2022年7月27日水曜日

鈴木エイトの身辺が心配 彗星の如く現れた精良なジャーナリズム(世に倦む日々)

 世に倦む日々氏は、我々は安倍晋三の暗殺事件の核心が統一教会との関係にあること、自民党が統一教会とズブズブの関係にあり、それが山上徹也の犯行の背景として重要であること、その事実をマスコミにストレートに指摘して欲しかった」のに対して、多くのマスコミが、安倍晋三の神聖化に傷をつけないよう防衛し、国葬を支持する世論を醸成」すべく、「核心から逃げ、本質から目を逸らし、真実を隠蔽する言説ばかりを撒いてるなかで、ジャーナリストの鈴木エイト氏が長年かけて蓄積してきた「統一教会と国会議員の関係」を日刊ゲンダイに出して、安倍氏との関係を炙り出したのはクリーンヒットだとして、「彗星の如く現れた精良なジャーナリズム」と高く評価しました。

 それによってTBSの報道1930は大いに前進し、更に「まるこ姫の独り言」は、日テレ24日放送の『真相報道バンキシャ!』では驚くべき追及姿勢が見られたと驚愕しています。
 ⇒ http://jxd12569and.cocolog-nifty.com/raihu/2022/07/post-8cd025.html

 世に倦む日々氏は「安倍晋三は、首相任期中7年間6度の国政選挙において、特定候補への選挙応援を統一教会に要請し、当落線上にある候補を押し上げるべく票の割り振りを差配していた。~ 統一教会票というのは決して数は多くないが、きわめて堅実で使い勝手がよく、比例区当落線上の候補を抜け出させる上で有効な組織票で、安倍はそのように統一教会票を駆使し選挙に勝ってきた。彼が統一教会日本支部とサシで選挙の相談をし、緻密に票の支援を受けていた実態が浮き彫りとなったのは驚愕の事実だ」と述べています。
 その見返りが統一教会の名称変更の認証であり、献金問題などでの警察の追及を政治力で阻止し、統一教会を庇護したことであるのはいうまでもありません。

 併せて田中龍作ジャーナルの記事「統一教会、警察に強い国会議員への働きかけ等に月1億円」を紹介します。
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鈴木エイトの身辺が心配だ - 彗星の如く現れた精良なジャーナリズム
                          世に倦む日々 2022-07-25
先週(7/17-23)、統一教会と安倍晋三、統一教会と自民党との関係を追及する世論と気運が大きく盛り上がった。殊勲は鈴木エイトのジャーナリズムである。見事だ。7月16日の日刊ゲンダイに、鈴木エイトが取材して作成した「統一教会と関係のある国会議員」の記事が出て、先週はこの問題が世間の関心と注目の中心になり、22日の報道1930、23日のTBS報道特集で取り上げられる進行となる。二つの番組の特集とも、佳作の中身に仕上がっていたが、その品質と水準を導いた立役者で原作者は鈴木エイトだ。

素晴らしい。安倍晋三の暗殺事件の核心が統一教会との関係にあること、自民党が統一教会とズブズブの関係にあり、それが山上徹也の犯行の背景として重要であること、その事実を、われわれはマスコミにストレートに指摘して欲しかったし、根拠となる情報材料を取材し提供して欲しかった。が、マスコミは核心から逃げ、本質から目を逸らし、真実を隠蔽する言説ばかりを撒いていた。安倍晋三と統一教会は無関係だとする結論を強調し、犯人は一方的な思い込みで安倍晋三を標的にしたのだという「事件像」を固めてきた。

その情報工作によって、安倍晋三と統一教会を分離させ、両者の事件における因果関係を否定する観念を植えつけてきた。そのことによって、この事件を自ら招いた安倍晋三の責任の認識(=教会の広告塔の役割 → 犯人の動機の合理性 → 自業自得・因果応報の事件了解)を否定し、安倍晋三の神聖化に傷をつけないよう防衛し、国葬を支持する世論を醸成してきた。かかる奸計に対して一撃を入れ、真実を示す決定的証拠を示したのが鈴木エイトのジャーナリズムであり、事件をめぐるマスコミと世間の空気を一変させた。

22日の報道1930は、全体の構成もよく、要点をよく整理した内容だったが、ハイライトは、安倍晋三と統一教会との関係を証示する内部文書の暴露であり、選挙で安倍晋三が統一教会票の割り振りを直接に指揮し、安倍晋三の要請下で統一教会が選挙運動していた事実をスクープした点である。2013年の参院選時の教会内部文書が発掘され提示されただけでなく、青山繁晴が告発していた「統一教会票の割り振り」を仕切っていた「派閥の長」が、安倍晋三であると後藤謙次が断定する見せ場まで登場した。見どころ満載で膝を打つ80分間だった。

