2022年7月13日水曜日

旧統一教会の言い分を垂れ流しただけの記者会見/自民党との協力歴史

 かつて統一教会が、印鑑・数珠・多宝塔などを法外な値段で売って得られた巨額の収益を韓国にある本部に送金していたことが「霊感商法」として社会問題になり、TVや新聞で大々的に取り上げられました(30年くらい前)。

 このところ統一教会の名前は全く聞かなくなったので消失したのかと思っていたのですが、実は名称を「界平和統一家庭連合」に変えて、いまは信者から近親者の慰霊などを口実にして無制限の献金(数千万円レベルもあり)を「精神的に」強いるという活動に転じていたのでした。安倍元首相殺害の容疑者が、母親が入信したことで家庭が崩壊させられたという宗教組織がこの「世界平和統一家庭連合」でした。
 その団体が11日に釈明の記者会見を開きましたが、特定のメディアしか出席できない方式にしたため、実際には組織の言い分を垂れ流しただけということだったようです。
 「くろねこの短語」と「田中龍作ジャーナル」が取り上げました。
 また日刊ゲンダイが、「旧統一教会が明かした安倍元首相との“接点” 『反訴状』に記された自民党との協力歴史」とする記事を出しましたので、併せて紹介します。
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旧統一教会の言い分を垂れ流しただけの記者会見は、「安倍晋三と旧統一協会の関係は容疑者の思い込み」で終わらせたい大手メディアも加担した出来レース!!
                      くろねこの短語 2022年7月12日
 統一教会はいつのまにか世界平和統一家庭連合と名称変更したようで、これからは旧統一教会とします。ということで、安倍銃撃事件を受けて旧統一教会が記者会見をしたんだが、フリーランスや週刊誌など一部のメディアは会場に入れなかったってね。
 道理で、旧統一教会の言い分を垂れ流すだけで、肝心な部分に突っ込みを入れない腰の引けた記者会見だったわけだ。これを放送するテレビもひどいもので、日テレもTBSも最後まで中継しなかったとか。コメンテーターのタレントたちも、一様に旧統一教会側に立つような発言が目立ち、かつては芸能人やアスリートが参加した合同結婚式に色めき立った大手メディアも、どうやら1枚噛んでいるってことだ。
 流れとしては、「統一教会と安倍晋三の関係は思い込み」という、容疑者の妄想ということにしたいんでしょうね。そうすれば、旧統一教会にも疵がつかず、ペテン師・シンゾーは思い込みによる被害者として美化できますからね。
 でも、旧統一教会の名前が実名報道されたことで、霊感商法による被害者の声が改めて大きくなっていくだろうことは容易に想像がつく。岸信介から続く自民党との関係だって、ここを抜きにして戦後の自民党政治は語れないんだから、ジャーナリズムはいまこそこの国の闇の部分である「政治とカルト宗教」の解明に自らの存在意義を賭けて努力すべきなのだ。
 昨日のワイドショーでヘラヘラしているタレントの阿呆面見てると、もうテレビは終わっていることがよくわかる。これからは、心ある一般大衆労働者諸君が、SNSをフルに使って安倍銃撃事件が白日の元にさらけ出した自民党と旧統一協会との関係について情報発信していくことだ

   記者会見動画 https://youtu.be/fjqogSsYf7k?t=22 (103分)

(関連記事)
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自民党安倍政権と統一教会。2013年参院選時に蠢いた策動<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第1回>
安倍元首相は「統一教会」の映像になぜ登場したのか(1)
安倍元首相は「統一教会」の映像になぜ登場したのか(2) (←事務局が追加)
    (関連ツイッター5件は省略します)  


