2020年5月1日金曜日

コロナ死亡者数が公式報告よりはるかに高い可能性(フィナンシャルタイムズ)

 英紙フィナンシャルタイムズが、各国が公表しているコロナ感染者の死亡数が実際の数値よりもかなり少なめになっている可能性があると指摘しました。
 それは20年3月と4月に感染爆発が起きた地域の発生週における全死因の死亡者数を、15年から19年の同時期の平均死亡者数(一部は19年度の死亡者数)と比較することでその超過分がコロナ感染者の死亡数に相当するとして推定した結果です。
 因みに、20年3月と4月の死者は前年同期と比較して、ベルギーで60%、スペインで51%、オランダで42%、フランスで34%増加しているということです
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英紙フィナンシャルタイムズ
新型コロナ死亡者数が公式報告よりはるかに高い可能性を指摘
 八木啓代のひとりごと 2020-04-29
 久々のブログ更新でアレですが、数日前の英フィナンシャルタイムズの記事が非常に衝撃的、かつ、説得力のあるものでしたので、全訳を公開します。(他のメディアがやってくれるかと思ったのですが、見当たらないようですので)
 日本では、現在「感染者数が少ないのは検査をしないから」という見解と、それは陰謀論的な見方であり、死者数の少なさを考えると実際の感染者数も、それほど乖離していないか、日本での致死率は極めて低い、という見解がありますが、後者に冷水を浴びせる内容です。
 以下、翻訳です。オリジナルはこちら。
 なお、私は、英語は専門ではありませんので、誤読などありましたら、ご指摘ください。

英ファイナンシャル・タイムズ 
全世界のコロナウイルスによる死亡者数は報告されているよりも60%高くなる可能性がある

14か国でのパンデミックにおけるトータルの死亡者数を本紙が分析したところによると、新型コロナウイルスによる死亡者数は、公式の計上で報告されたものよりも、ほぼ60%高くなる可能性がある。
死亡率の統計によると、これらの地域全体で、同地域、同時期の通常レベルよりも死亡者数が122,000人も超過しており、すでに報告されている77,000人のCovid-19による公式死亡者数よりも、かなり高い。
これらの国で見られた過少報告と同じ事が世界中で起こっていた場合、世界的なCovid-19の死亡者数は、現在の公式の合計201,000人から318,000人もの人数になる。

本紙は、死亡率を計算するために、2020年3月と4月にアウトブレイクが起こった地域の発生週における全死因の死亡者数を、2015年から2019年の同時期の平均死亡者数と比較した。その超過している総計122,000人という数は、該当地域の過去の平均死亡率より50%も多い
デンマークを除いて、分析対象となったすべての国で、この時期の過剰死者数は、公式のコロナウイルス死者数をはるかに上回っていた。 ウイルスによる公式の死亡統計の正確さは、国が患者の確認のためにどれほど効果的に人々を検査しているかによって制約を受ける。 中国を含む一部の国では、この病気による死亡者数を遡及的に修正している

本紙分析では、パンデミック中の全死亡者数は、前年同期と比較して、ベルギーで60%、スペインで51%、オランダで42%、フランスで34%増加している。
もちろん、これらの死のいくらかは、慢性的な病気の人々が病院を避けているということに起因した、Covid-19以外の原因であるかもしれない。しかし、最悪のCovid-19のアウトブレイクに苦しんでいる地域で、この過剰死亡率が最も急激に上昇していることから、これらの死亡のほとんどは、単にロックダウンの副作用ではなくウイルスに直接関係していることを示唆しているといえよう。
ケンブリッジ大学のリスク認知学教授であるデービッド・シュピーゲルハルター氏は、例えば、英国での日次統計は病院の死亡のみを計上しているため「極端に低い」と述べた。
「異なる国の間でできる唯一の偏りのない比較は、すべての原因による死亡率を見ることです。 死亡診断書にCovid-19が記載されていない死亡率の上昇については非常に多くの疑問がありますが、必然的にこの流行に何らかの関係があると思われるでしょう」

この過剰死亡者数は、最悪のウイルス流行があった都市部で最も顕著で、一部の地域では報告のメカニズムを完全に圧倒している。これは多くの新興国にとって特に憂慮すべき問題で、過剰死亡率の合計は、公式のコロナウイルス死亡者数よりも桁違いに高いと考えられる。
実際に、エクアドルのグアヤス州では、3月1日から4月15日までに報告されたCovid関連の公式の死者は245人だけだが、この期間中に亡くなった人の総数は、例年よりも約10,200人多く、350%増加している