翌23日のTBS報道特集は、前日の報道1930で暴露した内部文書の黒塗り部分を取り除き、2013年の参院選で安倍晋三が統一教会に応援させた議員が、比例区の北村経夫であることを明らかにした。文書には「首相からじきじきこの方を後援してほしいと依頼があり」と明記され、「この選挙で北村候補を当選させることができるかどうか、組織の死活問題です」と記述がある。また別の文書では、北村経夫が福岡県の統一教会の教会で集会を開く予定が印刷されていた。明確な物的証拠だ。安倍晋三が統一教会に選挙応援を直接依頼していた。

安倍晋三は、首相任期中7年間6度の国政選挙において、特定候補への選挙応援を統一教会に要請し、また、当落線上にある候補を押し上げるべく統一教会に票の割り振りを差配していた。後藤謙次の説明では、統一教会票というのは決して数は多くないが、きわめて堅実で使い勝手がよく、比例区当落線上の候補を抜け出させる上で有効な組織票なのだと言う。安倍晋三はそのようにして統一教会票を駆使し、自民党比例議席の数を乗せて選挙に勝っていた。安倍晋三が、統一教会日本支部とサシで選挙の相談をし、緻密に票の支援を受けていた実態が浮き彫りとなった。驚愕の事実だ。

報道特集では鈴木エイトが映像で出演、UPF(天宙平和連合)に寄せた安倍晋三のビデオメッセージを考察し、正鵠を射た論評を披露した。すなわち、従来は、統一教会の方が一方的に安倍晋三を支持しているように標榜し、安倍晋三の方から統一教会へのコミットはないように偽装していたのだが、実はそうではなく、両者は思想的にずっと相思相愛だったのであり、その関係を安倍晋三が隠さなくなったのが2019年の祝辞動画だと鈴木エイトは喝破する。その意義を的確に分析した。慧眼であり、秀逸な政治的洞察だ。

鈴木エイトが、ジャーナリストと政治学者の二役を一人でやっている。拍手を送りたい。マスコミ報道で、先々週から紀藤正樹と有田芳生が登壇し、統一教会のグロテスクな実態については再び批判の俎上に上がったのだけれど、安倍晋三と統一教会の関係については二人とも口を濁し、特に紀藤正樹は議論がその方向に及ぶのを妨害するコメントを連発している。22日の日テレのミヤネ屋で、吉川美代子が共産党を露骨に誹謗中傷するハプニングがあったけれど、私は実際に目撃していたが、先に紀藤正樹が共産党の追及方針を批判する言辞を放ったことが呼び水になっている。

なぜだか不明だが、紀藤正樹は、統一教会と政治との関係の糾明は必要ないと言い張り、それよりも、党派を超えた被害者救済法案の策定が先だと言う。この問題で前向きな役割を視聴者が期待した紀藤正樹が、テレビ報道の現場では反動に回り、統一教会と安倍晋三との関係に議論が向かうのを阻止している。きわめて懸念される状況だったが、それに対して反撃の一矢を報いたのが鈴木エイトであり、われわれが最も欲する議論を証拠を添えて提示してくれた。圧巻の活躍に他ならず、まさに正義のヒーローの出現に見える。

鈴木エイトが言うとおり、安倍政権になって以降、統一教会の支援を受ける自民党議員が多くなるのであり、躊躇なくギブアンドテイクの関係を結んで開き直る態度が横行するのである。80年代から90年代にかけて、霊感商法と合同結婚式で世間から袋叩きに遭い、異端化されていた統一教会が、市民権を持った団体として復活するのだ。そこには、2006年の第一次安倍政権のときに公安の重点監視対象から外されるという契機があり、2015年の第二次安倍政権下で教団の名称変更が認証されるという決定があった。統一教会を凶悪な異端の立場から解き放ち、市民権を与えたのが安倍晋三である。

鈴木エイトの身が心配だ。統一教会の政治への関与について大量の資料を持っている。安倍晋三と統一教会との関係を証明する文書で未発表の「逸品」も多いだろう。マスコミに出る度に、説得的な問題解明の弁を提供するだろう。統一教会はオウム真理教と同じカルト集団である。頭を過ぎるのは、坂本弁護士一家の悲劇であり、それが再現される恐怖と不安だ。坂本弁護士が生きていれば、オウム真理教への捜査はもっと早く着手され、地下鉄サリン事件は防げたと言われている。坂本弁護士は教団にとって目の上のたんこぶの邪魔な存在だった。だから一家皆殺しにした

