2017年8月4日金曜日

安倍首相と加計学園 癒着の決定的証拠 週刊文春がスクープ

 「週刊文春」8月11日号が、2009年の総選挙で加計学園の職員たちが公示前から出張などの名目で安倍晋三氏の応援に駆り出されたことを詳細に報じました。
 それにとどまらず、安倍氏は側近である萩生田光一氏が落選中に収入の道を得るために加計学園関連大学の客員教授に押し込むなど、様々な安倍人脈を送り込んでいるということです。
 これまで加計氏とは学生時代からの友人で、その関係は清廉で実利的なものは何もないと強調してきましたが、実態はズブズブの関係にあったわけです。


 併せて前川喜平前文科事務次官は2日、福島市で講演した記事を紹介します。
 集まった聴衆は400人ということで、前川氏が広く国民に信頼されていることが分かります。
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安倍首相と加計学園“癒着”の決定的証拠!
 加計が職員を安倍の選挙に動員していた事実を
LITERA 2017.08.03
 土地取引の交渉の場での詳細な内容に音声データの公開と、ここにきて一気に再び動き出した森友学園問題。これら新証言と証拠はこれまでの財務省の説明を覆すもので、森友学園に対する不正な土地取引を財務省が主導していたことがはっきりとした。
 そして、もう一方の加計学園のほうも、新たに「文春砲」が放たれた。きょう発売の「週刊文春」(文藝春秋)が、2009年の総選挙で、加計学園が安倍晋三氏の選挙のために、職員に“出張命令”を出して選挙活動に動員していたと報じたのだ。

 まず、同誌の記事では、加計学園の元教授が「加計学園は以前から岡山選出の国会議員を支援してきましたが、この〇九年の選挙では、岡山とは関係ない安倍氏や塩崎恭久氏(編集部注:愛媛選出)の選挙事務所に職員を二人ずつ派遣していたのです」と証言している。
 2009年の総選挙といえば、安倍氏が体調不良を理由に総理大臣の職をたった1年で自分から投げ出したあとにはじめておこなわれた選挙であり、安倍氏にとってはいままでの人生でもっとも逆風に晒された選挙戦と言ってもいい。実際、この選挙で自民党は結党以来の大惨敗を喫し、政権交代を許したが、“自民党不信”をつくり出した当事者である安倍氏の焦りは相当なもので、選挙の公示1カ月前から支援者宅などを1日に200カ所あまりも挨拶回りに出るというドブ板選挙を展開していたほどだ。

 この最大の危機に立たされた選挙戦に、加計学園の職員が派遣されていた─。しかも、加計グループの教職員組合の関係者は、もっと詳細にわたって証言をおこなっており、「学校の事務長クラスが受験生確保などの名目で出張命令を出し」て若い職員を安倍氏や塩崎氏の選挙区に送り込んでいたことや、公示前にも職員が派遣されていたことを告発。「交通費や宿泊費は学園側が負担し、下関ではアパートも借りていたはず」とまで言うのだ。
 さらに、こうした証言を裏付ける証拠もある。「週刊文春」では、加計グループの教職員組合がこの選挙動員をパワハラとして調査を要求し、2009年7月28日付で提出した文書を掲載しているのだが、そこにはこう書かれている。
岡山理科大学、倉敷芸術科学大学および千葉科学大学に所属する事務職員が2009年8月末投票予定の衆院議員選挙において、実質強制的に特定政党の選挙運動に動員されていると聞き及んでいる。職場の上下関係において上位にある者が行えば、強要の意図がなくとも下位の者は非常に断りにくい状況に追い込まれることは火を見るより明らかであり、これは思想信条の自由に対する重大な侵害である

安倍首相と加計孝太郎理事長の“貸し借り”の関係
 団交においてこの要求書が出され、当時の岡山理科大学の波田善夫学長も「えっ、出張命令でやっちゃったの?」と反応したという。結局、出張命令は取り消され、職員は“有給休暇を取って自主的に選挙活動を手伝った”というかたちで処理されたらしい。
 もし学園側が職員を強制的に選挙応援へ動員していたとなれば、すでに時効が成立しているとはいえ、公職選挙法違反の疑いが出てくる重大な問題だが、しかし最大のポイントは、安倍首相と加計理事長の“政治的つながり”、そしてふたりはこうした“貸し借りの関係”にあったという事実だろう。

