しんぶん赤旗に「アベノミクスの過ち 上・下」という記事が載りました(5月4~5日付)。
安倍元首相によって長期間にわたって行われ、現在も簡単には「決別」できないでいる「アベノミクス」を現時点で簡単に総括するものです。
現在の円安は、米国の金利がインフレ対策上5%以上になっているのに対して、日本の金利が0~1%程度であるためです。では日本も金利を上げられるのかですが、日本は国債残高が約1000兆円、地方債残高が約200兆円もあるので、金利を上げると金利支払額が高騰して財政的に破綻します。
同時に国民の住宅ローンや中小企業の返済金利が高騰するので、家計の破綻や企業の倒産が続出します。これらは円安を目指して10年以上に渡って異常な低金利政策を続けてきたツケで、日本の経済は、「物価上昇と不況が同時進行するインフレ不況(スタグフレーション)」に陥っているとされています。
また安倍政権以降、年金積立金のかなりの部分を株式投資に運用しています。では株価が高騰しているいま「売り抜けられるのか」ですがそれも出来ません。売り抜ければ株価が大暴落し日本政府が国際的な信用を一気に失うことになるからです。
要するに、全てはアベノミクスが日本の経済を根本的に歪めてきたことの結果であり、こうなることは当初から指摘されていたのでした。
記事中に4つのグラフが載っていますが、写真版が使えないのでPDF版で紹介します。
(PDF版グラフ集)↓
https://drive.google.com/file/d/15zoxKAKGqYYjzGzrVTBf-UKneBhMY-HP/view?usp=sharing
植草一秀氏が「売国政策排し保有米国債全額売却せよ」とする記事を出しました。
日本は現在米国の国債を1兆1530億ドル(1ドル150円ベースで換算すると173兆円)保有しています。米国債を売却する権利は当然ありますが、何故か米国債に関しては事実上その自由はないとされています。日本が米国の属国と言われる所以で、あり得ないことなのですがそうなっています。
植草氏がそのタブーを無視するのはさすがです。
ただ残念ながら例によってブログの前半部分しか公開されないので、米国債売却に関する個所の記載はありません。
しかし前半のインフレに関する記述だけでも十分に合点がいくので紹介します。
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アベノミクスの過ち(上) 異次元緩和 破綻し円売り
しんぶん赤旗 2024年5月4日
止まらない異常円安と物価上昇、増える中小企業の倒産、危機的状況に追い込まれる日銀と日本経済 -。積もり積もったアベノミクス(安倍音三政権の経済政策)の過ちが、国民と中小事業者に襲いかかっています。「世界で一番企業が活躍しやすい国」をめざした政策の悪影響を検証します。 (清水渡、杉本恒如)
「今の円安は非常に困る」「(中小企業は)輸出比率が非常に小さく、原料高(の影響)をもろにかぷる」 日本商工会議所の小林健会頭は4月17日の記者会見でこう述べ、輸入原料の値上がり分を自社商品の価格に転嫁できない中小企菓の苦境を訴えました。4月16日のニューヨーク外国為替市場で円相場が一時1ドル=154円79銭に下落。1990年6月下旬以来、約34年ぶりの安値を更新したことを受けての発言でした。しかし、円売りはその後いっそう加速し、4月26日に一時1ドル160円台を突破しました。
円安や原油高の影響で輸入物価が再びじわじわと上昇し、「インフレ再燃」の懸念が高まっています。帝国データバンクの調査によると、主要食品メーカー195社の値上げは4~5月に3223品目に達します。さらに今後、1ドル150円台後半の円安水準が長期化、または円安が一段と進行した場命、今秋にも円安を反映した値上げラッシュの発生が想定され」る、と同社は指摘します。
空前の利益
他方、物価高に苦しむ国民と中小企業を尻目に、多くの多国籍大企業が空前の利益をあげています。海外で得る利益の円換算額が円安で膨らむことが大きな要因です。大企業の好業績を背景に日経平均株価は急上昇し、バブル絶頂期の1989年末に記録した終値ベースの史上最高値(3万8915円87銭)を一時上回りました。
「アベノミクスの本質は、株主の利益を優先する『株価・株主資本主義』です」と語るのは、下関市立大学の関野秀明教授です。
「国民生活を犠牲にして大企業の利益を増やし、株価を上げて資産バプルを生み出すことを狙いました」
株価引き上げ政策の最たるものが、アベノミクス「第一の矢」として安倍政権が日銀に押し付けた「異次元金融緩和」でした。超低金利と大量の資金供給で為替相場を円安に誘導し、多国籍大企業をもうけさせて株価を急騰させました。上場投資信託(ETF)を大量に買い入れて中央銀行が株価を支える禁じ手まで使いました。
