2019年10月14日月曜日

三流政治に三流経営者 ワルに蝕まれる日本企業に世界冷笑

 国のトップが腐っていれば、企業も腐っていきます。『経済一流、政治三流』といわれたのは過去の話で、嘘、改ざん、不正にまみれた腐敗政権がこれだけ長く続いたせいで、モラルハザードが広がり、いまや三流国家の三流企業だらけになってしまいました(評論家・本澤二郎氏) 
 その腐り具合も政権に近い半ば公的機関のようなものほど酷く、関電の金品授受などはあまりに前時代的で、世界から冷笑されています。
 
 日刊ゲンダイが、「三流政治に三流経営者 ワルに蝕まれる日本企業に世界冷笑」とする記事を出しました。
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巻頭特集
三流政治に三流経営者 ワルに蝕まれる日本企業に世界冷笑
日刊ゲンダイ 2019/10/13
 コンプライアンスもガバナンスもあったもんじゃない。
 
 関西電力をめぐる「原発マネー」の還流問題は底なしだ。高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役から、少なくとも幹部20人が総額3・2億円もの金品を受け取っていた。今回、調査対象になったのは2011年からの7年間だけだから、実態はもっと膨らむ可能性があるが、関電側は「不適切だが違法性はない」と開き直り、金品を受け取った経営陣が居座りを決め込み、散々、醜態をさらした揚げ句、辞任表明に追い込まれた。
 
 だいたい「脅されて恐ろしくて金品を受け取った」なんて、落語の「饅頭こわい」じゃあるまいし、そんな言い訳が通用すると思っていたのだからオメデタイ。億単位の金品を受け取っておきながら、「返せば問題ない」の厚顔を見ていると、この国は本当に法治国家なのかと口をアングリである。
「給料は下がり、年金も減り、社会保険料や消費税など負担ばかりが増えて、カツカツの節約生活を余儀なくされている庶民からすれば、やりきれない話です。しかも、巨額の裏ガネが電気料金に上乗せされていると思うと、はらわたが煮えくり返りますよ。関西財界に君臨する関電がこのありさまで、大企業は庶民から収奪して私腹を肥やすことしか考えていない。かんぽ生命の不正販売もそうですが、新自由主義の蔓延が、企業のモラルハザードの背景にあるのではないでしょうか」(政治評論家・本澤二郎氏)
 
 日本郵政の「かんぽ生命」の不適切販売で、保険料の二重徴収など顧客の不利益が疑われるケースは18万3000件に上った。ターゲットは主に地方の高齢者で、契約を取りやすい一人暮らしの独居老人を陰で「ゆるキャラ」「半ぼけ」などと呼び、営業ノルマ達成のために、ひとりに数十件も契約させるなどしていた。特殊詐欺さながらの悪質営業だ。
 
政権に近い企業ほど目立つガバナンス欠如
 稼ぐが勝ち、騙される方が悪いとばかりに弱者を狙い撃ち。被害に遭った高齢者は、よもや郵便局が詐欺をはたらくなどとは思っていなかったはずで、地方で圧倒的な信頼を持つ「郵便局」の看板を利用した詐欺的行為だから度し難い。 
 さらには、この不正販売を18年に報じたNHKの番組に対し、日本郵政は「犯罪的営業を組織ぐるみでやっている印象を与える」と、NHK会長に申し入れをしていたのだから、盗人猛々しいにも程がある。NHK経営委員会にも「コーポレートガバナンス企業内の統治が効いていない」などと抗議したというが、「ガバナンス」なんて、どの口が言うのかという話だ。恫喝に屈して続編の放送を取りやめたNHKも情けない
 
 日本郵政に関しては、ゆうちょ銀行でも70歳以上の高齢者への投資信託の販売で、社内ルール違反が18年度だけで1万9500件も見つかっている。安倍首相は今国会の所信表明演説で「政権発足後、強力にコーポレートガバナンス改革を進めた結果、日本企業に対する海外からの直接投資残高は、5年連続で過去最高を更新した」と例によって自画自賛していたが、ガバナンスの意味が分かっているのか
 関電、日本郵政、日産、東芝、スルガ銀行、神戸製鋼――。数え上げればキリがないが、安倍政権下では、日本を代表する企業の不正や改ざんが次々と明らかになっている
 
 それにしても、金融庁前長官が手放しで持ち上げていたスルガ銀行といい、経産省を後ろ盾に検察とタッグを組んでクーデターさながらの手法でカルロス・ゴーン前会長を放逐した日産、あるいは安倍政権の成長戦略の目玉として設立された官民ファンドの「クールジャパン機構」から多額の税金が投入されてきた吉本興業といい、政権に近い企業ほど、ガバナンス欠如が目立つのは偶然なのだろうか。自分たちは特別、何があっても政府に守ってもらえるという甘えや傲りがあるのではないか。
 
■企業腐敗の横行は劣化する日本の合わせ鏡
関電も日本郵政も公共性が高く、純粋な民間企業というより、半ば公的機関のような存在です。役所からの天下りも多い。政治との結びつきが強く、絶対に潰れないという甘えが、ガバナンスの欠如につながっている。しかし、先進国ではあり得ないような不祥事の連続で、本来、こんなデタラメ企業には投資できません。株主に申し開きができないからです。海外からの投資が増えたのは、単に円安で日本株が割安になったことと、財界を大事にする安倍政権なら、経営が行き詰まっても政府の支援が期待できると踏んでいるからでしょう。しかし、関電の金品授受などはあまりに前時代的で、世界は冷笑している。こんな会社でも政府が守るという姿勢を示せば、国際社会に間違ったメッセージを与えることになります」(経済評論家・斎藤満
 
 創業家出身の御曹司が外部からのCEOを追い落としにかかり、海外投資家から「会社の私物化」と批判されたLIXILグループのように、創業家などの少数株主が企業を牛耳っているケースも少なくない。
 世襲と私物化に蝕まれ、ガバナンスは機能不全。そのくせカネのにおいにだけは敏感で、権力に群がる企業風土は、まるで劣化する日本政治の合わせ鏡のようだ。
 そういう大企業が空前の内部留保をため込み、庶民は生活苦にあえいでいるのが現状で、さらに消費税10%への増税がのしかかってくる。その消費税もまた、安倍政権の仲間内へのバラマキや大企業への還付金、法人税減税などに使われるのだ。
 
「国のトップが腐っていれば、企業も腐っていく。『経済一流、政治三流』とうそぶいていられたのも過去の話で、嘘、改ざん、不正にまみれた腐敗政権がこれだけ長く続いたせいで、モラルハザードが広がり、三流国家の三流企業だらけになってしまいました」(本澤二郎氏=前出) 
 安倍の通算在職日数は11月19日には2886日で歴代最長の桂太郎に並ぶ。
 日本の現状は、モラルに背を向けて私欲を満たす無法国家の必然の末路と言うほかない