日刊ゲンダイが、北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星3」を完成させる日が、米国のレッドラインを超えるXデー(北朝鮮先制攻撃開始日)になるという記事を出しました。
北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイルが、自国の防衛を担保する兵器であることは言うまでもありません。
しかしアメリカは、北朝鮮がそうした「抑止力」を持つことも許さないという身勝手な本性を現しました。凶暴な本性と言うべきです。
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米はSLBM完成断固阻止 北朝鮮“レッドライン”越えのXデー
日刊ゲンダイ 2017年12月6日
4日、米韓両軍は韓国で史上最大規模の合同軍事訓練「ビジラント・エース」を始めた。米軍は最新鋭ステルス戦闘機F35やEA18G電子戦機も投入。8日までの間に米韓両軍で230機余りが参加する。うち約75機は在日米軍基地から飛び立つ。
11月29日に新型ICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射するなど挑発を再開させた北朝鮮に、ミサイル発射前の先制攻撃やソウルを狙う砲撃部隊に能力を見せつけ威嚇する狙いだ。
これに北朝鮮は「挑発には無慈悲な報復が伴うことを肝に銘じるべきだ」と反発。緊張が高まる中、米国が米本土に届くICBM以上に警戒しているのが、北が来年末の建造を目指すSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)「北極星3」だ。
「ロシアの技術支援もあり、北の潜水艦技術はレベルが高い。来年末には飛距離3000キロクラスで核弾頭を搭載できるSLBMを完成させる可能性が高まっています。米国はICBMよりはるかにSLBMを恐れている。北が完成度の高いSLBMを持つと、米国といえども、北への先制攻撃ができなくなるからです」(元韓国国防省分析官で拓殖大客員研究員・高永テツ氏)
米国が北本土を攻撃する場合、現時点では、北の反撃を封じるほどの壊滅的打撃を与えることは可能だ。ところが、北が核を積んだ潜水艦を持つと、事情がガラリと変わる。北本土を叩き切っても、どこかの海にひそんでいる潜水艦が核搭載のSLBMをブッ放せば、報復をくらう可能性が出てしまうからだ。これを北の「第2撃能力」と呼び、こうなると米国も口は出せても、手は出せなくなる。
■実験強行なら年内空爆も
SLBM発射実験の兆候も確認されている。
米ジョンズ・ホプキンス大の研究グループ「38ノース」は1日、北朝鮮西部・南浦の海軍造船所にあるSLBM試験用の発射台で行われていた作業が進み、近く運用可能な状態になると発表した。「北極星3」の開発に向けた動きも加速させることで、米国を牽制する狙いがあるとみられるが、発射実験が米国の先制攻撃を誘発する可能性もある。
「問題は発射実験の中味です。もし、米国をうならせるような技術を見せつけると、米国は北にSLBMの開発を続けさせてはならないと考えるでしょう。その場合、空爆に踏み切る可能性があります。『レッドライン』を越えるのは早ければ、12月18日の新月の夜、あるいは金正恩委員長の誕生日である1月8日も気になります。そうでなくても米国は来年末の建造まで、開発状況を注視し、絶対にSLBMの完成を許さないでしょう」(高永テツ氏)
見えない敵ほど怖いものはない、ということか。