実際に日経平均株価(終値)は12年末の1万395円18銭から今年4月末の3万8405円66銭へ3・7倍に上昇。5億円以上を保有する「超富裕層」の純金融資産は11年の44兆円から21年の105兆円へ2・4倍に膨張しました。(グラフ集参照、野村総合研究所推計)
滴り落ちず
大企業と富裕層の得た利益が国民全体に波及する「トリクルダウン」は全く起こらず、大多数の国民と中小企業は円安のデメリットばかりを被ってきました。こうして貧困と格差を広げたアベノミクス「第一の矢」は、現在も続いています。
日銀は3月19日の金融政策決定会合でマイナス金利など一部の政策解除を決めたものの、「緩和的な環境を維持する」と表明。引き続き大量の国債を買い入れて金利を低く抑える方針を示しました。このため日米金利差を意識した円売りが加速しました。
4月26日の金融政策決定会合でも日銀は緩和維持を表明し、植田和男総裁は記者会見で「基調的な物価上昇率にここまでの円安が大きな影響を与えているということではない」と述べました。これが「円安容認発言」と受け止められ、外国為替市場で円売りが暴走しました。
その後、円は乱高下を繰り返しており、政府・日銀が複数回にわたり「覆面介入」したと報じられています。しかし日米の金融政策が当面変わらず、金利差が開いたままとなるため、円安基調は定着するという見方もあります。輸入物価上昇によるインフレ再燃の危機は深まっています。
税財政を用い大企業奉仕
2013年2月28日、安倍晋三政権が発足して最初の施政方針演説で安倍首相は「『世界で一番企業が活躍しやすい国』を目指します」と声を張り上げました。
その宣言通り、安倍政権は税財政をあげて大企業への奉仕を貫いてきました。これがアベノミクス「第二の矢」である「機動的な財政政策」でした。
税制面では法人税を減税し、大企業の税負担を減らしました。12年に国と地方を合わせて37%だった企業の法定税率(法人実効税率)を段階酌に引き下げ、現在は29・74%です(グラフ集参照)。同時に毎年のように「税制改正」大綱に、研究開発減税の上限引き上げや対象拡大を盛り込むなど、大企業減税を拡充してきました。
税金の使い方も大企業奉仕でした。「大企業の国際競争力強化」「国土強靭化」などを口実に、毎年の予算に外環道を含む三大都市圏環状道路の整備や国際コンテナ戦略港湾など大型公共事業を計上しました。
これらの大企業奉仕は国民からの収奪で賄われました。安倍政権は14年4月、19年10月と2度にわたって消費税増税を強行し、合わせて10兆円をはるかに超える負担増を国民に押し付けました。同時に社会保障を削減し、医療費など負担を増やし、年金などの給付を減らしました。
税財政政策でも、「国民生活を犠牲にして大企業の利益を増やし、株価を上げる」やり方を費いてきたのがアベノミクスなのです。 (つづく)
アベノミクスの過ち(下) 日本はインフレ不況危機
しんぶん赤旗 2024年5月5日
アベノミクス以降の11年間で、国民は貧しくなり、日本経済は危機的状況に追い込まれました。
名目贋金の低迷と物価上昇、消費税増税などの影響で、実質賃金は2012年の404万6千円から23年の371万円へ、年額33万6千円も落ち込みました(グラフ集参照)。直近でも23カ月連続で前年同月より減っています。
その結果、消費が冷え込みました。12年から23年までの間に家計の実質消費支出は年間45万円も低下しました(グラフ集参照)。直近でも2人以上世帯の実質消費支出が12カ月連続で前年同月より減っています。
倒産が増加
東京商工リサーチの調査によると、輸入原料などの価格上昇分を転嫁できない中小・零細企業を中心に、倒産が増えています。23年度の企業倒産件数(負債額1000万円以上)は前年度比31・5%増の9053件にのぼりました。
日銀が「賃金と物価の好循環を確認」したといいながら金融緩和を維持する理由の一つは、「好循環」が大多数の国民と中小企業に及んでいないことです。
実際、3月19日の金融政策決定会合で日銀の中村豊明審議委員はマイナス金利解除に反対し、「業績回復が遅れている中小企業の賃上げ余力が高まる蓋然(がいぜん)性を確認するまで継続すべき」だと主張しました。植田和男総裁は同日の記者会見で「消費が思ったように回復してこないというのが下振れリスク」だと述べました。
抜本転換を
下関市立大学の関野秀明教授は「物価上昇と不況が同時進行するインフレ不況(スタグフレーション)に、日本経済は陥っている」と指摘します。
「円安と物価上昇を止めるために利上げをすれば、利払いが増えてローン破綻が続出し、株価も下落して大不況になります。利上げをせず円安と物価上昇を放放置しても実質賃金の低下と中小企業の経営悪化に拍車がかかり、大不況になります。出口がなく、日銀はもがいている状況です。この危機から抜け出すためには、物価上昇を大幅に上回る国民全休の所得増加を実現し、利上げに耐えられる経済をつくらなければなりません。株価上昇のために国民を犠牲にしてきたアベノミクスの抜本転換が不可欠です」 (おわり)
