2023年9月27日水曜日

大阪・関西万博 大阪府民・国民へさらなる負担増許されない

 25に迫った大阪・関西万博の会場建設費は、誘致を決めた当初は1250億円でしたが、それが2300億円程度になる案が出ているということです。金額の上振れは2度目で、当初見積額の約2倍、1000億円超の増額です。
 万博を主導してきた維新首長らは、これまで会場建設費について「1250億円は厳しめに見積もっている」と述べ、1度目の増額の際には「1850億円の予算の範囲内で収めていきたい」などと語ってきました。
 共産党の小池晃書記局長は25 記者会見し、会場建設費が約2300億円に膨らむ見通しとなったことについて、「夢洲を拠点に巨大開発を進める大阪・関西万博は中止すべきだ」と述べました。
 そして会場へのアクセス道路高速道路淀川左岸線の2期事業にもふれ、「当初1162億円から25倍の2957億円に膨れ上がっている」と指摘関連施設を含めると「総費用は1兆円近くになるという指摘もある」、「国策として進めている万博を口実にカジノのためのインフラ整備費が上乗せされている」と述べました。
 小池氏は、「いま事業を止めないと大阪府民、市民、そして国民がさらなる負担を強いられることになる」「(万博中止の補償費は)参加国や国際万博協会への補償の上限額は来年412日までに中止すれば約325億円」で、「いま中止することで負担は少なくなる」と強調しました。
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万博 会場建設費2300億円 450億円増、上振れ2度目
                       しんぶん赤旗 2023年9月26日
 2025年大阪・関西万博の会場建設費について、これまで見込んでいた1850億円から450億円増え、2300億円程度とする案が出ていることが25日、関係者への取材で分かりました。資材価格や人件費の高騰などが要因とされ、上振れは2目となります。
 政府は、日本国際博覧会協会(万博協会)に会場建設に必要な金額の精査を指示し、その結果によって増額分の一部を23年度補正予算案に盛り込む方向で調整しています。協会は精査を続ており、増額幅は変わる可能性があるといいます。
 会場建設費は、国、大阪府・市、経済界が3分の1ずつ負担するルール。誘致が決まった際は1250億円の計画でしたが、暑さ対策の強化などを理由に20年12月に1850億円に引き上げられました。
 万博を主導してきた維新首長らは、これまで会場建設費について「(1250億円は)厳しめに見積もっている」(18年11月、松井一郎大阪府知事=当時=)、 「1850億円の予算の範囲内で収めていきたい」(22年10月、吉村洋又府知事)などと語ってきました。


大阪・関西万博 大阪府民・国民へさらなる負担増許されない
                       しんぶん赤旗 2023年9月26日
小池書記局長「中止いますぐ」
 日本共産党の小池晃書記局長は25日、国会内で記者会見し、大阪・関西万博の会場建設費が約2300億円に膨らむ見通しとなり、当初より1000億円超も増えている問題について、「東京オリンピックの建設費を思い起こさせる膨張だ」と指摘し、「夢洲(ゆめしま)を拠点に巨大開発を進める大阪・関西万博は中止すべきだ」と述べました。
 小池氏は、大阪・夢洲へのアクセス道路である高速道路淀川左岸線の2期事業にもふれ、「当初の計画1162億円から2・5倍の2957億円に膨れ上がっている」と指摘。駅の整備や道路の施設など各種インフラ整備費用も膨れ上がっていることをあげ、「総費用は1兆円近くになるという指摘もある」と述べました。
 小池氏は、万博開催後の夢洲が、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の会場にされることをあげ、国策として進めている万博を口実に、カジノのためのインフラ整備費が上乗せされているということだ」と説明。「日本維新の会は、身を切る改革というが府民、市民の身を切ってカジノのための大規模開発を進めるものではないか」と批判しました。
 小池氏は、万博の建設費用について、国と大阪府市と経済界で3等分すると閣議了解されていることにふれた上で「いま事業を止めないと大阪府民、市民、そして国民がさらなる負担を強いられることになる」と指摘。さらに海外パビリオンの建設工事が遅れている問題で、建設労働者に対して時間外労働の上限規制を適用しないよう日本国際博覧会協会が政府に要望したことが報じられているとし、「労働者を犠牲にした突貫工事は、“いのち輝く未来社会のデザイン”という大阪・関西万博が掲げるテーマにも反する」と述べ、中止を求めました。

