2018年5月2日水曜日

拉致被害者・蓮池薫氏が国民に対話を呼びかけ!

 5月中に行われる米朝首脳会談が上手くゆけば、日朝首脳会談の環境としてはこれ以上のことはありませんが、仮に初回は頓挫したとしても、日朝会談を行い02年の「日朝平壌宣言」の実行に向けての協議を続ける必要があります。
 
 日本の多くのメディアが、まるで安倍首相の考え方が伝染したかのように北朝鮮への猜疑心丸出しの報道を続けている中で、拉致被害者である蓮池薫氏が初めて重い口を開きました。
 薫氏はこれまで自身の立場や、北朝鮮に対する国民感情、安倍首相による対北圧力政策を考慮して公の場で、拉致問題に関する日本政府の方針について具体的な言及をすることはほとんどありませんでした。
 同氏は、29日に放送された『池上彰 緊急スペシャル(フジテレビ)のインタビューを受けて
「『拉致問題を解決すれば国交正常化』というこのパターンを受け入れて、(国民の皆さんに)支持していただきたい」と訴えました。
 
 拉致問題北朝鮮への強硬姿勢、圧力一辺倒では全く解決せず、対話やある程度の妥協が必要なのは自明のことで、そのチャンスは過去に何度もありました。しかし北朝鮮問題を改憲や愛国心扇動に政治利用したい安倍首相と安倍シンパで固められた「救う会」は、常に圧力だけが有効であるとして、対話の可能性を探る動きを徹底的に封殺してきました。 実に罪深い話です。
 
 蓮池薫氏は北朝鮮核開発と経済成長の両方を進めようとした「並進路線」を終わらせ経済一本に転換しようとしているこのときに、日本側が平壌宣言に立ち戻り経済協力を実施する姿勢を見せれば、拉致問題が大きく動くチャンスがあると冷静に分析したのでした。
 そして千載一遇のこのチャンスにという切迫感が、薫氏を突き動かした・・・LITERAはそう分析しています。
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南北会談を受け拉致被害者・蓮池薫が国民に対話を呼びかけ!
「拉致解決の大きなチャンス、日朝国交正常化を支持して」
LITERA 2018年5月1日
 朝鮮半島の平和に向けて歴史的な一歩となった南北首脳会談。2〜3週間のうちには米朝会談も行われる予定だが、日本もこの対話の流れを全面的に支持し、積極的にコミットしていく必要があるだろう。なぜならこれは朝鮮半島の非核化や朝鮮戦争終結につながるだけでなく、日本人拉致問題の解決にも大きな突破口となる可能性があるからだ。北朝鮮との対話は、政治的な立場とは関係なく、プラグマティックな意味で最大のチャンスなのである。
 ところが、日本のメディアは相変わらず「北朝鮮は日本の金を狙っているだけ」「北朝鮮に騙されるな」と連呼するばかり。安倍政権も、表向きは歓迎コメントを出したが、現実には強硬対決路線をまったく変えようとしていない。
 
 そんななか、テレビで勇気のある発言をしたのが、拉致被害者である蓮池薫氏だった。
 4月29日に放送された『池上彰緊急スペシャル 激動の朝鮮半島!どうなる拉致問題!平成の宿題 徹底解説』(フジテレビ)のインタビューで、池上氏から「日本にいる私たちに何ができると思いますか」と聞かれた蓮池薫氏は、こう踏み込んだのだ。
「国民のみなさんにお願いしたいのはですね、『そもそも拉致というのは国家犯罪でそこに見返りとかそういうものはありえない』というのは当然、正論だと思いますが、しかし『拉致問題を解決すれば国交正常化』というこのパターンを受け入れて、支持していただきたい
 強気に行って、追い込んで、降伏させるというには時間がかかるし、なかなか無理だろうと、いま当面は。だから、そういう日本政府が柔軟な政策に基づいて解決しようとしたときに、積極的に支持していただければ、政府は動きやすいでしょうし、そうすれば解決への道が大きく開けてくるのかなと。まさにそのタイミングはいま近づいてきているのかなと、こう思います」
 言葉こそ慎重に選んでいるが、これは、いままでの日本政府の圧力一辺倒に疑義を呈し、その転換を国民世論に訴えかけたものに他ならない。
 
 拉致被害者である蓮池薫氏自身が、ここまで踏み込んだ発言をするというのは異例のことだ。薫氏の兄である元「家族会」副代表・蓮池透氏は近年、安倍首相らによる拉致問題の政治利用と圧力一辺倒を真っ向から批判するようになったが、薫氏はこれまで公の場で、拉致問題に関する日本政府の方針について具体的な言及をすることはほとんどなかった。
 自身の立場や、北朝鮮に対する国民感情、そしてこれまでの安倍首相による圧力を考慮して沈黙せざるを得なかったのだ。
 
批判を承知で「対話と妥協」を呼びかけた蓮池薫氏の思い
 本サイトでは何度も指摘してきたが、拉致問題の解決を考えれば、北朝鮮への強硬姿勢、圧力一辺倒でなく、対話やある程度の妥協が必要なのは自明のことだ。そして、そのチャンスは過去に何度もあった。
 ところが、北朝鮮問題を改憲や愛国心扇動に政治利用したい安倍晋三首相と「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(「救う会」)は、圧力を強めれば北朝鮮の体制はすぐに崩壊して被害者が帰ってくるとのデタラメを強弁し続け、対話の可能性を探る動きを徹底的に封殺してきた
 その結果、日本中が「圧力こそが唯一の道である」との空気で染められ、逆に、対話や妥協を主張することがタブーになってしまったのだ。
 
