2020年10月10日土曜日

菅首相が9日にまたグループインタビュー

  菅首相は、5日に読売新聞、日経新聞、北海道新聞の3社による異例のグループインタビューを行ったのに引き続いて、9日夕刻、毎日新聞、朝日新聞、時事通信の3社によるグループインタビューを受けました。

 常勤以外の地方新聞社、外国プレス、フリー記者のうち抽選で選ばれた10人が別室で傍聴しました。
 5日のインタビューの音声を聞くといかにも原稿を読み上げているという口調で、公開動画を見ても菅首相は机上に置かれている原稿に視線を落としていました。ただ机上の前面には花が沢山置かれていたために原稿は確認できませんでした。

 限られたメディアに対して、しかも回答が準備されているインタビューにあまり意味があるとは思えません。しかもメディアに傍聴希望の受付に関するメールが届いたのが当日の10時過ぎで、申し込みは過去3ヶ月の掲載記事を明示したうえで12時までにということで簡単には応募も出来ない仕掛けになっています。オフレコ会食の方は批判が出て中止になったようですが、このグループインタビューは今後も続けるのでしょうか。
 今回のインタビューでも、肝心の学術会議会員候補の任命拒否の理由については、「総合的、俯瞰的な活動を確保する観点から判断した」という表現を、単に「広い視野に立って、バランスの取れた活動を行い‥云々」と言い換えただけで何の説明にもなっていません。そもそも総合的、俯瞰的」云々という表現は、学術会議に対するある提言文書の中にあったもので会員個人の資質に関するものではありません。
 8日の参院文科委員会では政府関係者が、任命拒否の根拠として憲法15条による「(任命拒否は)明らかに、法の目的に照らして不適当と認められる場合に認められる」を挙げたようですが、それもまた何の説得力もないだけでなく、当の6人をこれ以上なく侮辱するものです。共に「人事に関するものなので詳しくは言えない」で済まされるようなものではありません。

 ブログ「まるこ姫の独り言」の記事を紹介します。(文中の太字・青字強調部分は原文に拠っています)
 併せて毎日新聞のグループインタビュー記事を紹介します。文中で、首相が「最終的に会員になった人のリストを見た。(105人の)推薦リストは見ていない」と述べたとなっていますが、もしもそうであれば首相の専権事項である任命の原案を事務方が勝手に改竄したことになり大問題です。しかし首相はかねてから提案通りに任命すべきなのかということに疑問を持っていたと表明し、なおかつ任命拒否の問題が明らかになってからも、6人が最初から除外されていたということについて何も言及がなかったことから、俄かには信じられません。
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菅、今日もグループインタビュー、とうとう「玉音放送」の域に
                       まるこ姫の独り言 2020.10.09
菅は、まだグループインタビューを続行するつもりのようだ。
Shoko Egawaさんのツイートから

>Shoko Egawa
前回もそうだったけど、10時過ぎにメールがきて、「別室での傍聴」したければ正午までに、3ヶ月間に掲載した記事を明示しつつ申し込め、ただし抽選、と連絡。こんな予定の立つことを、なんでこんな形で?という疑問も。傍聴ですら、出来るだけ参加しにくくしたい、という意図を感じる。


傍聴くらい誰にも開放すればいいのに、どうしてここまで閉鎖的なのか?
また玉音放送を聞かせる気だな?
総理の会見に対して傍聴の抽選なんて聞いたことがない。
まるで裁判所だ。

そもそも、グループインタビューとやらの前に、なんで所信表明演説をやらないのか。
こそこそ陰に隠れて何をやっているのだろう。
異常なグループインタビューに対して、記者も猛抗議をするべきだろうに、また唯々諾々と従っている。
国民は新しい総理が誕生したら、その総理がこの先どんな国づくりをするのか、どのような国家観を持ち、どのような信念理念を言葉にしてくれるのかを知りたいのに未だに国会も開かず放置状態だ。

その反面、政府から独立した学術会議にだけは異常な執念を燃やし(コンプレックスの裏返しか?)前例踏襲の打破と言う大義名分を振りかざして、潰しにかかる。
自民党議員はこぞって、学術会議=悪の組織のような印象操作をしている。
安倍が総理辞任する前にも、自民党議員が大挙して「病に倒れたお気の毒な宰相」と言う悲劇のヒーローのようなイメージ作りをしたり、難病の人に対して批判をしてはいけない雰囲気を作り上げていたが、今度も学術会議=悪の組織と言う宣伝を大々的にやっている。
ここまで自民党議員が学術会議に対して色眼鏡を持った発言をしているからには、絶対に何か裏がある。
無知な菅のメンツを保つためか。。。
しかし菅も、どこまで陰険陰湿な体質なんだろう。

