2019年10月5日土曜日

トリエンナーレの補助事業採択の委員が 文化庁決定に抗議し辞意

 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」への補助金交付は4月に有識者による審査会を経て採択されたものです。それを先般 萩生田文科相が突然「全額不交付」にしたと発表したことに関連して、共産党の本村伸子衆院議員が「全額不交付」決定の審査議事録を請求したのに対し、文化庁「審査の議事録はない旨を文書回答しました
 これでは不交付にしたのは「萩生田文科相の独断では」と疑われても仕方がありません
 
 実際に「補助金全額不交付」への変更は審査委員に諮ることなく決められたもので、審査委員の一人、鳥取大学の野田邦弘特命教授文化庁に抗議するとして辞意を伝えました。文化庁の別事業の外部委員も辞表を提出するなど今回の決定に抗議する動きが広がっています。
 
 野田教授は、「専門的な知識をもち、現場の事情に詳しい審査委員の意見を聞かずに、行政が一方的に補助金を不交付とすることはあってはならない行為だ。これがまかり通れば、文化芸術活動を行う人たちが補助金を得るために必要以上に国に配慮するなど現場が萎縮してしまう」と語っています。
 
 NHKのニュースとしんぶん赤旗の記事を紹介します。
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国際芸術祭の補助事業採択の委員 文化庁決定に抗議し辞意
NHK NEWS WEB 2019年10月3日
愛知県の国際芸術祭への補助金の交付を文化庁が取りやめたことを受けて事業の採択に関わった委員の1人が、その決定に抗議するとして、文化庁に辞意を伝えたことがわかりました。
慰安婦を象徴する少女像など一部の展示が中止された愛知県の国際芸術祭、「あいちトリエンナーレ」について、文化庁は先月26日、申請の手続きなどが不適切だったとして、すでに採択を決めていたおよそ7800万円の補助金を交付しないことを明らかにしました。
この決定に対し、芸術祭を補助事業として採択した文化庁の審査委員会の委員で、鳥取大学の野田邦弘特命教授が文化庁に抗議するとして、辞意を伝えたことがわかりました。
野田特命教授によりますと、文化庁から、補助金を取りやめる相談が決定前になかったことなどを理由に挙げています。
 
野田特命教授は「専門的な知識をもち、現場の事情に詳しい審査委員の意見を聞かずに、行政が一方的に補助金を不交付とすることはあってはならない行為だ。これがまかり通れば、文化芸術活動を行う人たちが補助金を得るために必要以上に国に配慮するなど現場が萎縮してしまう」と話しています。
 
補助金不交付の撤回求める声明相次ぐ
今回、文化庁が、補助金を交付しないと決めたことについて、大学教員や芸術家は決定の撤回を求める声明を相次いで出しています。
このうち、東京大学の教員の有志が、インターネット上で、今回の決定は「表現の自由の重要性を深く認識し、文化芸術活動を行う者の自主性を尊重するという文化芸術について定めた法律の理念から外れている」と指摘したうえで、「地域で文化芸術事業に取り組む団体の企画や応募を萎縮させ、文化芸術の振興に悪影響を及ぼす」として強く抗議し、不交付決定を取り消すよう求めています。
また、文化庁の別事業の外部委員も、辞表を提出するなど今回の決定に抗議する動きが広がっています。
 
 
不交付の議事録なし あいちトリエンナーレ 本村議員に文化庁回答
 しんぶん赤旗 2019年10月2日
 文化庁が国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」への補助金「全額不交付」を決定した問題で1日、「全額不交付」を決定した同庁での審査の議事録が存在しないことが分かりました。日本共産党の本村伸子衆院議員が「全額不交付」決定の審査議事録を請求したのに対し、文化庁参事官(文化創造担当)の名で「審査の議事録はございません」と文書回答しました。
 
 萩生田光一文科相は撤回決定について、展示継続が難しくなる事態を愛知県が認識していながら申告せず、「補助金の申請上、不適切な行為が認められた」と述べていますが、議事録が不存在であるため、議事録で「不適切」とした根拠を検証することができません。「萩生田氏の独断では」との批判が出ています。
 
 申請段階での展示困難の懸念や警備体制などについては、申請規定も申告義務もありません。
 4月25日付の有識者による審査会を経ての文化庁の補助金「採択通知」撤回ありきで、後から理由をこじつけた「検閲」の疑いがさらに強まっています。