2018年4月2日月曜日

カヤの外の安倍政権がハンデを負いつつ追い込まれる日朝会談

 これまで安倍政権は、北朝鮮を悪しざまに言い声高に「最大限の圧力を」と叫び続けてきましたが、いまや北朝鮮を中心に動き出した世界情勢の中で完全に蚊帳の外に置かれています。
 その一方で、米朝首脳会談がまとまり、経済制裁が解除されることになれば、具体的に財布のヒモを緩める役割は日本だというのも、関係各国で暗黙のうちに合意されていることです。北朝鮮も勿論そうした事情を承知しています。
 それが日本の「好意」とかではなくて、外部からの圧力が「そうさせている」ことが明らかなあたりは屈辱ですが、それも日本の存在感の無さのしからしめるところです。

 そういう状況とは別に、20029月に、当時の小泉首相と金正日国防委員長が結んだ「平壌宣言」では、「国交正常化の後、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施」するとし、経済協力の具体的な規模と内容は「国交正常化交渉において誠実に協議するとしています。この無償資金協力は当時1兆円規模と考えられていたということです。

 これまでその宣言が実行されなかったのは、安保理決議によって北朝鮮に対する制裁が課せられていたためで、それが解除されれば当然取り組まなければなりません。当然、戦時賠償問題も浮上するのでそれにも誠実に取り組むことになります。

 そして安倍政権が5年以上放置してきた拉致被害者問題も勿論決着に向かうことになりますが・・無為のままで放置されたこの長い年月は、被害者や留守家族の一人ひとりにどのような結果をもたらすのでしょうか。

 日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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北朝鮮外交でカヤの外 安倍政権が1兆円で懇願する日朝会談
 日刊ゲンダイ 2018年4月1日
「最後のチャンスだ」――。
 北朝鮮による拉致被害者家族らが30日、安倍首相と官邸で面会。4月中旬の日米首脳会談の際、金正恩委員長と会談する予定のトランプ大統領に対して拉致被害者の救出を働き掛けるよう求める決議文を手渡した。安倍首相は「日本の立場を改めてよく説明する。被害者の帰国をしっかりと実現する」と応じたが、手詰まり感は拭えない。南北会談、中朝会談も実現し、米朝会談も決まった今、北朝鮮問題で日本だけがカヤの外に置かれているからだ。「圧力」一辺倒で突き進んできた安倍外交「大失敗」の責任は重い

「対話のための対話には意味がありません」
 韓国・平昌冬季五輪の開会式に出席するために訪韓した安倍首相が、文在寅大統領との会談でこう迫ったのは2月9日。対北包囲網を強めるべき とドヤ顔だったが、あれから約2カ月で状況はガラリと様変わりした。
 気が付いたら“独りぼっち”になっていた日本政府は慌てて日朝首脳会談のシグナルを北に送っているようだが、北はもちろん、韓国や中国とも真摯に向き合ってこなかった安倍政権が相手にされるはずがない。米朝会談も中朝会談も日本は事前に何ら知らされておらず、報道で知って右往左往。安倍首相は「地球儀俯瞰外交」と自画自賛していたが、しょせんはこんな低レベルの外交だったのだ。
 それなのに日本はいまだに「北が望むなら首脳会談をしてもいいよ」みたいな態度だが、北は安倍政権の“本音”をとっくに見透かしている。

■1兆円の経済支援で日朝会談を懇願
 3月29日付の労働新聞は〈永遠に平壌の敷居を越えられない〉と題した記事でこう書いている。
〈安倍一味は、軍事大国化に拍車を掛けながら、憲法を変え、日本を「戦争のできる国」にするために発狂している。軍国主義復活の妄想を持った日本にとって、朝鮮半島の緊張緩和は非常に面白くない〉
〈安倍一味が反共和国対決に悪辣にしがみついているのは、また他の邪悪な目的がある。安倍は森友問題をはじめとした不正醜聞事件で苦しい立場に陥り、文字通り辞任直前に置かれている。日本の各階層人民は、あちこちで「嘘つき内閣には、政治をする資格がない」「退陣しろ」と叫びながら、反政府闘争を展開している〉
〈慌てた安倍一味は、向けられた憤怒の矛先を他に向けるために「拉致問題」や「最大の圧力」と騒ぎ、政権を維持しようと必死になっている〉

 いやはや、安倍政権の現状を的確に分析しているとは驚きだ。デイリーNKジャパン編集長の高英起氏はこう言う。
「米国は表向き、対北朝鮮で圧力を強調しつつ、裏では対話ルートを模索していた。しかし、日本は圧力一辺倒で何もなかったわけです。北が米中韓との関係改善を模索し始めた今、あえて日本と会談を持つ必要性は低い。北からすれば『どうしてもというのであれば平壌宣言の履行を確約しろ』と主張するでしょう」

 小泉首相と金正日国防委員長が2002年9月に結んだ「平壌宣言」では、〈無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施(略)経済協力の具体的な規模と内容を誠実に協議する〉ことが盛り込まれた。一部報道では当時、経済協力の規模は総額100億ドル(1兆円)とも報じられた。

 日朝会談に1兆円――。無為無策の安倍外交の成れの果てである。