 それは、拉致被害者当人やその家族にとっても同様で、疑問を率直に口にした薫氏の兄・透氏は「家族会」を追放された。また、横田めぐみさんの両親、横田滋・早紀江夫妻は、2002年の段階で北朝鮮に行く計画が進んでいたが、「救う会」の圧力で断念せざるを得なくなり、その後もずっと“家族会の顔”として「北への圧力を強めろ」と叫び続けることを強いられた。
 この圧力強硬路線については、最近になって、早紀江さん自身が「(日本政府を)信じてよかったのか」と後悔の念を口にしたことが伝えられたが、薫氏も同じような圧力を受けていたことは容易に推測できる。
 
 いや、帰国を果たした被害者である薫氏へのプレッシャーはもっと強かったはずだ。北朝鮮への経済支援に対して好意的な見方をすれば「お前らは助けられた身でそんなことを言うのか」「残された被害者のことを考えろ」などというバッシングを受けるのは目に見えていた。それどころか「北朝鮮のスパイ」とレッテルを貼られ、血祭りにあげられてしまう可能性もあった。
 そんな蓮池薫氏が今回、勇気をふりしぼって口を開いたのは、前述したように、南北首脳会談が開かれ、米朝首脳会談が行われるこのタイミングが拉致問題解決の最大にして最後のチャンスと考えたからだろう。
 
 ところが、マスコミはあいかわらず「北朝鮮に金を払うなんてとんでもない」「制裁を解除したら思う壺だ」などとがなりたて、安倍政権も一向に前向きな姿勢を見せない。このまま、政権と世論が一体となって「北朝鮮に妥協するな」という声に覆われてしまったら、自分が帰国した直後のように、千載一遇のチャンスを逃してしまうことになりかねない。そうした切迫感が、薫氏を突き動かしたのではないか
 
北朝鮮の「並進路線」の行き詰まりを冷静に分析して戦略を語る蓮池薫氏
 ただし、蓮池薫氏の発言の中身そのものはけっして、感情論ではない。むしろ、そのベースには、北朝鮮の情勢に対する冷静な分析と戦略がある。少し長くなるが、可能な限り忠実に紹介しよう。
 
「私は、北朝鮮という国が拉致を認めたという理由は、2002年、つまり日本との関係改善といわゆる国交正常化とその後にある植民地支配に対する賠償に対する日本の支払いですよね、1兆円とか2兆円とかいう莫大な経済的支援が得られるというのがあったから動いたと思うんですね。
 その状況が、2006年ですか、北朝鮮が核実験をやりミサイルを撃ち、ということのなかでかなりトーンダウンしてしまった。平壌宣言はもう話にも上がらなくなってしまった。こういう状況で北が動くモチベーションというか、動機というのはなくなって、ほぼ見えなくなってしまった。
 ところが現在、米朝間で制裁やら軍事的圧力の結果でもあるかとは思うんですが、北が非核化に動こうとする兆しが見えてきたんです。これはつまり、核ミサイルの問題が解決する可能性が見えてきている。ならば、そこに拉致問題さえ解決すれば、あの2002年の平壌宣言がもう一回復活する可能性が出てきているわけです。だから、非常に大きなチャンスが今到来しつつあるのかなと、大きな期待をしているわけです」
 
「(北朝鮮が経済発展を考えたとき)そこで大きな役割をできるのは日本というのは、しっかり頭に入っていると思うんです。ですから、その時に日本がうまく交渉をしてですね、2002年の状況をもう一回回復し、先に進みましょうと。北にとっては非常に興味があるといいますか、十分に動く動機となる状況がつくられるとは思います」
 
 蓮池薫氏は現在の北朝鮮の姿勢が核開発と経済成長の両方を進めようとした「並進路線」を終わらせ経済一本に転換しようとしているとみており、日本側が2002年の平壌宣言に立ち戻り、植民地支配を謝罪し経済協力を実施する姿勢を見せれば、拉致問題が大きく動くチャンスがあると冷静に分析しているのだ。
 メディアではさまざまな自称“北朝鮮専門家”が登場して、その思惑を解説しているが、この薫氏の発言はなかでも最も冷静で説得力のある分析と言えるだろう。
 
 しかし、問題はこの蓮池薫氏の言葉が、安倍政権やマスコミに届くのか、ということだ。何度でも繰り返すが、安倍首相やその周りの右派勢力は拉致問題解決をめざしているわけでなく、改憲や愛国心強制に拉致問題を政治利用しようとしているにすぎない。そんな安倍首相が自分の支持層である右派勢力の反発を招いてまで、北朝鮮への経済協力に踏み切るとはとても思えないのだ。もちろん、いまも拉致タブーに縛られ、「北朝鮮に騙されるな」と叫び続けているマスコミもしかりだ。
 本サイトは、この問題について、安倍政権の拉致問題政治利用やマスコミの圧力扇動を批判してきた薫氏の兄である蓮池透氏に単独インタビューを行った。
その内容を近く配信する予定なので、こちらもあわせて読んでいただきたい。(編集部)

