2017年12月14日木曜日

リニア新幹線は拡大版のアベ友利権

 加計学園問題では、安倍首相の親友が理事長を務める同学園が愛媛県と今治市から合計で100億円近い補助金を得て(ただし県の分は未実施)、獣医学部の開学に向けて準備を進めていますが、その経過は不明朗極まるもので、国会での安倍首相の説明で「納得できない」とする人たちの比率は常に80%近くを占めています。
「アベ友 事案」とか「アベ友 利権」などと呼ばれている所以です。

 最近、安倍政権と近いスパコン企業の助成金詐欺事件につづき、JR東海が進めているリニア中央新幹線の関連工事をめぐって不正入札があったとして、東京地検特捜部大林組本社家宅捜査、同社の副社長やリニア中央新幹線の関連工事を受注している鹿島建設の担当者から事情聴取任意行いました

 JR東海のトップ(代表取締役・名誉会長)は葛西敬之氏で、安倍をバックアップしてきた経済人による「四季の会」「さくらの会」の中心人物で、安倍首相とは切っても切れない関係にあります。
 JR東海が進めているリニア中央新幹線工事は、中央構造線などの断層があ南アルプスの地下深くに巨大トンネルを通すもので、巨大地震が発生した場合のリスクに加えて、大井川の水量減少、大量に発生する建設残土高圧送電線がもたらす電磁波の影響など問題山積のものですが、安倍首相昨年夏の参院選の自民党選挙公約に、リニア中央新幹線の大阪への延伸前倒しや整備新幹線の建設などのため、なんと官民合わせて “5年で30兆円の資金を財政投融資する” ことを謳い、今年7月までにすでに約3兆円がJR東海に貸し出されているということです。

 問題はこのリニア新幹線が利益を上げられるものかどうかですが、実は、20139月にJR東海の山田佳臣社長(当時)記者会見で「リニア新幹線は絶対にペイしない」と公言し、国交省も「リニアはどこまでいっても赤字です」としたいわくつきのものです。
 赤字必至の事業では公的資金が返ってくるのか不明というわけで、それにもかかわらず安倍首相は自分の応援団長のために、30兆円と投じようとしているということです。
 
 加計問題も酷いものですが、「リニア新幹線』問題は前述したような問題に加えて、規模が桁外れに大きな「アベ友』事案であるということです。

 LITERAが取り上げました。
「山口敬之氏が助成金詐欺のペジー社・齊藤社長とAI財団設立も~」も併せて紹介します。
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不正入札摘発、リニア新幹線は加計と同じ“アベ友”利権だ!
JR東海・葛西敬之会長のために30兆円を出した安倍首相
LITERA 2017.12.12
 安倍政権と近いスパコン企業の助成金詐欺事件につづき、またも“アベ友”絡みの不正があきらかになった。JR東海が進めているリニア中央新幹線の関連工事をめぐって不正入札があったとして、東京地検特捜部が偽計業務妨害容疑でスーパーゼネコンの大林組本社を家宅捜査、同社の土木部門トップである副社長や、同じくリニア中央新幹線の関連工事を受注している大手ゼネコンの鹿島建設の担当者らも任意で事情聴取をおこなったという。
 しかも、この不正入札は、JR東海側は被害者などではなく、JR東海の社員が工事費を事前に大林組の漏らしていた疑いが浮上している。しかも、契約価格を事前に大林組とJR東海は協議しており、最終的に関連会社であるジェイアール東海建設のJV(共同企業体)で受注しているのだ。これは、不正がJR東海の組織ぐるみで行われたということではないのか。
 いずれにしても、リニア中央新幹線じたいが巨大な利権と化していたことがうかがえるが、このリニア計画を支えているのが、ほかならぬ安倍首相だ。昨年夏の参院選の自民党選挙公約では、リニア中央新幹線の大阪への延伸前倒しや整備新幹線の建設などのため、なんと官民合わせて“5年で30兆円の資金を財政投融資する”と宣言。実際、今年7月までに、すでに約3兆円が鉄道建設・運輸施設整備支援機構を通じてJR東海に貸し出されている。

 そもそもリニア中央新幹線建設はJRが自己資金でおこなう予定だった。それが、財源不足を言い訳にして待機児童問題を先送りにしたり、社会保障のためだと言って消費増税を正当化するくせに、安倍首相はリニアにはあっさり3兆円をポンと出しているのである。
 そして、安倍首相がこれだけリニア開業に前のめりなのは、自分の“ブレーン”が計画の主導者だからだ。そのブレーンとは、JR東海の名誉会長・葛西敬之氏である。