旧統一教会、御用メディアだけを招いて記者会見
                    田中龍作ジャーナル 2022年7月11日
 安倍首相暗殺事件を受けて宗教法人・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が、きょう午後、都内で記者会見を開いた。
 記者会見といっても出席できたのは、5大紙、TVキー局、2大(時事・共同)通信社だけ。「世界日報」「韓国セゲイルボ=韓国版世界日報」といった機関紙はもちろん別格で出席した。
 要はコントロールの効くメディアだけを入れたのである。
 雑誌、独立系メディア、フリーランスは団結して、広報担当者に「記者会見への出席を認めるよう」迫った。
 旧統一教会側は「きょうはお招きしたメディアだけです」と言って却下した。
 記者会見はネットでライブ配信された。御用記者たちは田中富弘会長に対して質問はするが、決して突っ込まない
 田中は帰宅してテレビを見たが、記者会見は旧統一教会の正当性をアピールする場と化していた。
 統一教会に詳しいジャーナリストの鈴木エイト氏も記者会見をネットで傍聴した。鈴木氏によれば「田中会長はウソばかりを答えていた」という。

 政界とりわけ自民党と旧統一教会は密接不可分。つまり持ちつ持たれつだマスコミが真実を報道できるわけがない。日頃から官邸広報の一翼を担う新聞テレビの報道を見れば、火を見るより明らかである。
 安倍元首相を銃撃した山上徹也容疑者の母親が多額の献金で破産した、などと書ける訳がないのだ。
 この国の最大のタブーを明るみに引きずり出す絶好の機会が訪れたのだが。
                  ~終わり~


旧統一教会が明かした安倍元首相との“接点”
      「反訴状」に記された自民党との協力歴史
                          日刊ゲンダイ 2022/07/12
「私たちの友好団体が主催する行事に安倍元首相がメッセージなどを送られたことはございます。ハン・ハクチャ総裁が主導されている世界平和運動に対して、賛意を表明してくださっていた」
 安倍晋三元首相が銃撃された事件で「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)が11日、東京都内で記者会見を開いた。日本教会会長の田中富広氏は、殺人容疑で送検された山上徹也容疑者(41)の母親が教会員だと明らかにした上で、安倍元首相と旧統一教会の間につながりがあったことを認めた。
 会場には多くの報道陣が詰めかけたが、旧統一教会側は在京キー局と大手紙以外の参加を拒否したため、報道陣ともみ合いになるなど、一時騒然となった。
 山上容疑者が「母親が宗教団体の信者で多額の寄付をして破産させられた」と供述していることに関して、田中氏は「母親が破産していることは知っていたが、その後、高額献金を要求したかどうか、記録上、一切残っていません」と説明。
 山上容疑者は安倍氏を狙った理由について「(統一教会を海外から日本に)招き入れたのが岸信介元首相。だから安倍氏を殺した」と話しているとされるが、田中氏は安倍氏の祖父にあたる岸信介氏との関係を「創設者の文鮮明総裁を中心とする平和運動に強い理解を深めて下さった」と説明した。

「反訴状」は2020年9月に東京地裁に提出
 旧統一教会の創説者、故・文鮮明総裁は1968年、反共主義の政治組織「国際勝共連合」を設立し、長きにわたって自民党議員と協力関係を続けてきた。一方、旧統一教会を巡っては「国際合同結婚式」や「霊感商法」が次々と明るみに出て、日本でも社会問題となった。

 旧統一教会と安倍元首相は、どのような関係だったのか。
 2020年9月に東京地裁に提出された「反訴状」には、自民党と旧統一教会の長い歴史が詳細に記されている。ある大学教授が、自民党の世耕弘成参院幹事長から名誉毀損で訴えられた時、教授サイドが提出したものだ。教授と弁護団が内容をまとめた。

<安倍首相の祖父岸信介氏は、自民党および統一教会の黎明期より統一教会と密接な関係を持ち続けてきた>
<岸信介氏はしばしば統一教会本部を訪れ、教会員を激励する講演を1970年、71年、73年と継続的に行った>
第2次安倍政権の成立によって、自民党と統一教会の相互協力関係は、岸元首相の意志とともに復活強化されたと言える

 安倍元首相は昨年9月12日、旧統一教会の友好団体が開いた大規模集会に「総裁はじめ、皆さまに敬意を表します」と約5分に及ぶビデオメッセージを寄せるなど、最後まで旧統一教会との関係を断ち切ろうとしなかった。
 事件解明のためにも、両者の関係を明らかにすべきだ。