2021年1月12日火曜日

英国帰国男性から2人が変異種コロナに感染

 英国から帰国した男性と会食した2人が、通常の新型コロナよりも感染力が17倍強いとされる変異種コロナに感染したことが分かりました。

 男性は先月22日に帰国した際空港検疫で陰性となり、念のため求められていた14日間の健康観察期間中に10人と飲食していました。
 空港の検疫をすり抜けた人から感染するケースはこれに留まらず、既に34人の感染が確認されています。
 東京新聞の3つの記事を紹介します。
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<新型コロナ>
英国から男性帰国後、会食相手の2人が変異種感染 14日間の健康観察期間中に
                          東京新聞 2021年1月10日
 厚生労働省は10日、東京都内の30代男性が英国から帰国後、新型コロナウイルスに感染が判明し、判明前に会食した10人のうち2人が英国で見つかっている変異種に感染したことが分かったと発表した。
 男性は先月22日に帰国した際、空港検疫で陰性となり、念のため求められていた14日間の健康観察期間中に10人と一緒に飲食を行っていたという。
 健康観察期間は空港検疫での判定ミスなどを想定し、同省が帰国者らに要請している。同省担当者は「健康観察期間中は食事会などを控えていただくことが前提で、残念なことと受け止めている」としている。
 男性は先月29日に陽性と判明。国のゲノム解析では変異種と確認できていない。しかし、厚労省は変異種が確認された2人は、この男性から感染したとみている。
 この2人は、いずれも都内在住の20代の男女で英国滞在歴はないという。男性の方は先月30日に発熱し今月8日に入院。女性は同2日に発熱し、入院先を探している。
 また、30代男性と無関係の、英国から帰国した都内在住の20代男性も空港の検査で陰性になったが、自主的に民間検査を受けたところ陽性と判明。さらなる解析で変異種と判明した。(井上靖史)


英国の「コロナ変異種」、日本で34人、検疫すり抜け「水際に限界」 世界では49カ国・地域に
                          東京新聞 2021年1月11日
 英国で拡大し、強い感染力を持つとされる新型コロナウイルスの変異種が少なくとも49カ国・地域に広がったことが各国の調べで11日分かった。日本でも帰国者や濃厚接触者計34人に英国などの変異種感染を確認。空港検疫をすり抜けた例もあり、専門家は水際対策に限界があると警鐘を鳴らす
 日本では南アフリカで見つかった別の変異種への感染に加え、ブラジルからの帰国者にさらに別の変異種感染が確認された。他のウイルスと同様、新型コロナも複数の変異が起きることで感染が拡大することが懸念されている。
 日本政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長も「流行すると、極めて危機的な状況が起こる」と警戒感を示す。日本で感染が確認されたのは昨年12月1日以降の帰国者らで約7割に当たる23人が無症状だった。
 
 日本の空港検疫の検査では陰性だった後、変異種への感染が確認された例もあり、厚生労働省は昨年12月以前の帰国者にもさかのぼり、調査を進めている。(共同=山崎唯)


ブラジルから羽田空港到着の4人から新型コロナ変異種 英国や南アフリカとは異なる種か
                          東京新聞 2021年1月10日
 厚生労働省は10日、ブラジルから羽田空港に到着した男女4人で新型コロナウイルスの変異種を確認したと発表した。国立感染症研究所の脇田隆字所長は、英国や南アフリカで報告されている変異種との共通部分はあるが、異なる部分もあるため新しいタイプとみているとの見解を明らかにした。空港検疫の検査で陽性となった。
 4人は2日、ブラジル北西部のアマゾナス州から到着した。うち10代女性は無症状で、10代男性が発熱、30代女性がのどの痛みと発熱がある。40代男性が呼吸状態の悪化で入院している。
 国立感染症研究所によると、今回確認された変異ウイルスの感染力が高いとの証拠はなく、調査中だとしている。(共同)