2022年7月26日火曜日

尾身会長が「コロナ対策は自助で、犠牲は国民の許容度の問題」と

 24日のNHK日曜討論で、新型コロナ政府分科会の尾身茂会長は、これまでは国などが国民にお願いし、国民が従うという在り方(フェーズだったが、今は、いろんなことを学んできたので一般市民が主体的に自分で判断していろいろと工夫する段階(フェーズに入った(要旨)」と強調したということです

 要するに国民は新型コロナの知識を学んだので、自分たちが主体的に判断する段階に達したというのですが、それは一体どこの国の話なのか二の句が継げません。国民がいつ医師に次ぐくらい??にコロナの知識を学んだというのでしょうか。
 第6波では高齢者を中心に1万2000人超の死者を出しました。第6波の感染者ピークは2月1日の104,489人/日をピークに減勢に転じましたが、第7波は7月23日の時点で2倍の200,937人/日に達し、今も急増中で ピークと予想される8月2~3週に向かってこの先どこまで増えるのか見当がつきません。
   ⇒(7月10日)コロナ第7波は過去最大 ピークは8月1~3週 危うし日本列島
 感染者数が増えれば死者数も増える訳で、この先どんな悲劇が待ち受けているかがほぼ予想される中で、自分で判断して「自助」で対応しろというのには絶句するしかありません。
 感染症学の中原英臣氏は、「尾身氏の発言はもはや科学ではありません。科学的に最善の感染対策を考えるのが専門家の仕事です。これまでの6度の波に対して政府分科会は有効な対策を打ち出せない中で、過去をはるかに上回る第7波がやって来て職務放棄したようにしか見えません。尾身氏は会長職を退くべきだと思います(要旨)」と述べています。
 いまや無用で有害な存在になったのであればそうすべきです。
 日刊ゲンダイの2つの記事を紹介します。
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尾身会長がNHKで“職務放棄”の仰天発言!コロナ対策は自助で、犠牲は国民の「許容度」の問題
                          日刊ゲンダイ 2022/07/25
 第7波の感染拡大が止まらない。24日の新型コロナウイルスの新規感染者数は17万人を超え、日曜日として過去最多を更新した。感染拡大は、8月中旬まで続く可能性が高い。不安を強めている国民も多いはずだ。ところが、新型コロナ政府分科会の尾身茂会長から、専門家とは思えない驚きの発言が飛び出した
                ◇  ◇  ◇
 耳を疑った視聴者もいたのではないか──。24日のNHK日曜討論で尾身氏は「従来までは国、自治体が国民にお願いし、国民が従うというフェーズだった。今は、いろんなことを学んできたので一般市民が主体的に自分で判断していろいろと工夫するフェーズに入った」と強調した。
「一般市民が自分で判断」とは聞こえがいいが、要するに「自助で何とかしろ」ということだ。コロナ禍の2年半、コロナ対策は的外れなものが多く、後手対応も目立った。政府に従った国民は多大な犠牲を強いられた。その張本人である政府分科会の責任者が、今度は「一般市民が主体的に」とは、視聴者が呆気に取られても不思議はない。

第7波は“お手上げ”ということなのか
 さらに、驚きの発言は続く。「このまま放っておくと、体力が悪い、体の脆弱な高齢者の死亡者数は第6波を超える可能性がある」と危機感を示した。第6波では高齢者を中心に1万2000人超の死者を出した。第7波では、それを超える犠牲者数になる可能性があると明言したのだ。
 なのに、肝心の「感染対策」については、こう続けた。
重症者数、感染者数、一般医療の制限をどこまで我々が許容するか、国民的なコンセンサスが必要だ
 感染に伴うさまざまな「犠牲」は、国民の「許容度」の問題だというのである。無責任な発言は、もはや第7波は“お手上げ”ということなのか。
「世論に委ねるかのような尾身氏の発言は、もはや科学ではありません。たとえ、一定の犠牲に対し、国民が許容していたとしても、それを“よし”とはせず、科学的に最善の感染対策を考えるのが専門家の仕事です。これまでの6度の波に対して政府分科会は有効な対策を打ち出せませんでした。過去をはるかに上回る第7波がやって来て、職務放棄したようにしか見えません。尾身氏は会長職を退くべきだと思います」(西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏=感染症学)

 科学を忘れた尾身氏が居座れば、第7波はとんでもない事態になりかねない。


新型コロナ「再感染」で死亡リスク2倍、後遺症リスク1.8倍に! 米大学の研究で驚愕の指摘
                          日刊ゲンダイ 2022/07/25
 新型コロナ感染の第7波が猛烈な勢いを見せている。23日時点で全国の新規陽性者数は20万人を超え、第6波のピークの約2倍に達した。オミクロン株の中でも感染力の強い「BA.5」への置き換わりが進む中、懸念されるのが「再感染」だ。
 BA.5は従来のオミクロン株に比べ、ワクチン接種や感染によって得られた免疫を回避しやすいといわれている。最初の感染から半年以内に再感染する事例が相次ぐ中、注目を集めているのが、再感染による死亡・入院リスクや後遺症について調査した米セントルイス・ワシントン大の研究論文(査読前)だ。米CNNなどが報じている。
 研究チームは米退役軍人省の医療データを用いて、1回だけ感染した約26万人と2回以上感染した約3万9000人、感染したことのない約540万人の健康記録を比較。
 論文によると、1回だけ感染した人に比べ、2回以上感染した人は最後の感染から半年以内の死亡率が約2・1倍、入院率が約3倍、後遺症を抱えるリスクが約1・8倍に達した。この論文通りなら、2度目、3度目の感染はかなりヤバイということだ。昭和大医学部客員教授の二木芳人氏(臨床感染症学)がこう言う。
「結果をきちんと評価するためには、1回目と2回目以降でどの株に感染したのか、また、ワクチン接種の有無など、細かく見る必要があります。例えば、コロナ禍初期のウイルスは武漢型からデルタ株まで、変異するごとに重症化リスクが高まる傾向にあったので、再感染の際に1回目より重症化しやすい株に感染していたら、死亡・入院リスクが上がるのもうなずけます。ただ、重症化しづらいとされるオミクロン株の再感染が同様のリスクをもたらすかどうかは、慎重に見極めないといけません

 論文によると、再感染によって死亡や入院リスクなどが高まる仕組みは不明というが、ただ、新型コロナが心筋炎や血栓など、さまざまな合併症を生む可能性があることは指摘されてきた。「ただの風邪」と侮らず、再感染しないに越したことはない。