 また、万博中止の補償費について、「参加国や国際万博協会への補償の上限額は来年4月12日までに中止すれば約325億円だ」と説明。「いま中止することで負担は少なくなる」と強調しました。 

27- 泥船化する大阪万博・カジノ構想 国に泣きつくも膨らむのは公的負担のみ

 別掲の記事の通り、「これだけはっきり言っておきます。IR、カジノには一切税金使いません」松井一郎大阪府知事断言(16年12月)して大阪維新が進めてきた大阪IR関連事業の公費負担が、ここに来て青天井の膨張を続けて時代錯誤の“ハコモノの祭典”は泥船化しています。
 IR、カジノ事業は本来民営であるべきなのを、万博開催と一体化させることで公金を投入する大義名分を得られるからと画策した結果がこの有様です(そもそも万博の会場の建設が開催までに間に合わない事態です)
 万博協会は経済波及効果を2兆円と見積もっていますが、マスコミ各社の世論調査でも、関心が「ある」は2~3割、「ない」が6~7割となっていて、地元でいっこうに盛り上がっていません。
 それで万博協会は急遽6月に、当初6000円と想定していた入場券の基本料金(大人)を7500円という、東京ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)など人気テーマパークと同程度に引上げ、万博の入場料としては最高水準に変更しました。無理やりに辻褄を合わせたという感じです。

 IR、カジノ万博とは違いますが、非現実的な想定に基づいていることに変わりはありません。当初の大阪府市による整備計画では、IR業者からの毎年740億円の納付金のほか、入場料収入が320億円で、別に120億円の税収も入るため、年間1180億円の利益が懐に舞い込んでくるという計画でした。
 しかしれは年間2000万人(カジノに580万人)が来場すること前提で、東京ディズニーランドUSGをこえる来場者が国内外から押し寄せ、年間6兆円もの賭け金をカジノ注ぎ込むというもので、カジノ大国のマカオやシンガポールを超えるものでした。
 まさにとらぬ狸の皮算用で極めて非現実的なものでした。

 大阪湾に浮かぶ夢洲は産業廃棄物や海底の浚渫土で埋め立てられた人工島で、地震発生時には液状化のリスクが高いうえに、発がん性物質のダイオキシン、中毒性のあるヒ素などの有害物質が基準値をこえて検出されています。
 さらに埋め立てた土砂の重さで約50年後に2の地盤沈下が予測される「軟弱地盤」でもあり、同じ大阪湾の軟弱地盤につくられた関西国際空港は、数千本の杭打ちをして造成してもこれまでに13~16も沈下しています。
 もともと産廃最終処分場であった夢洲は杭打ちすらされてはおらず、このままでI R施設が建設できる筈がありません。地盤の強化費をI R業者や他の民間が持つ筈がなければ、それが大阪府・市の負担になるのは目に見えています。
 利潤が見通せないなかで更なる巨額な負担(将来にわたり継続する)だけは目に見えているというのが実態です。長周新聞の記事を紹介します。
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泥船化する大阪万博・カジノ構想 海外からもそっぽ向かれ 国に泣きつく大阪維新 膨らむのは公的負担のみ ⇒ https://www.chosyu-journal.jp/shakai/27615
                         長周新聞 2023年9月20日
 「これだけはっきり言っておきます。IR、カジノには一切税金使いません」(2016年12月22日、都構想説明会にて当時の松井一郎大阪府知事)――そう断言して「大阪維新」が進めてきた大阪IR関連事業の公費負担が、ここに来て青天井の膨張を続けている。大阪府市が誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)は、開催日が1年半後(2025年4月)に迫る関西万博の会場・大阪市此花区夢洲の人工島を舞台に進められている。本来「民設民営」であるIRを万博開催と一体化させることで公金を投入する大義名分を得られるからだ。しかし、その万博も工事が間に合わず、大阪府市が国に泣きつくなど、時代錯誤の“ハコモノの祭典”は泥船化している。

