2019年10月8日火曜日

NHK経営委員長の「会長注意」は議決を経ていない かんぽ報道

 7月辺りからマスコミが大々的に報道して大問題となった「かんぽ生命保険の不正販売問題」は、NHKが昨年4月にいち早く「クローズアップ現代+」で取り上げたのがコトの始まりでした。NHKは第2弾の報道を準備していたのですが、そのことを知った郵政側昨年10月5日、NHK経営委員会に宛てて「ガバナンス体制の検証」などを求める文書を送り付け、それを受けて経営委同月23日、上田NHK会長を厳重注意しました。
 郵政側で中心となって動いたのは、元総務省事務次官で郵政()の上級副社長に天下った人物と見られています。そのためにNHKによる第2弾以降の報道がなくなりました。
 
 このNHK会長に「番組への統治の強化」を求めた経営委の対応は、事実上「かんぽ不正問題」の取材にブレーキをかけたわけで、「取材過程に対する事実上の介入となった疑いがあるため、「放送を語る会」などは「『かんぽ不正問題』報道に関しNHK会長に『厳重注意』処分を行った経営委員会に抗議し、石原進委員長の辞任を求める」抗議文書をNHKに提出したほか、それぞれの団体がいくつもの抗議を行っています。
 
 ところが石原経営委員長が出した「厳重注意」は、経営委員会で意見が分かれたため議決が出来なかったものであることが、佐藤友美子委員の話で明らかになりました。
 ますます不明朗の度が深まりました。委員長は辞任すべきです。
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「会長注意」議決せず かんぽ報道 NHK経営委、意見割れ
東京新聞 2019年10月6日
 かんぽ生命保険の不正販売問題を報じた番組を巡り、日本郵政グループの抗議を受けたNHK経営委員会がNHK会長を厳重注意した問題で、委員会が昨年十月、抗議への対応を協議した際に意見が割れ、委員会としての議決は経ないまま、厳重注意していたことが分かった。
 
 五日に横浜市で経営委員や理事らによる「視聴者のみなさまと語る会」が開かれ、出席した佐藤友美子委員が終了後に明らかにした。佐藤委員は「いろんな意見が出ました。決は採っていない。結果的にああいう形で(注意が)出ることになった」と説明。その上で「(NHKの自主自律は)守られていると思う」と話した。
 佐藤委員と共に取材に応じた細田聡一郎・経営委事務局長は「大きな問題になってしまっている。(経営委は)若干、混乱している。(十五日に開く)経営委員会で各委員の意見を確認し、厳重注意はこういうことだったんだと確認した上で、しっかり説明したい」と話した。
 五日の語る会は、小中学生の保護者らが対象で約三十人が参加した。