売国政策排し保有米国債全額売却せよ
植草一秀の「知られざる真実」 2024年5月 1日
かつてジャパンアズナンバーワンともてはやされた日本経済。凋落が始まって35年の時間が経過する。
ドル表示の日本の名目GDPは1995年を100とすると2022年が76。27年の時間を経て経済規模が4分の3に縮小した。
同じ期間に米国のGDPは3・3倍に拡大した。中国のGDPは24・5倍に拡大した。
購買力平価ベースでも日本の平均賃金水準はG5最下位に転落した。隣国の韓国にも抜かれている。
2012年12月に第2次安倍内閣が発足してアベノミクスなる経済政策路線が提示された。
「成長戦略」と銘打たれ、日本経済の成長を目指すとされた。
しかし、アベノミクスの下でも日本経済の成長はまったく実現しなかった。
国民にとって最重要の経済指標は実質賃金の動き。
労働者一人当たりの実質賃金指数は1996年から2023年までの27年間に16・7%も減少した。
アベノミクス始動下においても、2012年から2023年までの11年間に実質賃金は8・3%も減少した。
2022年の内閣府年次経済財政報告によれば世帯所得の中央値は1994年の505万円から2019年の374万円へと131万円も減少した。
つまり、アベノミクスはまったく成功しなかったということ。
現在、日本は日本円の暴落に直面している。
日本円の実質実効為替レートは1970年よりも下落している。
1ドル=360円時代の日本円よりも日本円の力は落ちている。通貨の下落は国際評価の下落。
日本国民が保有する資産のドル換算金額は日本円暴落に連動して暴落している。
日本円暴落は日本国民の財産喪失を意味している。
通貨の暴落を誘導する政策を採用することは狂気の沙汰。
この点を含めてアベノミクスの評価を再確認しておく必要がある。
アベノミクスは三つの政策を総称したもの。
三つの政策とは、財政出動、金融緩和、成長戦略である。
財政政策、金融政策、構造政策は経済政策の主要な三本柱。
アベノミクスはこのメニューを羅列しただけのもので目新しさは皆無である。
内容を見ると、財政政策では財政出動を掲げたが、2014年と2019年に二度の消費税増税を実施している。財政出動ではなく財政緊縮である。これを「アベコベノミクス」と呼ぶ。
金融政策では量的金融緩和を実行した。
インフレ率を2%に引き上げることを公約に掲げた。この公約は実現しなかった。
これは不幸中の幸いだった。そもそも「インフレ誘導政策」が誤りだ。
インフレは政府と大企業に利益を与えるもの。
インフレが進行すると実質賃金が減少する。
インフレが進行すると債務の実質価値が減少する。
一般国民は労働者であり預金者である。
インフレは労働者・預金者に損失を与える。
インフレ誘導に失敗したから国民の大損失は回避されたが、その後遺症が2022年から23年に現れた。日本でも激しいインフレが生じたが黒田東彦氏が率いる日銀がインフレを煽る政策を実行した。同時に黒田日銀の量的金融緩和政策が日本円暴落をもたらした。
その結果として、日本国民が甚大な損失を蒙っている。
アベノミクスの核心は「成長戦略」にあった。
成長戦略とは「大企業利益の成長戦略」であり、「労働者=一般国民の不利益の成長戦略」だった。
日本経済を立て直し、国民生活を改善するためには、これまでの経済政策を総括し、政策運営の抜本転換を断行することが必要不可欠である。
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「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。
2024年5月6日月曜日
アベノミクスの過ち(上) (下)(しんぶん赤旗)/~保有米国債全額売却せよ(植草一秀氏)
何もし内閣を許さない!(植草一秀氏)
植草一秀氏が掲題の記事を出しました。
内閣が「何もしない」という指摘は、ここでは能登半島地震後丸4か月が過ぎたのに、住民の最低限の「住生活」が一向に改善していないことに対するものです。
植草氏はこの4か月の間に、能登半島地震に関しての政治上の問題点について多くのブログ記事を出していて、当ブログ(平和問題及び原発問題)で紹介させてもらった分だけでも13件に達します。
岸田内閣は発足以来「これは」と評価できるような実績は唯の一つもがありません。支持率が低く出るメディアでは未だに10%台に留まっているのは当然でしょう。
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何もし内閣を許さない!