02- 拉致問題から逃げるかのよう・・北に見透かされている安倍政権

 対北圧力路線で米国と完全に一致していると思っていた安倍首相は、今年に入って大勢は南北宥和から米朝会談に向かっていることを知り、慌てふためきました。それで2月以降、色々なルートで日朝会談を模索しましたが、北からはケンもホロホロに扱われたということです。
 それが27日の南北首脳会談で、金正恩氏が「日朝会談にいつでも応じる」と述べたことが分かりようやく愁眉を開いたのですが、なぜか安倍首相はそのことには一切触れずに外遊に出掛けました。安倍首相に依頼され尽力してくれた文大統領に対して随分と礼を失した話です。
 
 いずれにしても日本と北朝鮮との対話の窓口が開かれたのは喜ばしいことなのに、安倍首相の態度はなぜかチグハグです。
 元外交官の天木直人氏は、
日朝首脳会談が実現すれば、拉致問題をめぐるウソがばれてしまうからではないか。安倍政権はストックホルム合意14年5月に基づく再調査結果を正式には受け取っていないが、内容は把握しているはずで、安倍首相にとって都合が悪いものだと伝えられている。安倍首相が全ての拉致被害者を取り戻すと言い続けているのはデタラメである可能性が高い」と述べています。
 彼は自分の利害で動きかねない人ですが、この件でそれはあってはならないことです。
 もしも指摘の通りであるのなら自らの責任でキチンと釈明すべきです。
 
 ところで安倍首相は、河野外相とともにいまもなお北への制裁強化を訴えていますが、なぜそんなに強気で、しかも無用な不快感を北に与えようとしているのでしょうか。
 
 日本政府の対応について最近の北の論調を見てみると、朝鮮中央通信は28日、
〈朝鮮半島と地域に流れる平和の流れをきちんと感知できない〉
〈急変する情勢下で朝鮮民族や国際社会の願いは眼中になく、自分たちの利害ばかり計算している〉
〈南北の同胞はもちろん国際社会も、対話ムードを壊そうとする行為を決して許さないだろう〉
 党機関紙「労働新聞」29日、同じく
〈外交の流れから追い出され心穏やかではない日本〉
〈米国行脚でも、ボスにしがみつき対朝鮮制裁圧迫を物乞いした〉
〈慌てふためき、我々に対する「最大限の圧力」や「核ミサイル放棄」を言って、くどくどと歩き回っているざまは見るに堪えない〉
という具合で、完全に足許を見透かされています。このことを安倍氏も河野氏も自覚すべきでしょう。。
 
 日朝会談のテーマは02年の「日朝平壌宣言」の具体化で、拉致問題の解決と国交正常化後に行われるかつての植民地支配に対する償いとしての経済援助が主要な課題になります。償いの経済援助は当然行うべきものであり、それは米・韓とも承知の上のことです。
 しかしながら前記の様にすべてが見透かされている中で日本は大丈夫なのでしょうか。
 日刊ゲンダイの二つの記事を紹介します。
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北との対話に尻込み拉致問題から逃げる安倍首相の二枚舌
日刊ゲンダイ 2018年5月1日
 膠着状態の日朝関係が動きだす兆しが見えてきた。南北首脳会談で文在寅大統領から水を向けられた金正恩朝鮮労働党委員長が、「いつでも日本と対話を行う用意がある」と応じたというのだ。それで解せないのが、「拉致問題は安倍内閣の最重要課題」と言ってきた安倍首相の動きだ。金正恩の発言をとうに耳に入れておきながら言及せず、韓国大統領府が発表するまで頬かむりしていた。一体どういうつもりなのか。
 
 南北会談の翌日(28日)、安倍首相は文在寅から報告を受けたトランプ大統領と約30分間電話会談。その翌29日は文在寅とも約40分間電話会談し、来日した徐薫国家情報院長から80分間にわたって一連の説明を受けた。その都度、安倍首相はブラ下がり取材に応じたが、冴えない顔色で「詳細な説明を受けたが、詳細については差し控えたい」「詳細は現段階で申し上げられない」などと繰り返し、中東外遊に飛び立った。その後、韓国が「日本と対話の用意」という金正恩の意向をオープンにしたのがコトの経緯だ.
 急展開する北朝鮮情勢の蚊帳の外に置かれ、慌てて日朝対話を探り始めたのは安倍政権の方だ。圧力一辺倒に業を煮やす北朝鮮はナシのつぶてだったが、ここにきて態度を一変させた。
 
 横田めぐみさんの母親の早紀江さんは「安倍首相も金正恩さんも同じように会談を望んでいるという、今までで一番明瞭で期待できる内容だ」と顔をほころばせている。普段は過剰なほど成果を誇示する安倍首相が、だんまりを決め込んだのはなぜなのか。
 
■拉致問題の進展を阻んでいるのは誰?
 元レバノン大使の天木直人氏は言う。
「安倍首相が金正恩委員長の反応を最初に知らされたのは、トランプ大統領との電話でしょう。トランプ大統領と文在寅大統領に拉致問題の提起を頼み込んでいたわけですから、満額回答と言っていい。それなのに自分の口から一切明かさず、喫緊の課題もない中東へ向かった。日朝首脳会談が実現すれば、拉致問題をめぐるウソがばれてしまうからではないか。まさに敵前逃亡ですよ。安倍政権はストックホルム合意に基づく再調査結果を正式には受け取っていませんが、内容は把握しているはずで、安倍首相にとって都合が悪いものと伝えられている。安倍首相が〈全ての拉致被害者を取り戻す〉と言い続けているのはデタラメである可能性が高いのです」
 
