山口県阿武町で12日、第2回「ミサイル基地をつくらせない県民大集会」が開かれ、台風の中約300人の参加者で会場は満席となりました。
もう一つの候補地、秋田県の「ミサイル基地『イージス・アショア』を考える県民の会」の渡部雅子共同代表も参加し、「日本のどこにもイージスはいらない」と訴えました。
1基6000億円余も掛かる超高額のイージスアショアには、ハワイやグアムに向かうミサイルの飛翔データを把握する能力はありますが、日本に飛来するミサイルを迎撃する能力は殆どありません。そんなものを米軍の指示に従って山口県と秋田県の2カ所に設置するなど言語道断です。
それとは別に、防衛省によると、米軍人と軍属がこの5年間に起こした事件・業務上の事故は382件(公務外144件)、交通事故は1833件(同986件)で計2215件(同1130件)に上ることが分かりました。
しんぶん赤旗と東京新聞の記事を紹介します。
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ミサイル基地いらん 山口・阿武町で県民大集会
しんぶん赤旗 2019年10月13日
陸上イージスの配備計画の候補地、山口県萩市に隣接する阿武町で12日、第2回「ミサイル基地をつくらせない県民大集会」が開かれました。「総がかり行動萩実行委員会」などでつくる実行委員会の主催。台風の中、昨年と同じ会場は約300人の参加者で昨年同様に満席となり、「ミサイル基地はいらん!」と唱和しました。
もう一つの候補地、秋田県の「ミサイル基地『イージス・アショア』を考える県民の会」の渡部雅子共同代表が「日本のどこにもイージスはいらない」と訴えると、ひときわ大きな拍手が湧きました。
廣兼捷晃(かつあき)実行委員長(75)は「防衛省は住民の疑問や不安に真正面から答えていない」と批判し、撤回まで力を合わせようと呼びかけました。
地元の農家や、東京電力福島第1原発事故の避難移住者らが次々に発言し、同町で農家民宿を営む男性(73)は「もし建てられたら農業は続けられない」と訴え。候補地近くのダイコン産地・千石台(せんごくだい)出荷組合の田村健二組合長は「子どもたちの健康に影響を与えるようなものは到底、認められない」と語気を強めました。
東京新聞論説兼編集委員の半田滋氏が講演しました。
県内の野党各党の地方議員らの他、日本共産党の大平よしのぶ衆院中国ブロック比例候補、仁比聡平前参院議員が参加しました。
米軍絡む事件・事故 5年で2200件 日本政府、補償3.2億円負担
東京新聞 2019年10月13日
米軍人と軍属が関係する事件や交通事故などが今年三月までの五年間に日本国内で二千二百十五件起き、裁判外での補償や民事訴訟で認められた損害賠償額などのうち、日本政府が約三億二千万円を負担していたことが防衛省への取材で分かった。ただ、手続きが煩雑な公務外の事件・事故では訴訟を諦めて泣き寝入りしているケースも多いとみられ、専門家は「被害者の立場に立った制度が必要」と指摘している。 (片山夏子)
同省によると、米軍人と軍属がこの五年間に起こした事件・業務上の事故は三百八十二件(公務外百四十四件)、交通事故は千八百三十三件(同九百八十六件)で計二千二百十五件(同千百三十件)。日米地位協定によると、米軍が公務と認めた場合、加害責任の度合いに応じて日米両政府が補償する。米軍に全責任があっても日本政府が25%は負担する内容になっており、日本政府の負担額約三億二千万円のうち、公務上のものは約一億四千万円に上る。
一方、公務外の負担額は約一億八千万円。賠償責任は加害者にのみ生じ、米政府が出すのは「慰謝料」になる。被害者は日本政府を介し、米政府に慰謝料を求める手続きを取る。その後、日本政府が査定した額を基に、最終的に米政府が支払いの有無や額を決める。慰謝料のため金額は低く、被害者は裁判を起こし、判決で認められた賠償額との差額を日本政府が支払う。
米軍絡みの裁判を多く手掛けている新垣勉弁護士は「事情に詳しくない弁護士に相談し、『米兵相手の裁判は難しい』と言われて諦める人もいるだろう。公務外の事件・事故の被害者救済のため、最初に日本政府が補償をし、それを米政府や加害者に求める制度をつくるべきだ」と述べた。