2018年4月21日土曜日

21- 安倍・菅氏と麻生氏が訪米前に大喧嘩

 麻生氏は「モリ・カケ」問題の根源は「安倍首相(および昭恵夫人)である」と公言しています。当然の指摘で、いま問題になっている財務省の文書改ざん問題もすべてはそこに帰結します。加えて麻生氏と菅官房長官は元々冷戦状態にあったということです。
 
 福田次官のセクハラ疑惑が発覚した時、安倍首相は福田次官をすぐクビしようとしましたが、もともと一連の不祥事は安倍首相に端を発していると考えてきた麻生氏は、今度ばかりは「対処は財務省に任せろ」と主張し安倍首相と激論になり、あいだに立とうとした菅氏に対しても怒声を発したということです。
 安倍氏も麻生氏も、共に穏やではない心境で空港を発ったわけです。(^○^)
 
 天木直人氏のブログ「フライデーがすっぱ抜いた安倍・菅と麻生の大喧嘩」を紹介します。
 併せて日刊ゲンダイの「二階幹事長が暗躍か首相訪米中に“安倍おろし”計画が着々」を紹介します。
 いずれも政権末期の諸相を示すものです。
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フライデーがすっぱ抜いた安倍・菅と麻生の大喧嘩
天木直人のブログ 2018年4月20日
 なぜ麻生財務大臣はここまでセクハラ福田次官をかばうのか。
 そんな事をすればますます世論の批判を浴びて辞任に追い込まれるというのに。
 なぜ安倍首相は麻生大臣に辞めてくれと迫らないのか。
 麻生大臣が世論の袋叩きにあって辞任に追い込まれれば、安倍政権の支持率がさらに下がって結局は自分が追い込まれるのに。
 
 この私の疑問に、きょう発売の週刊フライデー5月4日号(講談社)が見事に答えてくれた。
 福田次官のセクハラ疑惑が発覚した時、安倍首相は、トップダウンで福田次官をすぐクビしようとしたという。
 ところが麻生大臣が強く反論したというのだ。
 もともと、一連の不祥事は安倍首相の行き過ぎた結果だと考えてきた麻生大臣は、今度ばかりは「対処は財務省に任せろ」と主張し、安倍首相と激論になったというのだ。
 安倍政権を支える菅官房長官がたまりかねて仲裁に入り、福田次官の更迭をあらためて麻生大臣に求めたところ、「お前に言われなくとも、そんなことはわかっている!」と激怒したという。
 ついに麻生・菅の冷戦が熱戦になったのだ。
 さすがのポーカーフェースの菅官房長官も怒りで顔を紅潮させ、二階幹事長のところへ駆け込んだというのだ。
 
 これですべてが合点が行く。
 二階を通してこの事が小泉元首相の耳に入ったのだ。
 自らの発言が政局に与える影響を知っている小泉元首相は、これまで政治的発言は一切しなかった。
 ところが突然、安倍は終わりだと発言し始めた。
 「政局を見る天才」と言われた小泉元首相が安倍危うしと判断したのだ。
 批判の嵐の中で麻生大臣はG20出席のため訪米した。
 だったらなぜ安倍首相と一緒に一足早く訪米し、貿易交渉はペンス副大統領と自分で行い、それを終えてからG20に臨もうとしなかったのか。
 なぜ安倍首相はそれを麻生大臣に求めなかったのか。
 それは、安倍首相もはじめからそんな事は頭にはなかったからだ。
 失敗する安倍訪米の片棒など誰が担ぐものかと麻生大臣は尻をまくり、それを知っている安倍首相は、世耕がだめならTPPの茂木だと決めていたのだ。
 
 このままでは、間違いなく政局が始まる。
 麻生大臣は居直り、ますます安倍・菅政権を困らせようとするだろう。
 最後は安倍首相が麻生大臣を。「お前は首だ」と更迭する事になる。
 安倍・菅暴政コンビはいよいよ最後の勝負所にさしかかって来た。
 そこに小泉父子が参戦し、すべての自民党員を巻き込んだ壮烈な権力争いが始まる。
 はたしてどちらが勝つか。
 私にはわからない。
 はっきりしている事は、野党がどんどんと霞んでいくということだ。
 メディアも国民も、いつものことながら、自民党内の権力争いが大好きなのである。
 小泉父子が好きなのである(了)
 
