「年金問題」にともなってにわかにクローズアップされた「マクロ経済スライド」について、しんぶん赤旗が解説記事を出しました。
それは以前からあった考え方であるにしてもその内容は国民には十分に周知されていませんでした。
それが今後も実施されれば、現在41歳より下の世代では、モデル夫婦世帯の場合、65歳から30年間に受け取る年金は今より1600万円も少なくなるので、政府のいう2000万円の不足にさらにその分が加算されることになります。
それなのに政府はそれをさも当たり前のように実施しようとしているわけです。
安倍政権に年金問題を解決する能力も意志もないことは明らかです。
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なんだっけ マクロ経済スライドって?
しんぶん赤旗 2019年6月30日
Q どんな仕組み?
A 公的年金の給付水準を毎年引き下げ、実質削減していく仕組みです。国会での日本共産党の追及で、安倍首相はこの仕組みで「7兆円」削ると明言しました。削減幅は現在の約3割減で、基礎年金でみると、満額月6万5千円が20年後には4万5千円に2万円も減ることになります。
Q 削減方法は?
A 公的年金の給付額(年金額)は毎年、物価や賃金の変動にあわせて改定されます。本来は、物価が伸びれば、年金額も物価の伸びにあわせて増額されないと実質減額になります。マクロ経済スライドは、年金額改定の際に、年金額の伸びを物価の伸びより低く抑えることで、年金額を実質的に減らしていきます。
Q いつまで減らす?
A 政府は2043~44年ころまでつづける計画です。若い世代ほど削減幅は大きくなります。現在41歳より下の世代では、モデル夫婦世帯の場合、65歳から30年間に受け取る年金は今より1600万円も少なくなります。低年金の人たちを中心に、ますます公的年金だけではくらしが成り立たなくなります。
Q 共産党の提案は?
A 7兆円の年金削減のマクロ経済スライドを廃止させて、「減らない年金」にします。そのために (1)高額所得者優遇の保険料の仕組みを見直し、保険料収入を増やす (2)約200兆円ある年金積立金を活用する (3)賃上げと正社員化を進めて保険料収入と加入者を増やす ― ことを提案。さらに、低年金の底上げと、「頼れる年金」にするための改革を進めるとしています。