2017年12月24日日曜日

拉致問題 元凶は安倍政権と追及しない野党にある

 拉致問題では、安倍政権の無為無策が最大のネックであることは言うまでもありませんが、それを放置した野党にも大きな責任があるのではないかと日刊ゲンダイが指摘しました。
 安倍政権の無関心、無作為につられたでは許されません。
 野党も猛省の上、タガを締め直してほしいものです。
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停滞する拉致問題 元凶は安倍政権と追及しない野党にあり
日刊ゲンダイ 2017年12月23日
「何も見えない、何も動いていない状況で、今日まで頑張ってきた」

 横田早紀江さん(81)が21日、衆参両院で開かれた拉致問題特別委員会の閉会中審査で、そう訴えた。
 今年はめぐみさんらが拉致されて40年、家族会結成から20年という節目の年。拉致被害者、松木薫さんの姉・斉藤文代さん(72)も閉会中審査で、「政府に今年中にすべての被害者の救出を求めるという運動方針を決めたが、残念ながら願いがかないそうにない。家族は切羽詰まっている」と悔しさをにじませた。またしても進展ナシの越年。家族の高齢化が進む中「もう待てない」が家族の本音だ。

 閉会中審査では、与野党の議員が神妙な面持ちで、家族らに質問。異口同音に「全力で取り組む」と口をそろえたが、ちょっと待って欲しい。安倍政権の5年にもわたる「不作為」を許してきたのが、国会ではないのか
「野党の責任は重大です。拉致問題について成果を出せない安倍政権を追及して、しっかりと取り組ませるのが国会、とりわけ野党の役割です。ところが、野党の中には、“親北”だった議員もいて、拉致は触れたくない問題。その結果、安倍政権の無策にも大手を振れないのです」(元外交官の天木直人氏)

「拉致の安倍」という幻想もネックだ。12月4日の参院本会議で、安倍首相は、成果ナシの自分を棚に上げ、「全ての拉致被害者のご家族が自身の手で肉親を抱きしめる日まで私の使命は終わりません」と薄っぺらい言葉を口にした。たまらず複数の野党議員が「いい加減しろ」とヤジを飛ばすと、ネット上では「野党議員は拉致問題を解決したいと思ってないようですね」と炎上した。

■超党派で取り組め
 11月の参院予算委では、民進の増子輝彦議員が「1ミリも進んでいない」と苦言を呈すと、後日、飯島勲内閣参与が「週刊文春」で「国会議員からこんな後ろから味方が鉄砲で撃つような発言が出てくるなんてけしからんの極みだよ」と書いた。
 野党が何もやっていない政府を批判するのは当然なのに、拉致に限っては「安倍批判は解決に後ろ向き」という風潮がいまだに残っている。

 国会の拉致問題軽視は数字にも表れている。本紙の調べだと、今年1年間で、衆参両院の拉致問題特別委の実質審議は、21日の閉会中審査を含めても、衆院3回、計4時間、参院4回、計6時間に過ぎない。国会の拉致問題の扱いはこんなものなのだ

「安倍政権の無策を追及すること以外にも、国会議員は議員外交などやれることはいくらでもあります。ところが、訪朝するのはアントニオ猪木議員だけです。それも、行っただけで、何のフォローアップもされていません。議員同士が連携して、もっと戦略的にやらないと話になりません」(天木直人氏)

 家族会代表の飯塚繁雄さん(79)も閉会中審査で「各党バラバラではなく、きちんと任務を決めて、超党派で取り組んで欲しい」と繰り返し注文をつけた

 来年1月22日から始まる通常国会では本気の議論をすべきだ。拉致問題は安倍政権の最優先事項のはず。「来年ダメなら退陣する」くらいの覚悟をみせたらどうだ。