菅原一秀経産相が地元選挙民宛に盆暮れにさまざまな贈り物を繰り返し、それらが国会の場で追及されるようになった今月17日にも、公設秘書が地元選挙区の通夜で香典を手渡したとされる疑惑が浮かび上がりました。
いずれも公職選挙法に違反するもので、自民党幹部は「閣僚を続けるのは難しい」との認識を示しています。それは当然のことですが、その一方で自民党執行部の一人は「まずは首相官邸がどう判断するかだ」とし、安倍晋三首相の対応を注視する考えを示したということです(時事通信)。
この問題では週刊文春が熱心に取材して、贈答品メモの存在やそれに関連する秘書の会話の音声記録等を報じていますが、殆どのTVはこの国民が注目する筈の問題をワイドショーなどで取り上げようとしません。それは上記の自民党執行部(の一人)と同様、官邸の意向を忖度してのこととしか考えられません。
しかしこの問題では、これまで大臣を辞任したり議員を辞職をした自民党議員がいることなので、菅原氏だけが不問に付されるということは本来あり得ません。
25日には衆院の経産委員会が開かれそれに菅原氏が出席するということなのでどうなるのか注目されます。
いずれにしてもこれまで完全スルーを決め込んできたメディアの不甲斐なさには呆れ返ります。LITERAの記事を紹介します。
追記)
メディアが権力に迎合した典型的な例として「小沢一郎バッシング」があります。
かつて小沢一郎氏が首相になる可能性が生まれた時に、体制側はそれを阻止するために小沢一郎氏の政治資金報告書に数日間の日付の間違い(期ずれ・せいぜい修正報告で済む)があったことを取り上げ、それをあたかも大罪であるかのようにメディアに騒ぎ立てさせた結果、小沢氏は民主党代表選で敗れました。
以後に生まれた、民主党菅政権と野田政権では「財務省任せ」で「国民本位」ではない政治が行われた結果、国民からの民主党への信頼は大いに失墜し、現在に至っています。
まさにメディアは法務省の意のままに踊らされたのですが、メディアにはその自覚がないのでいまだにその反省は聞けていません。
ちなみに小沢氏は不起訴になりましたが、その後検察審議会に訴えられそこでは「起訴相当」となりました。このときは、実際に検察審議会が行われなかった可能性が大で、「一市民は斬る」氏は詳細な調査を行った結果、小沢氏起訴を決めた最高裁事務総局所轄の「検察審議会」は「架空のもの」であったと主張しています。
⇒ 市民が斬る!!の全記事 | 最高裁をただす市民の会
こうした事柄は、体制側は本気になれば二重三重の不正も厭わずに目的を遂げるという本性を持っていることを示すものです。
強制起訴された小沢氏にはその後無罪判決が下りましたが、その過程のなかで小沢氏の首相への目はなくなりましたので、権力側は目的は達成されたとしてそこで手を引きました。
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不正まみれ安倍内閣・菅原経産相に有権者買収の決定的写真が!
それでもワイドショーは菅原を完全スルーし韓国チョ・グクの疑惑を
LITERA 2019.10.24
菅原一秀経産相が、ついに完全に詰んだ。選挙区である練馬区に居住する有権者に対し盆暮れに高級メロンやカニ、いくら、すじこ、みかんなどを贈答していたという“有権者買収”疑惑を「週刊文春」(文藝春秋)が2週にわたって報じてきたが、本日発売号ではなんと、先週号の「週刊文春」が発売されたのと同じ10月17日、練馬区でおこなわれた支援者の通夜会場で菅原経産相の秘書が香典袋を手渡した瞬間を“激写”したのだ。
絶句するほかない。公職選挙法では、政治家本人が葬儀や通夜に出席するのではなく、秘書が代理で香典を贈ることは寄附行為にあるとして禁止されている。にもかかわらず、「有権者にメロンやカニなどを贈っていたのではないか」と国会で追及を受けている最中に、堂々と公選法違反行為をおこなっていたのだ。
この異常行動の背景には、閣僚のスキャンダルや疑惑に無視を決め込み、不問に付してきた安倍首相の姿勢があるのは間違いない。つまり、辞任にはいたらないと菅原経産相はタカを括っていたのだろう。
だが、スキャンダル追及の最中に、新たな“有権者買収”の決定的瞬間を押さえられてしまうという今回のスクープを、さすがの安倍首相もスルーすることはできないはずだ。
というのも、「週刊文春」ではこのほかにも、「菅原氏と関係が深い後援会関係者」が、菅原事務所が後援会関係者に対して香典を贈ることが常態化していたことがわかる証言をおこない、さらには今年1月以降、菅原氏が〈少なくとも十五カ所以上〉に公選法で禁止されている枕花を送っていたことをはじめ、今年のゴールデンウィーク前後には東北産の“令和りんご”、自身が大臣に就任して以降も胡蝶蘭を地元有権者に配っていたことを証言付きで紹介。“公選法違反の常習犯”である事実を突きつけているのだ。
国会で追及されてきたメロンやカニなどをばらまいてきたことの証拠である「贈答品リスト」問題は、公選法の時効を過ぎており刑事責任は問われないものだったが、今回の報道は今年の話、しかも香典問題にかんしては先週におこなわれたばかりで刑事責任が問われる。普通なら大臣辞任どころではなく議員辞職が妥当だし、安倍首相の任命責任にも発展するのも必至だ。