パンケーキ懇談会はこれからはやらない方向へと言う話も聞いたが、グループインタビューは続行して行くつもりなのか。
陰に隠れてこそこそと3人しか総理に面会ができないグループインタビューとやらをやり、傍聴の権利は抽選とか、記者と丁々発止のやり取りは極力したくない、そして秘密主義が目に付く。
それもこれも官房長官時代に、ほとんど記者とは議論をしたこともなく、面倒くさい質問には司会者が茶々を入れて妨害をし、あとは「当たらない・問題ない・コメントを差し控える」で通用したことで、ディベート力が育たなかったともいえる。
すべて自分の蒔いてきた種なのに、ディベート力の無さの回避のためにグループインタビュー

そして、他の記者には傍聴のみ。
こんな、対話能力のない人間が総理でいいのか。
国会が始まったら、野党の厳しい質問にどう答えていくのか。

官僚の書いた作文を読み上げるだろうとは想像がつくが、安倍、菅と、総理の器じゃない人間が総理になり、行政改革の名の下に国の形態を滅茶苦茶にする。
国民も、ハンコ廃止や携帯使用料下げで拍手喝さいしている場合じゃない。


学術会議任命巡り 菅首相「安倍前首相から引き継ぎなし」 9日のインタビューで 
                                 毎日新聞2020年10月9日
 菅義偉首相は9日、毎日新聞などのインタビューに応じ、日本学術会議から推薦された新会員候補6人を任命しなかった問題を巡り、「今回の任命について変更は考えていない」と述べ、「任命拒否」の判断を変えない考えを示した。一方、推薦者名簿を見たのは自身が決裁する直前で、記載があったのは99人にとどまり、任命されなかった6人を含む105人の名簿は「見ていない」と述べた

 政府が学術会議から名簿提出を受けたのは安倍政権時代の8月31日。菅首相はインタビューで、安倍晋三前首相から今回の任命に関する引き継ぎはなかったとした。
 首相は6人を改めて任命する可能性について、「10月1日に99人を任命し、今般の任命手続きは終了した」と述べ、判断を変える考えはないと強調。ただし、学術会議の梶田隆章会長が6人の任命を求めているのに対し「会長がお会いしたいということであれば、お会いする用意を持っている」と述べた。
 学術会議から推薦された会員候補の名簿は、9月28日に99人の任命を決裁した「直前」に見たとし、「最終的に会員となった方がそのままリストになっていた」と説明した。
 首相はこれまで今回の任命について「総合的、俯瞰(ふかん)的な活動を確保する観点から判断した」と述べている。これに関し、この日のインタビューで「広い視野に立って、バランスの取れた活動を行い、国の予算を投じる機関として国民に理解される存在であるべきだということを念頭に判断した」と補足した。
 学者個人の思想信条が任命に影響したかを問われ、「それはない」と答えた。だが、6人を任命しなかった明確な理由は明らかにしなかった。
 政府・自民党内に学術会議を行政改革の対象とすべきだとの意見があることには「学術会議のあり方がよい方向に進むようなら歓迎したい」と述べる一方で、「私から今、あり方について指示することは考えていない」と政府・与党の議論を見守る考えを示した。

 インタビューは、内閣記者会(常勤19社)に加盟する複数社が個別に申し込んだ。早期に申し込んだ社を対象に、5日に読売新聞、日経新聞、北海道新聞、9日に毎日新聞、朝日新聞、時事通信による合同で実施。両日とも3社以外の常勤社のほか、常勤以外の地方新聞社、外国プレス、フリー記者のうち抽選で選ばれた10人が傍聴した。【笈田直樹】

学術会議人事に関する首相発言 骨子
・任命手続きは終了した。変更は考えていない
・最終的に会員になった人のリストを見た。(105人の)推薦リストは見ていない。
・広い視野、バランスの取れた活動を行っていることを念頭に判断した
・安倍晋三前首相からの引き継ぎはない
・学術会議のあり方見直しの指示は考えていない
・法解釈の変更は行っていない