2013年5月6日月曜日

ブログ記事「安倍自民党の「日本国憲法改正草案」の恐怖2」の紹介


 弁護士の徳岡宏一朗氏が5日付で題記の「基本的人権規定の内容を削減して極小化し法律で好きに制約安倍自民党の「日本国憲法改正草案」の恐怖2)と題するブログ記事を載せました。やや長文なので事務局で要約したものを以下に紹介します。
(原文は下記のURLをクリックすればご覧になれます)

 同ブログでは自民党改憲草案の思想を語るものとして、冒頭に参院議員の片山さつき氏の次のツイッターの文章を載せています。
 「国民が権利は天から付与される、義務は果たさなくてもいいと思うような天賦人権論をとるのはやめようというのが私たちの基本的な考え方です。国があなたに何をしてくれるか、ではなくて国を維持するには自分たちに何ができるか、を皆が考えるような前文にしました。」 (2012年12月6日)
 何とも上から目線の冷酷な発言です。因みに片山氏はその翌日には次のようにツイッターして反駁されていました。 
 「(片山さつき) 国家のありようを掲げ、国家権力がやっていいこと、統治機構などを、規定。私は芦部教授の直弟子ですよ。あなたの憲法論はどなたの受け売り?」

 「(甲賀志) 憲法は人間は生まれながらにして自由であり、平等であるという自然権思想(天賦人権論)を、国民に『憲法を作る力』が存するという考えに基づき成文化した法。憲法の根本規範と言うべき人権宣言の基本原則を改変することは改憲の限界を超え許されない(芦部信喜「憲法」第5版)」 2012年12月7日)

 註. なお本記事はシリーズになっています。最初の(安倍自民党の「日本国憲法改正草案」の恐怖1)は下記でご覧になれます。
 「緊急事態条項=戒厳令の明記」(安倍自民党の「日本国憲法改正草案」の恐怖1)
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基本的人権規定の内容を削減して極小化し法律で好きに制約
安倍自民党の「日本国憲法改正草案」の恐怖2
徳岡宏一朗2013年05月05日
(要旨 一部太字化等を含めて事務局でまとめました)
今回は自由と人権規定について述べる。

1 基本的人権保障の基本的な理解の転換
日本国憲法
 第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
自民党草案
 第十一条 国民は、全ての基本的人権を享有する。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である。

 自民党草案では「西欧の天賦人権説に基づいて規定されていると思われる規定を改定する」との理由で「現在及び将来の国民に与えられる」を削除している。しかし、天賦人権説は近代憲法の根幹をなす考え方なので、その全面的見直しは、近代立憲主義憲法の正統な系譜から離脱することになる。ぶん、自民党はそこまで深く考えもせずに、立憲主義憲法をいじってしまったのであろう。

 現憲法97条の全面削除もその一環で、同条は日本国憲法の最高法規性の実質的根拠が何より基本的人権の保障の徹底にあることを明確にしようとする趣旨で設けられたものである。自民党の改憲案は自由と人権を保障する自由の基礎法たる立憲主義憲法の本質を理解しないものであるまた「国家からの自由という人権の本質理解していない。

2 個人の尊厳の削除
日本国憲法
 第十三条(前段) すべて国民は、個人として尊重される。
自民党草案
 (人としての尊重等)
 第十三条(前段) 全て国民は、人として尊重される。

 自民党改憲草案は「個人主義を助長してきた嫌いがあるので改める」として3条前段「個人として尊重」を削除して、人として尊重にしてしまった。
 しかし、「個人として尊重」するという個人の尊厳の理念は、一人ひとりの人間が人格的自律の存在として最大限に尊重されなければならないことを意味その価値を最大限尊重しつつ人の共生を可能とするような社会・国家の構成のあり方を考えようとする理論であり、憲法学では、そのような見地から各人には基本的な権利が保障されていると想定している。
 これに対して「人の尊重」が意味するのは、(せいぜい道徳論であって)法的には当たり前のことでしかない。

3 「公益及び公の秩序」による基本的人権の大幅な制限
日本国憲法
 12条
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
 13条後段
生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
自民党草案
 12条(後段)
国民は、これを濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。
 13条後段
生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない。

