2020年4月25日土曜日

PCR検査を拒否する保健所 職場や路上での突然死 自宅待機中の死者

 国民に人気のあった岡江久美子さんが自宅で寝こんでから3日目に重篤になって、手遅れのため集中治療の甲斐なく亡くなりました。多分「発熱後4日間が経過してから病院に」という意識でおられたのではないでしょうか。
 私たちは「375℃以上の発熱が4日続いたらまず『相談窓口に電話』云々」を耳にタコが出来るほど聞かされてきましたが、専門家会議メンバーの釜萢(かまやち)敏氏は22日、
2月に出した受診の目安に対しては ~『4日間経過を見てから』というように受け取られましたが、それはそうではなくていつもの状態と違う状態が4日も続いた場合、普段は受診されなくても今回は是非まずは電話で相談をされて頂きたい(要旨)」
という趣旨だったと述べています。あまりにも大きな違いで唖然とします(別掲の記事参照)。

 諸悪の根源になっているPCR検査の抑制は今も健在で、福島市の入院患者(30代女性)は4日間発熱が続きCT検査で肺炎の所見が得られたので福島市保健所(相談窓口)に連絡したものの「検査の適応ではない」と最初は断られたということです。

 結果的にいまや隠れた感染者が市中に蔓延して、職場や路上での突然死や自宅待機中の死者が次々と報じられています。葬儀関係業者からは、報道されないもの感染疑いの死者が多数いるという話も聞かれます。隠れた死者が多いということです。

 PCR検査を受けた人の中での感染者数を「陽性率」と呼びますが、日本は3月21日時点で5%でしたが、4月23日時点では104%に上昇していてこれも極めて高い値です。
 致死率は24日現在で26%で日毎に上昇しています(伊、英、オランダ、スペイン、仏等は9~12%、米29%、韓18%、独16%、ロ085)

 関連する6つの記事を紹介します。
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福島市保健所、感染疑い患者のPCR検査応じず 一陽会病院に入院中 
毎日新聞 2020年4月24日
 福島市の一陽会病院に入院している30代の女性患者が新型コロナウイルスに感染していた問題で、同病院は22日、市保健所に女性のPCR検査の実施を求めたものの、保健所が当初、応じなかったと明らかにした。 
 同病院が公式ホームページで経緯を説明した。女性は16日に発熱などの症状を発症。その後も発熱が続いたため、20日午前にCT検査をしたところ肺炎の所見が見つかった。女性の主治医が新型コロナウイルス感染を疑い、市保健所にPCR検査の実施について相談したが「入院中であり濃厚接触の可能性がなく、検査の適応ではない」と回答されたという。病院側が同日午後に再度保健所に検査実施を求めたところ、保健所から21日に実施するとの回答があったという。21日に検体が採取され、22日に陽性と判明した。

 女性は2月に入院。発症前2週間以上、外出や外泊はしておらず、同病院は感染防止のため面会を禁止していた。市保健所の担当者は「(女性が)外出や外泊、面会などをしていないことから、すぐに検査する必要はないと考えて通常の治療を続けてもらうよう話した。再度連絡を受けたときに必要だと判断し、検査を実施した」と話した。 
 同病院には22日現在、130人が入院中で、職員数は168人。女性と同じ病棟には27人が入院している。保健所は濃厚接触者とみられる患者や職員のPCR検査を進めており、市保健所によると23日までに患者27人、職員18人の計45人の陰性が確認された。【渡部直樹】 


<新型コロナ> 自宅待機中、また死者 埼玉の70代男性、「軽症」悪化
東京新聞 2020年4月24日
 新型コロナウイルスに感染した埼玉県東松山市の七十代男性が、自宅待機中に容体が悪化し、死亡していたことが二十三日、県関係者への取材で分かった。県内では、自宅待機していた別の男性も死亡したことが既に判明している。
 県関係者によると、男性は六日に発熱などの症状を訴え、九日に検査で陽性と判定された。軽症と診断されたことから、入院できる病床が空くまで自宅待機していた。十四日に容体が悪化して病院に搬送され、その後、死亡が確認された。
 同県では、白岡市の五十代男性も、軽症とされ自宅待機していた際に容体が悪化し、二十一日に死亡が確認されている。
 菅義偉官房長官は二十三日の記者会見で、感染者のうち病院以外での死亡者数について「現時点で把握していない」と明らかにした。その上で「今後把握していくと聞いている」と述べた。
 埼玉県の大野元裕知事は二十三日午前、五十代男性に関して記者団に問われ、経緯を検証する考えを示した。今後の対応については「血液中の酸素濃度を測定する機器を配備し、濃度が下がった場合、速やかに救急搬送する態勢を整えたい」とした。
 県は感染者全員を原則入院させる方針を取っていたが、病院側の態勢が整わず入院できない人が急増。軽症や無症状の人はホテルや自宅での待機や療養を認める方針に転じた。二十二日時点で三百四十九人が自宅にとどまっている。


