ジャーナリストの田原総一朗が28日、安倍首相に「政治生命を賭けた冒険をしないか」と提案した内容についてさまざまな憶測が行われていますが、天木直人氏は「ズバリ憲法9条改憲を封印しろということ」だと思うとブログに書きました。
そうすれば公明党は喜ぶし、小池新党との連携も進めやすい、何よりも野党共闘にとって攻めどころがなくなるからだ、というわけです。
極めてユニークな発想です。
ちなみに天木氏は元駐レバノン特命全権大使で、16年8月に「新党憲法9条」を設立しその代表を務めています。
そして9条擁護の立場から様々なテーマについて斬新な見解をブログに発表しています。
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田原総一朗の安倍首相への助言はズバリ憲法9条改憲の封印である
天木直人のブログ 2017年8月2日
「政治生命を賭けた冒険をしないか」
ジャーナリストの田原総一朗が7月28日、官邸で昼食に招かれて安倍首相にそう提案したらしい。
こんな事をみずから宣伝して政権の指南役を気取るところが如何にも田原氏らしいが、このメルマガは田原批判ではない。
どんな提案をしたかだ。
これまでいろいろな観測が出ていて、その中でも北朝鮮の電撃訪問の可能性が高いと言われているがとんでもないピント外れだ。
その提案とはズバリ憲法9条改憲を封印しろという事であると私は思っている。
安倍首相が憲法9条改憲を封印すれば公明党は喜ぶ。小池新党との連携も進めやすい。
何よりも野党共闘にとって攻めどころがなくなる。それは取りも直さず共産党の孤立を意味する。
唯一の障害は、安倍首相を支える右翼の反発だが、そもそも安倍首相を支える右翼は安倍首相の言いなりだ。
安倍首相が自衛隊明記だけでいいという滅茶苦茶な改憲案を提示しても、それでいいと受け入れるような腰抜け連中だ。
そんな右翼を黙らせるのは安部首相しか出来ない。
田原氏が、「安倍首相しか出来ない事」とはそういう意味だ。
そして、昨日言った事と違う事を突然言い出すのは安倍首相のお得意だ。
改憲の議論は引き続きやってもらう。しかし国民的合意を得て丁寧にやる必要がある事に気づいたといって謙虚になった安倍を売り込める。
安倍首相にとっては憲法9条改憲よりも延命なのである。
そして、私が田原氏の助言が憲法9条改憲の封印であると思う最大の理由は最近の田原総一朗はやたらに護憲ぶりを発揮しているという現実だ。
後になって、その提案が明らかになり、安倍首相の9条改憲を踏みとどまらせたのは俺だと、その平和主義ぶりを宣伝できる。
何から何まで、安倍首相と田原総一朗にとって都合のいい話ばかりだ。
単純な安倍首相がその気になったとしてもおかしくはない。
田原総一朗が助言したのは、ズバリ憲法9条改憲の先送りである(了)