ヨーロッパ最悪のアウトブレイクの中心であるイタリア北部のロンバルディア地方では、データが利用可能な約1,700の自治体の公式統計で、13,000以上の過剰死が存在している。これは、過去の平均より155%の上昇であり、この地域で報告されているCovid-19の死者4,348人をはるかに凌駕している。
イタリアのベルガモ市周辺地域は、世界で最悪の増加を記録し、死亡率は通常のレベルより464%高く、ニューヨーク市では200%の増加、スペインのマドリードで161%増加している。

インドネシアの首都ジャカルタでは、埋葬に関するデータは、同時期の平均と比較して1,400件の増加を示している。これは、同時期の公式報告によるCovidの死者90名の15倍だ。
この問題は発展途上国に限定されていない。 イングランドとウェールズでは、4月10日までの1週間の死亡者数は、今世紀で最も多かった。この数字は、過去5年間の同じ週の平均よりも76%高く、同時期に報告されているCovidによる死亡の総数よりも、この過剰死の数が58%高くなっている。

「各国が、急増するパンデミックにどのように対応し、それが人口の健康にどのような影響を与えたかを理解したいなら、最良の方法は、過剰死亡者数を数えることです。」と、ロンドン衛生・熱帯医学学校の疫学教授デビッド・レオンは述べる。
専門家は、ウイルスに特に脆弱な高齢者向け住宅施設でのCovid-19症例の過少報告について警告している。「ケアホーム内のスタッフや入居者を組織的に検査している国はほとんどないようです」とロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのケア政策評価センターの研究員アデリナ・コマス=ヘレラは述べた。

しかし、過剰死亡率の統計から示唆されるパンデミックでの死亡者数の大幅な増加は、それでもまだ控えめなものである可能性が高い。なぜなら、プラハ経済大学人口統計学助教授であるマルケタ・ペチホルドバ氏によれば「ロックダウンのために「交通事故や労働災害などの、多くの状況での死亡率が低下していた可能性がある」からだ。

 日本で、死因調査が極めて杜撰であることは、本業が病理医であり、Ai(死亡時画像診断)の提唱者でもある海堂尊氏の著書「死因不明社会」で詳細に解説されていますが、奇しくも、リテラでも、まさに、このコロナ関連を疑われている死者の診断が行われていないという記事が出ておりますので、こちらも是非、ご一読を。
 LITERA: 隠されたコロナ死者はやはりいた! 日本法医病理学会の解剖医アンケートで「死亡者のPCR検査を拒否された」の回答が多数
 なお、リテラが参照している日本法医病理学会の、すごいアンケート結果というのはこちらです。
 法医解剖、検案からの検体に対する新型コロナウイルス検査状況
 註:日本の解剖率は全死因の2%にすぎませんが、その2%でこの有様、というわけです。

関連記事
隠されたコロナ死者はやはりいた! 日本法医病理学会の解剖医アンケートで「死亡者のPCR検査を拒否された」の回答が多数(リテラ)

抗体検査5・9%陽性 都内の希望者200人調査 市中感染の可能性 

 日本のPCR検査数は世界の中で特異的に低く、そのため実際の新型コロナ感染者の実態は全く不明です。こんな状態では、集会の自粛等を解除しさらには経済活動の再開させるための見極めは出来ません。
 これでは中国や韓国がコロナの収束に成功(韓国は日毎の新感染者が一桁台)し経済活動を再開させたというのに、日本はいつになっても収束に向かわずに、延々と集会の自粛、休業を続けるしかありません。それこそは最悪の事態で、休業等で収入の途を奪われる弱者はとても生き延びらません。政府は必要な支援を行うのは勿論、一刻も早くPCR検査を拡大して正道につき、コロナを収束させる必要があります。

 実際の感染者がどれほどいるのかを推定する手段として、新型コロナに感染するとできる抗体を検査する方法があります。
 感染症に詳しい久住英二医師が、新宿区と立川市のクリニックで2128日に希望者2080歳の男性123人、女性79人を検査したところ、202人中12人((男女6人)が感染していたことが分かりました。
 感染率は59%で、これは別に慶大附属病院で調べた感染率60%と一致しています。
 この数字を東京都の総人口1395万人に換算すると、予想される感染者数は実に84万人弱という莫大な数値になります。いまはいわゆる」市中感染」の状態になっていると見られ、もはや感染のクラスターの追跡に多くの労力を費やしている場合ではないことが分かります。

