エヌエヌ生命保険が3月27~31日に、全国の中小企業経営者7228人に「新型コロナの感染拡大がいつまでに終息すれば経営的に乗り切れるか」をきいたところ回答は、
3月末ー7・1%、 4月末ー20・3%、 5月末ー16・6%、 6月末ー15・5%
|
で、6月末までとした回答が合計して59・5%にのぼりました。
このアンケートはまだ緊急事態宣言が出される以前の3月末に行われたものです。「緊急事態宣言」後には人の動きが急激に縮小し一気に消費が冷え込んでいるので、当時予想された状況をはるかに超える深刻な事態となっています。たとえ10%が倒産してもその影響は甚大ですが、5月末・6月末にはどうなっているか計り知れません。
中小企業の倒産防止に何の実効性のある政策を打ち出せないでいる政権は、この事態をどう認識しているのでしょうか。中小企業が軒並み倒産してしまえば、いずれ新型コロナが収束しても日本経済は立ち直れません。
政府は、いっときも早く実効性のある政策を打ち出すべきで、それが出来ないのであれば即刻退場すべきです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
“資金繰り倒産”加速 中小企業6割が6月末までに破綻の恐れ
日刊ゲンダイ 2020/04/27
凄まじい倒産ラッシュになりそうだ。中小企業の6割が「6月末」までに資金繰りに行き詰まり、破綻する恐れが強いことが分かった。
「新型コロナウイルスの感染拡大がいつまでに終息すれば経営的に乗り切れるか」――。中小企業に法人向け生命保険を販売しているエヌエヌ生命保険が、全国の経営者7228人にインターネットで調査した結果は衝撃的だ。「3月末」(7・1%)、「4月末」(20・3%)、「5月末」(16・6%)、「6月末」(15・5%)と、「6月末」までとした回答が59・5%にのぼった。
要注意なのは、この調査は、まだ政府が「緊急事態宣言」を発令する前の、3月27~31日に行われていることだ。安倍首相が「人との接触8割減」を訴えていることもあって、緊急事態宣言の発令後、人の動きが縮小し、一気に消費が冷え込んでいる。それだけに、調査時点より、さらに逼迫している可能性が高い。
経済評論家の斎藤満氏が言う。
「大企業と違って、中小企業はほとんど内部留保がない。売り上げがゼロになった場合、手持ち資金でしのげるのは、せいぜい2カ月程度でしょう。ほとんどの経営者は、緊急事態宣言が発令される前、これほど消費が落ち込むとは想像していなかったはずです。なにしろ、新幹線の乗車率がゼロになるほど、経済活動がストップしている。大変なのは、売り上げがゼロでも、家賃や人件費などの固定費は支払わなければならないことです。政府も、中小企業対策を打ち出していますが、スピードがない。たとえば、東京・港区の業者が、資金援助を区に頼もうと思っても、面談できるのは6月だといいます。これでは、面談前に手持ち資金が尽きてしまう。このコロナ禍は、簡単に終息しそうにない。このままでは、6月末に6割破綻より、もっとヒドイ状況になっておかしくありません」
失策続きの安倍政権は、大急ぎで支援策を打ち出さないとダメだ。