植草一秀の「知られざる真実」 2024年5月 4日
能登半島地震が発生して4ヵ月の時間が経過した。
ゴールデンウィークは天候に恵まれ、各地の観光地が賑わっている。
北陸地方でも金沢などの観光地で地震があったとは思えない賑わいが示されている。
岸田内閣は「北陸応援割」と銘打って旅行に対する利益供与政策も発動した。
その一方で、もっとも被害が大きかった地域はいまもなお、苦しみのなかに取り残されている。旅行に対する利益供与政策で、地震の被害が軽微だった地域は利益供与特需に沸き立っている。しかし、被害が大きかった地域では建物や道路等の復興も進まず、被災地のまま取り残されている。
石川県の発表では4月30日時点で4606人が避難所での避難生活を強いられている。
避難所では、いまなお段ボールベッドでの生活を強いられている。
いまなお深刻なのが水道。震災発生時には11万4000戸が断水した。
4ヵ月の時間が経過したがいまなお、奥能登地方では約4000戸の断水が続く。
奥能登地方以外では水道が復旧したとされるが、これは各家庭の水道メーターまでの水道管が復旧されたということに過ぎない。
道路下を通る水道が復旧しても、各家庭の水道メーターから家屋内の蛇口までの復旧が完了しなければ水道を利用することはできない。
県などが公表する「断水の解消」は、浄水場から各地域へ水を送る水道管の「本管」と、本管から各家庭に備えられている水道メーターまでの「引き込み管」の修理が終わったことを意味するにすぎない。しかし、水道メーターから住宅の蛇口までの水道管が壊れていれば水道を利用することはできない。水道メーターから先の工事は各家庭の負担になる。
この復旧工事のキャパシティーが不足している。
さらに、相手の足元を見透かすように、遠方の事業者が法外な工事代金を要求するケースが多く報告されている。
石川県が整備を進める応急仮設住宅は、9市町が建設を要望する全6421戸のうち、5月1日時点で全体の5割強にあたる3421戸が完成。約5割がまだ完成していない。
県は8月中にすべての応急仮設住宅の完成を見込む。「応急仮設」なのに8ヵ月もかかるということ。
他方、自治体が民間の賃貸住宅を借り上げ、被災者が最長2年住むことができる「みなし仮設住宅」は、「住宅の被害認定調査で半壊以上」、「ライフラインが途絶し、長期間居住できないと市町が認める人」などが対象となる。
富山、福井、新潟各県への避難者を含めて、4月15日時点で石川県内の被災者3155世帯が利用している。
入居手順は、希望する被災者が住民票のある市町に申請後に県が書類を審査。
県から決定通知が出たのちに、被災者と市町、物件の貸主の3者で賃貸契約を結んで入居する。しかし、これでは時間がかかり過ぎるため、自治体からの罹災(りさい)証明書発行前に被災者が物件を探して入居を始めた事例が多い。
この場合、当初は一般の民間賃貸と同じように貸主と入居者の2者契約になるが、事後に「みなし仮設」として3者契約に切り替えることも可能とされている。
3者契約が成立すれば2者契約で支払った家賃や礼金なども返金される。
しかし、この3者契約の事務作業が遅れており、4月10日時点で県が集計した約2100世帯のうち73%が2者契約のままになっている。
「3者契約書」がないために公費で支援対象となる家電製品(テレビ、冷蔵庫、洗濯機)の購入費(上限13万円)の申請もできない状態が続いている。
こうした現実に対して国は何も対応を示さない。
4月3日に台湾東部沖で発生した地震は1月1日の能登半島地震とほぼ同規模のもの。
台湾では地震発生直後に避難場所が確保され、避難所ではプライバシーを守るカプセル型のテントが張り巡らされた。温かな食事も直ちに用意された。倒壊の危険の高い建造物への対応も迅速だった。
能登半島先端地域だけでなく、JR金沢駅から車で20分ほどに位置する内灘町でも液状化による住宅やインフラの被害が甚大だが、復旧は極めて遅れている。
住民が大阪万博よりも被災地支援を優先して欲しいとの切実な思いを文字にして表し、ガラス窓に貼り付ける家屋も観察される。
このような状況を放置したまま、岸田首相は国民の税金で海外旅行に明け暮れる。
このような政権の下で日本国民が幸せになることは不可能である。
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イスラエル抗議への弾圧 米大学当局に批判/世界各地 学生抗議広がる
ニューヨーク市のコロンビア大学から始まったイスラエルに対する抗議行動は米国各地の大学で広がっています。当然米国で大学当局が警察を導入して学生のストを弾圧していることに批判が高まっています。