統一教会と右翼自民党にとって、鈴木エイトは迷惑で阻碍な人物だろう。抹殺して口封じしたい相手だろう。統一教会が刺客を送る可能性もあるし、警察権力が合法的に鈴木エイトを始末するという経路もある。自民党は権力を握っている。警察庁長官は中村格だ。別件で容疑をでっち上げて、身柄を押さえて留置場に入れるという方法もある。逮捕されれば、鈴木エイトは自由に言論することはできなくなる。安倍自民党と統一教会の関係の暴露を深め、その構図を立体化して説明する活動が止まる。議員たちの「知らぬ存ぜぬ」がまかり通り、マスコミが刷り込む虚偽と欺瞞に市民社会が屈服させられる。

何があってもおかしくない。正直、とても心配だ。統一教会の立場になって考えてみよう。先週の報道1930やTBS報道特集の放送が連続すれば、世論の批判が高まり、自民党からの庇護は受けられなくなる。信者の脱会が増え、霊感商法の継続が難しくなる。布教は立ち行かなくなり、年間600億円と言われる日本からの本部への上納金は止まる。日本からの送金が枯れれば、韓国での事業全体が止まり、世界での活動も不可能となる。教団は解散に追い込まれる。今、まさに教団は剣が峰に立たされている。カルトの教団は、なりふり構わず窮地を脱する策を見つけないといけない。

自民党と右翼の立場に立ってみよう。このまま鈴木エイトの暴露が粛々と進み、報道番組の視聴率を稼ぐキーコンテンツ⇒主要な内容・情報になれば、結果として安倍晋三の評価は失墜する。「統一教会の広告塔」の表象が国民の中に定着し、汚く穢らわしい観念が不動のものとなる。そうなれば、安倍晋三の神格化を図る自民党の思惑は頓挫し、秋の改憲政局に影響する。台湾有事計画を準備中の米日の東アジア戦略が動揺する。政治が大きく変わる事態になる。多くの自民党議員にとって、また、安倍レジームで出世して栄華を謳歌するマスコミ論者にとって、それはあり得ない破滅の到来であり、絶対に阻止しなければならぬ悪夢だ。

鈴木エイトの言論を封殺したい悪魔側の動機は存在する。政治は暴力で動くとウェーバーは言う。何事もなければよいが、日本の政治世界が暴力の時代に変わった気配があり、不吉な予感をぬぐえない。ともあれ、TBSには手抜きなく深堀りの続報をお願いしたい。


統一教会、警察に強い国会議員への働きかけ等に月1億円
                  田中龍作ジャーナル 2022年7月25日
 統一教会問題の生き字引がこの人だ。有田芳生参院議員(25日まで任期)が、きょう、国会内で立憲民主党の議員たちにレクチャーした。太字が有田氏の発言。
 「固有名詞が書き込まれているので見せられないけど、警察がどこに捜索に入るかのリストです」。有田氏は資料をかざした。
 2004年、警視庁が作成したリストには統一教会幹部ら約50人の自宅が書き込まれている。だが捜索は行われなかった。政治が警察に圧力を掛けたのである。
 安倍元首相を暗殺した山上容疑者を取り調べている奈良県警にも政治の圧力が掛かっている。
 警察に強い国会議員への働きかけと裁判費用は月に1億円、ひと月に、である。
 こうして統一教会が摘発を逃れてきた結果、被害は拡大に拡大を重ねた。
 全国霊感商法対策弁護士連絡会の集計によると被害総額は1230億円以上に上る(1987~2021年)。統一教会を“成長産業”にしたのは政治の力だった。
「他野党と合同でヒアリングすることは考えていないのか?」。出席した議員から西村幹事長に質問が飛んだ。=25日、衆院会館 撮影:田中龍作=
 警察の摘発がなくとも悪名が轟くようになると、統一教会は名称変更で目先を眩まそうと画策した。
 元文科省事務次官の前川喜平氏が文化庁総務課長だった時(1997~98年)、統一教会が名称変更の申請をしてきたが、前川氏は却下した。実態に変化がないからだった。
 ところが下村博文氏(安倍派)の文科相時の2015年に名称変更が認められる。不自然だ。
 週刊誌などの問い合わせに下村博文事務所は「大臣にお伺いを立てることはない」と否定してみせた。
 ところが有田芳生事務所は当時(2015年)に文化庁に名称変更の件で問い合わせをしていた。
 文化庁は「(下村)大臣に事前に説明いたしました」と回答した。下村氏の真っ赤なウソは有田氏によって白日の下にさらされたのである。
 本家韓国の統一教会は(日本のように)宗教法人ではなく財団法人。宗教法人を隠れ蓑にして霊感商法をやっているのは日本だけ。
 人々の生き血を啜る悪徳商法が、政治の力によって野放しにされてきたのである。
 統一教会と関わりのある議員の復権を許したら、この国にはペンペン草も生えなくなる。

                 ~終わり~