安倍首相が葛西会長のためにつぎ込んだ30兆円は返ってこない
 葛西名誉会長といえば、富士フイルムホールディングスの古森重隆会長らといった安倍首相をバックアップしてきた経済人による「四季の会」「さくらの会」の中心人物で、第一次安倍政権時代には国家公安委員や教育再生会議委員を歴任。また、NHK会長人事をめぐっても、葛西氏が安倍首相にあの“歴代最低”とも呼ばれる籾井勝人氏をゴリ押ししたとも言われており、安倍政権に大きな影響力をおよぼしてきた。
“お友だち”のために民間事業が“国策化”されてしまう──。まさに加計学園問題で広く露呈した安倍首相の「政治を私物化する」体質が、このリニア計画の背景にあるのだ。

 しかも、加計問題では閣議決定された獣医学部新設のための4条件も満たしていないという杜撰さが発覚したように、この“お友だち”のためのリニア計画もまた、問題だらけなのだ。
 もっとも心配されているのは、投入した公的資金が返ってくるのか、という問題だ。
 実際、2013年9月にJR東海の山田佳臣社長(当時)は記者会見で「(リニアは)絶対にペイしない」と公言。国土交通省も「リニアはどこまでいっても赤字です」と市民団体との交渉で語ったという。つまり、赤字必至の事業なのである。
 さらにリニア建設には、南アルプスの巨大トンネルによる大井川の水量減少、大量に発生する建設残土など環境への影響も懸念されている。また、南アルプスには中央構造線などの断層があり、今後高い確率で起こるとされている巨大地震が発生した場合のリスクもある。高圧送電線がもたらす電磁波にも不安の声があがっている。
 その上、恐ろしいのは、このリニア計画が原発再稼働と密接に関係していることだ。

原発再稼働もリニアのため? 不正の背後には安倍とゼネコンの関係も
 興味深い指摘がある。第58回JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞を受賞した『“悪夢の超特急”リニア中央新幹線』(旬報社)の著者・樫田秀樹氏は、「世界」(岩波書店)15年2月号で、このように語っている。
「リニアが原発からの電力を使うかどうかは、公式的にはJR東海は何とも言っていません。ただ、JR東海の実質的な最高経営者である葛西氏は繰り返し原発再稼働を求めていますし、実際、リニア実験線で使われる電力は、主に柏崎刈羽原発からの日本初の超高圧送電線によって送られてきました。リニアと原発はセットとの可能性は否定できない」
 この指摘通り、葛西氏は福島の原発事故から間もない2011年5月24日の産経新聞でのインタビューで、「今日の原発は50年に亘る関係者の営々たる努力と数十兆円に上る設備投資の結晶であり、それを簡単に代替できる筈がない」「今回得られた教訓を生かして即応体制を強化しつつ、腹を据えてこれまで通り原子力を利用し続ける以外に日本の活路はない」と断言。JR東海グループの出版社が発行する月刊誌「Wedge」でも、同年6月20日発売の7月号で「それでも原発 動かすしかない」という特集を大々的に組み、原発再稼働の必要性を説いていた。

 一方、安倍首相も原発再稼働に突き進んでいる。たとえば、原子力規制委員会は柏崎刈羽原発6・7号機の再稼働を許可する安全審査で事実上の合格を出したが、パブリックコメントの結果も待たないうちに世耕弘成経産相は「異存はない旨の回答をした」などと発言。安倍政権は原発再稼働にまっしぐらの状態だ。
 投資した金の回収が疑問視されるだけでなく、環境面や安全面の問題、さらに原発再稼働との連動。そして、血税が貸し付けられているなかで発覚した、今回の不正入札──。
 しかも、ここにきて、この問題は「安倍首相と葛西氏との蜜月関係だけでは終わらないのでは」という見方も広がっている。というのも、不正入札をおこなったとみられる大林組の大林剛郎会長とも安倍首相は深い関係であるという指摘があるからだ。実際、首相動静で確認できるだけでも、安倍首相と大林会長は何度も会食をともにしており、今年11月19日には大林会長の親族の結婚披露宴にまで出席している。さらにこのリニアをめぐる不正には、大林組以外の、やはり安倍首相との関係が取り沙汰されるゼネコンの関与も取りざたされている。

 本サイトではまた追って詳報を伝えたいと思うが、森友・加計問題に、元TBS記者・山口敬之氏が関係するレイプ事件もみ消し問題にスパコン補助金詐欺、そしてリニア問題と、“アベ友”政治の闇はどこまでも広がっていることだけはたしかだろう。(編集部)


