2020年4月30日木曜日

30- パチンコ店への「休業強制」に乗じた「特措法に罰則規定」の動きは危険

 西村経済再生はコロナ特措法に基づく休業指示に従わないケースに関して、多数の自治体から問い合わせが来ているとして、「指示に従わない施設等が多数発生する場合には、より強制力を伴う仕組みの導入といった法整備について検討を行わざるを得なくなと述べました。
 形式的に「要請」の形をとっている現状でも市民の空気は「強制」に近いものになっていて、法曹界からは「明らかに制裁や威圧を目的としており、本来の趣旨から逸脱している」との指摘が出されています。

 休業に伴って収入の途が絶たれる人たちがいる以上休業の補償は必須です。生命の保障は何よりも最優先されなければなりません。そこのところを曖昧にしたままで休業・外出自粛の必要性のみを言うのは大いに片手落ちで、あってはなりません。罰則を設けるのは論外です。
 そもそも外出自粛や休業の影響を全く受けない階層である政治家や官僚たちが、それを取り決めること自体が間違いです。
「くろねこの短語」氏がそうした方向に走り出す空気に対して注意を喚起する記事を出しました。
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くろねこの短語 2020年4月29日
 休業要請に従ったということで、東京都がパチンコ店の名前公表を見送ったってね。確かに、コロナ特措法では、「施設の管理者や催し物の主催者に対し、知事は使用や開催の制限・停止を要請できる」と明記されてはいる。でも、あくまでも「要請」なんだよね。ここが肝心なところなんだが、実際は「要請」ではなくて「強制」になってるのに、どうして新聞・TVは指摘しないのか。
 こういう動きに対して、「明らかに制裁や威圧を目的としており、本来の趣旨から逸脱している」という意見が法曹界からも上がっているんだが、当たり前だと思う。そもそも、パチンコ店は危険だってことはハナっから言われていたことで、なぜか一時は休業要請の対象からはずされてたんだよね。自民党や維新の議員がパチンコ業界に深く関わっているからというのがおそらくその理由だったんだろうが、それが突如の強権発動って裏には何があったんだろう、と勘ぐりたくなろうというものだ。
 そんな中、コロナ担当相の女体盛り・西村君は、「新型コロナウイルスの特措法に基づく休業指示に従わない例が多発した場合、『罰則を伴う仕組みの導入を検討せざるを得ない』」なんてことを口にし始めている。全国知事会も「特措法に罰則規定」を要求したそうだ。ようするに、「罰則を伴う仕組み」こそが、こやつらの狙いってことだ。
 そのためにはパチンコ店は格好のターゲットなんだね。なんてったって、ギャンブル依存症の温床として社会問題にもなっているし、反社会勢力との関係もありそうだなんてイメージもありますからね。悪者にするには、もってこいってわけだ。
 でも、よく考えてみれば、パチンコ店に働くひとにだって生活がある。聞くところによれば、パチンコ店を経営するには、パチンコ台のリース料や従業員の給料、家賃、光熱費などを合わせると、1000万円くらいかかるんだとか。1ケ月も休業したら、潰れますね。
 これは、何もパチンコ店に限ったことではなくて、多くの飲食関係の店が同じような状況に陥るんだね。だからこそ、「休業と補償はセット」でなくてはいけない。なぜ、パチンコ店への「休業強制」が当たり前のように報じられて、「補償」が置き去りにされるのか。休業を余儀なくされている他業種の方々も、自分のこととして考えるべきなのじゃなかろうか。
 名前公表の恫喝が成功体験となって、コロナ・パニックを利用した強権的な動きは、「緊急事態条項」を含めた改憲へと繋がっていくかもしれません