米国の大学経営者の反動性は顕著で、2日の時点で少なくとも25州の40以上のキャンパスで2000人以上が逮捕されました。まるで「マッカーシズム」の再来に歩調を合せるかのようです。
コロンビア大学やニューヨーク市立大での講義や講演を拒否する学者たちも現れました。
国運人権高等弁務官は4月30日、「大学や警察による対応は人権法に基づく必要がある」と指摘しました。
米国の大学における学生たちの抗議行動が、欧州や他地域にも波及しています。
英国、スイス、スペイン、フランス、オーストラリア、カナダ、メキシコなどの一部大学で、イスラエルに関連する研究機関との取引停止やガザでのジェノサイドをやめるよう求めるデモが行われ、大学側の譲歩を引き出す事例も出ています。
しんぶん赤旗の3つの記事を紹介します。
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イスラエル抗議への弾圧 米大学当局に批判
しんぶん赤旗 2024年5月4日
パレスチナのガザ地区を軍事侵攻するイスラエルに対する抗議行動が米各地の大学で広がるなか、大学当局が警察を導入して強制退去や逮捕などの弾圧を行っていることに批判の声が上がっています。表現や言論の自由など基本的人権の侵害にあたるとして、学生を排除した大学での講演を辞退する識者も出ています。
大学生の抗議行動は4月18日からニューヨーク市のコロンビア大学で始まり、全米各地に一気に拡大しました。コロンビア大学当局は学生らが退去要請に従わないとして同月30日に警察を突入させて学生らを逮捕しました。その後、同大以外でも警察権力を用いた強制排除が続いています。
米CNNによると、2日時点で少なくとも25州の40以上のキャンパスで2000人以上が逮捕されました。
テキサス大学の1年生(19)は米テレビに「かなり離れた場所に立って、抗議行動を録画していただけなのに、数人の警官が来て地面に押さえ付けられて逮捕された」と話しました。平和的に抗議している人や行動と無関係な大学生も逮捕されているもようです。
気候危機問題に取り組識者〝言論の自由侵害″
コロン'ビア大では講演辞退も
かつてコロンビア大学で教授を務めたディパリ・ムコパディヤイ氏は2日、コロンビア大学のシャフィク学長に対し、現在行っている同大学の研究機関への協力を辞退すると表明しました。「ガザ地区での集団殺害に抗議する学生の平和的なデモに大学当局は非人間性を持って応じた」と批判しました。
機構危機問題に取り組む団体「気候に関する沈黙を終わらせよう」の創般者、ジュズビエーブ・ギュンター氏は1日、コロンビア大学で3日に予定されていた催しでの基調講演をキャンセルしたと明らかにしました。大学側の対応は言論や表現の自由を認めた米憲法に反するとし、「コロンビア大学と関係を持つことは権威主義的な対応を容認することになる」としました。
米人権団体「全米市民自由連合」(ACLU)のデボラ・アーーチャー氏]はこのほど、ニューヨーク市立大学ロースクールーの学位授与式での講演を取りやめる意向を表明しました。
ターク国運人権高等弁務官は4月30日、「大学で行われた警察の行勣のなかには不均衡なものがある」「大学や警察による対応は人権法に基づく必要がある」と指摘しました。
学生の抗議キャンプ 警官撤去 労組がスト実施向け投票へ
しんぶん赤旗 2024年5月4日
米加州立大学ロサンゼルス校
【ワシントン=石黒みずぼ」米西部のカリフォルニア州立大学ロサンゼルス校で2日、警官隊がキャンパスに突入し、イスラエルのガザ侵攻に抗議する学生のキャンプを撤去しました。パレスチナに連帯する学生らに対する警察の弾圧が強まる中、学生労働者らを代表する労組もストライキ実施に向け行動を始めるなど、抗議の声がさらに高まっています。
同大学の学生らは4月25日に行動を開始。警官隊は1日夕、学生らに対し抗議キャンプの撤収を呼ぴかけていました。学生らはヘルメットやゴーグルを着用して身を守り、腕を組むなどして対抗。警官隊は2日未明、キャンプにめがけて閃光(せんこう)手りゅう弾などを投げ込みました。警官は学生らを逮捕し、キャンプを取り壊しました。
同大学では4月29日夜、親イスラエル派のデモ隊との衝突が起き、パレスチナに連帯する学生らは催涙スプレーを受けたり、棒で殴られるなどの攻撃を受けました。しかし、警察が対応をとったのは数時間後でした。
力リフォルニア州のニューサム知事は1日、警察の対応が遅れたことについて「受け入れられない」と批判しました。
同大学の学生労働者などを組織するUAW(全米自動車労組)4811支部は同日の声明で、対抗者の攻撃により、抗議キャンプに参加していた組合員も被害に遭ったと告発。「大学当局は表現の自由を行使する学生や教職員に対抗するための手段として暴力を許容している」と非難し、ストライキ実施の是非を問う投票を来週にも行うと発表しました。
