日本学術会議が提出した次期学術会議会員候補名簿から6人を排除したのは杉田官房副長官のようです。自民党が敢えてそれを明らかにしたのは、そうすればその分菅首相の立場がよくなり、一方野党が要求する杉田氏の国会招致に対しては官房副長官を招致した前例はないからと断れば野党には有効な手立てがなくなるから、任命拒否問題は有耶無耶になるという読みがあるからといわれています。しかし首相以外の人間がそんなことをすること自体が法令違反なので、自民の読み通りには行きません。
NEWSポストセブンが杉田官房副長官のことを取り上げました。
杉田氏は警察庁の警備・公安畑に長くいて、第2次安倍政権で官房副長官に就任して以来官僚トップの座にあり、17年からは内閣人事局長を兼務して霞が関に睨みを利かせている人物です。特に官僚のスキャンダルを握って政権不祥事の陰で収拾に動くことでも知られているということで、その陰湿さは菅首相とはお似合いの組み合わせです。
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菅首相の目と耳になる杉田副長官 官僚不祥事握り人事を掌握
NEWSポストセブン 2020/10/27
(週刊ポスト2020年11月6・13日号)
菅内閣の支持率が急落中だ。コロナに苦しむ国民は「苦労人の令和おじさん」の登場で庶民重視の政治を期待した。発足当初の支持率は最高74%(読売新聞調査)、自民党に批判的な朝日新聞でも65%で、保守層が地盤だった安倍前内閣より支持のウイングを広げた。それが日本学術会議の任命拒否問題が発覚すると、わずか1か月で読売は67%(7ポイント減)、朝日は53%(12ポイント減)へと大きくダウンした。
「政権に批判的な学者を排除する」という菅首相の統制主義的な手法を目の当たりにした国民は、庶民派イメージとのギャップに戸惑い、不審を覚えたからだろう。政治ジャーナリスト・野上忠興氏が指摘する。
「菅首相は庶民派を演じているが、実は警察官僚に支えられた統制主義者。官房長官時代から自分の意に沿わない官僚を容赦なく左遷した。その目や耳となってきたのが警察官僚出身の杉田和博・官房副長官(事務担当)と北村滋・国家安全保障局長で、いまや彼らの判断が総理を動かしているように見える」
問題の任命拒否を主導したのがその1人、杉田官房副長官だ。杉田氏は日本学術会議側が推薦した105人の会員候補リストから事前に特定秘密保護法や安全保障関連法を批判していた学者6人を除外し、99人リストにして菅首相に提出したと報じられている。首相はリストの人選をそのまま承認していた。
その経歴は、警察庁の警備・公安畑が長く、警備局長、内閣情報官などを歴任した後、第2次安倍政権で官房副長官に就任して以来、現在の菅政権まで足かけ7年10か月にわたって官僚トップの座にある。2017年からは中央官庁の幹部人事を一元管理する内閣人事局長を兼務して霞が関に睨みを利かせる人物だ。
官僚のスキャンダルを握って政権不祥事の陰で収拾に動くことでも知られる。その情報収集力を示したのが前川喜平・元文科事務次官の出会い系バー通い報道のときだ。杉田氏は前川氏が現職次官当時に情報を掴み、本人に事情を聞いて注意したが、一切、表には出なかった。だが、前川氏が退任後に加計学園の獣医学部認可をめぐって官邸の関与があったことを証言する直前、証言の信憑性を疑わせるように出会い系バー通いのスキャンダルが報道された。
本来は首相の「目と耳」となる役割の杉田官房副長官が、安倍首相から菅首相に代わると権限を強め、いまや“影の総理”と呼ばれるようになった。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。