  関係記事
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<新型コロナ>
抗体検査5.9%陽性 市中感染の可能性 都内の希望者200人調査
東京新聞 2020年4月30日
 新型コロナウイルスの感染実態を調べるため、感染症に詳しい久住英二医師が東京都内でウイルス抗体検査をしたところ、一般市民の4・8%、医療従事者の9・1%が陽性(抗体あり)で、過去に感染していたことが分かった。久住医師は「現行のPCR検査で判明する感染者よりはるかに多く感染している可能性が高く、確実にまん延していると言える」と指摘している。 (市川千晴)

 検査は久住医師が理事長を務める新宿区と立川市のクリニックで二十一~二十八日に実施。ホームページで希望者を募り、二十~八十歳の男性百二十三人、女性七十九人を検査した。このうち一カ月以内に発熱のあった人は五十二人、同居者でコロナウイルス感染者がいる人は二人、PCR検査を受診したことがある人は九人。PCR検査で陽性反応だった一人も含む。
 検査結果では、一般市民の百四十七人の4・8%にあたる七人が陽性、医療従事者五十五人のうち9・1%の五人が陽性だった。市民・医療従事者を合計した二百二人全体では5・9%の十二人(男女とも六人)が陽性だった。以前のPCR検査で陰性とされたが、抗体検査で陽性だった人もいた。
 検査に使用したのは、大手繊維メーカーのクラボウが輸入した試薬キット。国内の抗体検査で一般的に使われており、採血後に十五分で判定できる。
 久住氏は「原因不明の死者が増えていることからも、PCR検査を拡大して速やかに診断し、早期に治療を開始すべきだ」と話している。

◆実態把握へ検査拡大を

<解説> 抗体検査の正確性はまだ確立していないものの、今回の調査は多くの無症状や軽症者を含め、国内で感染が確認された人数を何十倍も上回る人がすでに感染した可能性を示している。
 日本では感染の有無を調べるPCR検査数が諸外国と比べて圧倒的に少なく、国内外から「実態が分からず、市中感染が広まっている」と言われ続けてきた。医療崩壊を防ぐためにも実態把握は不可欠だが、政府や専門家会議の当初方針でPCR検査を絞ったこともあり、感染の拡大に検査が追いつかない状況が続く。

 慶応大病院が実施した新型ウイルス以外の入院患者六十七人に対するPCR検査でも四人(5・97%)が陽性だった。同大は「地域の感染状況を反映している可能性がある」と分析しており、今回の検査結果もこの数字に近い。

 感染者が最も多い東京都の人口は千三百九十万人。PCR検査で実際に確認された四千百人余りは氷山の一角とも言うべき数字で、比べものにならない。感染者は無症状や軽症が八割とされる半面、残り二割は入院が必要な中等症以上だ。都が想定する四千床程度のベッドでは対応できない恐れも出てくる。
 これまで検査数を絞ってきた世界でも珍しい日本式のやり方は見直しを迫られている。いったん決めた政策に固執せず、転換を図るべきだ。 (井上靖史)

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         URL: http://yuzawagenpatu.blogspot.jp/ 
             
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2020年4月30日木曜日

「文化芸術の自粛補償」も「学生支援」も拒否し“Go Toに1・7兆円”

「5月6日まで」として始められた緊急事態宣言に基づく外出自粛や休業の要請については、全国知事会が、異論は出たものの最終的に延長の必要性を決めました。国会でそれを問われた安倍首相は、6日で終了できるかは専門会議に相談して決める必要があると述べる一方で、なんと1か月間の延長もあり得ると述べました。
 しかし非正規労働者を始め、自営業者、中小企業者、文化芸術家たちなどは既に極めて深刻な窮状に陥っているので、安易に延長できるような問題ではありません。増して「休業要請に対しては休業補償を」の鉄則を守らない政権下では尚更です。

 3月24日までコロナ禍を放置し、感染者が市中に蔓延する事態が生じた以上、休業や外出自粛はやむをえないのかも知れませんが、それにはそれ相応の政治的対応を必要です。
「世に倦む日々」氏は29日付のブログで
延長に伴う次の給付金と新たな休業補償が必要で、救済のための本格的な予算措置を始めなくてはいけない。5月も営業再開できないとなると、中小企業の資金繰りは崖っぷちに追い詰められ、全国で倒産廃業が相次ぎ、失業者の群れが溢れる事態になる。一か月先の日本は全く予想が困難な状態だ
と述べています共産党の志位委員長も同様な主張をしています。
 正しく指摘の通りで、先頃ようやく決定した1人当たり10万円の給付で済まされるなどとは夢にも思うべきではありません。

