自民党は先に憲法改正原案起草委員会の初会合を開き、衛藤征士郎・党憲法改正推進本部長(兼起草委員長)は「菅首相から『挙党態勢で精力的に取り組んでほしい』と言われた」として、「ハイペースで会合を開き、年末までに原案を取りまとめたい」と述べましが、それは安倍政権において憲法改正が挫折した事情を認識しているとは思えない乱暴なものでした。
⇒(10月15日)自民、改憲原案の起草着手 衛藤氏「独走」に周囲困惑
閣僚たちの話しによると菅首相は随分とセッカチで、自分が命じたテーマについて「あれはどうなっているか」と頻繁に確認するということです。
物ごとにはそれなりの常識的なペースというものがあるので、なんでも自分の思い通りに出来るものではありません。それとも官房委長時代にはそんなペースで官僚たちを動かそうとしたのでしょうか。
憲法改正に関して、佐藤総務会長は国民投票法改正案の成立を優先させるべきだとして、憲法改正の条文を年内に取りまとめることにこだわる必要はないという認識を示しました。
また世耕・参院自民幹事長も記者会見で、「事柄の性質上、強引にスケジュールを切って無理やり仕上げるものではない。丁寧に物事を進めることを最優先すべきだ」と述べました。
あまりにも当然のことです。
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憲法改正案の条文 年内取りまとめ必要ない 自民 佐藤総務会長
NHK NEWS WEB 2020年10月20日
憲法改正に向けた自民党の起草委員会が、党の4項目の改正案を年内に具体的な条文にまとめたいとしていることについて、佐藤総務会長は国民投票法改正案の成立を優先させるべきだとして、年内の取りまとめにこだわる必要はないという認識を示しました。
憲法改正に向けた自民党の起草委員会は、先週「自衛隊の明記」や「緊急事態対応」など党の4項目の改正案について、年内に具体的な条文にまとめたいとして、議論を進めていくことを確認しました。
これについて、自民党の佐藤総務会長は記者会見で「衆参両院の憲法審査会では、国民投票法の改正案が審議に入らない状態で残されており、野党にも席に着いてもらう環境を整えるほうが大切だ」と述べました。
そのうえで、佐藤氏は「一刻も早く国民投票法を仕上げたうえで議論を進めるのが理想だ」と述べ、年内の取りまとめにこだわる必要はないという認識を示しました。
自民 世耕参院幹事長「丁寧な対応最優先に」
自民党の世耕参議院幹事長は、記者会見で「事柄の性質上、強引にスケジュールを切って、無理やり仕上げるものではない。参議院でも3分の2以上の賛成がないかぎり、憲法改正の発議はできず、丁寧に物事を進めることを最優先すべきだ」と述べました。