時代錯誤のハコモノ至上主義
整備がおくれる万博開催の「機運醸成」を呼びかける吉村大阪府知事と横山大阪市長
 コロナ禍で世界情勢が激変したこともあり、万博とIRの構想は当初から大きく崩れている。これらの誘致を唯一の成長戦略に位置づけてきた大阪維新は、コロナ禍前につかんだ利権を手放してなるものかといわんばかりに、抜本的に再考することもなくコロナ前の計画をゴリ押しし、そのしわ寄せが公的負担増大という負のスパイラルとなって地方財政にのしかかっている
 万博については、海外の参加国が乗り気ではなく、“万博の華”といわれるパビリオン(展示館)の建設が一向に進まず、このままでは歯抜け状態で開催日を迎えることが現実味を帯びている。海外パビリオンがなければ万国博覧会ではなく、単なる大阪博覧会になりかねない。
 そもそも万博とは、かつての先進国が自国の技術力を内外に見せつけるために始めた国際博覧会で、戦前には列強各国が国力誇示と植民地気運(後進国を近代化させたことを示して植民地化を正当化する)を高めるために東南アジアなどの植民地で競って開催した。
 高度成長期には国家の威信を賭けておこなっていた万博だが、インターネットの普及でボーダーレス化が進み、ハードよりもソフト、エコが重視されるようになった現在は、巨大なハコモノを作って人や資金を呼び込むという万博の開催形態そのものが時代遅れになって関心は低下した。今回の万博の開催をめぐって、日本と招致レースを争った相手がロシア(エカテリンブルク)とアゼルバイジャン(バグー)であったことを考えても、その立ち位置がわかる。
 しかも、世界が認めるような先端技術や革新的な構想が打ち出されるならまだしも、いまや日本の産業は空洞化し、技術力においても発想力においても立ち遅れが甚だしい。第2次ベビーブームだった大阪万博の時代(1970年)と比べても、いまや出生率は世界最低レベルにまで落ち込み、世界で唯一、30年続くデフレ不況で若者が結婚して子どもを産み育てることすら難しい国になってしまった。それを糊塗するかのように開かれる万博に何かを期待する声は少なく、民間シンクタンクの世論調査でも「行きたい」と答えた人は3割程度にとどまっている。
 また、世界の反対を押し切って原発汚染水を海洋投棄するなど、大迷惑をかけながらも開き直っている国で開催される万博(ちなみにテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」)に世界の注目が集まるはずもない。