 LITERAが直近の国会で安倍首相が示した認識を明らかにしました。
 国民各階層の困窮が如何に深刻であるのかを分からないリーダーではどうにもならないことを示すものです。
お知らせ
都合により5月~7月の間、記事の更新が14:00前後になります。ご了承ください。
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安倍首相が共産党・志位の「文化芸術の自粛補償」も立憲・枝野の「学生支援」も全部拒否、“Go Toに1兆7千億円”補正予算ゴリ押し!
LITERA 2020.04.29
 本気で国民を見殺しにする気なのか──。全品回収騒ぎとなっている「アベノマスク」費用466億円のうち233億円を計上した2020年度補正予算案が、本日、衆院で可決・通過。野党が先送りを要求していた、新型コロナ収束後に実施するという「Go Toキャンペーン」に1兆6794億円を費やすという正気の沙汰とは思えない予算案を通したのである。

 事態の収束など世界中の誰も見通せない状態であるというのに、収束後の観光や外食などへの消費喚起キャンペーンに約1兆7000万円も計上する──。当然、このトチ狂った予算案に野党は猛反発。だが、安倍首相は、どう考えても「いまやること」ではないこの予算案を、この期に及んで正当なものだと主張したのだ。
 たとえば、きょうの衆院予算委員会では、日本共産党の志位和夫委員長が、医療現場へのさらなる財政措置や、「文化・芸術・スポーツは人間として生きていくために必要不可欠な酸素のような貴重なもの」だとしてイベント自粛にともなう補償を訴えたが、安倍首相はそれらをことごとく拒否。志位委員長は「Go Toキャンペーン」について「この非常事態のもとで収束後の事業に呑気にお金を付けている場合かと怒りが広がっている」と指摘。「収束後の事業につぎ込む予算が1.7兆円もあるのなら、まずは目の前の感染爆発、医療崩壊を止め、一刻も早い収束のために使うべき」と追及をおこなった。

 だが、このごく当然の要求に、安倍首相はこんな反論をおこなったのだ。
「文化・芸術振興のための予算もですね、この『Go Toキャンペーン』のなかには入っているわけでありまして、こういう、まさに文化・芸術に触れようというキャンペーンもおこなっていくわけでございます。で、ありますから、いままさに厳しい状況ではございますが、この収束後について、いつ収束するのかってことについてはまだ確たることは残念ながらお答えできませんが、その後にですね、しっかりと、いま大変苦しい思いをしているみなさんにとって、将来の灯火となるような政策もしっかり示していく必要がある、こう考えているところでございます」
「将来の灯火」の前に自粛要請にともなう補償がなければ火が消えるだろ、と言うほかないが、ここまでバックアップをおろそかにしながら「Go To キャンペーン」の正当性のために文化・芸術を持ち出すとは、どこまでバカにする気なのか。

 この人を食った答弁には、志位委員長もすかさず「収束ができたらね、そんなプレミア付けなくたって、みんな行きますよ!」とツッコミ。一時はTwitterのトレンドに「志位さん」というワードがランクインするほど注目を集めたが、じつは「Go To キャンペーン」に約1兆7000億円もの予算をつける一方で、安倍首相が拒絶した財政措置は医療・イベント分野だけではない。野党は早急に手立てが必要な問題への予算組み替えを提案したが、それをことごとく拒否。冷血な“他人事”答弁を連発しつづけたのだ。

 安倍首相が「Go Toキャンペーン」を優先させる一方で、一体どんな支援策を拒絶したのか。そのひとつが、学生をめぐる支援策だ。
 本日、一律学費半額などを求める要請書を野党議員らに提出した学生団体「高等教育無償化プロジェクトFREE」によると、大学生・短大生ら1200人におこなったネット調査では、新型コロナの影響でなんと学生の5人に1人が大学を辞める検討を始めているという。そうしたなか、昨日の衆院予算委員会で立憲民主党の枝野幸男代表は、親から自立し学費と生活費をバイトで賄う学生や、家族を頼れない・協力を得られない学生が現状の制度では救えないこと、「雇用調整助成金」を受けられず解雇されている学生も数多いことを指摘。対策案として、「通常時では筋が悪いことはよくわかっている」と前置きした上で、バイトがなくなった学生が生活と学業を持続できるよう、例外的に「新型コロナで売り上げが半減以上した中小企業に200万円、個人事業主に100万円」を給付する「持続化給付金」を使えないか、と具体的に提案した。
 だが、安倍首相の回答は、あまりにひどいものだった。

