2018年4月7日土曜日

07- 全ては政権の腐敗による 内閣は総辞職すべき

 財務省での文書改ざんに加えて、今度は防衛省の日報隠蔽問題が俄かにクローズアップされました。
 日報は1年以上も前に見つかっていたのですが、この1年あまり政権は年がら年中野党から突き上げられていて、「いまなら発表できる」というタイミングがなかったのでしょう。

 「日々雑感」氏は単刀直入に「腐敗した権力が官僚たちを腐敗させた」と述べました。
 また業を煮やした植草一秀氏は、「安倍内閣総辞職が不可欠である三つの理由」を書いて、日本の主権者国民は安倍内閣の退場を求めるべきだと述べました

 二つのブログを紹介します。
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腐敗した権力が官僚たちを腐敗させた
日々雑感 2018年4月6日
 森友学園の国有地取引に関する公文書改ざん問題で、麻生太郎財務相は3日の衆院財務金融委員会で、「(民間企業の)不祥事ではトップが辞められたケースもあれば、辞められていないケースも多くある。辞任が当たり前と考えているわけではない」と述べ、改めて辞任を否定した。
 希望の党の階猛氏が過去5年間に上場企業で起きた不祥事ではいずれもトップが辞めているとして、辞任を求めたのに答えた。

 麻生氏はまた、財務省の調査結果の公表時期について、「捜査が終わらないと確たることが申し上げられない。捜査当局は別の答えを出した、ということになった場合は話が込み入ったことになりかねない」と話し、公表は大阪地検の捜査終結後になるとの見通しを示した。立憲民主党の高木錬太郎氏の質問に答えた。

 こうした麻生氏の答弁について、希望の党の玉木雄一郎代表は同日の記者会見で「開き直ったような答弁。必ず国会開会中に報告を行うべきで、政府に対しても強く求めていきたい」と批判した
(以上「朝日新聞」より引用)

 森友学園への国有地売却価格の値引きを昨年2月22日に財務省内で「調整会議」を開いて打ち合わせしていたという報道があった。それを伝えたのは朝日新聞だけでなく、「安倍政権のNHK」もだ。

 調整会議に参加した具体的な名前まで報じられている。公文書改竄で消された部分に具体的な価格交渉のやり取りがあったとされているが、そうしたことを財務省が認識した段階で、近畿理財局単独の判断で出来ないことは明らかだから、当然本が指示していたと考えて調査させるべ大臣が指示すべきだった。

 麻生大臣は報道で知ったから「今から調査を支持する」ので結果が出るまで待てという。どこまで国民を馬鹿にしているのだろうか。会議に出た者の名前まで分かっているものを今から調査するから時間が必要だ、というのではなく、会議に出たとされている者を金融財務委員会に呼んで聞けば済むことだ。

 ことに会議に出ていたとされる現在の理財局長の太田氏は間近にいたではないか。時間をかけて通常国会が閉会するまで引き延ばせば逃げ切れると踏んでいるとしたら大問題だ。
 国有地払い下げに関して価格の事前交渉をしていたとしたら刑事罰を受ける犯罪だ。財務省内部の懲罰で済む話ではない。
 不動産関係に携わる者なら国有地払い下げがいかに厳格に行われているか承知している。価格提示も不動産鑑定士による評価根拠を提示して行われる。事前に価格交渉するなど前代未聞だ。

 以前からこのブログで官僚は嘘を吐くと書いてきた。しかし単独で嘘を吐くことは皆無に近い。誰かに唆されて嘘を吐く、というべきだ。
 その唆す者とは誰か。それは時の権力者・政治家だ。彼らが直接指示するか、それとも権力者の意向を受けて側近が権力者の影をちらつかせながら指示するかのいずれかだ。

 財務省内で行われた払い下げ価格調整会議の全貌が明らかになれば権力者の意向を伝えたのは誰かが分かるだろう。断言しておくが、昭恵夫人が森友学園と親いからと官僚たちが「忖度」して価格調整会議を開くことはあり得ない。権力者の威を借りた権力者の側近が指示したと考える方が妥当だ。

 官僚は本来は原理原則に則った行政を遵守する人たちだ。その人たちの原理原則を捻じ曲げるには相当な権力が作用していると考えなければならない。森友も加計もそしてイラク日報も南スーダン日報も、根は皆同じだ。腐敗した権力が官僚たちを腐敗させた。その実態を明らかにして、腐敗した権力者から日本を取り戻さなければならない。