 現行憲法の「公共の福祉」が自民党草案13条「公益及び公の秩序に反しない限り、…最大限に尊重」になっており、これが今回の自民草案の最も危ない個所の一つになっている。
 今の憲法学では、「公共の福祉」の内容としてまず考えられるのは、基本的人権相互の矛盾・衝突を公平に調整するという秩序であるたとえば、他人の名誉権やプライバシー権と両立する形で表現の自由は保障されているとか、工場は自分の財産だから財産権として保障されるが公害で他人の健康や生命を脅かしてはならない、というような権利同士の調整の原理を公共の福祉というのであって、逆に言うと、他人の人権が侵害されない場面ではある人の人権を制約することは許されない。
 ところが、公の秩序だの公益だのを持ってくると、他人は迷惑を実質的には受けていないのに、人権の行使を制約することが認められてしまうそして従来の人権制約根拠についての理解、人権の性格、内容から見た合憲性審査基準とはまったく異なった「公益」という抽象的な理由による人権制約を肯定することになってしまいこれは非常に危険ある
 
  自民党は明治憲法の国が与えた人権に過ぎないという「国賦人権」思想に立脚して、法律があれば人権は制約できる法律の範囲内でしか人権が保障されないということを狙っている。

 あと、気になるところとして、以下のようなものがある。なんといっても個人の尊厳を削除したことと、公共の福祉を公の秩序及び公益にしてしまったインパクトは絶大である。
  4 義務規定を多数新設 
国旗及び国家尊重義務(草案3条2項)、領土・資源確保義務(草案9条の3)、個人情報不当取得等禁止義務(草案19条の2)、家族の助け合う義務(草案24条1項)、環境保全義務(草案25条の2)、地方自治に関する負担義務(草案92条2項)、緊急事態指示服従義務(99条3項)など
  5 政教分離規定の緩和(草案20条3項)
   「公益・公の秩序を害することを目的とした」活動・結社の禁止(草案21条2項)
  7 家族条項(草案24条1項)
  8 外国人の選挙権の禁止(草案15条3項)
   公務員の労働基本権の制限を明文化(草案28条2項)
 10 新しい人権をすべて権利とせず、国の責務としかしなかった


2013年5月5日日曜日

首相らは憲法順守義務逸脱と海江田代表

 
 憲法学者をはじめ、読売・産経と北國新聞(金沢地方)以外の殆どの新聞が憲法96条の改定に反対しているのは、憲法が国家権力を縛るという立憲主義を否定するものに他ならないからです。ましてそのことを権力の座にあるものが強行しようとするのは言語道断です。
 
 民主党の海江田代表も、宮崎市の街頭演説で、安倍首相が96条の改定に意欲的なのは、「国務大臣は憲法を守らなければならないという順守義務を大いに逸脱している」と批判しました。

 NHKニュースを紹介します。
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海江田代表 首相らは憲法順守義務逸脱
NHK NEWS web 2013年5月5日
民主党の海江田代表は宮崎市の街頭演説で、安倍総理大臣が憲法改正の要件などを定めた憲法96条の改正に意欲を示していることについて、「総理大臣ら国務大臣は憲法を守らなければならないという順守義務を大いに逸脱している」と批判しました。

この中で民主党の海江田代表は、憲法改正に関連して「一般の法律が国民を縛るのに対し、憲法は憲法で保障された基本的人権などの権利を政府や国会議員などが脅かさないよう、政府に縛りをかけているものだ」と述べました。
そのうえで海江田氏は、安倍総理大臣が国会が憲法改正を発議する要件などを定めた憲法96条の改正に意欲を示していることについて、「憲法には、総理大臣ら国務大臣は憲法を守らなければならないという順守義務があり、安倍総理大臣があれほど前に出て『ここを変えろ、ここは気にくわない』というのは、この義務を大いに逸脱している」と批判しました。
また、海江田氏は、「総理大臣や国務大臣という立場にある人間は、憲法改正には慎重にならざるをえないというのが私の考え方であり、今、党内で議論をしている最中だ。参議院選挙までにはしっかりとした党の憲法に対する考え方を示したい」と述べました。
 
 


