2019年10月26日土曜日

一方的譲歩の日米貿易協定はやめよと

 日米貿易協定の承認案審議24日の衆院本会議で始まり、趣旨説明と質疑が行われました。同協定は日本が一方的に譲歩したものであることは衆目の一致するところですが、安倍首相は「ウィンウィンでバランスの取れたもの」などの空言を弄する一方で、米国の自動車関税撤廃時期は明言できず、関税撤廃後を仮定した虚偽の「経済効果」は修正すべきだとの要求に対しては、「今後の交渉に悪影響を与えかねない」からと拒みました。同様に協定発効から4カ月以内に行われる次の貿易交渉テーマの構想を問われても「予断を持って言うことはできない」と拒みました。
 国益に反する合意はしないというのであれば、「これらはテーマにしない」という意思をどうして表明しないのでしょうか。トランプ氏の「アメリカ・ファースト(米国第一)に迎合することが安倍首相の本心であるからに他なりません。情けない話です。
 
 24日、国会内で記者会見した共産党の志位委員長は、「安倍首相は『ウィンウィン』と言うが、『ウィン』の部分が一つもなく、日本側の一方的譲歩の内容になっている」「とくに農業分野は牛肉も豚肉もトウモロコシもすべて譲る。しかも再交渉で際限なく譲っていくことになる」と指摘しました
 
 東京新聞としんぶん赤旗の一連の記事を紹介します。
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自動車関税先送り 撤廃時期は示さず 日米貿易協定案 審議入り
東京新聞 2019年10月25日
 日米貿易協定の承認案は二十四日の衆院本会議で、安倍晋三首相が出席して趣旨説明と質疑が行われ、審議入りした。野党は、日本から米国に輸出する自動車の関税撤廃が先送りされたなどと批判。これに対し首相は「日米双方にとってウィンウィンでバランスの取れた結論を得ることができた」と成果を強調した。(木谷孝洋、妹尾聡太)
 
 野党新会派で無所属の玄葉光一郎氏は、米国に輸出する自動車の関税(税率2・5%)の撤廃時期が協定に明記されなかったことを踏まえ、撤廃時期をただした。首相は「自動車は電動化、自動走行による大変革期にあり、状況を見極めながら最善の結果が得られるよう協議する」と答えるにとどめた。
 
 政府は協定発効に伴う経済効果を、二〇一八年度の国内総生産(GDP)水準で換算して約四兆円に相当すると発表。試算には、先送りされた自動車と同部品の関税撤廃を算入しているため、玄葉氏は関税が維持された場合の経済効果も出すよう求めた。首相は「試算することは今後の交渉に悪影響を与えかねない」と拒んだ
 
 首相とトランプ米大統領が九月に発表した共同声明には、協定発効から四カ月以内に次の貿易交渉で扱うテーマを決めると明記されている。首相は今後の交渉について「どのような姿勢で臨むかも含め、予断を持って申し上げることは差し控える。国益に反する合意を行うつもりはない」と話した。
 一方、首相が八月の日米首脳会談で表明した米国産トウモロコシを購入する方針に関しては「購入について約束や合意をしたとの事実はない」と話した。共産党の笠井亮氏への答弁。
 
 政府・与党は二〇年一月の協定発効に向け、承認案を今国会で成立させる構え。協定は条約に当たるため、憲法の衆院優越規定で参院が議決しなくても衆院通過後三十日で自然承認される。
 
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農業と経済に大打撃 日米貿易協定認めない 衆院審議入り 笠井氏追及
しんぶん赤旗 2019年10月25日
 日米貿易協定とデジタル貿易協定の承認案が24日、衆院本会議で審議入りしました。日本共産党の笠井亮議員が質疑に立ち、農林水産業や地域経済に及ぼす深刻な影響を告発しました。安倍晋三首相は「わが国の国益にかなう結果が得られた」と繰り返し、日本の農業と経済への深刻な打撃に何ら考慮を払わない姿勢をあらわにしました。
 
 日米貿易協定は、日本側が一方的に譲歩し、米国産農畜産物の関税を大幅に引き下げるものです。笠井氏は、同協定によって牛肉など畜産物の関税が大幅に引き下げられることなどを指摘し、「トランプ大統領の『アメリカ・ファースト(米国第一)』に迎合した政治姿勢そのものだ」と批判しました。
 日米貿易協定には米国への特恵的待遇と再交渉規定などが盛り込まれています。笠井氏は、米国がコメの無税輸入枠の設定など、さらなる市場開放を求めてきた場合「応じざるを得ないのではないか」と迫りました。
 安倍首相は「予断を持って申すことは差し控える」などと述べる一方で、「国益に反する合意はしない」と楽観論を繰り返すだけでした。
 笠井氏は、デジタル貿易協定が米国の巨大情報技術(IT)企業の利益を優先するものだと追及。「食料主権・経済主権を破壊する日米貿易協定・デジタル貿易協定の国会承認は断じて認められない」と主張し、さらなる日米自由貿易協定(FTA)交渉の中止を求めました。
 
 
被災農家を追い打ち 田村貴昭氏 日米貿易協定やめよ 衆院農水委
しんぶん赤旗 2019年10月25日
 日本共産党の田村貴昭議員は24日の衆院農林水産委員会で、8月以降の大雨・台風による農業被害への支援拡充を求めたうえで、こんなときに食と農業を脅かす日米貿易協定を承認するなどやめるべきだと迫りました。
 田村氏は、農業被害対策で大事なのは「離農者を出さないことだ」と述べ、被災農家の収入ゼロ期間をつくらないよう要求。江藤拓農水相は「もう一歩二歩踏み込んで検討している」と応じました。
 そのうえで田村氏は、大雨・台風被害で多くの農業県の生産基盤が脅かされているなか、そこに追い打ちをかける貿易協定問題を厳しくただしました。
 最も影響を受ける牛肉の場合、肩・バラ肉100グラム380円台の国産肉より今でも安い輸入肉は、関税引き下げで同198円にまで下がり、国内畜産農家の経営を直撃します。
 「対策大綱を改定していく」などと弁明する江藤農水相に対し、田村氏はこの4年間の国のTPP(環太平洋連携協定)対策を見ても、オスの国産牛の肥育農家は毎年減少し、過去最大110万頭だった飼養頭数は80万頭を大幅に割ったと指摘。まったく功を奏していない対策大綱を見直しても「米国産牛肉の増加への対策となりうるのか。畜産農家が納得すると本気で考えているのか」と追及し、貿易協定の承認をやめるよう求めました。
 さらに協定承認案が外務委員会のみで審議されることを批判し、農水委員会を含む連合審査を求めました
 
 
日米貿易協定案は一方的譲歩 詳しい試算も出さず論外
志位委員長会見 承認阻止を訴え
しんぶん赤旗 2019年10月25日
 日本共産党の志位和夫委員長は24日、国会内で記者会見し、同日衆院本会議で審議入りした日米貿易協定承認案の問題を問われ、「安倍首相は『ウィンウィン』と言うが、『ウィン』の部分が一つもなく、日本側の一方的譲歩の内容になっている」と厳しく批判しました。
 志位氏は「とくに農業分野は牛肉も豚肉もトウモロコシもすべて譲る。しかも再交渉で際限なく譲っていくことになる」と指摘。
 さらに、農業分野でどれだけの影響があるかの詳しい試算も政府は出していないと述べ、「野党が大きな問題として提起しているが、試算も出さずまともな議論ができるのか。やり方の面でもまったく論外だ」と語りました。「私たちは(承認を)阻止し、日米FTA(自由貿易協定)をやめさせる立場で臨みたい」と訴えました。