 風向きが変わった途端、安倍首相周辺から「北朝鮮は日本から経済支援を引き出そうとして、拉致問題で態度を硬化させるんじゃないか」(外交筋)と日朝会談に慎重な観測が流れるのも不可思議だ。
 朝鮮半島情勢に詳しい国際ジャーナリストの太刀川正樹氏はこう言う。
北朝鮮からすれば拉致問題は解決済み。日本がストックホルム合意による再調査報告書を受け取らないため、宙に浮いたという認識なのです。安倍首相は拉致被害者の象徴的な存在である横田めぐみさんの救出を訴えてきましたが、北朝鮮は死亡という従来結果を覆していない。このタイミングでそうした事実を突きつけられたら、3年以上もウソを重ねていたことが明らかになる。安倍首相は相当なジレンマに陥っているでしょう」
 
 生存が伝えられる被害者もその家族も高齢化が進む。拉致問題の進展を阻んでいるのは紛れもなく安倍首相本人だ。「拉致問題は安倍内閣で解決する」はやっぱり嘘八百なのだ。
 
 
“圧力一辺倒外交”惨めな結末 金正恩に翻弄される安倍政権
日刊ゲンダイ 2018年5月1日
(阿修羅 文字起こしより転載)
 南北会談は単なる形式的なセレモニーではない、と対外的にアピールする狙いもあるに違いない。
「完全な非核化により、核のない朝鮮半島の実現という共通の目標を確認した」
 世界中が注目した韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による首脳会談から4日   (中 略)
 南北統一に対する金正恩の並々ならぬ意欲を、韓国や首脳会談を控えた米トランプ政権に示した効果は絶大だろう。
 1990年の東西ドイツ統一から28年経ち、極東アジアの民族分断国家である「韓国」と「北朝鮮」の統一実現に向けた動きが一気に本格化してきたと言っていい。
 
■北が求める日朝対話の見返りは100億~200億ドルの経済支援
「いつでも日本と対話する用意がある」。南北会談で金正恩はこうも語っていたというが、北が日朝対話の可能性を示唆した狙いは容易に想像がつく。拉致問題の解決と引き換えに、大規模な経済支援を獲得したいからだ。(中 略)
 金正恩が今後のインフラ整備などで必要になる巨額なカネを引き出す交渉相手に日本を挙げるのはごく自然な流れだ。
 
 安倍首相も「北朝鮮が正しい道を歩むのであれば、(2002年の)日朝平壌宣言に基づいて不幸な過去を清算し、国交正常化への道も開けてくる」と訴えているからだ。北はすでに1965年の日韓国交正常化に伴う経済支援を参考に、日朝国交正常化が実現した場合は100億~200億ドル(約1兆900億~2兆1800億円)の支援が見込める とソロバンをはじき、拉致問題の対応について検討を始めたとされる。
         (中 略
 コリア国際研究所所長の朴斗鎮氏はこう言う。
「金正恩は韓国を後ろ盾にして思い通りにコトを運ぼうとしている。例えば、即時の核廃棄を訴えていた米国は、中国やロシアが『段階的な非核化』に理解を示す中で、徐々に態度を軟化させています。おそらく、支持率が低いトランプ政権が中間選挙を控えて米朝会談を政治利用するだろうと判断し、韓国政府を通じて揺さぶりをかけているのだと思います。日米を知り尽くした北が今後、水面下であらゆる外交交渉を仕掛けてくると思います」 
 
日朝会談も拉致問題も米韓に頼る以外、戦略がない安倍外交 
 英大手ブックメーカーによると、今年のノーベル平和賞受賞者の予想(日本時間の29日夜)で、金正恩と文大統領の南北首脳が1・67倍と断トツ人気だ。中 略
 文大統領の行動力は受賞に値すると評価されても不思議じゃない。北に対して平昌冬季五輪の参加を呼び掛けるなど、南北融和ムードづくりに努めつつ、初の米朝会談の橋渡し役も担ってきたからだ近代民主主義国家の「平和外交」のあるべき姿とも言えるが、対照的なのが安倍外交だ。 (中 略
「対話のための対話は意味がない」「最大限の圧力」などと、ナントカの一つ覚えのように繰り返し、南北融和に冷や水を浴びせ続けてきたのだ。
 ところが、今や、気が付けば韓国、中国はもとより、「完全に一致」と豪語していたトランプ政権までも「対話路線」に舵を切った。はしごを外されて赤っ恥もいいところだ。
 
■「蚊帳の外ではない」と蚊帳の外でいっている
      (前 略
 結局、地球儀俯瞰外交なんて格好つけていた安倍外交の中身は空っぽ。日朝会談も拉致問題も米韓に頼る以外、ナ~ンの戦略もない。そんな安倍とは違って北の外交は二枚も三枚も上手だ。「対話」をチラつかせながらも、揺さぶりを掛けるのを忘れていない。4月29日の党機関紙「労働新聞」は蚊帳の外に置かれた安倍政権をこう酷評していた。
〈朝鮮半島を取り巻く外交の流れから追い出され、心穏やかではない日本〉〈安倍は米国行脚でも、ボスにしがみつき、核問題と一緒に「拉致」問題まで出しながら、対朝鮮制裁圧迫を物乞いした〉〈自分の眉に火が付いたように慌てふためき、我々に対する「最大限の圧力」や「核ミサイル放棄」を言って、くどくどと言いながら歩き回っているざまは、実に見るに堪えない〉
 