2013年5月4日土曜日

憲法記念日にあたり憲法会議が「声明」

 
 憲法改悪阻止各界連絡会議(憲法会議)が3日、「施行66周年の憲法記念日にあたって」と題する憲法擁護の声明を発表し、96条改憲反対、憲法を守らせ、条を生かそう」の世論と運動の強化で、安倍政権の改憲策動を打ち破ろうと呼びかけました
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【声明】施行66周年の憲法記念日にあたって

 私たちは本日、改憲攻撃のかつてない強まりのなかで66回目の憲法記念日を迎えました。
 極端に民意を歪める小選挙区制の助けで再び首相の座についた安倍首相は、憲法改悪に向け暴走を開始しつつあります。6年前、「戦後政治のレジームからの脱却」を唱え9条改憲を正面に掲げたことが国民の猛反撃を受け、在任わずか年で首相の座から引きずりおろされたことへの反省もなく、今回は「96条の改憲から取り組む」と国会の改憲発議要件を衆参それぞれの「3分の以上」の賛成から「過半数」に緩和することを入り口に、真のねらいである9条改憲に突進する構えです。
 日本国憲法96条が憲法改正の発議要件を3分の2としているのは、平和、自由、人権など社会の基本原則を定めている憲法が、時々の多数派の思惑から簡単に変えられるようなことがあってはならないからです。世界の国々でも憲法の改正には一般の法律以上に厳しい要件を定めています。さらに衆参3分の2以上の賛成には多くの支持も得なければならず、国会における徹底した討論が必要となります。それが過半数なら時の多数党による強行採決も可能となり、国民は改憲案の内容を十分に理解でないまま憲法改正の国民投票にのぞむことになりかねません。安倍首相は96条改憲によって改憲発議を乱発し、国民の「国民投票慣れ」をつくりだした上で条改憲にすすもうとしているのです。
 自民党の「日本国憲法改正草案」では条について、自衛隊を「国防軍」に改め、個別的・集団的自衛権の行使はもとより、アメリカが組織する多国籍軍などへの参加も自由にするとあります。そのため、軍事秘密保護法の制定や軍事審判所の設置、さらには内閣総理大臣による非常事態宣言の規定まで設けています
 しかも安倍首相は、憲法の明文改悪以前にも、憲法の解釈を変更することによって「憲法条のもとで許されない」とされてきた集団的自衛権の行使に踏み切り、海外で米軍と一体となった武力行使に乗り出そうとしています
 これはまさしく「海外で戦争する国」の再現であり、日本の侵略戦争への反省を投げ捨てるだけでなく、過去2回の悲惨な大戦の教訓にたって戦争の違法化をめざしている戦後世界の流れにも逆行するものです。

 しかし、9条や96条の改憲に同調する議員が国会のなかで多数でも、国民の多数はこれに反対です。国民がいま求めているのは、憲法の改悪や形骸化ではなく、世界的に見ても先駆的・先進的な憲法の諸規定を政治や社会のすみずみに生かすことです。重大化している領土問題に、軍事的対応ではなく憲法条にもとづく平和外交を展開することはもちろんです。憲法の保障する自由や平等、生存権、教育を受ける権利、働く権利などを存分に生かし、国民の生活を豊かで充実したものにしていくことこそ国のつとめです。そのためにも民意を歪める小選挙区制をやめ、真に国民が主権者となる政治を実現することが欠かせません
 私たちはその実現のために広汎な勢力と手を携えて全力をつくす決意です。
 
2013年5月3日          
憲法改悪阻止各界連絡会議
 
 

“「96条改定」批判” 社説のオンパレードでした

 
 憲法記念日5月3日の各紙の社説の見出しを見ると、読売と産経以外の殆どすべての新聞は、安倍政権が主張する96条の改定に対してそれは「憲法の立憲主義を否定するもの」として反対する社説を掲げました。
      ※ 読売: 憲法記念日 改正論議の高まり生かしたい
         産経: [憲法記念日] 他国は柔軟に改正 日本国憲法は「世界最古」に
 日経新聞も「改憲論議で忘れてはならないもの」として「近代立憲主義憲法は、個人の権利・自由を確保するために国家権力を制限することを目的とする」芦部信喜著『憲法』の言葉を引いていました。

 読売産経を除く各紙の社説の見出しのリストを下に掲げます。
 これだけ批判の記事が並ぶとさすがに迫力がありますが、ごく一部を除いて別にキャンペーンを張っているわけではないのであまり国民に浸透しているとはいえません。それでも世論調査では「96条の改定」については辛うじて反対が多いのは力強いことです。

