2017年8月19日土曜日

米朝間の緊張に乗じて防衛省が大散財 宇宙部隊も設立

 17日行われた日米2プラス2」で、日米軍事同盟における自衛隊の役割拡大が決まり、その一環として陸上配備型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の導入が決まりました。

 PAC3は射程が20キロ程度なのに対して、こちらは数百キロの射程を持っので高高度を飛翔するICBMも迎撃できるという謳いこみです。しかし実際に目標に衝突させられるかは別問題で、付帯設備が充実していたとしても、ミサイルには「飛来する弾丸を弾丸で撃ち落とす精度」が要求されるのに、到底そんな精度を備えているとは思えません。
 そんな効果が大いに疑われる兵器であるにもかかわらず、ミサイルシステムは1式で800億円、そこから発射されるミサイルの単価は10~20億円もします。
 セールストークを鵜呑みにして売り手の言い値で購入する・・・売る側から見ればこれほどボロイ商売はありません。何故意味不明の軍事費の拡大に何の抵抗も持たないのでしょうか。しかもそれを機に自衛隊は宇宙状況監視運用部隊を設置するということでが、「運用」というあたりに如何にも胡散臭さが伴います。

 日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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北危機でまたも防衛省“焼け太り” 自衛隊に宇宙部隊も設立
日刊ゲンダイ  2017年8月18日
 日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)が17日、ワシントンで開かれ、米国が「核の傘」を含む抑止力を日本に提供することなどを明記した共同文書を発表した。
 トランプ政権下で初の2プラス2には、河野太郎外相と小野寺五典防衛相、米国のティラーソン国務長官、マティス国防長官が出席した。

 共同文書には、米国が日本を「核の傘」で守る見返りに、日本は同盟強化の役割を拡大することが盛り込まれ、次期中期防衛力整備計画(19~23年度)を通じ、防衛体制と能力の向上を図る方針が確認された。
 具体的には、次期中期防で、北朝鮮の弾道ミサイルを打ち落とす地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」など新たな防衛装備品を米国から購入すること。「イージス・アショア」は1基当たり800億円を超える高価な装備だ。
 また、共同発表では、人工衛星などへの攻撃を監視する重要性を強調。防衛省はこれに対応するため、自衛隊に初の宇宙専門部隊の宇宙状況監視運用部隊を設置する。

 これらにより、防衛費がハネ上がるのは必至。防衛省内では早くも「次期中期防の防衛予算は(現中期防の平均伸び率の)8%の伸びではでは足りない」との声が上がっており、政府も08%を上回る伸び率を容認する方針だという。
 今年度の防衛費は前年度比08%増の約49兆円だが、来年度予算では5兆円を超えてどれだけ増えるか。
 防衛省は、中国の東シナ海進出などを引き合いに現中期防の防衛費を増やしてきた“前科”がある。次期中期防では北朝鮮のミサイル危機を口実に、またもや“焼け太り”だ。