■立憲・枝野代表の「学生への給付金」提案に安倍首相は雇用調整助成金をもちだし“雇用者が学生バイトに払え”
 まず、安倍首相は「本年4月から開始した高等教育の修学支援新制度で学生生活の費用をカバーするために十分な給付型奨学金の支給をおこなうこととしている」「感染拡大などの影響を受けて家計が急変した場合には、それを加味した所得見込みで支援の判定をおこなう」と、枝野代表が“いまの制度では救えない”と指摘した現行の制度を説明しただけ。その上、こうつづけたのだ。
「雇用調整助成金についてはですね、学生アルバイトを含む不正規雇用もその対象としたところでございまして、ぜひ雇用者には、これを活用していただいて、えー、お願いしたいと、こう思っております」
「今般、創設した緊急小口資金の特例等ではですね、収入減少などにより返済が困難となった場合には、それを免除する仕組みを導入しておりまして、こうした特例等も活用していただくことが可能となっております」

 枝野代表は“雇用調整助成金を適用してもらえずバイト先を解雇された学生がたくさんいる”と訴えていたのに、その話をまるっきりスルーして、「雇用者には活用してもらいたい」って……。だいたい、安倍首相も「雇用者には」と言っているように、勤め先から休業手当を受けるには、雇用者が助成金に申請しなくてはならない。その申請は煩雑でハードルがあまりに高いと批判されているのに、申請方法の抜本的な見直しもせず、安倍首相は「雇用者は活用して」と言うだけ。しかも、特例で免除されるかどうかもわからない「緊急小口資金」という“借金”を勧めたのだ。だいたいこれも世帯基準の制度であり、ここでも安倍首相は「親に協力を得られない学生を救えない」という訴えを無視したのである。

 窮状に追い込まれた学生の事情を、欠片も想像しようとしない安倍首相──。実際、枝野代表の質疑後、「アベノマスク」問題を取り上げた同党の大串博志議員も、布マスク配布に充てられた466億円をやめて学生の生活援助など困っている人たちの支援に回すと舵を切ることこそが「総理としてのあるべき姿」と迫ったが、このとき安倍首相は、こう口を開いた。
「あの、学生のみなさん、アルバイトで学費を稼いでいるみなさんについてどう対応していくかってことは、もう午前中も議論させていただきました」
 こうした冷酷さをあらわにしたのは、学生に対してだけではない。医療現場に対しても同じだった。

■医療現場の生の声を紹介し補償を求める共産党・志位委員長の質問に安倍首相の答えは…
 きょうの衆院予算委員会では志位委員長が、新型コロナ患者受け入れによる病院の減収が、杉並区の試算では月平均2億円にものぼることを指摘。医療崩壊を防ぐためにも、自治体任せではなく全額国が補償すべきと迫ったが、これに対して加藤勝信厚労相は、医療提供体制整備などに取り組む都道府県への交付金である「緊急包括支援交付金」(予算1490億円)があると持ち出した。
 だが、これではあきらかに不十分だ。現在、新型コロナ患者の受け入れをおこなっている医療機関は全国で1200病院。月平均2億円の減収という杉並区の試算を考えると、減収分の補償には1カ月だけで2400億円かかるからだ。
 そして、志位委員長は、この交付金だけでは「桁違いに足らない」とし、そもそも政府の医療費削減政策によって多くの病院が日常からギリギリの経営を迫られるなか、新型コロナ患者受け入れによる減収で倒産は必至だという悲鳴が全国から寄せられていると指摘。安倍首相に向かって、ある民間病院の院長から寄せられたメッセージを、こう読み上げた。
「日本という国は『高度な医療と素晴らしい健康水準を達成している』と言われてきましたが、こういった問題が起こると、ほとんどの病院が経営的にも人材的にもギリギリのところでやっていて、たちまちに崩壊モードになってしまうことがよくわかりました。それでも医療従事者は強い使命感をもって、命がけでがんばっています。そのときに政府が『お金のことは心配するな。国が責任を持つ。だから医療従事者は結束してがんばってください』と、強いメッセージを出してほしい。それがないと乗り切れない