 いやはや、もはや完全に足元を見透かされている。日朝首脳会談前からこの調子じゃあ、実現しても先が思いやられる。
     (中 略
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。 
「安倍政権が本気で北朝鮮問題と向き合ってこなかった事実が今、ハッキリしたのです。これまでやってきたのは、北との緊張関係をあおり、政権維持に利用してきただけ。だから、いまだに何ら北との外交ルートを築けず、他国頼みなのです。南北会談や米朝会談が決まったことに安倍首相は『蚊帳の外ではない』と蚊帳の外で言っている。世界の笑いものです」
 惨めの一言に尽きる。 

2018年5月1日火曜日

感動の板門店橋上の説得ドラマ - 信じることの大切さを教えた文在寅 (世に倦む日々)

 安倍首相は27日の南北首脳会談について、記者団に「南北首脳会談はわれわれが決めていたラインにのっとって行われたことが確認できた」と述べました。何故そんなことが平気で言えるのか、何とも理解しがたいコメントです。
 それに対してトランプ大統領はツイッターで、韓国の文在寅大統領について「a long and very good talk(長くてとても優れた弁舌)」と賞賛のコメントを送りました。率直な賞賛で、誰もが納得できるものです。
 
 この画期的で感動的な成果は、平昌冬季五輪開会式に北朝鮮金永南最高会議委員長と金正恩氏の 金与正を派遣した際に、文在寅夫妻3日の滞在中つきっきり対応し、金与正氏を主役にしつつ南北宥和に向けての雰囲気を盛り上げたことに端を発しています。「世に倦む日々」氏はそのときのことを、
平昌五輪を舞台にした南北融和のドラマが演じられた。金与正ドラマの主人公とし、この10年、特に延坪島砲撃事件後は厳しい緊張と対立が続いていたのを、一瞬のうちに国家トップ間で雪解けを生じさせ、盧武鉉時代の頃の関係までに引き戻してしまった(文在寅氏は南北宥和派であった盧武鉉氏の秘書を務めています)」と述べ、しかもそれは、
核ミサイル問題で米朝の対立が極限まで緊迫し、国連の中でも北朝鮮が孤立無援状態になった時期のことで、文在寅の胆力と技量に感心させられた。よく一瞬の機会を捉え、電光石火の早業で南北融和の政治をもたらしたものだ。南北統一を願い、関係改善を果たそうと心に秘めつつ、雌伏してきた盧武鉉直系の執念が爆発している(要旨)
と高く、熱く評価しています
    ⇒ (2月13日)  北の核を非難する資格はない日本 
 この文大統領の勇気を持った決断が、結局トランプ氏が賞賛する成果につながったのでした。
 
「世に倦む日々」氏が「感動の板門店橋上の説得ドラマ - 信じることの大切さを教えた文在寅」とするブログを発表しました。
 
 あの青い橋の途中に設けられた休憩席で二人きりになってから、文大統領が30分以上にわたって金正恩氏を説得している(かのように見える)シーンを解説する内容になっています。多分、米朝会談に対するアドバイスがあったのではないかと見られていますが、「世に倦む日々」氏は、文在寅氏はあそこで、「本物の金正恩の人物像を示そうとしたのであり、北朝鮮という闇の国の独裁者も一人の若い男で、大人の説得には真摯に耳を傾けるのだということを、だから対話には意味があるのだということを世界に証明しようとし」のだとしています。
 そして「(文在寅氏の)表情は見えなかったが、どれほど言葉を尽くして懸命に相手を説得しているかが伝わり、見ながら昂奮が高まって仕方がなかった。これこそが政治家の姿だ」と述べています。
 
 同氏は2月13日以降も南北宥和に関するブログを発表していますが、今回のブログはその完結編に当たります。
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感動の板門店橋上の説得ドラマ - 信じることの大切さを教えた文在寅 
世に倦む日々 2018年4月28日
正直、焦点になっている「北朝鮮の非核化」の分析など、もうどうでもいい気分になった。会談で決まった中身がどうとかは些細な問題であって、27日の板門店会談の意義として歴史に残るものではないからだ。86年のレイキャビク会談も、結果がどう発表されたかはよく憶えていない。憶えているのはあのときの感動で、それは思い出すたびに熱く甦ってくるし、報道で回顧されるときも二人の膝詰め交渉のドラマが語られる。ゴルバチョフの熱意と誠実さが語られる。レイキャビク会談も、そのときは、欧州中距離核の配備全廃を合意できず失敗に終わった会談だった。だが、映像を見た世界中の人々に感動を呼び起こし、必ず米ソが合意し、次の大きな平和の合意に至るだろうという将来を予感させた。ゴルバチョフはそれを実現する能力と資質を持った政治家だと確信した。昨日(27日)の板門店会談は、レイキャビク以来32年ぶりに出現した巨大な外交ドラマだった。まさに、平和の交渉の理念型を文在寅は世界の人々の前で証示し、伝説として残した。あの青い徒歩橋は観光名所になるだろう。 
 
午後4時半に松の植樹のセレモニーがあり、その後、二人が徒歩で小径を散策する場面に移行した。テレビ中継の案内を聞くかぎり、それは普通の首脳会談でよくあるパターンの絵作りで、報道用のパフォーマンスが始まったかのように見えた。だが、坂の上から階段を降り始めたあたりから、少し様子が違うなという気配になり、注視している記者もその異変に気づき、NHKやTBSの放送でも言葉になった。中身のない宣伝用の絵を撮らせているのではなく、重大な会話がされているということ、文在寅の方が金正恩に多く語って説得に努めているらしい状況が察せられた。そのことは、T字の青い橋を左折して、奥に用意されたテーブルに二人が腰掛けて話し始めてから、さらに明確に分かるようになった。テーブルに着席して30分以上も話し込むということは、誰も想定していなかった展開だ。話がどんどん具体的になり、何か提案が示され、その提案に応じるようにと、文在寅が諄々と説いていることは誰の目に明らかだった。金正恩の顔つきが次第に変わり、表情が真剣になって行った。中継のカメラは文在寅の背中だけを映し、金正恩を正面から捉える角度に固定されていた。
 