世界各地 学生抗議広がる ガザでの虐殺やめよ
しんぶん赤旗 2024年5月5日
パレスチナのガザ地区への軍事侵攻を続けるイスラエルに対し、米国の大学で広がりを見せている抗議行動が、欧州や他地域にも波及しています。欧州メディアの3日までの報道によると、英国、スイス、スペイン、フランスの一部大学で、イスラエルに関連する研究機関との取引停止やガザでのジェノサイド(集団殺害)をやめるよう求めるデモが行われ、大学側の譲歩を引き出す事例も出ています。
米国学生に連帯
スペイン東部バレンシアのバレンシア大学では「パレスチナでの虐殺に終止符を打つ」をスローガンに、4月末から大学内に複数のキャンプが設置されました。学生らは大学側に対し、ガザでのジェノサイドをやめるよう呼びかける声明を出すよう求めています。
現地の報道によると、大学側は参加者のために携帯用トイレを用意し、雨の日は施設内の一部を開放。警備を強化しつつへ平和的なデモを行う学生の退去を求めない姿勢を明らかにしています。
英国のマンチェスター大、ニューカッスル大、ブリストル大などの学生らは「パレスチナの解放を」と書いたプラカードを掲げ大学施設外にテントを設置。イスラエル関連企業や武器製造企業への投資をやめるよう訴えました。1週間以上にわたり抗議を続ける学生もいます。
批判の高まりを受け、ヨーク大はイスラエルの名指しを避けつつ、武器製造・販売企業には「投資しない」と表明しました。
スイスのローザンヌ大学では約40人が抗議行動に参加。スイス政府が一部停止を表明した国運パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への拠出を全面再開するよう訴えました。先月末にはフランスの名門高等教育機関のパリ政治学院でも抗議行動が行われました。
メキシコ市の国立自治大学では学生らが2日から40以上のテントを設置し、ガザでの虐殺に抗議。政府に対しイスラエルとの通商関係を絶つよう求めました。カナダのトロント大やオタワ大でもテント設置が相次いでいます。
強制的排除行われず
オーストラリアを代表する名門校シドニー大学でもガザ連帯キャンプが設営されるなか、同大学では3日、多くの学生が参加してイスラエルと関係のある企業への投資をやめるよう求める集会が開かれました。
ロイター通僻によると、シドニー大学のほか、メルボルン、キャンベラなど他の都市でも大学に連帯キャンプがつくられています。オーストラリアの大学では、米国のように警察が強制的にキャンプを排除することは行われていないといいます。
シドニー大学での集会には300人超が参加。2歳の息子を肩車して、大学への要求を唱和していたマットさん(39)は、ロイター通信に対し、「何が起きているのかを理解した人間には、抗議に参加し、人々の意識を高め、連帯を示す責任がある」と語りました。
06- ガザでの住民虐殺に抗議する学生をテロリスト扱いする支配層、沈黙するリベラル
櫻井ジャーナルに掲題の記事が載りました。
イスラエルによる破壊と殺戮を可能にしているのは米国をはじめとする「西側」の支援があるからで、こうした支援が止まればすぐにガザでの破壊と虐殺は止まるのですが、それが実行できなのは、「破壊と虐殺の黒幕は西側諸国を支配している私的権力(デープステート)」だからであり、米国の大学生が抗議している相手はこうした「私的権力」であると述べています。
そのためにイスラエルへの支援は継続され、それに対してリベラルは沈黙させられているのだと。
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ガザでの住民虐殺に抗議する学生をテロリスト扱いする支配層、沈黙するリベラル
櫻井ジャーナル 2024.05.05
アラブ人の住む豊かな土地に「自分たちの国」を作るという妄想に取り憑かれ、欧米の強大な私的権力の支援を受けてその妄想を現実物にしたシオニストは現在、ガザで住民を虐殺し続けている。3万5000人以上のパレスチナ住民が殺されたと言われているが、瓦礫の下で死んでいる人は数千人なのか数万人なのか不明だ。
イスラエルによる破壊と殺戮を可能にしているのはアメリカをはじめとする「西側」の支援があるからにほかならない。ガザでの虐殺が問題になっているにも関わらず、こうした国々は資金や武器弾薬をイスラエルに提供し続けている。こうした支援が止まれば、すぐにガザでの破壊と虐殺は止まる。つまり破壊と虐殺の黒幕は西側諸国を支配している私的権力にほかならない。アメリカの大学で学生が抗議している相手はこうした私的権力である。
