2017年8月20日日曜日

加計学園獣医学部設計図 「水増し請求詐欺」を裏付ける安普請

 田中龍作ジャーナルが、今治市に開設予定の獣医学部棟の設計図を入手し、専門家にチェックしてもらった結果を報じました。

 獣医学部棟は実験施設や教室などが入る鉄骨造7階建て建物で、専門家によるとその詳細は「一番安いビニル床シート、ビニル床タイルが使われ、も安いビニルクロス塗装天井の化粧石膏ボードは廉価なオフィス仕様」であり、床も埋設型ケーブルダクト用の床上げがされていない倉庫レベルの仕様だということです。
 坪単価は70万円~80万円と見られ、以前の80万円~100万円よりさらに大幅に下がりました。加計学園はこの「安普請の校舎を192億円と見積もっているので、最大で80億円も水増し請求がされている可能性があるということです。

 また5階に設けられる実験施設(ルーム)については、加計学園側は「BSL(バイオセイフティーレベル)3」の施設を作ると説明しているものの、一見して「レベル2」以下のものだということで、研究設備の設計経験がなく、動物実験についての知識を持たない人間が設計したのではないかということです。加計学園は獣医学部でトップクラスの研究・教育を目指すとしていますが、それ以前の問題として施設自体が全く対応していないということです。

 今治市は獣医学部新設に向けて巨額の補助金の支給をたった一日で即決したことも含めて、獣医学部の新設に伴う疑惑が次々にクローズアップされています。
 田中龍作ジャーナルの記事を紹介します。
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【加計疑惑】これが設計図だ 「水増し請求詐欺」裏付ける安普請
田中龍作ジャーナル 2017年8月18日 18:03   
 急ピッチで建設が進む加計学園・岡山理科大学今治キャンパス。『田中龍作ジャーナル』は、キャンパスの中心となる獣医学部棟の設計図を入手した。
 実験施設や教室などが入る建物は、鉄骨造7階建て。設計図はA3版52ページに及ぶ。ひとつひとつの材質、工法に至るまで全てが指定されている。
 建設会社は設計図を見て入札価格を決めるという。果たして192億円もする施設の中心棟なのか? 著名な1級建築士に日数をかけて解析してもらった。

 「図面番号A‐02(図面名称・仕上表)」に床、壁、天井などの材質が指定されている。建築士は「ここがミソ」と力を込める。
 「ビニル床シート、ビニル床タイルは一番安い。壁のビニルクロス塗装も安い。天井の化粧石膏ボードは廉価なオフィス仕様」…建築士は「安い」を連発した。
 「図面番号A‐16(断面図)」を見た時は「えっ!ホントかな?」と呆れたという。
 「床下に電線やインターネットLANを通すための床上げをしていない」のだそうだ。「倉庫レベルの仕様。安い。最低限」と吐き捨てた。
 建築士は「坪単価70万円から80万円。どの建築家に見せても同じようなことを言うと思うよ」。
 加計学園の請求を坪単価にすると150万円。建築士の見積もりの2倍である。
 「安普請であることは確か」。建築士は締めくくった。

 酒好きで鳴る加計孝太郎理事長の指示があったのか、どうか分からないが、最上階はパーティールームとなっており、ワインセラーもある。
 流出した設計図が示す結論はこうだ
 施設費は192億円もしない。最大で80億円も水増し請求がされているのである。(著名な1級建築士の見積もりが正しければ)

 獣医学の専門家と農水省の元技官にも設計図を見てもらった。5階部分には実験設備もある。
 加計学園側は「BSL(バイオセイフティーレベル)3」の施設を作ると説明している。レベル4まであり、数字が高くなるほど扱うウイルスの危険度は増す。
 ところが設計図を見るなり2人とも「これレベル2ですね」と指摘した。「レベル2」だとしても雑な造りだという。
 「(外にウィルスが出ないようにするため実験室の気圧を下げる)陰圧の設備もありませんね」「とても(定員の)160人が実験に出席できる設備ではない
 獣医師の国家資格を取得するには偏差値が65程度は要る。すでに開学している加計学園の学生たちを見る限り、65は夢のまた夢だ。
 国家戦略とはまったく不釣り合いのお粗末な学校の建設に、愛媛県と今治市は96億円も援助しなければならないのだろうか。
 文科省の大学設置審が認可した場合は、私学助成金として国民の血税が注ぎ込まれることになる。
〜終わり~