 
二階幹事長が暗躍か首相訪米中に“安倍おろし”計画が着々
 日刊ゲンダイ 2018年4月20日
 これで麻生財務相の辞任も必至だ。セクハラ疑惑が報じられ、日本中の女性を敵に回した財務省の福田淳一事務次官が18日、辞意を表明した。これまで、報道は「事実と異なる」と疑惑を完全否定し、名誉毀損で提訴する準備をしているというコメントを発表するなど強気の姿勢だったのが、一転しての電撃辞任。更迭論を退け、かばい続けた麻生大臣も無傷ではいられない。
 
「職責を果たすのが困難な状況になっている」
 福田次官は辞任の理由をこう説明した。セクハラ暴言の音声データまで公開され、その後の「被害者は名乗り出ろ」という財務省のフザケた対応にも批判が殺到。
 財務省の記者クラブが珍しく協力要請を拒否し、抗議文を提出する事態になっていた。辞任は遅すぎるくらいだ。
 
辞任の流れを決めたのは二階幹事長です。麻生大臣は夏の定例人事まで続投させるつもりでしたが、18日朝の自民・公明の幹部会合で、二階さんが『福田次官は自ら早くけじめをつけてもらいたい』と激怒していたという話が伝わり、財務省側も観念した。内閣支持率の下落で、党の発言力が強まり、二階さんの意思で物事が動くようになっている。官邸サイドが拒んでいた佐川前長官の証人喚問も、二階さんの鶴の一声で決まりましたからね」(財務省関係者)
 最強官庁の財務省で次官が任期途中で辞めるのは、98年の大蔵省接待汚職以来のこと。ノーパンしゃぶしゃぶの次がセクハラ辞任では目も当てられない。
 
 当面は矢野康治官房長が次官を兼任するというが、財務省では、文書改ざんで佐川宣寿前国税庁長官が3月に辞めたばかり。国税庁も次長が長官を代行していて、トップ2人が不在という異常事態だ。
「当然、麻生財務相の監督責任は避けられません。福田氏も佐川氏も人格が破綻しているとしか思えず、自分の保身のために、こんなイカれた人物を擁護してきた麻生氏の責任は重大です。即刻、辞任するしかない。しかも、こんな混乱を招いておいて、19日からのG20出席のために訪米するという無神経も信じられません。『セクハラ次官を擁護した女性蔑視大臣』と海外でも報道されているのに、どのツラ下げて国際会議に出られるのか。日本の恥です」(政治評論家・森田実氏)
 
■高まる麻生大臣への辞任圧力
 そんな中、福田次官に引導を渡して麻生大臣の防波堤を決壊させた二階氏が同じ18日の夜に出席した会合が話題になっている。赤坂の料亭で小泉元首相、山崎拓元副総裁、武部勤元幹事長、東京都の小池知事と会談したのだ。
「昨年の4月18日にも同じメンバーで会食し、その際は、偶然を装って同じ店にいた安倍総理とも会話をした。しかし、今回は総理が訪米で日本を留守にしているタイミング。小泉さんは最近、『総裁3選は無理だ』とバッサリだし、ヤマタクさんも“反安倍”の立場を鮮明にしている。そこへ二階幹事長が加わり、総理の不在中に『安倍降ろし』について話し合われたのではないかとみられています」(自民党関係者)
 
 小泉元首相は「週刊朝日」のインタビューで「安倍さんの引き際、今国会が終わるころじゃないか」と話していた。財務次官の辞任で、今後は麻生大臣への辞任圧力も高まってくる。
「財務次官の辞任が政権退陣の引き金です。麻生氏が辞めれば、安倍政権は持たない。総辞職しかありません」(森田実氏)
 
 不在にしている間に張られていく包囲網――。帰国したら、政治の景色は一変しているかもしれない。訪米中の安倍首相は気が気じゃないはずだ。