「お金のことは心配するな。国が責任を持つ」、そう安倍首相に言ってほしい──。この切実な訴えに対し、しかし安倍首相は、実感が微塵も感じられない覇気のない声で「最前線で感染と背中合わせのなか大変な努力をしていただいていることにあらためて感謝申し上げたい」「各病院の経営を圧迫しているのは我々も承知している」と言いながら、「そこで先程、加藤厚労大臣から答弁させていただいたように、緊急包括支援交付金として1490億円を計上している」などと、加藤厚労相がおこなった主張を同じように繰り返したのだ。
 学生の窮状や医療現場から寄せられた悲鳴を、まるで「存在しない」かのように受け付けず、予算の組み替えを拒絶する。そして、いつになるのかもわからない収束後の「Go Toキャンペーン」の予算は「将来の灯火」などと必要性を主張して予算を通そうとする──。ようするに、安倍首相はいまだに国民が直面している苦難を何ひとつ見ようとせず、寄り添おうとする素振りさえ見せないのだ。

■「野党は対案がない」は嘘! 党利党略で野党の現実的な提案もすべて拒否する安倍
 今回の補正予算案には、野党が要求しつづけ、国民からの批判に耐えかねた安倍首相が一転して方針転換した一律10万円の現金給付の予算も含まれている。そのため、与党が野党からの予算組み替えの動議を拒否しても、早急な現金給付を求める野党は反発せず予算案の賛成に回り、衆院を通過するにいたった。だが、今回野党が要求した「持続化給付金」の倍増や、中小・小規模事業者等の賃料の支払猶予、「雇用調整助成金」の日額上限の引き上げ、医療機関などへの支援給付金の創設、そして「Go Toキャンペーン」事業の先送りによる歳出削減といった「対案」は、いずれも必要なものばかりだ。

 普段、「野党は対案を出せ」などと言っている安倍首相だが、野党はこの間「対案」を出しつづけ、そのひとつが一律現金給付だった。そこからもわかるように、国民は「野党は対案がない」だのと事実を無視してバッシングしている場合ではない。「Go Toキャンペーン」に約1兆7000億円もの予算をあてようという国民をバカにしきった安倍首相の横暴に、国民は声をあげ、野党に代弁させ、安倍首相を動かさなければ、新型コロナではなくこの国の政治によって命が奪われかねない事態にあるのだ。明日にも補正予算案は成立する見通しだが、国民の怒りをしっかり突きつけなければならない。 (編集部)

小池都知事を褒めそやす論調 愚かなメディア(金子勝・立大教授)

 29日、東京都のコロナ感染の1日の死者は過去最高の9名になりました。
 累積人数ベースの陽性率は40%という異常な数値を示し、致死率は15日の20%から2週間で30%(29日)と1%アップしこの先どこまで上がるのか見通せません。
 慶大が入院予定者(首都圏と想定)を検査したところ感染率は6%でした。これは都民の60万人以上が感染している可能性を示していますが、実際に確認されている都内の感染者は4059名(29日)に過ぎません。公表されている数字は明らかに実態とかけ離れています。

 目下の小池都知事はコロナ禍の鎮静に向けて派手な動きを見せていますが、考えてみると小池氏は安倍首相と共に、3月24日にIOC会長との間で東京五輪の延長が決まるまでは「コロナ禍」はどこ吹く風かとばかりに無視し続け、ついに首都圏にコロナの感染者を蔓延させた元凶でした。

 金子勝・立大教授が「戦犯・小池知事を褒めそやす論調 愚かなメディアの大本営」とする手厳しい記事を出しました。
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金子勝の天下の逆襲
戦犯・小池知事を褒めそやす論調 愚かなメディアの大本営
 日刊ゲンダイ 2020/04/29
 コロナ禍をめぐる大手メディアの報道は、先の大戦中の大本営発表のようになっている。東京都の小池知事を褒めそやすような論調さえある。

 小池は東京の医療崩壊の戦犯だ。先週はがん研有明病院や練馬光が丘病院でも院内感染が発生した。小池のブレーンである国立国際医療研究センターの大曲貴夫医師は、PCR検査の拡大は医療崩壊を招くと主張し、検査を制限してきた。ところが、結果は全く逆だ。検査不足が医療崩壊を引き起こした。厚労省のデータでは1月15日から4月21日までの検査数は8435件、そのうち陽性者数は3320件。陽性率は約4割に上る。全国平均10・3%の実に4倍である。最近は民間検査が増えていると言い訳するが、とても足りていない。慶応病院の入院予定者を検査したら6%の陽性者がいた。隠れ感染が院内感染を招いているのだ。