 見出しリストに続いて新潟日報の社説を紹介します。
 中央紙がダメな分、せめて地方紙にキャンペーンを張ってもらうなどして頑張って欲しいのですが、政権との癒着はなくとも逆に地方紙であるが故のやりにくさもあるのでしょう。残念なことです。
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 3日付 96条の改定」批判社説のリスト
憲法を考える 歴史がつなぐ知恵の鎖        東京新聞
憲法記念日 96条も、9条も、改悪許さない     赤旗
憲法と改憲手続き 96条の改正に反対する     毎日新聞
改憲論議で忘れてはならないもの           日経新聞
憲法を考える―変えていいこと、ならぬこと      朝日新聞
憲法記念日 平和の理念を見詰めよう        新潟日報
[憲法記念日に]96条改正は本末転倒だ       沖縄タイムス
[憲法記念日]「改憲ありき」で先走ってはならない  南日本新聞
憲法記念日 96条の前に語ることがある       熊本日日新聞
憲法記念日 少数意見と96条を考えよう       宮崎日日新聞
憲法記念日 ご都合主義的改正は許されぬ     西日本新聞
[憲法の改正時間をかけて考えたい         高知新聞
憲法の平和主義 たがを外してはならぬ        中国新聞
憲法記念日 「最高法規」の重みを問う         山陽新聞
改憲論議/立憲主義を危うくする96条改正     神戸新聞
憲法記念日に 立憲主義の根幹壊してよいか    京都新聞
憲法記念日 入り口の議論より中身だ        福井新聞
憲法記念日 立憲主義、多数決ではない       岐阜新聞
改正の要件 2/3の重さを考えよ            信濃毎日新聞
憲法記念日に 立憲主義の堅持は不変       神奈川新聞
憲法記念日多数決ではない立憲主義         茨城新聞
立憲主義」再確認しよう/憲法記念日        東奥日報
きょう憲法記念日 平和国家が問われている     北海道新聞
 

憲法記念日 平和の理念を見詰めよう
新潟日報 2013年5月4日
 憲法改正の論議が熱を帯びる中で、66回目の憲法記念日を迎えた。
 施行以来、憲法は一度も改正されていない。憲法とは何か-。私たち一人一人が、これをまず問い直すことが必要だ。
 昨年12月の衆院選を経て、自民党が政権に復帰した。安倍晋三首相は憲法改正を掲げている。
 改憲に向けて安倍首相は、国会の発議要件を緩めるための96条改正を、夏の参院選の自民党公約に掲げる方針を明言している。

◆参院選の主要争点に
 96条改正には野党の日本維新の会は賛成しており、みんなの党も改正に前向きだ。連立与党の公明党は慎重な姿勢を見せている。
 参院選の主要な争点になるだろう。選挙の結果次第では、憲法改正へ加速することも考えられる。
 自民党は結党以来、党是として憲法改正を主張している。日本国憲法が米国に押しつけられたものであり、さらには時代に合わなくなっているというのが主張の柱だ。
 施行から66年たち、国際情勢や社会を取り巻く状況も大きく変わった。憲法を見直す必要があるのか、議論することに意味はあろう。
 しかし、なぜこれまで一度も改正されることがなかったのか。その背景を考えてみたい
 そこには、この憲法を持つに至った重い歴史と、それに基づく平和国家としての理念があることを押さえておく必要がある。
 先の大戦で、300万人を超える日本国民が犠牲になった。日本はアジア諸国にも犠牲を強いて、広島と長崎には原爆が投下された。
 日本国憲法は、これに対する痛切な反省から誕生したといえる。

