2017年8月17日木曜日

17- テレビ朝日が萩生田光一幹事長代行に全面屈服、加計報道も縮小!

 LITERAは、最近テレビ朝日の『羽鳥慎一モーニングショー』が急に加計問題に消極的になったとして、その理由は、安倍首相と頻繁に会食を重ねるテレ朝の“ドン”である早河会長や篠塚浩取締役報道局長から現場に、一方的に政権批判だけを報道するのはやめろと圧力がかかっているからではないかと述べています。

 「安倍一強」体制が崩れ、官邸からの締め付けも弱まったのではないかと見られがちですが、実はそんなに簡単に変わるものではなく、とりわけ首相とメディアトップスとの会食の威力は侮れないようです。
 メディアの現場の奮起を促したいと思います。
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テレビ朝日が萩生田光一幹事長代行に全面屈服、加計報道も縮小!
やはり安倍首相と会食した早河会長ら幹部が圧力か
LITERA 2017年8月16日
 7日放送の『グッド!モーニング』(テレビ朝日)で、自民党幹事長代行の萩生田光一議員に対し謝罪した件がいまだ波紋を呼んでいる。
 問題になったのは4日に放送されたジャーナリスト田原総一朗氏のインタビューだった。この日、田原氏は自民党役員人事、特に幹事長代行になった萩生田光一議員についてこう批判した。
萩生田光一さんを幹事長代行にした。これで僕はぶちこわしだと思う。すべてぶちこわし。萩生田光一というのはね、加計学園問題のいわば一番の責任者ですよ。自民党の何人もの実力者に聞いたけど、なぜ安倍さんが彼を推したのか理解できないとみんなそう言っています」
 続けて田原氏は「内閣改造ですべて終わったわけではない」として加計孝太郎理事長、稲田朋美元防衛相、安倍昭恵夫人の証人喚問が必要だと強調している。

 田原氏の発言はジャーナリストとしてしごく当然のもので、目新しいものでさえない。ところが、放送から3日後の同番組では「萩生田幹事長代行から抗議を受けました」として、「田原さんの見解とはいえ、『加計学園問題の一番の責任者』というコメントは、一方的で、正確性を欠く表現でした」と謝罪、萩生田氏が6月24日の閉会中審査で「私が指示を受けたり、文科省に対して指示を出したこともない」「工期や開学時期について発言したことはありません」など加計問題に関する“萩生田指示”を否定する発言を改めて紹介、萩生田氏にお詫びしたのだ。
 まさに全面降伏、全面謝罪だが、しかしすでに複数の報道、また本サイトも繰り返し指摘しているように、安倍首相の“側近中の側近”である萩生田氏が加計学園問題に関し大きな役割を果たしてきたことは事実だ。

 実際、文科省が公開したメールや添付書類には萩生田氏が「広域的に」「限り」という事実上の「京都産業大学外し」を内閣府に指示していたことが、はっきりと記されていたし、6月19日にNHKがスクープした文部省の内部文書「10/21萩生田副長官ご発言概要」でも、萩生田氏が文科省に対し「総理案件」であることを伝えていたことが明らかになっている。
 萩生田氏は国会などで、それらを全面否定しているが、しかしそこで“安倍首相と加計孝太郎理事長が腹心の仲なのは最近知った”などと大嘘をついていたことからもわかるように(萩生田氏は加計学園が経営する千葉科学大学の客員教授を務めており、さらに安倍首相、加計理事長との3ショットを自身のブログに掲載もしている)、その否定発言など到底信用できるものではない。いずれにしても、田原氏のコメントが正当な論評の範囲内であることは疑いようもない。

『羽鳥慎一モーニングショー』が急に加計問題に消極的になった理由
 では、なぜ、『グッド!モーニング』およびテレ朝は萩生田氏からの圧力に簡単に屈したのか。そもそもテレ朝といえば、当初、森友問題に関し沈黙を守っていたテレビ局のなかでもいち早く問題を取り上げ、その後も『報道ステーション』『羽鳥慎一モーニングショー』などで、森友問題や加計問題を徹底追及してきたのではなかったのか。
 だが実をいうと、最近、テレビ朝日の報道姿勢は大きくトーンダウンしていた。たとえば『モーニングショー』をみても、都議選前後から加計問題の扱いが急に小さくなり、最近は「羽鳥のニュースもう一本」などのコーナーで“付け足し”的に報じるだけになってしまっている。先の都議選で自民が惨敗した翌朝も、安倍首相の「こんな人たち」発言について、フジの『グッディ』などは大々的に追及したのに、『モーニングショー』は秋葉原での街頭演説の様子は報じたものの「こんな人たち」発言の部分はその映像を流さず、かろうじてコメンテーターの玉川徹氏が「映像にはなかったが」と言及しただけだった。その変化についてあるテレ朝関係者はこう解説する。
上層部から現場に“一方的に政権批判だけを報道するのはやめろ”と圧力がかかっているようですね。どうも“テレ朝のドン”である早河(洋)会長や篠塚浩取締役報道局長の指示じゃないかと言われています」

 たしかに、テレ朝の“ドン”である早河会長は、同局の番組審議会の委員長をつとめる見城徹・幻冬舎社長を通じて、安倍首相と接近し、頻繁に会食を重ねるなど“昵懇”と言われる。最近でも、衆院本会議で共謀罪が強行採決された翌日の今年5月24日、早河会長は篠塚浩取締役報道局長、伊井忠義政治部長、総理番のY記者を同席させ、安倍首相と3時間にもわたり会食。この会食の後、篠塚報道局長、伊井政治部長が「政府の言い分も報道しろ」などと現場に圧力をかけていたという疑惑が浮上した。
 実際、安倍首相と早河会長の会食の直後、テレ朝の政治部記者が菅偉義官房長官の会見で、“助け舟”質問をしたことが話題になったが、これも伊井政治部長の指示、忖度ではないかと言われている。また、都議選前、上層部から“自民党と都民ファーストをクローズアップするよう”との社内メールが回っていたことが発覚したが、これも安倍首相と会食に同席した篠塚報道局長の腹心がメールを送信し指示したものだった

「『モーニングショー』が加計追及に消極的になったのも、今回の『グッド!モーニング』の全面謝罪も、早河会長をはじめとする報道幹部による安倍首相との癒着と忖度の結果でしょう。同じテレ朝でも『報道ステーション』などは毅然と抵抗しているようですが、ワイドショーを担当する情報局は、こういう圧力に本当に弱い。『モーニングショー』は人脈的にも、番組審議会委員長の見城氏の影響力も大きいですからね」(前出・テレビ朝日関係者)
 この間、メディアに圧力をかけ、「報道の自由」を押しつぶしてきた安倍政権も支持率急落でかつてのような力はない。いまなら、その圧力に十分対峙できるはずなのに、結局、マスコミ幹部の弱腰、忖度体質はまったく変わっていないのである。権力をチェックすべき報道機関がこんな体たらくでは、またぞろ政権に巻き返され、かつての「権力は批判できない」暗黒状況に後戻りしてしまう日もそう遠くはないかもしれない。(編集部)