 にもかかわらず、小池は検査数制限の実態も医療崩壊の現実も説明せず、対策も講じない。それどころか、永寿総合病院や中野江古田病院の事例では隠蔽が疑われる。中野のコールセンターの集団感染をめぐっては、発生から2週間も事実を隠し、消毒後に公表。それで感染者を追跡できなくなり、周辺の中野江古田病院や総合東京病院でも院内感染が発生した。

 そもそも、「ステイホーム」の外出自粛でコロナ禍を収束させられるのか。一貫して失策を重ねている専門家会議は、「接触機会8割削減」を1カ月続ければ感染者が減ると喧伝しているが、具体的な根拠を示せない。むしろ欧米諸国のロックダウンでは感染が増加している。しかし、大手メディアは数々の失敗の検証をすることもなく、小池の責任逃れをただ垂れ流している。

 米国や英国のように、初期段階で検査を怠り、感染拡大後に外出自粛に転じる戦略は間違いだ。それに対して、韓国、台湾、香港などの東アジア地域では感染をほぼ抑え込んでいる。膨大な検査の積み上げとGPSを利用した個別追跡。専用病棟建設などによって、感染者を隔離する政策を追求したからだ。

 ところが、小池は夜の街に責任を押し付け、買い出し自粛を求める。自らの失敗を都民の努力不足にすり替える。布マスク配布の安倍首相にいたっては、まるで竹槍を配って防空壕に逃げ込め。かつての敗戦と同じパターンだ。安倍、小池、専門家会議は即刻退陣し、清新なリーダーと専門家の下で態勢を組み直す必要がある。

 金子勝 立教大学大学院特任教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。

30- パチンコ店への「休業強制」に乗じた「特措法に罰則規定」の動きは危険

 西村経済再生はコロナ特措法に基づく休業指示に従わないケースに関して、多数の自治体から問い合わせが来ているとして、「指示に従わない施設等が多数発生する場合には、より強制力を伴う仕組みの導入といった法整備について検討を行わざるを得なくなと述べました。
 形式的に「要請」の形をとっている現状でも市民の空気は「強制」に近いものになっていて、法曹界からは「明らかに制裁や威圧を目的としており、本来の趣旨から逸脱している」との指摘が出されています。

 休業に伴って収入の途が絶たれる人たちがいる以上休業の補償は必須です。生命の保障は何よりも最優先されなければなりません。そこのところを曖昧にしたままで休業・外出自粛の必要性のみを言うのは大いに片手落ちで、あってはなりません。罰則を設けるのは論外です。
 そもそも外出自粛や休業の影響を全く受けない階層である政治家や官僚たちが、それを取り決めること自体が間違いです。
「くろねこの短語」氏がそうした方向に走り出す空気に対して注意を喚起する記事を出しました。
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くろねこの短語 2020年4月29日
 休業要請に従ったということで、東京都がパチンコ店の名前公表を見送ったってね。確かに、コロナ特措法では、「施設の管理者や催し物の主催者に対し、知事は使用や開催の制限・停止を要請できる」と明記されてはいる。でも、あくまでも「要請」なんだよね。ここが肝心なところなんだが、実際は「要請」ではなくて「強制」になってるのに、どうして新聞・TVは指摘しないのか。
 こういう動きに対して、「明らかに制裁や威圧を目的としており、本来の趣旨から逸脱している」という意見が法曹界からも上がっているんだが、当たり前だと思う。そもそも、パチンコ店は危険だってことはハナっから言われていたことで、なぜか一時は休業要請の対象からはずされてたんだよね。自民党や維新の議員がパチンコ業界に深く関わっているからというのがおそらくその理由だったんだろうが、それが突如の強権発動って裏には何があったんだろう、と勘ぐりたくなろうというものだ。
 そんな中、コロナ担当相の女体盛り・西村君は、「新型コロナウイルスの特措法に基づく休業指示に従わない例が多発した場合、『罰則を伴う仕組みの導入を検討せざるを得ない』」なんてことを口にし始めている。全国知事会も「特措法に罰則規定」を要求したそうだ。ようするに、「罰則を伴う仕組み」こそが、こやつらの狙いってことだ。
 そのためにはパチンコ店は格好のターゲットなんだね。なんてったって、ギャンブル依存症の温床として社会問題にもなっているし、反社会勢力との関係もありそうだなんてイメージもありますからね。悪者にするには、もってこいってわけだ。
 でも、よく考えてみれば、パチンコ店に働くひとにだって生活がある。聞くところによれば、パチンコ店を経営するには、パチンコ台のリース料や従業員の給料、家賃、光熱費などを合わせると、1000万円くらいかかるんだとか。1ケ月も休業したら、潰れますね。
 これは、何もパチンコ店に限ったことではなくて、多くの飲食関係の店が同じような状況に陥るんだね。だからこそ、「休業と補償はセット」でなくてはいけない。なぜ、パチンコ店への「休業強制」が当たり前のように報じられて、「補償」が置き去りにされるのか。休業を余儀なくされている他業種の方々も、自分のこととして考えるべきなのじゃなかろうか。
 名前公表の恫喝が成功体験となって、コロナ・パニックを利用した強権的な動きは、「緊急事態条項」を含めた改憲へと繋がっていくかもしれません