まさに前代未聞の一大スキャンダルであり、今後の安倍首相の動きは要注目だが、しかし、驚くほかないのは、ワイドショーの姿勢だ。
昨日の段階で「週刊文春」の報道内容が伝わっていたというのに、きょうのワイドショーでまともにこの問題を取り上げたのは、『ゴゴスマ~GOGO!Smile!』(CBCテレビ)のみ。他の番組はチュートリアルの徳井義実の申告漏れ問題を大々的に報じるのはわかるとしても、『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)や『バイキング』(フジテレビ)にいたっては、なんと菅原経産相のスキャンダルを無視する一方で韓国のチョ・グク前法相の妻が逮捕された話題を大々的に特集。『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)や『スッキリ』(日本テレビ)もチョ・グク前法相の妻が逮捕された話題をストレートニュースのコーナーで報じながら、菅原経産相の問題はスルーした。
この国の大臣がスキャンダル追及中に公選法違反を堂々とぶちかまし、さらにはその“有権者買収”の決定的瞬間の写真まで掲載されるという大スキャンダルが起こっているというのに、それは無視して、隣国のすでに辞職した前大臣をめぐるスキャンダルを飽きもせず延々と報じつづける……。「何かおかしい」という状態ではなく、もはや狂っているとしか言いようがないだろう。
決定的証言が出るも菅原経産相の疑惑を2週間以上スルーし続けたワイドショー
いや、そもそもワイドショーはここまでずっと、通常では考えられないような姿勢をとってきた。
菅原経産相の“有権者買収”スクープを最初に「週刊文春」が掲載したのは今月10日のことだったが、そのときもワイドショーはスルーし、国会で追及がおこなわれても取り上げてこなかった。さらに「週刊文春」の第2弾記事が出た17日には、菅原氏の元秘書が公選法違反行為について証言している音声を立憲民主党の杉尾秀哉議員が報道各社に公開。同日には元秘書が共同通信の取材にも応じ、有権者に香典袋を渡すよう命じられたこともあったと証言をおこなっていた。だが、このタイミングでも、ワイドショーは無視したのだ。
そして、本日展開された、あからさまなスルーっぷり──。じつは、「週刊文春」の報道内容以前に、23日に開催される予定だった国会の経産委員会を自民党が開催拒否するという異例の事態も巻き起こっている。しかも、本日24日13時からおこなわれた衆院本会議では日米貿易協定承認案が審議入りしたにもかかわらず、担当大臣である菅原経産相は欠席した。こうした露骨な“菅原隠し”がおこなわれているのに、それでもほとんどのワイドショーが報じなかったのである。
だが、ここで指摘しておかなくてはならないのは、こうしたワイドショーの異常な姿勢は、完全に安倍首相の態度と歩調を合わせたものであるということだ。
まず、少なくとも週刊誌に閣僚スキャンダルの決定的な証拠まで押さえられたら、これまでならば週刊誌の発売日前や直後に辞任させていたはずだ。しかし、安倍首相はいま現在、何の処分もおこなわず、菅原経産相の後ろ盾である菅義偉官房長官も本日の定例記者会見で「政府として予断を持って答えるのは差し控える。菅原氏自身が必要な説明をすべきだ」などと回答を拒否した。ここまで決定的な報道が出ても辞任させないこと自体が、過去の政権の姿勢と比較しても信じられないものなのだが、それを可能にしているのは、ワイドショーが追及をおこなわず、世論が盛り上がっていないからだ。
これはいまにはじまった話ではない。第二次安倍政権下では松島みどり法相や小渕優子経産相、西川公也農水相、甘利明経済再生担当相が公選法違反やカネの疑惑で大臣を辞任してきたが、甘利氏の辞任以降、安倍首相は逆にそういったスキャンダルが持ち上がってもしらんぷりをして不問に付してきた。そして、それと歩調を合わせるように、ワイドショーでは安倍政権のカネ絡みや公選法違反のスキャンダルはほとんど追及されなくなった。
ようするに、ワイドショーは安倍首相が明確な判断を示さないかぎり、スキャンダル報道に手をつけようとしないのだ。しかも、問題大臣が辞任にいたってワイドショーがようやく取り上げても、安倍応援団コメンテーターがまたぞろ「安倍首相の素早い判断」などと言い出したり、野党批判に話をすり替えて終わり。チョ・グク氏の話題は数カ月にわたってフェイクまがいの小ネタまでしつこく報じつづけているが、同じように安倍内閣の閣僚を徹底追及することはありえないのだ。
安倍首相の国民を舐めた態度と、ワイドショーに染み付いた忖度体質。明日は菅原経産相が経産委員会に出席する予定だが、安倍首相はこのまま辞任させないのか。永田町では「菅原は菅官房長官の肝いりだからポスト安倍をめぐって調子に乗る菅を牽制する意味で辞職させるのではないか」という見方も流れているが、安倍首相のことだから事ここに至っても続投させる可能性も十分あるだろう。そしてワイドショーはこの問題を取り上げるのか。しっかりと見届けたい。(編集部)