山口敬之氏が助成金詐欺のペジー社・齊藤社長とAI財団設立も
…所在地には山口氏の母親が住んでいた
LITERA 2017.12.13
 経産省所管のNEDO(国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」)から助成金を詐取した容疑で東京地検特捜部に逮捕されたスパコンベンチャー起業「ペジーコンピューティング」(以下ペジー社)の事件。同社の齊藤元章社長と官邸御用ジャーナリストで準強姦疑惑の渦中にある山口敬之氏 の関係をめぐって新たな事実が明らかになった。
 すでに山口氏が生活の拠点にしていた永田町ザ・キャピトルホテル東急内の高級事務所が齊藤社長から提供されていたこと、そして両者が一緒に財団法人を設立していたことが報じられていたが、この財団の正体が判明したのだ。

 齋藤社長と山口氏が設立したのは、一般財団法人「日本シンギュラリティ財団」。法人登記をみると、設立年月日は昨年の3月9日で。山口氏が代表理事、齊藤社長が理事に名を連ねていた。
 しかし、昨年3月といえば、山口氏がTBSを退社する同年5月よりも前のこと。山口氏はTBS在職中の時点ですでに財団の代表に就任していたことになる。
 だが、さらに注目すべきは、この財団の中身だ。日本シンギュラリティ財団は検索しても公式HPすらないが、法人登記の設立目的には、シンギュラリティに関する研究、人材育成など、シンギュラリティという言葉がズラリと並ぶ。「シンギュラリティ」とは、人工知能の発達が急激な技術の成長を引き起こし、人間文明に計り知れない変化をもたらすという仮説のこと。つまり、人工知能による社会の変化、新しいビジネスを研究・支援する財団ということらしい。

 ところが、この財団の実体は、とても人工知能関連の研究団体とは思えないものだった。まず、謄本に記載されている財団の所在地は、恵比寿の高級住宅地の一角で、普通の住宅としか思えない一戸建て。そして、今週発売の『週刊ポスト』(小学館)12月22日号によると、同財団を直撃したところ、なんと山口氏の母親が応対に出たのだという。
〈財団法人の住所を訪れると、山口氏の母親を名乗る女性が、「ここは(山口氏の)実家です。財団? 私は何も知らないんです」と話すだけだった〉(同誌記事より)
 そう、この財団は山口氏の実家だったのだ。しかも、財団の評議員には弁護士だという山口氏の父親と思われる人物が名前を連ねていた。これは、よくあるペーパー団体の典型的なパターンではないか。

財団の真の目的は? 住所は山口氏の実家、評議員に山口氏の親族の名が
 それにしても人工知能とはまったく関係のない政治記者の山口氏がなぜ、齊藤社長とこんな財団を設立していたのか。しかも、『ポスト』の記事を読む限り、実体はまったくないように見える。今回の事件を取材している全国紙の検察担当記者はこう推察する
「齊藤社長はスパコンだけでなくAIの開発、人工知能ビジネスに取り組んでいた。おそらく、官邸に食い込んでいる山口氏を代表にして、この財団をAI関連の助成金、投資の受け皿にしようと考えていたんじゃないでしょうか」
 実際、今回の詐欺事件の舞台となったNEDOにも、AI関連の助成金制度がある。同財団はこうした助成金を狙って設立したということなのだろうか。

 いずれにしても、この事件にはまだまだ裏がありそうだが、問題は東京地検特捜部の捜査だ。検察ははたして山口氏や安倍政権との関係にまで踏み込むのだろうか。
 しかし、前出の司法記者は「その可能性はきわめて低い」と悲観的な見方をする。
「最大の理由は森本宏東京地検特捜部長です。森本氏は法務省刑事局総務課長、内閣官房副長官秘書官の経験もあり、政権寄りの人物と言われている。特捜部でも、福島県知事汚職事件や村上ファンド事件など、国策捜査”と呼ばれた事件ばかりやってきた。特に福島県知事汚職事件では当時、国の原発政策に異を唱えた佐藤栄佐久福島県知事を標的にし、共謀者とされた実弟に「知事は日本にとってよろしくない、いずれは抹殺する」と言ったエピソードもあるほどですから。こんな人物が安倍政権に切り込むとは思えない
 特捜部が頼りにならない以上、事件を齋藤社長とペジー社幹部2人の逮捕だけで終わらせないためにも、メディアの徹底追及を望みたい。(編集部)