安倍内閣総辞職が不可欠である三つの理由
植草一秀の「知られざる真実」 2018年4月 6日
日本の主権者国民は安倍内閣の退場を求めるべきだ。
理由は三つある。
第一は、安倍内閣が人の道を踏み外していること。
第二は、安倍内閣が権力中枢による重大犯罪に手を染めたこと。
第三は、安倍内閣の政策によって国民生活が一段と圧迫されていることである。

安倍首相夫妻は籠池泰典氏夫妻と昵懇の関係にあった。
安倍昭恵氏は森友学園で3度の講演を行っている。
森友学園傘下の塚本幼稚園では、運動会で園児に「安倍首相ガンバレ!」、「安保法制国会通過良かったです!」などと声を上げさせ、教育勅語を暗唱させるなど、極めて歪んだ教育を行っていた。
その塚本幼稚園の教育現場を目にした安倍昭恵氏は感涙にむせんだと伝えられてきた。
安倍首相自身も国会答弁で、「妻からこの学校の先生方の教育に対する熱意は素晴らしいと聞いている」と森友学園を絶賛していた。
また、籠池泰典氏についても、「いわば、私の考え方に非常に共鳴している方」と肯定的に表現していたのである。

ところが、国が森友学園に対して、時価10億円相当の国有地を実質200万円という激安値で払い下げた事実が明らかになるに連れて、手のひらを返す対応を示した。
籠池泰典氏に対する評価が「しつこい人」に激変し、挙句の果てには、まだ裁判で罪が確定したわけでもないのに「詐欺を働くような人」と表現するに至った。

刑が確定するまでは無罪を推定しなければならないのが刑事司法の鉄則である。
行政のトップであるにもかかわらず、刑事司法の基本の基本さえ知らないという失態であった。
安倍首相は昵懇にしていた籠池泰典氏夫妻の存在が自分に都合が悪くなると手のひらを返す対応を示し、国家権力を濫用して籠池氏夫妻を犯罪者に仕立て上げて、逮捕、起訴し、8ヵ月以上にわたる勾留を続けさせている。
逃亡の恐れも罪証隠滅の恐れもない。
接見交通権までも奪い、完全なる口封じを行っている状況は北朝鮮も顔負けと言わざるを得ない。

安倍内閣が退場するべき第二の理由は、この内閣が重大犯罪の実行者であるからだ。
国有財産を適正な対価なくして譲渡することは財政法第9条に違反する違法行為であり、国に損害を与えたのであれば、刑法の背任罪に該当する可能性が高い。刑罰は5年以下の懲役または50万円以下の罰金である。
民主主義の根幹を支える国民共有の資産である決裁公文書を改ざんして、新たに虚偽の公文書を作成することは刑法の虚偽公文書作成罪に該当する。1年以上10年以下の懲役刑が定められている重大犯罪である。
さらに財務省は虚偽の公文書を国会に提出して、1年以上にわたり、国権の最高機関である国会の業務を妨害し続けてきた。これは刑法が定める偽計業務妨害罪に該当するものであり、刑罰は3年以下の懲役または50万円以下の罰金である。
このような重大犯罪を実行した犯罪者集団の最高責任者が安倍内閣なのである。

麻生首相は「森友の方がTPP11よりも重大だと考えているのが日本の政治のレベル。政治部ならまだしも経済部もこれかと、さんざん、おちょくり倒した記憶ありますけど」などと国会で答弁したが、言語道断、前代未聞、空前絶後の国家犯罪の責任者であるという自覚が皆無であるということが分かる。

安倍内閣が退場するべき第三の理由は、この内閣の政策が国民の生活を破壊していることである。
アベノミクスという言葉のマジックで、安倍内閣の経済政策が成功しているかのような印象が流布されているが、安倍内閣の政策運営で国民生活は明らかに悪化している
実質経済成長率の平均値は、あのパットしなかった民主党政権時代でも+18%だった。
ところが、第2次安倍内閣発足後の実質GDP成長率は+15%である。
あの民主党政権時代よりも経済成長の実績が下なのである。
国民にとって何よりも大事な経済指標は実質賃金の変化だが、あの民主党政権時代でも横ばい推移だった実質賃金指数が、第2次安倍内閣発足後に約5%も減少したのである。
史上最悪の経済運営パフォーマンスであると言わざるを得ない。

TPP推進で日本の農業が破壊される。
食の安全、地産地消、食糧自給がすべて崩壊する方向に向けられている。
労働市場の規制撤廃も、目的はただひとつ。大資本の労働コストを圧縮することだけが目的なのである。
安倍内閣の経済政策は「国民の生活が第一」の真逆の方向を目指しており、「国民の生活が台無し」の結果を招いている。
このような安倍内閣には直ちに退場してもらうことが必要である。
(以下は有料ブログのため非公開)