年度の合計額は5兆9000億円に達しました。
 それに加えて、年度末には、3月末決算を控え保有株の含み益を確保するため大量に株を買う機関投資家が存在するため、3月末現在ではそれほど株価は落ちませんでしたが、4月になると状況は一変し、「安倍政権は持たないと感じるマーケット関係者が増えているので、株価下落が加速する危険性があるということです。
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売り越し過去最悪85兆円 海外勢の日本脱出が止まらない
 日刊ゲンダイ 2018年3月30日
 東証が29日公表した部門別売買動向(3月第3週=19~23日)によると、外国人投資家は2599億円を売り越し(現物と先物の合計)、11週連続の売り越しとなった。
 この間の合計額は約85兆円と、過去最大規模だ。

データのある2003年以降で、売越額が8兆円を超えたのは初めてです。これまで最高額だった15年チャイナ・ショック時の7兆円をあっさりと抜きました。トランプ大統領が仕掛けた貿易戦争の影響は無視できませんが、日本独自の問題が浮上しています」(市場関係者)
 海外勢は日本市場の特殊性に嫌気が差したという指摘がある
「外国人投資家など大口の投資家が大量に株を売却しても、日銀がETF(上場投資信託)を購入し、株価を下支えしています。海外勢には市場原理の働かない歪んだ市場に映ります。そればかりか、森友問題で文書の書き換えが発覚した。海外投資家は、日本は公文書が書き換えられてしまう国なんだと呆れています。そんな後進国に投資などできないというのが本音かもしれません」(海外投資家に詳しい投資顧問会社エフピーネットの松島修代表)

■日銀が必死の買い支え
 一方で、日銀の株価維持策によって日経平均は2万円の大台を死守し続けている。日銀は今月(29日まで)、11営業日で計8081億円のETFを購入。異次元緩和がスタートした13年以降で、最大規模の買い入れ額だ。
 今年に入ってからは、海外勢がモーレツに「売り」、日銀が「買う」構図が鮮明になっている。

「アベ相場は最終局面を迎えつつあります。いまは年度末決算(3月末)を控え、保有株の含み益を確保するため、日銀以外にも大量に株を買う機関投資家が存在します。でも、4月になると状況は一変します。『安倍政権は持たない』と感じるマーケット関係者が増えているので、新政権誕生に向けた催促相場が出現し、株価下落が加速する危険性があります」(株式評論家の倉多慎之助氏)
 NYダウはここ3週間で53%下がった。日経平均はマイナス30%にすぎない。この差が、「日銀効果」だと市場ではささやかれるが、4月以降は“お化粧”が剥げ落ちそうで……。 

海外勢の「売越額」
(現物+先物)

日銀のETF購入額
1月 2週
1
150
億円

2017年4月


5075
億円
1月 3週


1899
億円

5月


3635
億円
1月 4週


8238
億円

6月


3640
億円
1月 5週
1
1888
億円

7月


4242
億円
2月 1週
1
8021
億円

8月


6597
億円
2月 2週


5535
億円

9月


4434
億円
2月 3週


5147
億円

10月


1418
億円
2月 4週


9413
億円

11月


5736
億円
3月 1週


8339
億円

12月


5673
億円
3月 2週


3435
億円

2018年1月


4410
億円
3月 3週


2599
億円

2月


5848
億円






3月


8081
億円











合 計
8
4664
億円

合 計
5
8789
億円