2019年7月11日木曜日

安倍自民「政見放送」をファクトチェック(日刊ゲンダイ)

 安倍首相のフェイク演説は選挙になると鳴りを潜めるというものではありません。それどころか最高の機会だとばかりに、一層悪辣でその場限りの無責任なウソを言い立ててきたというのがこれまでの実績でした。
 選挙が終わってから、こんなデタラメを言っていたと指摘してみても後の祭りで、それを見越して「吹きまくっている」のでしょう。
 
 日刊ゲンダイが「安倍自民政見放送をファクトチェック」しました。
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非難ゴウゴウの安倍自民「政見放送」をファクトチェック
日刊ゲンダイ 2019/07/11
「キモい」「お前らこそ恥を知れ」「ネトウヨのニコ生かよ」――。自民党の政見放送に非難ゴウゴウだ。安倍首相と三原じゅん子女性局長の手前ミソなやりとりは醜悪そのもの。デタラメしか言わないこんな人たちに政権を任せていいのか。
 
■外交
安倍 最後の最後まで、対立よりも共通点を、粘り強く見いだし、力強いメッセージを、出すことができました
 
 G20大阪サミットの振り返り。安倍首相はトランプ米大統領に配慮して「保護主義と闘う」との文言を見送り、「自由で公正かつ無差別な貿易・投資環境を実現し、開かれた市場を保つために努力する」と意味不明な首脳宣言を採択した。とても「力強いメッセージ」とは言えない。
 
安倍 トランプ大統領だけでなく、習近平主席からも、拉致問題について、金正恩委員長に、伝えていただきました。アタクシ自身、あらゆるチャンスを逃さないとの、考え方の上に、全力で取り組んでいく、決意です
 
 自民は公約の1番手に「力強い外交・防衛で、国益を守る」とうたっているのに、拉致問題は徹頭徹尾仲介頼み。朝鮮中央通信は「安倍首相は世界の笑いもの」「薄らバカ」とコキおろしている。
 
■年金  
三原 野党は政争の具にし、具体的な政策も示さないまま不安をあおるだけの議論に終始している
 
 立憲民主党は医療や介護などの自己負担額に上限を設ける総合合算制度導入を公約に掲げ、共産党と社民党は物価や賃金上昇に応じて支給額を抑制するマクロ経済スライドの廃止を主張している。
 
■景気   
安倍 この春も、6年連続で、今世紀最高水準の、賃上げが、実現しました。
 
 これは春闘の実績で、この6年間の実質賃金はマイナス0.6%。
 
三原 年金積立金の運用益はこの6年で44兆円増えました。民主党政権時代の10倍ですね。
 
 12年10月~18年12月の運用益が44兆円。そのうち民主党政権だった12年10~12月分が5兆円あり、安倍首相が政権を担ったのは数日だけ。
 
安倍 6年で雇用は380万人、正規雇用も、130万人以上増えました
 
 非正社員が306万人、正社員が161万人増加し、年収200万円未満の非正社員が36万人も増えたことも触れるべきだ。
 
 終始、安倍首相を持ち上げ続ける三原氏に対し、安倍首相は「参議院本会議での演説は、すごい迫力でしたね。国民の代表としての、自覚。国会で、議論に臨む姿勢」とホメちぎった。あの「愚か者」「恥を知れ」演説のことだ。これじゃあ、政見放送というより、安倍カルト放送だ