まさにドラマの進行そのもの。ときどき、カメラが引いて遠景から撮る構図になり、そのときは小鳥の鳴き声がマイクに入り、画面が静かな森の木立の空間になった。それもこれも、文在寅が周到に考えた作為の演出だったと想像する。文在寅がこの外交で提示したかったのは、本物の金正恩の人物像であり、北朝鮮という闇の国の独裁者も一人の若い男で、大人の説得には真摯に耳を傾けるのだということを、だから対話には意味があるのだということを世界に証明したのである。そのプレゼンテーションに成功した。後ろ姿だけの文在寅だったが、背筋がピンとして上体は静止したまま動かず、ときどき手を動かして政治の説得をしていた。表情は見えなかったが、どれほど言葉を尽くして懸命に相手を説得しているかが伝わり、見ながら昂奮が高まって仕方がなかった。これこそが政治家の姿だ。たぶん、映像を見たメルケルも私と同じ感想を抱いただろう。共同宣言の文言以上に意味が重いのは、あの橋の上で長時間行われた、胸襟を開いての膝詰め談判が世界に与えた印象だ。こんなことができるのは文在寅だけだ。まさしく、太陽政策の思想が首脳交渉の現場で外化された現象形態と言える。
 
文在寅は、身をもって太陽政策を実践した。南の国民は北にどう接するべきなのか、国際社会の一人一人は北朝鮮に対してどう向き合い、どう働きかけ、どう変えないといけないのか、そのことを全身を使って教えたのである。虚心坦懐に、果敢に、誠実に、粘り強く対話を試みれば北朝鮮はどう変わるか、そのことを、30分間の金正恩の表情と態度の変化で教えて見せたのだ。テレビで生中継して、嘘偽りなく真実を教えたのだ。素晴らしい。素晴らしいとしか言いようがない。まさに政治の芸術。夜の晩餐会のとき、金正恩はシャンペンで酔っていた。疲労がありありと浮かんでいた。若いのに、疲労したのは文在寅ではなく金正恩の方だった。だが、それはよく分かる。金正恩は疲れただろう。おそらく、あれほどの真摯な説得を受けたのは初めての経験なのだ客観的で精密な論理を駆使した知的説得を受け、それに向き合い、引き込まれ、相手の話を聞いて自分の頭で考え、北朝鮮の今後を考え、それを言葉で返し、大脳がくたくたになったのだろう。このような説得や献策は、北朝鮮では誰からも受けることはないのだ。粛清を恐れて阿諛し忖度する部下たちの話を、ただ傲慢に笑い捨てて聞き流すことしかやっておらず、それで済んでいるから、普段、大脳の思考回路を使ってない。
 
生涯初めて思考を重ねる疲労を体験した金正恩は、おそらく、文在寅のことを信頼し尊敬するように変わるだろう。反共のレーガンと側近たちも、ゴルバチョフの人格に感銘を受け、ソ連首脳部を信用する方向に変わって行った。金正恩も、文在寅の助言に従った方が、自分たちにとって利益になると考えるように変わるだろう。自分にとって必要で有益な人間だと判断し、素直に提案を受け入れるようになるだろう。前日26日、この首脳会談の準備委員長であり大統領秘書室長の任鍾晳(イムジョンソク)は、会談の成果の見通しについてこう述べている。「(北朝鮮の)明確な非核化の意思を明文化することができれば、これが朝鮮半島での完全な非核化を意味することを正確に確認できれば、会談は大変な成功を収めると思う」と。この発言は、27日の共同宣言の文言である「完全な非核化により、核のない朝鮮半島の実現という共通の目標を確認した」が、前日26日の段階ですでに成果として固まっていて、事前に合意されていたことを意味する。その上で、「それをどのような表現で明文化できるかが難しい部分」と言っていて、もっと濃くて重い表現にするべく、韓国側が働きかけを続けており、当日の直接交渉に賭けていた事情が窺える。
 
文在寅は、その詰めの交渉を橋の上の会談で行っていて、金正恩に対して渾身の説得を試みていたのだろう。金正恩は首を縦に振らなかった。世界が納得し満足する核放棄のコミットは、あくまでクライマックスである米朝会談で切り札として提出するからであり、それは米国による体制保証との交換カードであって、この非核化外交の主導権を韓国に簡単に渡さないためだ。あの40分間の二人だけの密談は、その「非核化」をめぐる攻防こそが本題だったと推測できる。結果的に、共同宣言の文言は、北朝鮮の非核化への期待で盛り上がっていた一般の感覚からすると、やや物足りなさを感じる淡泊な表現になった。無論、非核化の大胆な決意表明を求める文在寅の説得は、朝鮮戦争の終結や平和協定の構想とも密接にリンクしていて、具体的なアイディアや工程も文在寅から示されたと思われる。また、そのときに米国と中国がどう反応するかとか、彼らをどう動かすかという展望と予測も語られたはずだ。外交情報は韓国(文在寅)の方が多く持っている。密室の北朝鮮に入る情報は限られている。金正恩が初めて聞くようなインテリジェンスが提供されたに違いなく、だからこそ、金正恩がどんどん真顔になって説得に聴き入る姿勢になったのだ。
 