2020年4月29日水曜日

“資金繰り倒産”加速 中小企業6割が近く破綻の恐れ

 エヌエヌ生命保険が32731に、全国の中小企業経営者7228「新型コロナの感染拡大がいつまでに終息すれば経営的に乗り切れるか」をきいたところ回答は、

 3月末ー7・1%、  4月末ー20・3%、  5月末166、  6月末15・5

で、6月末までとした回答が合計して59・5%にのぼりました。

 このアンケートはまだ緊急事態宣言が出される以前の3月末に行われたものです。「緊急事態宣言」後には人の動きが急激に縮小し一気に消費が冷え込んでいるので、当時予想された状況をはるかに超える深刻な事態となっています。たとえ10%が倒産してもその影響は甚大ですが、5月末・6月末にはどうなっているか計り知れません。

 中小企業の倒産防止に何の実効性のある政策を打ち出せないでいる政権は、この事態をどう認識しているのでしょうか。中小企業が軒並み倒産してしまえば、いずれ新型コロナが収束しても日本経済は立ち直れません。
 政府は、いっときも早く実効性のある政策を打ち出すべきで、それが出来ないのであれば即刻退場すべきです。
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“資金繰り倒産”加速 中小企業6割が6月末までに破綻の恐れ
 日刊ゲンダイ 2020/04/27
 凄まじい倒産ラッシュになりそうだ。中小企業の6割が「6月末」までに資金繰りに行き詰まり、破綻する恐れが強いことが分かった。
新型コロナウイルスの感染拡大がいつまでに終息すれば経営的に乗り切れるか」――。中小企業に法人向け生命保険を販売しているエヌエヌ生命保険が、全国の経営者7228人にインターネットで調査した結果は衝撃的だ。「3月末」(7・1%)、「4月末」(20・3%)、「5月末」(16・6%)、「6月末」(15・5%)と、「6月末」までとした回答が59・5%にのぼった。
 要注意なのは、この調査は、まだ政府が「緊急事態宣言」を発令する前の、3月27~31日に行われていることだ。安倍首相が「人との接触8割減」を訴えていることもあって、緊急事態宣言の発令後、人の動きが縮小し、一気に消費が冷え込んでいる。それだけに、調査時点より、さらに逼迫している可能性が高い。

 経済評論家の斎藤満氏が言う。
「大企業と違って、中小企業はほとんど内部留保がない。売り上げがゼロになった場合、手持ち資金でしのげるのは、せいぜい2カ月程度でしょう。ほとんどの経営者は、緊急事態宣言が発令される前、これほど消費が落ち込むとは想像していなかったはずです。なにしろ、新幹線の乗車率がゼロになるほど、経済活動がストップしている。大変なのは、売り上げがゼロでも、家賃や人件費などの固定費は支払わなければならないことです。政府も、中小企業対策を打ち出していますが、スピードがない。たとえば、東京・港区の業者が、資金援助を区に頼もうと思っても、面談できるのは6月だといいます。これでは、面談前に手持ち資金が尽きてしまう。このコロナ禍は、簡単に終息しそうにない。このままでは、6月末に6割破綻より、もっとヒドイ状況になっておかしくありません」
 失策続きの安倍政権は、大急ぎで支援策を打ち出さないとダメだ。