万博 海外パビリオン建設申請なし
 現在、大阪・関西万博に参加する約150カ国・地域のうち、56カ国・地域がパビリオン(自前で設計して建てるAタイプ)の建設を希望しているが、建設工事に必要な「基本計画書」を大阪市に提出したのは、韓国、ブラジル、チェコ、モナコ、ルクセンブルグなどの6カ国のみ(7日現在)。開催を1年半後に控えながら、ゼネコンとの工事契約締結後に大阪市から得る「仮設建築物許可」の本申請に至ったものは1件もないという惨憺たる状態となっている。
 パビリオンは、各国が技術や文化を紹介する展示施設で、万博協会の資料によれば、当初計画では建設許可の申請から建設完了までの期間は4カ月、建物本体の工事は来年7月までに終える想定となっている。このままでは開催までに間に合わない
 パビリオンには、参加国が万博協会から敷地の提供を受け、建物の形状やデザインを自由に構成する「タイプA」、参加国が万博協会が建てた建物を借りて使う「タイプB」、同じく万博協会が建てたものに複数の国が共同で間借りする「タイプC」の3つに分かれているが、もっとも時間がかかる「タイプA」を希望する56カ国のうち、建設申請に進んだ国は一つもないという状態だ。
 要因には、セメント、生コン、鋼材などの建設資材価格の高騰や深刻な人手不足、さらに工期が極端に短いなどの問題に加え、言葉の通じない海外との取引となるため受注に二の足を踏む業者が多いことがあげられている。
 日本建設業連合会(日建連)によると、2023年7月の鋼材や生コンなどの建設資材の価格は、2021年1月と比べて約3割も上昇。建設業の現場で働く人の賃金(公共工事設計労務単価)は2020年度に比べて足元では9%以上も上がっている。しかも来年4月からは、国の労基法改定で残業時間を制限する「2024年問題」が始まり、建設業界では人員確保がさらに難しくなることが予想されている。
 ホスト国の日本が建てるメイン施設(テーマ館)の建設費も、国・大阪府市・財界で3分の1ずつ負担することになっているが、すでに当初予算の1250億円から1850億円に大幅に上振れしている。昨年から始まった入札では予定価格超過や参加者ゼロなどの理由で入札不成立が続き、先月、予定価格を引き上げてようやくゼネコンが引き受けた有様だ。そのためさらなる公的負担の増加は避けられない。
 海外パビリオンについては、開催までに竣工が間に合わないため、大阪府市や財界でつくる万博協会は、各国にかわってプレハブ施設(タイプX)を作る代行発注を提案。だが、申請締め切りの8月末時点で関心を示したのは5カ国のみだった。
 さらに万博協会は8月下旬、2024年4月から始まる建設業界への時間外労働の上限規制(年360時間をこえる時間外労働の禁止)を、関西万博関連の工事に限って適用しないよう政府に要請。労基法を無視した過密労働を承認せよというものであり、建設業界では「万博工事だけは“無限に働け”などと、とても社内にも社外向けにも説明できない」「“いのち輝く未来社会”をテーマにしながら、現場で働く人間のことを何も考えていない。ブラックジョークではないか」と波紋を広げている。
 ついに、さじを投げた維新は、「(万博は)国のイベントなので、大阪の責任ではなく、国を挙げてやることだ」(8月30日、日本維新の会・馬場伸幸代表)と責任の丸投げをはじめ、岸田首相も恩を売るように「万博成功に向けて政府の先頭に立ってとりくむ」と明言。国はパビリオン建設を促すため、国内建設業者を対象に「万博貿易保険」の創設を決めた。発注元の参加国から工事代が支払われないさいに保険で穴埋めするための措置だが、それほど各国の万博開催への関心が低いことを物語っている。
 万博協会は、大阪・関西万博の経済波及効果を2兆円と見積もっているが、マスコミ各社の世論調査でも、関心が「ある」は2~3割、「ない」が6~7割となっており、地元でさえいっこうに盛り上がっていない。
 それでも採算をとるため、万博協会は6月、当初6000円と想定していた入場券の基本料金(大人)を7500円に値上げした。東京ディズニーリゾート(TDL)やユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)など人気テーマパークとほぼ同程度であり、万博の入場料としては最高水準となる。
 この入場料は、万博開催期日の2025年4月~10月までに2820万人が来場するという予想に基づき算出している。昨年のTDLの年間入場者数は1200万人、USJは1235万人で、それらの2倍以上集客するというものだ。
 わざわざ7500円払って開発途上の「空飛ぶクルマ」(大型ドローン)を誰が見に行くだろうか? と揶揄されているため、万博協会は東京五輪と同じく小中高生を「学習」と位置づけて学校ごと動員することも模索している始末だ。東京五輪も開催経費が最終的に3倍以上(1兆7000億円)に膨らみ、電通やパソナ、メディアなどの関連企業が“濡れ手で粟”の暴利を貪ったあげく、国や東京都の公的負担は1兆円をこえた。