文在寅の決意と信念の凄みを痛感させられ、文在寅の胆力の大きさに刮目させられた一日だった。さすがに盧武鉉の弟子であり、金大中の孫弟子だと唸らされる。政治とは何か、外交とは何か、政治家とはどういうものか、その理念型が実践的に教育された一日だった。そして、朝鮮戦争で犠牲となった350万人の命の重さを噛みしめる機会ともなった。平和のため、人を信じることの大切さを、文在寅は世界に教えたと私は思う。人は人を信じ、人に裏切られて傷つき、不利益を蒙り、人への不信と猜疑を基礎にして生きるようになる。けれども、人を信じることもまた大切で、人を信じないと人生を前に踏み出せず、自分を生かす人間関係や自分がめざす環境を得られないのも事実だ。何度も裏切られて傷つきながら、人は自分を生かすべく人を信じる。人を信じて人を動かそうとする。勇気を出す。社会を変えようとする。350万人が犠牲になり、1000万人の家族が離散した歴史が、指導者である文在寅の心の中にある。それを上回る民族の悲劇に再び襲われる危機があり、絶対に戦争を避けなければならないという責任感がある。文在寅の政治に心から感動させられた。こんなに政治家の一挙一動に感激するのは、30年前のゴルバチョフの登場以来だ。
 
あのとき、自分の化身が出現したように感じ、自分がペレストロイカの政治をやっているように感じたものだった。

OPCWもシリアで化学兵器が使われた痕跡はなく被害者はいないと結論

 米国は、シリアのドゥーマで化学兵器が使われたと断定し、中立的な化学兵器禁止機関(OPCW)が現地調査に入る直前の4月14日に、英仏とともに105発の巡航ミサイルを撃ち込みました。
 ところがその後に行われたOPCWの調査で、ドゥーマで化学兵器が使われた痕跡はなく、犠牲者もいないと結論づけられました。
 OPCWは中間発表の段階でも、毒ガスを使用したという「白いヘルメット」の主張は信用できないとする説明していました。「白いヘルメット」集団は信用できないという強い心証を持っているようです。そもそも西側が中立のように評価している「白いヘルメット」集団は、アル・カイダ系武装集団と一心同体の関係にあるというのが識者の見解です。
 
 米国はシリアなどの米国に敵対国が毒ガスを使用したとするデマ宣伝をこれまでも繰り返しています。
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OPCWもシリアのドゥーマで化学兵器が使われた痕跡はなく、被害者はいないと結論
櫻井ジャーナル 2018年4月30日
 シリアのドゥーマで化学兵器が使われた痕跡はなく、犠牲者もいないとOPCW(化学兵器禁止機関)のチームも結論づけた。4月7日にシリア政府軍がドゥーマで化学兵器を使ったというアル・カイダ系武装集団と一心同体の関係にある「白いヘルメット」とアル・カイダ系武装集団の「ジャイシュ・アル・イスラム」の主張はOPCWにも否定されたわけだ。この主張を「信じた」のはアメリカ、イギリス、フランスの3カ国で、OPCWが現地を調査する直前の4月14日にシリアをミサイル攻撃している。
 
 ジャイシュ・アル・イスラムを指揮していたのはイギリスの特殊部隊SASやフランスの情報機関DGSEのメンバーで、MSF(国境なき医師団)が隠れ蓑として使われてきたとも報告されているが、これが事実なら化学兵器による攻撃を宣伝した勢力とミサイル攻撃した勢力は同じだということになる。
 米英仏が攻撃する直前、国連の専門機関であるWHO(世界保健機関)は化学兵器の使用で多くの犠牲者が出ているとする声明を出したが、その情報源はWHOがパートナーと呼ぶ団体。その中に含まれているMSFは「白いヘルメット」を訓練している。独自の調査をしたわけでなく、アル・カイダ系勢力の宣伝をそのまま主張しただけだ。
 
 今回、OPCWは「白いヘルメット」や「ジャイシュ・アル・イスラム」の公開した映像に出て来た住民17名に証言させているが、いずれも化学兵器による攻撃はなかったと語っている
 
 西側の有力メディアは基本的に自らは取材せず、「白いヘルメット」や「ジャイシュ・アル・イスラム」の話を垂れ流しているだけ。自分たちの取材に基づいて伝えると嘘の責任が問われてしまうので、「ロンダリング」しているつもりなのだろう。
 
 しかし、今回は西側のメディアで現地を取材した記者がいる。そのひとりがイギリスで発行されているインディペンデント紙の​ロバート・フィスク​特派員。攻撃があったとされる地域へ入って治療に当たった医師らに取材、患者は毒ガスではなく粉塵による呼吸困難が原因で担ぎ込まれたという説明を受けている。毒ガス攻撃があったことを示す痕跡はないという。アメリカのケーブル・テレビ局、OAN​の記者も同じ内容の報告をしている。ロシア系のRTは西側の有力メディアが化学兵器の被害者だとして報道した子どもとその父親を取材、やはり化学兵器が使用されたという話を否定している。
 
 米英仏が攻撃した後、OPCWのチームはドゥーマへ入ろうとしたのだが、国連から治安状況が良くないと言われ、予定が遅れた。実際はそうした状況でなく、その後、調査は行われた。
 