<新型コロナ> 路上 突然の最期 都内の66歳男性、死後に感染判明
東京新聞 2020年4月24日
 新型コロナウイルス感染症が拡大する中、警察が変死などとして扱った遺体の感染が判明するケースが相次いでいる。九日未明、東京都足立区の路上で倒れているところを発見され、搬送先の病院で死亡が確認された男性(66)もその一人。男性の弟は、まさかコロナで亡くなるとはという気持ちは「皆さん同じだと思います」と、言葉少なに悲痛な胸の内を語った。 (奥村圭吾)
「道で人が倒れている」
 捜査関係者によると、通行人から千住署に連絡が入ったのは午前四時半ごろ。場所は署のすぐそばだった。署員数人が現場に向かい、自動体外式除細動器(AED)や心臓マッサージで心肺蘇生を試みたが、息を吹き返すことはなかった。死亡後、病院がPCR検査をして陽性が判明。死因は新型コロナウイルス感染症による肺炎だった。
 男性は一人暮らしだった。葛飾区に住む弟は本紙の取材に「少し前までは元気だったのに…」と声を落とした。二次感染を防ぐため、遺体に対面することはできず、写真で身元を確認したという。
 男性とは月に一、二度、電話で連絡を取っていた。最後に話したのは三月下旬。新型コロナの報道を受け「元気してる?」と聞くと、「元気だよ」と明るい声が返ってきた。その後も、体調不良を訴える電話はなかったという。
 男性は倒れる直前、自宅から歩いて数分のコンビニ店で買い物をしていた。店の関係者によると、ふらついた様子で入店し、お茶と食べ物を買って店を出る様子が防犯カメラに写っていた。会計時にはカウンターに寄り掛かり、うずくまるような体勢のまま、ゆっくりお金を支払った。しかし、店員に胸の苦しみや体調不良を訴えることはなかったという。

 近隣住民によると、認知症の母親が他界する三年ほど前までは、手を引いて仲良くお弁当を買いに出掛ける様子も見られた。近所の男性(70)は「町内会には入っていなかった」と話す。
 今後、感染した独居老人が助けを呼べずに孤独死するケースは増える可能性が指摘されている。独居老人や高齢者世帯の異変を察知するため、各区ごとにお年寄りを見回る取り組みがある一方、訪問自体に感染拡大のリスクが伴う難しさもある。
 コンビニ店は直後に店内の消毒を終え、千住署は対応した署員数人を二週間自宅待機させた。署幹部は「今後も感染予防には最大限の注意を払いつつ、一つでも多くの命を救えるように署を挙げて全力を尽くしていく」と話している。


コロナ以外の患者6%が陽性、市中感染か 慶応大病院
日経新聞 2020/4/23 
慶応大病院(東京・新宿)が4月中旬、新型コロナウイルス以外の患者に対し手術や入院の前にPCR検査をしたところ、約6%が陽性となったことが分かった。同病院は「院外や市中で感染したと考えられる」とし、地域で感染が広がっている可能性を指摘している。
同病院によると、13日から19日にかけて手術や入院をする前の計67人の患者にPCR検査を実施。このうち4人(約5.97%)が陽性となった。いずれも新型コロナの感染を疑う症状はなかったが、無症状の人からも感染するリスクがあるため、院内感染を防ぐ目的で手術や入院の前に検査していた
同病院は、症状がなく感染している人が市中に一定程度いるとみており「感染の防止に向けてさらなる策を講じていく必要がある」としている。
慶応大病院では3月下旬以降、院内感染が起きた永寿総合病院(東京・台東)から転院した患者をきっかけに医師などが感染。集団で会食した初期研修医の間でも感染が広がり、外来や新規入院の受け入れを制限している。21日時点で「新たな発症者はなく感染拡大はしていない」という。


NY市 21%陽性 州は14% 感染者10倍か 抗体検査
東京新聞 2020年4月24日
 【ニューヨーク=赤川肇】米国で新型コロナウイルス感染拡大の中心となった東部ニューヨーク州は二十三日、州民の感染歴を調べる抗体検査の暫定結果を公表し、13・9%が陽性だったと明らかにした。州内では二十六万人の感染が確認されているが、州人口に当てはめると、実際には約十倍の推定二百七十万人が既に感染した可能性が示されたことになる。
 抗体検査は、外出や営業の制限措置を解く判断材料にするため、州政府が二十日から十八歳以上を対象に実施。第一段階として州内四十カ所の食料品店などで検査した買い物客ら約三千人の結果をまとめた。
 感染者や死者が集中する州南部ニューヨーク市内では五人に一人に相当する21・2%が陽性だったのに対し、農村地帯が多い州北部は3・6%と大きく差が開いた。人種・民族別では中南米系と黒人がいずれも22%台と高く、白人は9・1%にとどまった。
 クオモ知事は記者会見で「21%と3・6%の場所でするべきことは必ずしも同じではない。一部の州のようにニューヨークがいま(経済活動などを)開放しないのも同じ理屈だ」と述べ、感染対策の解除や緩和に慎重な姿勢をあらためて示した。
<抗体検査と抗原検査> 新型コロナウイルスへの感染の有無を簡単に短時間で調べる方法として「抗体検査」と「抗原検査」の開発が進められている。抗体検査は感染から一定期間たった後に体内にできる抗体を血液から探す。抗体は免疫システムがウイルスと闘った痕跡で、過去の感染履歴が分かる。抗原検査はウイルスに特有のタンパク質(抗原)にくっつく物質を使って患者の検体中にウイルスがいるかどうかを調べる。インフルエンザの迅速診断によく使われる。


検査不足に識者が警鐘 感染爆発、気付かぬ恐れ
東京新聞 2020年4月23日
 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、専門家はPCR検査で感染が確認された陽性者の数だけでなく、検査件数に対する「陽性率」の推移にも注目している。日本のように検査数が少ないと、陽性率が高くても実際の陽性者の数を把握できない。そのためオーバーシュート(爆発的患者急増)などになっていても気付かない恐れがあり、非常に危険という。「これでは有効な対策を立てられない」として、検査数を増やし、詳細な陽性率を公表する必要性を訴えている。
 厚生労働省は全国の陽性者数を検査数で割った数値を公表。4月21日までの累積で全国平均は10%。3月21日までは5%で、上昇傾向