カジノ・IR 膨大な税金で支える博打
 そもそも万博開催は、インフラ開発に公費を注ぎ込むための隠れ蓑に過ぎず、本来の目的は万博開催後の夢洲に建設するカジノを含む統合型リゾートにある。
 大阪府市は現在、誘致するIRの事業者を米国に本社を置くカジノ大手MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの合弁会社(大阪IR株式会社)に決定し、国は国内候補地で唯一、整備計画を承認した。
 大阪府(吉村洋文知事)と大阪市(横山英幸市長)は5日、IR開業への工程などを定めた実施協定案を承認したが、初期投資額は当初比約2割増の約1兆2700億円にのぼり、開業時期は当初想定の「2029年秋~冬ごろ」から、「2030年秋ごろ」にずれ込むことになった。
 IRは本来「民設民営」の事業であり、他のホテルなどと同じく事業者側が施設やインフラを整えるのが常識だ。誘致を進めてきた大阪維新も、「IRは民設民営事業ですから、この1兆円規模の投資というのも民間が出すお金になる。公でお金を出すものではない」(吉村大阪府知事)、「民間が投資する話なので、みなさんの税金はIR・カジノには一切使いません」(松井元大阪市長)と明言してきた
 だが、大阪市は早くも2021年12月、「液状化リスクのある土地での大規模開発は極めて困難」とする事業者の求めに応じ、液状化対策費に約410億円、汚染土の処分費に約360億円、地中残置物の撤去費に約20億円の合計788億円を上限に全額の公費負担を表明。市議会も、維新や公明党などの賛成多数でそれを認めた。大阪市は、これまで大阪湾の埋め立て用地の売却や賃貸に関して液状化対策費を負担した例はなく、たとえ問題が生じても責任を負わないことを原則としてきたが、カジノ・IRに限って原則を覆した大盤振る舞いとなる。
 基本協定書では、IR事業者が、①地中障害物の撤去、②土壌汚染対策、③液状化対策を実施する、としながら、これらの費用負担については大阪市が(債務負担行為の議決を条件として)負担することを明記しており、もし大阪市が事業者側が望むような措置をとらなければ、事業者は違約金ゼロで撤退できる「解除権」も与えている。今回の実施協定案では、この解除権を3年間延長し、契約的に不安定な状況がさらに続くことにもなった。
 大阪湾に浮かぶ夢洲は、産業廃棄物や海底の浚渫(しゅんせつ)土で埋め立てられた人工島であり、地震発生時には液状化のリスクが高いうえに、発がん性物質のダイオキシン、中毒性のあるヒ素などの有害物質が基準値をこえて検出されている。
 さらに埋め立てた土砂の重さで約50年後に2の地盤沈下が予測される「軟弱地盤」でもある。同じ大阪湾の軟弱地盤につくられた関西国際空港は、数千本の杭打ちをして造成しても13~16も沈下している。もともと産廃最終処分場であった夢洲は杭打ちすらされていない
 事業者との賃貸契約にあたる「契約書案」では、今後予測を上回る地盤沈下が発生した場合や、IR開業後にホテルや展示場の施設を増築した場合の対策費についても大阪市が負担すると明記。増築の場合、大阪市の負担は最大約257億円とも想定している。市の追加負担の額は見通せず、公費負担がさらに膨らむ可能性をはらんでいる。
 税金を投入した大盤振舞で商業用インフラ整備が保証されるIRカジノ業者や、大規模開発工事を請け負うゼネコンにとってこれほど好条件な事業はない。
 さらに関連費をみると、夢洲へのアクセスとして使う高速道路の整備では、液状化対策で工法の見直しが迫られたことで工費が二度増額され、当初1162億円だった整備費は2957億円へと2・5倍以上に膨らんでいる。国が55%を負担し、残り45%の1330億円を大阪市が負担する
 夢洲に繋ぐ大阪メトロ(地下鉄)中央線延伸部の整備費では、軟弱地盤対策や地中障害物の撤去などに96億円の追加費用が必要となり、整備費は250億円から1・4倍の346億円に膨らんだ。これも大阪市が4分の3に当る260億円を負担する。
「一銭も税金は使わない」どころか、万博関連費も含めた事業費全体として、4000億円が追加負担として加わり、総額は7500億円にも膨らんでいる。そのうち大阪市の負担は3000億円程度になるとみられている。

