2017年8月1日火曜日

田原総一朗氏が安倍首相に北朝鮮訪問を提案?

 ジャーナリストの田原総一朗氏が、安倍首相に「政治生命を賭けた冒険をしないか」とある提案をしたことが話題になっています。田原氏は歴代の首相と直に連絡を取って面会した実績を持っていて、安倍首相に対しても同様であるということです。
 提案の中身は明らかにされていませんが、田原氏がまず菅官房長官にもちかけたところ、菅氏から報告を聞いた安倍首相が興味を持ち、彼を官邸に招いたということです。

 LITERAは「北朝鮮を電撃訪問し、金正恩氏と米・韓首脳との会談の橋渡しを果たす」ことを提案したのではないかという見方を紹介しています。
 安倍首相と言えばこれまで北朝鮮が核実験や中・長距離ミサイルの開発実験を行うたびに、世界の先頭を切って口を極めて糾弾する声明を発表していて、今度のICBM発射実験でも「もはや話し合いの段階は過ぎた(要旨)」とまで述べています。
 そんな人間が米・朝の仲介役を果たせるのかと思わざるを得ませんが、金正恩氏はこれまで一貫して米国との直取引を主張しているので、もしも米朝対談の実現につながるものであれば受け入れることにやぶさかではないのかも知れません。
 しかし、このことは米(・韓)国の了解が得られなければ進められません。これまで米国に対しては呆れるばかりの強硬路線を主張してきた安倍氏は、どの面を下げて対話路線を提案するのでしょうか。

 いまは支持率の回復しか眼中にない安倍首相は、それで人気が回復するのであればと考えているのでしょう。仮に成功した場合、メディア(の政治部)は大いに持ち上げる筈ですが、国民は果たして拍手喝采するでしょうか。
 首相になってから早4年半が経つというのに、重大問題である拉致問題についてはただの1ミリも解決に向けて進めようとはしませんでした。そんな人間がいまさら「仲介」に成功したからと言っても、それは拉致問題には関係のないことなので、国民にはむしろそういう派手な舞台でしか動かない人間なのか?と映るだけなのではないでしょうか。

 北朝鮮にしても、米国にしても、韓国にしても、この件では、安倍首相が最も得意とする相手に「忖度させる」手法が全く通用しないことはいうまでもありません。
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田原総一朗が安倍首相に提案した「政治生命を賭けた冒険」は北朝鮮訪問、
金正恩との首脳会談か?
LITERA 2017.07.30
「政治生命を賭けた冒険をしないか」
 ジャーナリストの田原総一朗が28日、官邸で安倍首相にこんな提案をしたことを明かし、話題になっている。この間までリベラルなポーズをとって政権批判をしていたと思ったら、突如、指南役として首相に接近する。まったく相変わらずのタヌキジジイぶりだが、問題は首相もその気になったという「政治生命を賭けた冒険」がいったい何だったのか、ということだ。

 普通に考えれば、「解散総選挙」を迫ったとしか思えないが、マスコミの取材に応じた田原氏は、「そんな細かい問題じゃない」と否定。「そのうち分かる」と言い残しただけで、具体的内容には口をつぐんでいる。
 しかし、田原氏に近い複数の関係者に取材してみると、彼らが口をそろえたのが「北朝鮮電撃訪問、金正恩委員長との首脳会談を提案したんじゃないか」という見方だ。
「田原さんは安倍首相に“金正恩委員長と会談をして、核ミサイル開発をストップするよう説得するつもりはないか、そうすれば、一気に支持率を回復させられる”という話をしたんじゃないかな。本人には確認したわけではないが、田原さんの普段の言動や前後の状況から考えてその可能性が一番高いと思う」(田原と親しい新聞記者)

 また、別の関係者は、もし田原氏が北朝鮮訪問を提案したとしたら、なんの根拠もなく思いつきで言ったわけではないだろうという。
田原さんはもともと朝鮮総連に取材ルートがある。そのルートから“安倍首相なら金正恩委員長が会談に応じる”という感触を得たんじゃないでしょうか。というか、最初は向こうからアプローチがあったんじゃないか。北朝鮮はいまは超強硬路線をとっているが、このままチキンレースを続けられるとも思っていないはず。裏では落とし所を模索していて、安倍首相に韓国、米国への橋渡し役を期待し、田原氏に話をもってきたのかもしれない

安倍首相の北朝鮮訪問に現実性はあるか、障害となる極右支持勢力
 そういえば、今回の安倍・田原会談は、まず、田原氏が政府関係者に提案をもちかけ、その関係者から報告を聞いた安倍首相が興味を持ち、田原氏を官邸に招いたと報道されている。もし、田原氏の提案が「金正恩が会談に応じる」という話なら、安倍首相のこの積極的な反応もうなずける。
 というのも、世界のどの国の首脳とも会っていない金正恩と会談をし、核・ミサイル開発をストップさせ、拉致問題にも一定の回答を出させることができたら、起死回生どころか、支持率をV字回復させることも夢ではないからだ。
 実際、これまで安倍首相を徹底的に批判してきた本サイトですら、それが実現できたら、安倍首相を評価するだろう。

 しかし、ある程度の実現性があったとしても、安倍首相が本当にそんなことをやれるのか。なぜなら、安倍首相のコアな支持勢力は、北朝鮮との平和な対話路線など望んでおらず、むしろ、戦争の口実を探しているからだ。成功すればいいが、失敗したら、それこそ安倍首相は日本会議やネトウヨなどのもっとも強固な支持基盤からも総攻撃を受けることになるだろう。
 まあ、だからこそ田原氏も「政治生命を賭けた冒険」と言ったのだろう。もし安倍首相が本当に国民のことを考えているというなら、日本会議やネトウヨを切り捨て、その「冒険」に乗って、東アジアの平和を実現してほしい。そのほうが憲法改正などよりはるかに意味のあることだろう。(編集部)