アメリカでは学生の抗議活動が広がっているが、その中心的な存在はニューヨークにあるコロンビア大学。この大学では抗議活動を弾圧するために警官隊を導入し、数百人の学生が逮捕されたという。同じ動きはアメリカ全土に広がり、全体では1500人以上の学生が逮捕されたと伝えられている。
コロンビア大学における警官隊の導入、学生弾圧への道を開いたのはニューヨーク市警で対テロ部門を率い、同大学のSIPA(国際公共政策大学院)で非常勤教授を務めるレベッカ・ウェイナー。CFR(外交問題評議会)のメンバーであり、彼女の祖父はマンハッタン計画に参加、後に水爆の設計にも関わった人物。単なる警察官僚ではない。
ウェイナーがニューヨーク市警へ入ったのは2006年だが、その前にはハーバード大学のジョン・F・ケネディ行政大学院のベルファー科学国際問題センターで国際安全保障フェローを、またOECD(経済協力開発機構)でバイオテクノロジー担当コンサルタント、外交問題評議会では科学技術研究員を務めた。アメリカやイスラエルの情報機関と何らかの関係があるのかもしれない。
アメリカの学生はガザでの虐殺に抗議の声を上げ、国家権力の弾圧を受けているが、「リベラル」であり、「人権派」と見なされている知識人は沈黙している。その典型例がレバノンとイギリスの二重国籍でパレスチナ系の弁護士、アマル・クルーニーだ。昨年10月7日からイスラエル軍はガザで破壊と殺戮を繰り広げているが、彼女はこの問題について沈黙している。
彼女の顧客にはWikiLeaksのジュリアン・アッサンジも含まれているが、タイム誌が2022年に「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」に選ぶような人物で、アメリカの支配システムから抜け出すようなタイプではないだろう。
彼女とマーチン・ルーサー・キング牧師は本質的に違う。牧師はリンドン・ジョンソン政権が始めたベトナム戦争に反対、1967年4月4日にニューヨークのリバーサイド教会で「ベトナムを憂慮する牧師と信徒」が主催する集会に参加、「なぜ私はベトナムにおける戦争に反対するのか」という話をしている。その丁度1年後、テネシー州メンフィスで暗殺された。支配層の定めた枠から飛び出したからだ。
現在の支配システムは19世紀のイギリスで生まれた。その中心には金融資本が存在している。中東にサウジアラビアやイスラエルを作り上げたのも彼らに他ならない。「自由」、「民主主義」、「人権」といった衣をまとっているが、実態は侵略、破壊、殺戮、略奪によって富を築いてきた帝国主義以外の何物でもない。イギリスもアメリカもイスラエルも彼らの国である。
2024年5月4日土曜日
きょう憲法記念日/2024憲法大集会
3日は「憲法記念日」でした。
東京・有明防災公園で「武力で平和はつくれない!とりもどそう憲法いかす政治を 2024憲法大集会」が開催され、3万2千人が結集し(昨年は2万5千人)自公政権による憲法破壊・戦争政策の推進に対する怒りと危機感にあふれた集会となりました。
岸田首相については「宏池会」系ということで多少は「マシ」なのではという淡い期待もあったのですが、蓋を開けてみると安倍氏に勝るとも劣らずに「平和憲法の蹂躙」と「対米従属」路線に深く入り込みました。
本人は支持率が10%台に落ちても一向に辞める気持ちはなさそうなのですが、岸田政権が続けば続くほど対米従属と軍事偏重(軍事費世界3位)の国家になる一方で、国民はより貧しく暮らしは悲惨の度を加えることになります。
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きょう憲法記念日
しんぶん赤旗 2024年5月3日
3日は77回目の憲法記念日です。今年の記念日は、岸田政権の憲法を蹂躙(じゅうりん)する「戦争国家」づくりの暴走に対し、平和と人権を求める国民的世論が広がる中で迎えました。
岸田政権は「安保3文書」に基づき、敵基地攻撃能力の保有、軍事費倍増、殺傷兵器の輸出解禁など「平和国家の理念」を投げ捨てる大軍拡を進めています。
4月の日米首脳会談では、米軍と自衛隊の指揮統制のかつてない連携強化に踏み切りました。自衛隊が米軍の事実上の指揮統制のもとに置かれる、日米軍事同盟の歴史的な大変質です。
平和憲法を根底から覆す暴挙は許されません。憲法9条を守り生かした平和外交で、戦争の心配のない東アジアをつくることが政治の責任です。
日本共産党の田村智子委員長は憲法記念日にあたり談話を発表。「自民党政治を終わらせ、憲法を生かした希望ある政治へと変えるために全力を尽くす」と表明しました。
「武力で平和はつくれない! とりもどそう憲法いかす政治を」を掲げて「2024憲法大集会」がきょう、東京・有明防災公園で開かれます。
田村委員長が談話
写真速報: 武力で平和はつくれない! 2024憲法大集会