大阪市来年度収支は赤字へ
 それでも、推進役を担ってきた松井・大阪市長(当時)は「カジノをやめて福祉に回せというが、カジノをうまく利用してもうけて、それを福祉に回すのだ!」と豪語してきた。大阪府市による整備計画では、IR業者からの毎年740億円もの納付金のほか、入場料収入320億円も得られ、別に120億円の税収も入るため、年間1180億円もの利益が懐に舞い込んでくるというバラ色計画だ。
 だが、そのバラ色計画は、年間2000万人(そのうちカジノに580万人)が来場することを前提としており、USJや東京ディズニーランドをこえる来場者が国内外から押し寄せ、年間6兆円もの賭け金をカジノの遊興のために注ぎ込むというものだ。その営業実績の想定自体、カジノ大国のマカオやシンガポールをこえるもので、コロナ禍を経てオンライン化が加速する世界のカジノ業界の趨勢から見ても極めて非現実的なものだ。
 大阪府市は、そのような恣意的な想定をあげながらも、万博やカジノのために莫大な公費を注いで土壌改良した夢洲事業の累積残高がプラスに転じるのは「2076年以降」と見込んでいる。50年以上も先の話である。
 IRカジノ事業実施期間は、35年(30年延長可能)という異例の長さとなっている。夢洲のインフラ整備費や土壌改良に注ぐ公的負担の3000億円があれば、大阪市の水道代半額(約300億円)が10年間、大阪市内の小学校給食費無償化(約60億円)が50年間可能であり、300床の病院施設(67億円)が四四棟建設できるとの試算もある。
 地方行財政の専門家たちは、「維新は“二重行政による税金の無駄遣い”といってハコモノ事業を批判してきたが、万博もカジノもハコモノ行政の最たるものだ。大阪市の財政で長年問題になっていたのは、あべの再開発事業(天王寺区)の損失2000億円だったが、夢洲開発はそれでは済まない歴史上かつてない財政負担が大阪市にのしかかることになり、大阪市自身の息の根を止める事業になりかねない」「最低35年、延長期間を考えると半世紀以上の長きにわたり、大阪府ひいては関西の地域社会は、カジノという巨大な収奪装置がもたらす“負のスパイラル”に巻き込まれることになる」と指摘している。
 将来への不安が膨らむ矢先、大阪市が8日に示した来年度の通常収支の概算は338億円の赤字となり、今年2月時点の試算から赤字幅が2倍に膨らむことになった。
 ギャンブル中毒対策などを云々する以前に、コロナ禍や経済不況で落ち込む地方経済を食いものにして海外企業が利潤を吸い上げるだけの事業にほかならないカジノを唯一の成長戦略に位置づける時代錯誤の発想に疑念が渦巻いている。「第二自民党」といわれる維新の迷走ぶりを象徴している

2023年9月25日月曜日

官房機密費 公金私物化 深まる疑惑 毎年きっちり12億3千万円台

 領収書が不要で内閣の「ヤミ金」と呼ばれる内閣官房機密費(報償費)の支出額が、11年連続して毎年予算額一杯の123000万円台でそろっていることが、しんぶん赤旗の情報公開請求でわかりました。
 その9割が官房長官一人で使われていて、「当面の任務と状況に応じて機動的に使用する」筈の機密費が、実際には毎年ほとんど使い切られておりきわめて不自然な形です。
 政治資金問題に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授は、
毎年、官房機密費の予算使い切ることがずっと続いていることは極めて問題で、歴代の自民党政権が公金を私物化し、違法な目的外支出をしている疑いを強く抱かせます。
 仮に官房機密費の使途がすぐに公開できないとしても、何年か後には公開して検証ができるようにすべきです」と述べています。
 関連記事(しんぶん赤旗)
  (22.2.9 官房機密費「政策推進費」“領収書不要金”菅前内閣12・4億円
  21.2.10官房機密費 つかみ金に多額の税金やめよ
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官房機密費 公金私物化 深まる疑惑
毎年きっちり12億3千万円台 3月支出急増 返納計91万円
                       しんぶん赤旗 2023年9月24日
自民3内閣
 領収書が不要で内閣の「ヤミ金」と呼ばれる内閣官房機密費(報償費)の支出額が、11年連続して毎年12億3000万円台でそろっていることが23日、本紙が情報公開請求で入手した資料でわかりました。官房機密費の毎年の予算額は12億3021万円で、一般の予算と異なり事前に使途が決められていません。歴代政権は「当面の任務と状況に応じて機動的に使用する」と説明しながら、実際には毎年ほとんど使い切っており、きわめて不自然な形です。(矢野昌弘)

 本紙が情報公開で入手した資料を集計したところ、第2次安倍晋三内閣発足以降の2012年度から22年度までの11年度分の支出はすべて毎年12億3000万円台に集中していました。
 最もギリギリまで使いきったもので16年度(第2次安倍内閣)の12億3019万円余で、最も使い残したものでも12億3001万円余(岸田文雄内閣、21年度)でした。年度ごとの支出額のばらつきがほとんどありません。
 12年12月から今年6月までの10年半で支出した官房機密費は、総額129億円にのぼります。一方、この期間に使い切ることなく国に返納した官房機密費は、合計でわずか91万円でした。

