2020年10月13日火曜日

菅首相 学術会議「6人排除」を事前に把握 杉田副長官が判断に関与

  学術会議会員の6人を任命拒否した理由を説明しないでいる菅首相は、9日夕刻に受けた毎日新聞、朝日新聞、時事通信の3社によるグループインタビューで、任命を決裁したときにはすでに6人が除かれた99人しか推薦候補者リストにはなく、105人の推薦リストを見ていないと言い出しました。しかしそれは菅氏のこれまでの発言とまったく整合しないものであり、何よりも、日本学術会議法会員について「会議側の推薦に基づいて首相が任命する」と定めていることに反します

 加藤官房長官は12日、「決裁文書に名簿を参考資料として添付していた」と明らかにした上で「詳しくは見ていなかったことを指しているのだろう」と説明し、「決裁までの間には首相に今回の任命の考え方の説明も行われている」も説明するなど、首相発言を軌道修正しました。これは「会議側の推薦に基づいて首相が任命したのでなければ、問題は更に大きくなると判断したためと見られます。

 時事通信が伝えました。
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菅首相、「6人排除」事前に把握 杉田副長官が判断関与 学術会議問題
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 日本学術会議が推薦した会員候補105人のうち6人が任命されなかった問題で、菅義偉首相がこの6人の名前と選考から漏れた事実を事前に把握していたことが分かった。除外の判断に杉田和博官房副長官が関与していたことも判明した。関係者が12日、明らかにした。
 首相は9日のインタビューで、会議側が提出した105人の推薦リストを「見ていない」と発言。99人のリストを見ただけだとして6人の排除に具体的に関与しなかったかのような説明をしたため、一連の経緯や理由、誰が判断したのかが焦点となっていた。首相が6人の除外を前もって知っていたプロセスが明らかになったことで、さらなる説明責任が求められる。
 今回の人事を首相が最終的に決裁したのは9月28日。関係者によると、政府の事務方トップである杉田副長官が首相の決裁前に推薦リストから外す6人を選別。報告を受けた首相も名前を確認した首相は105人の一覧表そのものは見ていないものの、排除に対する「首相の考えは固かった」という。
 首相が105人のリストを見ていないと発言したことを受け、政府は12日、釈明に追われた。加藤勝信官房長官は記者会見で「決裁文書に名簿を参考資料として添付していた」と明らかにした上で、「詳しくは見ていなかったことを指しているのだろう」と説明。実態として把握していたとの認識を示し、首相発言を軌道修正した。
 同時に「決裁までの間には首相に今回の任命の考え方の説明も行われている」と繰り返し、人事は首相の判断により決まったことを強調した。
 日本学術会議法は会員について「(会議側の)推薦に基づいて首相が任命する」と定めている。政府が軌道修正したのは、首相がリストも見ていなかったとすれば、この規定に抵触しかねないとの指摘が出たのを意識したものとみられる。
 立憲民主、共産両党などは12日、合同ヒアリングを東京都内で開催。首相発言について「明確に法律違反だ」と批判した。