レイバーネット日本 2024-05-03
5月3日の憲法記念日、東京・有明防災公園で「武力で平和はつくれない!とりもどそう憲法いかす政治を 2024憲法大集会」が開催された。快晴のなか、会場いっぱいの3万2千人が結集した。昨年の2万5千人を大きくうわまわった。自公政権による憲法破壊・戦争政策の推進に対する怒りと危機感にあふれた集会となった。
めでたさも中くらいなり憲法の喜寿(澤藤統一郎氏)
護憲の弁護士澤藤統一郎はご存知の通り、23年3月31日まで丸10年間 唯の1日も休まずに「澤藤統一郎の憲法日記」を発行してこられました(その後は「時折に掲載」されています)。
その澤藤氏が憲法記念日の3日に、小林一茶の句をもじった題記の記事を出しました。
同氏は、誕生以来本日まで1字の損傷もなく憲法が擁護されのは、主権者である国民の憲法を支える強い意思が保守勢力の改憲策動を阻止したことを意味すると評価する一方で、確実に解釈改憲の策動=憲法の空洞化が進み、安倍政権の集団的自衛権行使容認の憲法解釈変更以来今日まで、政府の憲法無視は甚だしく、憲法に従うべき義務を負う権力者が、憲法改正を唱える異常事態が常態化するに至っていると述べています。
そして、もう一つの感想として、明文改憲を阻止し得たと言うことは、その反面より良い憲法改正をなし得なかったということでもあるとして、憲法は保守勢力と進歩勢力との暫定休戦協定という政治的意味をもっていて、進歩の勢力が強くなれば、憲法は大いに改正を重ねてしかるべきもの(日本国憲法は立派な憲法ではあるが理想の憲法ではない)なのだと述べ、明文改憲と解釈改憲の両者を最大限警戒するとともに、より良い憲法に真の「改正」の必要を確認する日としたいと結んでいます。
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めでたさも中くらいなり憲法の喜寿
澤藤統一郎の憲法日記 2024年5月3日
(改憲阻止の立場で10年間毎日書き続け、その後は時折に掲載しています)
本日、77回目の憲法記念日。擬人化すれば、日本国憲法は77歳となった。この間、部分的にも明文改憲はなかった。誕生以来本日まで、1字の損傷もなく、憲法は擁護された。これは、主権者である国民の憲法を支える強い意思が保守勢力の改憲策動を阻止したことを意味する。その意味では日本国憲法の喜寿を祝い喜ぶべきではあろう。本日は、めでたい日である。
とは言うものの、手放しで喜んでよい憲法状況ではない。確実に解釈改憲の策動が進行している。憲法の空洞化といってもよい。とりわけ、憲法の平和主義への攻撃と侵蝕は看過しがたい。9条は危殆に瀕している。安倍政権の集団的自衛権行使容認の憲法解釈変更以来今日まで、政府の憲法無視は甚だしい。就任前はハトと思われていた岸田が今はタカの本領を発揮している。安保3文書の閣議決定、敵基地攻撃能力保有、軍事費倍増、戦闘機まで含む殺傷兵器の輸出解禁、日米軍事同盟の質的強化等々、明らかに憲法の平和主義をないがしろにする大軍拡路線が進行中である。
憲法とは、主権者から為政者に対する命令である。権力行使を有効に制約しなければ憲法の存在意義はない。いま、政権には憲法遵守の誠実さはなく、邪魔な存在として解釈を変更して違憲な権力行使を行い、さらには明文改憲の意図を隠そうともしていない。
かくして、憲法に従うべき義務を負う権力者が、憲法改正を唱える異常事態が常態化するに至っている。さらに憂うべきは、自・公の与党勢力だけでなく、維新や国民という一部野党までもが、改憲勢力の一翼を担っている。喜寿の憲法は必ずしも安泰ではない。
喜寿を迎えた日本国憲法について、もう一つの感想がある。今日まで明文改憲を阻止し得たと言うことは、その反面、より良い憲法改正をなし得なかったということでもある。憲法は保守勢力と進歩勢力との、暫定休戦協定という政治的意味をもっている。進歩の勢力が強くなれば、憲法は大いに改正を重ねてしかるべきものなのだ。
日本国憲法は立派な憲法ではあるが理想の憲法ではない。当然のことながら、不磨の大典でもあり得ない。人権・民主主義・平和という理念を充実し実質化する方向に、真の意味での「憲法改正」を進展させなくてはならない。にもかかわらず、日本国憲法は、人権にも民主主義にも敵対し平和主義にも危険な「天皇制という異物」を抱えたまま喜寿を迎えた。憲法制定以来今日までの長きにわたって、日本の主権者はこの憲法上の異物を摘出できていない。
日本国憲法の喜寿は、まずはその無事を確認して祝したいが、それだけでは足りない。明文改憲と解釈改憲の両者を最大限警戒するとともに、より良い憲法に真の「改正」の必要を確認する日としたい。異物を摘出し、部分的な治療を重ねることによって、日本国憲法は大いに若返り活性化するに違いない。