 官房機密費の内訳は「政策推進費」「活動関係費」「調査情報対策費」です。「政策推進費」は、官房長官だけが扱う資金。官房長官しか使途を知らない、“ヤミ金の中のヤミ金”といえます。今年6月までの10年半で「政策推進費」に120億円を支出。官房機密費全体の92・8%を占めています。
 その他の支出である「活動関係費」「調査情報対策費」には、官邸の職員が事務補助者として出納に関わります。

 開示された資料によると、いずれの年も3月に支出が急増。年度末に駆け込みで予算消化をしている形です。
 岸田内閣の松野博一官房長官の場合は、22年3月に1億8930万円を「政策推進費」に支出していました。他の月の倍近い支出でした。
 前任官房長官の加藤勝信氏や菅義偉氏も同様に3月に「政策推進費」を、それまでの月と比べて1・5倍ほどに増やしていました。毎年3月に多額の官房機密費が必要な事態が起きるというのはあまりにも不自然です。
 公金であるのに支出先や支出目的、領収書の提出を会計検査院から求められることがない官房機密費。領収書不要を隠れみのにした公金の私物化が強く疑われます。


















官房機密費の10年半 情報公開し私物化なくせ
  神戸学院大学教授 上脇博之さんに聞く 
                        しんぶん赤旗 2023年9月24日
 第2次安倍晋三内閣が成立して 以降の10年半で、官房機密費(報償費)から自公政権のどんな姿勢が見えてくるのか。官房機密費の情報公開を求める裁判の原告で、2018年に最高裁で文書の一部開示を勝ち取った神戸学院大学の上脇博之教授に聞きました。

 この10年半で、官房機密費のうち官房長官人だけが扱う「政策推進費」が機密費の9割を占めています。要するに収支を官邸の職員が確認しているお金が―割にも満たないことになります。
 また毎年、官房機密費の予算枠ギリギリまで支出しています。本当に必要性があって支出したというよも、「とにかく予算をできるだけ使い切ろう」と考えてのことではないかと言わざるをえません。持ち逃げに近いものです。
 官房機密費は「当面の任務と状況に応じて機動的に使用する」経費だと政府は説明していますが、実際には、目的外支出となっている可能性があります。とくに、使い切ることが一時的でなく、ずっと続いていることは極めて問題です。
 2019年の参院選広島選挙区での大規模買収事件で、河井克行元法相=服役中、自民党離=の自宅から安倍晋三首相ら自民党幹部4人か700万円の現金を受け取った疑いを示すメモが出てきたと「中国新聞」が報じました
 メモの中に「すがっち500」との記載がありました。これは当時、官房長官だった菅義偉前首相から500万円が出されたことを示すとみられています。
 菅氏の政治団体から河井元法相側に500万円の支出があったとの記載が、政治資金収支報告書にないといいます。私は、この資金の原資が官房機密費の可能性すらあると考えています。
 官房機密費の支出の仕方をみていると、歴代の自民党政権が、公金を私物化し、違法な目的外支出をしている疑いを強く抱かせます。こういう税金の使い方をなくすには、やはり情報公開しかない。
 仮に官房機密費の使途がすぐに公開できないとしても、何年か後には公開して検証ができるようにすべきです。

殺人事件もみ消しは許されない(植草一秀氏)

 木原誠二前官房副長官妻の元夫変死事件に関しては、多くの「意見動画」が掲載されていますが、「週刊文春」に続くメディアの追随はなく、木原氏が官房副長官を辞したことを機に追及は止みそうな気配です。

