27日、集団的自衛権などを巡る2回目の与党協議が開かれ、政府側が、集団的自衛権の行使を容認しなければ実行できないと考える事例など15の具体的な事例を示し、このうち武力攻撃に至らない侵害、いわゆるグレーゾーン事態への対応と、国連PKOを含む国際協力などの合わせて7つの事例を説明しました。
その後グレーゾーン事態への対応などを巡って意見が交わされましたが、結論は出ず、来週、改めて議論することになりました。
15事例の内訳は、いわゆるグレーゾーン事態への対応が3例、国連のPKOや集団安全保障に関するものが4例、集団的自衛権に関係するものが8例です。
テレビでは、自民党の責任者である高村正彦氏は、1項目でも合意されれば集団的自衛権行使容認の閣議決定に入ると発言しました。当然、集団的自衛権に関係する8事例が対象と思われますが、テレビでは明らかではありませんでした。いずれにしても恐るべき話です。
西日本新聞が、「公明への配慮急変 自民幹部『首相止めるのは無理』」との記事を載せました。安倍首相の考え方とそれを受けた高村氏の発言の背景が良く理解できます。
ここにきて安倍首相とその取り巻きが本性を現したわけですが、公明党がそんな狂気に屈するようでは日本は奈落の底に落ちることになります。
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公明への配慮急変 自民幹部「首相止めるのは無理」
西日本新聞 2014年05月27日
集団的自衛権の行使容認に向け、安倍晋三首相が強硬姿勢に転じた。憲法解釈変更の閣議決定を「今国会中に絶対やる」という首相の意向が明らかになり、公明党には緊張が走る。首相が言葉通りに強行すれば、反対する公明党は屈服か、連立離脱かの選択を迫られかねない情勢だ。
27日の与党協議を前に公明党は26日夕、山口那津男代表、井上義久幹事長ら幹部が国会内の部屋に勢ぞろいし、1時間半近くにわたり対応を話し合った。
「明日の与党協議は入り口からもめそうだ」。会合後、幹部の一人は厳しい表情で語った。自民党は27日の協議でグレーゾーンとPKOを事実上終わらせようとしているのではないか-。別の幹部は言い捨てた。「本気でそう言っている人がいるとすれば、ばかだ」
複数の関係者によると、首相から今国会中の閣議決定の決意を伝えられた自民党の高村正彦副総裁は22日、公明党と太いパイプを持つ大島理森前副総裁とひそかに会談した。「首相は絶対にやると言っている。これ以上、止めるのは無理だ」。話を聞いた大島氏は、すぐに公明党の漆原良夫国対委員長に連絡を入れた。
翌23日、都内で首相の意向を伝える高村氏に、漆原氏は厳しい口調でこう切り返したという。「官邸も自民党も、公明党は押せば何とかなると甘く考えているようだが、違うと首相に伝えてほしい」
閣議決定の時期について「期限ありきではない」と公明党への配慮を見せていた首相の急変。関係者は、理由の一つを公明党の支持母体である創価学会広報室が17日に発表したコメントにあるとみる。
学会は「集団的自衛権を限定的にせよ行使するという場合には、本来、憲法改正手続きを経るべきだ」と閣議決定による解釈改憲への反対姿勢を鮮明にした。政治的テーマに学会が見解を出すのは異例だが、原田稔会長、正木正明理事長、谷川佳樹事務総長ら最高幹部が了解したものだった。
集団的自衛権には選挙で実動部隊となる学会婦人部の反発が特に強い。来年の統一地方選で「完勝」を目指す公明党は統一選後まで閣議決定を先送りし、最終的に封印する戦略を描く。
こうした公明党の狙いを首相は熟知する。閣議決定を先送りすれば「宿願」である集団的自衛権の行使容認が遠のく上、支持基盤である保守層の失望を招きかねない。今国会の会期末は6月22日-。自民党内では、逃げ切りを狙う公明党に圧力をかけるため、会期を1カ月程度、大幅に延長する案も浮上している。