 シリア侵略は2011年3月に始まった。アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟、イギリスとフランスのサイクス-ピコ協定コンビ、オスマン帝国の復活を妄想していたトルコ、天然ガスのパイプライン建設でシリア政府と対立していたカタールが侵略勢力の中心で、その手先として送り込まれたのがアル・カイダ系武装勢力だった。
 
 ロビン・クック元英外相も指摘しているように、CIAが訓練したムジャヒディンの登録リストがアル・カイダで、その中からピックアップされた戦闘員を中心として編成されたのがアル・カイダ系武装勢力。その主力はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団が主力だ。ちなみに、アラビア語でアル・カイダとはベースを意味し、データベースの訳としても使われる。

パレスチナとイスラエルに行く 今度の中東訪問はひどい

 安倍首相は、目下、アラブ首長国連邦(UAE)、ヨルダン、パレスチナ、イスラエルを歴訪しています。
 元外交官の天木直人氏は、トランプ氏によるイスラエル首都エルサレム移転宣言後、主要国首脳で初めてイスラエルを訪れ首相になるのはアラブに喧嘩を売るようなもので、これまで築き上げた日本の中東外交を貶める有害な訪問であると批判しました。
 いまガザでは、パレスチナの若者の抵抗とそれを弾圧するイスラエルとの暴力の連鎖が続き、死傷者が絶えない状況下にあるということです。
 パレスチナとイスラエルの両方を訪ねるからいいのだというようなことでは済まないのは、素人が考えても分かることです。
 
 安倍首相は2015年1月、イスラエルを訪問し、同国国旗と日の丸を並べて掲げた中で会見をし、引き続きカイロでイラクやシリアなどへの2億ドルの無償資金協力を発表したことで、彼らと対立していたイスラム国を激怒させました。
 安倍首相はそのとき「日本人には指一本触れさせない」と空虚な言葉を口にしましたが、結局3人の人質が殺害され、167月にバングラデシュダッカのレストラン襲撃で日本人7人が殺されるなど、合わせて10数人(以上)の人命が奪われています。
 そうしたことへの負い目は何もないようです。
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いくら連休外遊といっても今度の安倍中東訪問はひどい
 2018-04-29 天木直人のブログ
 連休は政治家たちの物見遊山外遊と相場が決まっている。
 しかし今度の安倍首相の中東訪問はあまりにもひどい。
 今朝5時のNHKニュースが流した。安倍首相はきょうから5月3日まで中東を訪問すると。その訪問先はアラブ首長国連邦(UAE)、ヨルダン、パレスチナ、イスラエルだという。
 
  支離滅裂な訪問先だ。
 UAEやヨルダンならまだわかる。日本の首相が今訪問する緊急必要性のない友好国だ。 息抜きにはもってこいだ。野党の追及からしばし逃げますと言っているようなものだ。
 ところがイスラエルとパレスチナが入っている。
 その訪問目的をNHKはこう報じていた。
 トランプ大統領がイスラエルの首都をエルサレムに移転すると宣言した後に、主要国の首脳で初めて安倍首相がイスラエルを訪れることになると。これではアラブに喧嘩を売るためにイスラエルを訪問すると言っているようなものだ。
 イスラエルとパレスチナの和平のために日本が橋渡しを行うと。ここまでくればもう冗談だ。
 
 いまガザで何が行われているというのか。
 3月末から5週連続で、パレスチナの若者の抵抗とそれを弾圧するイスラエルとの暴力の連鎖が続き、死傷者が絶えない状況下にある。
 今度の安倍首相の中東訪問は、これまでの安倍首相の地球儀俯瞰外交の中でも、最も無意味なものだ。
 無意味だけならまだ税金の無駄遣いで済むが、今度のイスラエル・パレスチナ訪問は、これまで築き上げた日本の中東外交を貶める有害な訪問である。
 そんな外遊を早朝のトップニュースに持ってきたNHKはメディア失格である(了)
 
 
安倍首相 きょうから中東歴訪
NHK NEWS WEB 2018年4月29日
中東情勢が一層複雑さを増す中、安倍総理大臣は29日から中東のUAE=アラブ首長国連邦やイスラエルなどを訪れ、エネルギー分野も含めて協力関係を強化するとともに、中東の安定に積極的な役割を果たしていく姿勢をアピールしたい考えです。
 
中東では、シリア問題が長期化しているほか、来月には、トランプ政権が、イスラエルにあるアメリカ大使館をエルサレムに移転させる方針で、情勢は複雑さを増しています。
こうした中、安倍総理大臣は29日から来月3日までの日程で、中東のUAE=アラブ首長国連邦、ヨルダン、イスラエル、パレスチナ暫定自治区を訪れ、各国の首脳らと会談することにしています。このうち、UAEでは、エネルギーを含め幅広い分野で協力関係を強化し、ヨルダンでは、内戦が続くシリアからの難民を多く受け入れていることも踏まえて支援の強化を伝える考えです。
 
また、イスラエルとパレスチナについては、アメリカがエルサレムをイスラエルの首都と認めた後、主要国の首脳としては初めて安倍総理大臣が訪問することになります。
安倍総理大臣は、双方に対話を働きかけるとともに、パレスチナの経済的自立を支援するプロジェクトをさらに推進する方針を示すことにしていて、中東各国と良好な関係を保つ日本が地域の安定に積極的な役割を果たしていく姿勢をアピールしたい考えです

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