◆自民草案に「国防軍」
 国民主権、基本的人権の尊重とともに、恒久平和を誓い9条に戦争放棄をうたっている。
 幾度も改正が論議されてきた9条が堅持されてきたのは、平和国家としての不戦の誓いに多くの国民が共鳴してきたからではないか。
 自民党は昨年、改正草案を決定した。草案では現在の自衛隊を「国防軍」に改める。
 自衛隊は海外では軍隊と見られており、独立国家として軍隊を持つのは常識であるといった理由を挙げているのである。
 また草案では、9条1項の「戦争放棄」は基本的に維持しているものの、2項の「戦力不保持」と「交戦権否定」は削除された。
 集団的自衛権行使へ道を開くものにほかならない。集団的自衛権の行使ができるようになれば、国防軍は米国の戦略に従って海外派兵する可能性もある
 イラク戦争では陸上自衛隊が派遣された。9条の理念は解釈を変えながら、なし崩し的にその力をそがれてきたともいえよう。
 この改正草案だと、世界に不戦を誓い、国際的にも信頼を得てきた9条の精神が大きく変容するのではないかと、危惧される。
 政府はことし、4月28日を「主権回復の日」と定め、政府主催の式典を開いた。
 1952年4月28日にサンフランシスコ講和条約が発効し、連合国の占領下に置かれていた日本が主権を回復したと位置付けている。
 しかし式典には、沖縄の人々が強く反発し沖縄県知事も出席しなかった。当然だろう。
 講和条約発行後も、奄美群島は53年12月、小笠原諸島は68年6月、沖縄は75年5月まで、それぞれ米施政下に置かれたからだ。
 沖縄の人々が「屈辱の日」と位置付ける日に主権回復の日の式典を開いたことには、今の憲法が主権回復前の「押しつけ」であることを強調しようという意図が見え隠れする。

◆中身の論議こそ先だ
 96条は、憲法改正は衆参両院ともに総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議し、承認には国民投票で過半数の賛成が必要と定めている。
 そこには、憲法に従って政治を行う立憲主義の理念があるはずだ。
 たとえ民主的に選ばれた政府であったとしても、権力を乱用する恐れがある。時々の政権が都合よく憲法を変えないように改正しにくくしてあるのだ。
 憲法は国民を縛るために義務を課すのではなく、国民の権利を侵さないように国家を縛るのが目的であるともいえる。
 にもかかわらず、自民の改正案は国民の責任や義務を前面に出し、基本的人権は永久の権利であると定めた97条が削除されている
 中身の濃い論議が十分に尽くされたとは言えない。それなのに、なぜ憲法改正を急ぐのか。
 中身より先に、手続きでハードルを下げるという手法に理解が得られるだろうか。
 現行憲法の理念や精神を見詰めながら、国民的な議論を広げることこそが優先されるべきである。
 
 

2013年5月3日金曜日

JNNは憲法96条改定 反対が46%、9条改定 賛成が55%


 JNNが行った電話による世論調査では憲法96条の改定に反対が46%で賛成30%を上回りました。一方9条については改正すべきが合わせて55%で改正すべきでないの36%を上回りました。

 以下にTBSニュースを紹介します。
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憲法改正「必要」42%、96条改正「反対」46% 
TBS NEWS 2013年5月3日
 JNNでは先週末に憲法に関する電話調査を行いました。その結果、憲法を「改正する必要があると思う」と答えた人が42%に上る一方、改正の発議の要件を緩和することについては46%の人が「反対」と回答しました。
 調査は先月27日からの3日間にわたり行いました。
 現在の憲法を改正する必要があると思うかたずねたところ、「改正する必要があると思う」と答えた人は42%、「改正する必要はないと思う」と答えた人は23%、「どちらとも言えない」と答えた人は34%でした。
 憲法改正の手続きを定めた96条について、改正の発議の要件を現在の衆参両院での「3分の2以上の賛成」から「過半数の賛成」に緩和することについては、「賛成」と答えた人は30%、「反対」と答えた人は46%、「どちらとも言えない」と答えた人は23%でした。
 「戦争の放棄」や「戦力の不保持」を定めた9条については、「第1項の『戦争の放棄』と第2項の『戦力の不保持』ともに改正の必要がある」と答えた人は22%、「第2項の『戦力の不保持』のみ改正する必要がある」と答えた人は33%、「9条を改正する必要はない」と答えた人は36%でした。
 また、最近の憲法改正論議について「関心がある」と答えた人は77%で、「関心がない」と答えた人(23%)を大きく上回りましたが、「夏の参議院選挙で投票する際、どのテーマを一番の判断材料にするか」という質問では、「年金、医療などの社会保障」(27%)や「景気や雇用」(22%)と答えた人がそれぞれ2割を超えたのに対し、「憲法改正」と答えた人は4%にとどまりました。