2020年10月23日金曜日

官邸がTVを監視 出演者発言・ナレーション・見出し等を詳細に

  安倍政権はとにかくTVに出演し安倍政権を批判するTVキャスターやコメンテータを目の敵にしました。

 有名な人たちを思いつくままにあげてみても、古舘伊知郎(報ステキャスター)、古賀茂明氏(報ステコメンテータ)、岸井成格キャスター(NEWS23)、国谷裕子(NHKクロ現)、後藤謙治(報ステ)等々はそれぞれ人気のあった人たちでしたが、すべて官邸の意向によって降板させられました。
 安倍政権は、世間の評判とかということではなく(参考にはしていたのでしょうが)、批判的な番組については積極的に監視し記録を残していたことが、しんぶん赤旗に載りました。
 それによると開示された官邸の記録文書は「報道番組の概要」と「新型コロナウイルス関連報道振り」で、常時監視の対象となっていたのは平日の7番組と、土日の4番組でした。それらの報告書は平日の日中の番組記録は同日中に、平日夜の番組は翌日、土日の番組は月曜に官邸に提出され、その分量は3月1日から16日までの半月分でA4判700頁にも上るものでした。
 まさに驚くべき「TV監視体制」で、そのためには費用に糸目は付けないという姿勢です。
 これに関しては菅官房長官(当時)が検察官僚の中村格氏と一緒に官邸でTV番組「報道ステーションン」を視聴していた話が早くから伝わっています。菅氏自身がTV監視の必要性を強く自覚しただけでなく自らも実践していたということで、空恐ろしい気がします

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官邸のTV監視ここまで 出演者発言・ナレーション・見出し…詳細に
3月前半分 A4700枚 本紙が記録入手
                        しんぶん赤旗 2020年10月22日
 内閣広報室がテレビのニュース・情報番組の出演者の発言を詳細に書き起こした記録文書を、本紙は情報開示請求で入手しました。テレビでの発言を官邸が日常的に監視し、政権の意に沿わない報道に対抗措置を取る狙いがうかがえます。
 開示された文書は大別して2種類で、「報道番組の概要」と、「新型コロナウイルス関連報道振り」。A4判で700枚にのぼります。その期間は安倍晋三首相(当時)が「一斉休校」を要請(2月29日)した直後の3月1日から16日まででした。
 「概要」に記載されているのは、分刻みの放送時間、ニュースの見出し、出演者の発言です。「一斉休校」「休業補償」など、政府の方針にかかわるテーマが話し合われた時に、“テープ起こし”をしたと思えるほど詳細に記録しています。
 閣僚や与党の重要議員、各党出席の討論番組などは“全文起こし”されています。VTRのナレーションやアナウンサーの発言も含め、徹底した監視ぶりです。

 常時監視の対象となっていたのは、平日の7番組と、土日の4番組でした(別項)。平日の日中の番組記録は同日中に提出され、平日夜の番組は翌日、土日の番組は月曜に提出されています。

 安倍政権下では、徹底したメディア対策が取られました。特に影響力の大きいテレビに対しては、政権に批判的なニュース番組のキャスターを降板に追い込むこともしました。官房長官時代からメディアに対してさまざまな干渉・圧力を加え、日本学術会議人事への介入にみられるように強権をいとわない菅義偉首相のもとで、これが一層強化されることが懸念されます。