 安倍首相は先般の閉会中審査において、「加計学園の獣医学部新設計画は今年1月20日まで知らなかった」という白々しいにも程がある主張を展開したが、そのとき、こうも強弁していた。
「いままで彼もさまざまな学部・学科をつくってきたわけでございますが、そういうことも含めて具体的にですね、何かをいまつくろうとしている、今回で言えば『獣医学部をつくりたい』、さらには『今治市に』といった話は一切ございませんでした」
「私と加計さんのあいだにおいて、お互いの立場を利用して何かを成し遂げようとしたことはただの一度もない」
「まさにそういう関係であるからこそ、友人としてお互いに長い付き合いができたと考えている」
 友人関係において相手の立場を利用したことは一度もない──。安倍首相はこうやって“美しい友情”を強調したが、実際は逆風選挙の応援に人員を出してもらうという、まさにズブズブの関係だったわけだ。

 さらに、本サイトが先日の記事で指摘していた「加計学園がどういう学部をつくろうとしているかを話題にしたことも一度もない」という安倍首相の答弁の嘘についても、今回、「週刊文春」が改めて証拠を突きつけている。それは加計学園が運営する千葉科学大学が10周年を迎えた際に作成された記念誌に、安倍首相が寄せたメッセージだ。
危機管理学部は(略)東アジアにおける緊張などの不測の事態に的確に対処出来る専門知識を養成するという、時代の最先端を行く学部と拝察しております〉
千葉科学大学の新設学部は安倍首相の発案だった

 国会では「お互い自分の仕事の話はしない関係だから、ここまで付き合いがつづいてきたんだ」と主張したが、そのわりになぜか安倍首相は学部の内容までよく知っている。
 それもそのはずで、既報の通り、同大の元教員は「文藝春秋」の取材に対し、この危機管理学部は〈安倍の発案で設置された〉と証言しているほど。しかも、この元教員自体が「安倍さんから、『教授として名前だけ貸してくれないか』と頼まれました」とも述べている。また、同校で客員教授を務め、きょうの内閣改造でまさかの自民党幹事長代行のポストの座に就いた萩生田光一・前官房副長官についても「萩生田さんも安倍枠のはずです。安倍さん自身が『萩生田は浪人(落選)して金が大変なので、加計に面倒見てもらうよう俺が頼んだんだ』と言っていました」と証言しているのである。
 同大には、萩生田前官房副長官のみならず、木曽功・前内閣参与や、井上義行・元首相秘書官、江島潔・元下関市市長といった「安倍人脈」が大量に流れ込んでいる。他方、加計理事長は「自由民主党岡山県自治振興支部」の代表者として政治資金収支報告書に名を連ね、同支部の所在地も加計学園グループの予備校である英数学館岡山校の住所が記載されている。

 ここまでくると、“ぼくたちの友情は潔白”などとよくもまあ言えたものだと呆れ果ててしまう。現実は、「子飼い議員の面倒を見てもらっている」「支部の面倒を見てもらっている」「メシを奢ってもらった」「選挙で動員してもらった」という積もり積もった貸しを、国家戦略特区を利用して「お返し」したというのが、ふたりの友情の実態なのではないのか。
 今回の選挙動員疑惑によって、そうした安倍首相と加計理事長の「悪巧み」関係の真実の姿が、またひとつ暴かれた。籠池氏に対してそうしたように、加計理事長の証人喚問が絶対に必要だ。(編集部)



前川氏「お友達優遇。権力の私物化だ」と批判 
   加計問題解明へ理事長ら喚問を
河北新報 2017年8月3日
 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設問題で、前川喜平前文部科学事務次官は2日、福島市で行った講演で「まだ聞き取りをしていない学園関係者らの話も聞くべきだ」などと述べ、真相解明には加計孝太郎理事長らの証人喚問などが必要との認識を示した。
 前川氏は、加計理事長らを呼ばない政府や与党の対応を「お友達優遇。権力の私物化だ」と批判。証人喚問などの対象に、獣医学部新設を国家戦略特区として申請した愛媛県今治市の菅良二市長も挙げた。
 自身が参考人として出席した衆参両院予算委員会の閉会中審査に関しては、和泉洋人首相補佐官らの証言などを念頭に「『記憶にない』と繰り返す役人らを見て気の毒に思った」と語った。

 約400人が集まった講演では、文科省時代から実現を唱えてきた公立夜間中学について「義務教育の最後のよりどころだ」と全国に設置する必要性も訴えた。