 植草一秀氏が掲題の記事を出し「問題の本質」を明らかにしました。
 この問題の焦点は、残忍な殺人事件と見られる事案が自殺として処理されたことと、12年後の再捜査で殺人事件としての捜査が進展したにもかかわらず不自然な形で突然捜査が打ち切られたことにあるとして、そのことは殺人事件の実行犯を無罪放免することになると述べています
 そして捜査が打ち切られる直前まで捜査に従事していた刑事が、「誰が見ても、あれを事件性がないという警察官はいないと思う」と述べて自殺説を否定したことと、元夫が死去した時刻に現場にいたZ氏(警察関係者)が関与した可能性が高いことから、「捜査打ち切り」は警察身内の犯罪を隠蔽するためではなかったのかという疑惑が持たれると述べています。
 国民から疑惑を持たれたくないのであれば、警察はこの問題を放置すべきではありません。
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殺人事件もみ消しは許されない
               植草一秀の「知られざる真実」 2023年9月24日
木原誠二前官房副長官妻の元夫変死事件に関して、木原氏が捜査を妨害したのではと論じられていることについて、8月2日付の
ブログ記事「正真正銘暗黒国家の地位確立」 https://x.gd/H1t0u
メルマガ記事「警察庁が他殺を自殺に偽装か」https://foomii.com/00050 
に、
「当局は事案に事件性はない、木原氏をはじめ官邸からの圧力はなかったと説明を続けるだろう。木原氏本人も捜査当局に圧力をかけた事実はないと繰り返すはずだ。
この点を追及しても押し問答になるだけ。問題の本質はどこにあるか。」
と記述した。

自民党情報調査局長として木原氏が捜査に圧力をかけたのなら、無論重大な問題である。
しかし、この部分を追及しても自白や明確な証拠がなければ問題を明らかにすることは困難だろう。
元夫が変死したのは2006年4月のこと。
この時点で木原氏と木原氏妻との接点はなかったと見られている。
この問題の焦点は、残忍な殺人事件と見られる事案が自殺として処理されたことならびに、12年後の再捜査で殺人事件としての捜査が進展したにもかかわらず、捜査が突然、不自然に打ち切られたことにある。
その原因がどこにあったのか。そして、この事案を自殺として処理して操作を封印してしまうことが適正であるのか。このことが問われている。

仮に事案が殺人事件であったとき、捜査を封印することは何を意味するのか。
殺人事件の実行犯を無罪放免することになる。
2010年の刑事訴訟法改正により、殺人や強盗殺人など重大事件についての公訴時効が撤廃された。そして、最高裁が「時効撤廃は過去にさかのぼって適用できる」ことを判例で認めているため、2006年の殺人事件についても公訴時効は成立しない。
仮に殺人事件であった場合、警察が自殺であるとして捜査を終結してしまうことは、殺人事件の犯人を無罪放免にすることを意味する。このことが妥当であるわけがない

元夫の安田種雄さんの死亡推定時刻は2006年4月9日午後10時頃と見られている。
警視庁大塚警察署が再捜査を開始したのは2018年。
安田種雄さんの実父、実姉妹は、この間、事件の捜査を求め続けてきた。
本年7月20日に記者会見した種雄さん実父は2006年4月10日の未明に安田種雄さん宅で死亡している種雄さんを発見したときの状況を次のように語った。
「まさかそこで変わり果てた息子を見つけることになるとは思ってもいませんでした。
息子は血まみれで、目を見開いたまま倒れていました。
血は天井まで飛び散っており、右太ももの2~30センチ先には細長いナイフがきちんと置かれていました。」

直後の7月28日には2018年の再捜査を担当した殺人事件捜査担当の元警視庁警部補の佐藤誠氏が会見を開いた。佐藤氏は
「自殺であることを裏付ける証拠品は存在しない。事件性はある。
誰が見ても、あれを見て事件性がないという警察官はいないと思う。」
と明言した。

週刊文春が大きく取り上げて問題が表に出されることになったが、文春記事では、木原氏妻をX子さん、X子さんの当時愛人で、事件発生後に現場に駆けつけた男性をYさんと表記している。
実は、種雄さんが死去した時刻にZさんが現場にいたとされている。
佐藤誠氏は個人的な感触として実行犯はZさんであるとの心証を有していることを示唆している。
そのZさんとは誰なのか。
Zさんが警察関係者であるとの見方がある。
警察は身内の犯罪を隠蔽し、闇に葬ることを画策しているのではないか。
この疑惑がこの問題の核心である。

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